坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月30日

(令和2年10月30日(金) 12:16~12:33  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 それでは、私の方から幾つか御報告をさせていただきます。
 先週の国家戦略特区諮問会議での論議を受けまして、本日の閣議で国家戦略特別区域基本方針を一部変更いたしました。今回の変更では、まず、国家戦略特区制度の目標として、「デジタルトランスフォーメーションの推進」、「新たな生活様式」の実現のための規制改革の推進などを新たに追加いたしました。また、「スーパーシティ」構想の推進に向けて、「スーパーシティ」区域の指定基準、基本構想に関する住民等の意向の反映や確認の方法、「スーパーシティ」の実現に向けた支援措置などを規定いたしました。「スーパーシティ」につきましては、今後は年内を目途に区域指定の公募を行い、来年春ごろに区域を決定する方向で検討をしています。
 2番目でございますけれども、はじめての移住応援サイト「いいかも地方暮らし」について、御報告をいたします。今年1月に、東京圏在住者を対象にした調査で、東京圏に住む20代の39.9%、30代の35.7%が地方暮らしに潜在的な関心を有していることが判明いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響を背景に、地方移住への関心が高まる中、地方暮らしに関心はあるものの、まだ行動を起こしていない、これら東京圏に住む20代、30代の「移住潜在層」をメインターゲットとして、地方移住を身近に感じ、移住に向けた検討を促すためのサイト「いいかも地方暮らし」を立ち上げます。このような地方潜在層をメインターゲットとし、効率的に移住サイトへの案内、関心喚起の上、各省庁や関連団体等の移住関連情報サイトに橋渡しする広報は、本邦初の試みでございます。
 それから、3番目でございますけれども、今朝の閣議におきまして、子供・若者育成支援を担当する大臣として、11月1日から30日までの1カ月間実施する、「子供・若者育成支援強調月間」につきまして、閣僚の皆様に協力をお願いいたしました。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、子供・若者を孤立させず、地域全体で支えていく社会の実現に向けて、関係省庁、地方公共団体、青少年関係団体等が連携して、全国で子供・若者育成支援のための大会や、街頭啓発活動等を集中的に実施いたします。今年度は、「若者の社会的自立の促進」、「子供を犯罪や有害環境等から守るための取組の推進」、「子供の貧困対策の推進」等を重点事項としております。これにより、子供・若者育成支援に関する国民運動の一層の充実と定着を図ってまいります。
 4番目でございますけれども、学生の就職・採用活動の日程、いわゆる「就活ルール」について御報告をいたします。学生が学修時間を確保しながら、安心して就職活動に取り組むことができるよう、昨日の関係省庁連絡会議におきまして、2023年春に卒業予定である現在の大学2年生については、広報活動を3月・選考活動を6月という現行の日程を維持する方針を取りまとめました。本ルールによりまして、学生の皆さんは、先輩などの活動を参考に、安心して就職活動に取り組んでいただけるものと考えております。今年度末を目途に、経済団体等に対し日程の遵守等を要請する予定ですので、企業の皆様には、是非ともご協力をお願いいたします。なお、本件の詳細につきましては、事務方にお尋ねください。
 最後でございますけれども、出張について申し上げます。地域における意欲のある取組や地域のニーズ等を把握し、今後の地方創生に関する取組に活かすべく、11月3日火曜日に山形県鶴岡市、寒河江市、山形市を視察いたします。詳細につきましては、事務方、まち・ひと・しごと創生本部事務局にお問い合わせください。

