井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月24日

(令和3年9月24日(金) 10:43~10:49  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 科学技術政策担当の大臣として報告します。
 第65回国際原子力機関(IAEA)総会の初