2.質疑応答

(問)就職活動についてお伺いをいたします。経団連が就職の目途などを以前は示していたわけですけれども、それが終わってから、もう既に3年ほど経ちますけれども、今回、2023年については、これまでどおり、現行どおりということで、国として方針を出されるわけですが、どうしても通年採用ですとか、そういった課題について求める声は大きいと思います。それから、インターンシップが実質的な採用活動になっているというような課題もあると思います。
 そういったことについて、今後、検討ですとか、採用日程の、2023年以降、2024年卒以降の子供たちについて、検討について進めていく考えなどはありますでしょうか。
(答)現在の高校3年生以降、2024年度以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動の日程ルールにつきましては、今後の状況を見極めながら、あり方を含めて検討していくということにしております。まだ具体的なものはありません。
(問)郵便局ネットワークが地方創生にとって企業や自治体などと連携して築いていく、共創プラットフォームとしての役割で期待される部分というのはありますでしょうか。
(答)JR内房線江見駅に江見駅郵便局というのができたということをお伺いいたしました。郵便局ネットワーク、全国の全ての市町村に2万4,000局ございます。小学校が2万1,000校ですので、小学校よりも多いネットワークでございますので、これを今後、地方を支える重要なインフラ、そして、身近な拠点、担い手のインフラとして、地域づくり、地方創生を進めるために大変重要な役割であるというふうに認識をいたしております。
 それから、今の局長さんたちは非常に若い局長さんが多くて、地域貢献に意欲を燃やしておられますので、今後、郵便局に対しまして、地方創生の面からいろいろ御協力もお願いしたいし、御相談もしていきたいと思います。
 加えて、JR、あるいは郵便局、そしてJA、こういった地方に展開する様々な団体、あるいは企業につきまして、お互いに協力しながら地方創生に力を貸していただくというようなことも進めていきたいというふうに思っております。
(問)地方創生の一環で、都市の一極集中の是正で、若者たちに呼びかけるということに関連してなんですけれども、以前から政府の方で、都市部に居住しながら、週末などに地方で過ごす人の増加にも取り組んでいきたいとかねてからおっしゃっていたと思うんですけれども、今後、実現に向けて、広報や啓発などで、今具体的に検討していることはありますでしょうか。
(答)来年に向けて検討していることは、この前も言いましたように、テレワークの推進、あるいは副業としての地方への貢献、さらにはプロフェッショナル人材の地方への派遣、こういったものを考えております。これから、より具体化させた上で、週末、あるいはいろいろな形で地方公共団体や地方団体に対して、様々な考え方、知恵、そういったものが、地方に対してその能力をお互いに発揮するといいますか、そういうような仕組みをさらに深めていきたい、つくり上げていきたいというふうに思っております。
(問)「いいかも地方暮らし」についてなんですが、改めて、20~30代の東京圏に住む若者をターゲットにということですが、このサイトの効果、期待することを伺えればと思います。
(答)関心はあるけれども、なかなか実動に移せないという方が多くいらっしゃいます。先週もふるさと回帰支援センターの方に行ってまいりましたけれども、相談はしてみるもののというような方もかなりいらっしゃるというふうに聞きました。これを契機に具体的にどこに住む、住みたいか。あるいは、そこで働く場所はあるのか。子育てをどういいふうにするのか。そういう場所がどれだけ充実しているのかというようなことを、十分、この「いいかも地方暮らし」を通して調査をしていただいて、そして、やはり実動に移していただきたい。そのことが地方移住、さらには分散型社会にも繋がるというふうに思っております。
(問)今の「いいかも」に関連して、大臣の御認識をお伺いできればと思うのですが、これまでも地方移住について、地域おこし協力隊ですとか、そういったこと、さまざまな施策をやってきたと思いますが、なかなか移住に結びつかないという現状があると思います。
 今回、情報発信という面で強化をされていくと思うんです。あと、連携という面で強化されていくと思いますけれども、それ以外にどういったところを解決すればいいかと大臣としてはお考えでしょうか。
(答)先般、そのふるさと回帰支援センターに行った時に、やはり、例えば九州だったら福岡市とか、北海道だったら札幌市とか、生活環境、社会インフラが整っている、医療、あるいは教育、そういう所へのまず、移住を希望されるという方が多いということを改めて知りました。
 ですから、今後、そういう生活環境、社会インフラがしっかりした中堅都市、あるいは大都市への東京からの移住を進め、その後、また更にその周辺の地域へ移住するという、2段階移住あたりも今後は考えていかなければいけないのではないかというふうに思います。
(問)今の2段階の地方移住のところに関連して、今週、総務省の発表に、東京の転出超過が3カ月連続でというニュースがありました。一方で、東京周辺の東京圏で見ると、転入超過という状態が進んでいて、恐らく千葉とか神奈川とかには移っているのかなというのがデータとして伺われるところなんですけれども、今後、そういったところについては、さらに、今回のニュース自体をどう評価するかという点と、あと、そこから2段階という点に移していくということでしょうか。
(答)先般、東北、それから北海道、北陸の経済団体の方が来られまして、女性の東京への転出が多いということを言われました。多分、東京近郊から女性の方々の東京への転入といいますか、これが多いんだろうなというふうにも思っております。もう少しそこは分析をした上で、東京近郊の東京への流入がどういう実態になっているのか、それはどういう理由からなのか等はもう少し調べてみないと分からないと思います。移住については、そういった東京近郊の問題もありまして、あと、さっき言いましたような2段階とか、それから、関係人口を増やしていくとか、こういった既定路線のものは今後更に進めていきたいと思っております。
(問)特区の基本方針のことで伺いたいんですけれども、閣議決定された新しい基本方針の方では、特区の特例について、一定期間が経過して特段の弊害がない場合は、全国展開に向けて検討を重点的に進めるという文言が追加されたかと思うんですけれども、諮問会議の民間議員の方々が兵庫県養父市の特例について、特に強く全国展開を求めてらっしゃると思うんですが、基本方針に追加された文言というのは養父市を念頭に置いた文言なのかお聞かせください。
(答)養父市を念頭に置いたものではありません。総論として、まず、基本方針として、先ほど言いました「新しい生活様式」とか、あるいはデジタルとか、それから「スーパーシティ」とか、こういった新たな事態が生じてきましたので、それに対して方針を変更するということであります。
 全国展開につきましては、今後、農林水産省ともよく協議をしながら、お互いの信頼関係をもって、今後のことに対しては様々な法案作成の準備はしていきたいと思っております。

3.資産公開に関する質疑応答

(問)資産公開が行われますけれども、御自身の資産への評価と、この資産公開制度への考えとか、意見があれば教えてください。
(答)資産公開そのものにつきましては、目的は行政の責任者となる国務大臣が自らの資産を国民に公表する。そのことによりまして、在任中の清廉さ、あるいは公正さを保ち、政治と行政に対する国民との信頼関係を築こうということでありますので、それは必要なことであるというふうに思います。
 私自身の資産につきましては、普通であると思っています。ほとんどが親から譲り受けたものでございますので、普通であると思います。

(以上)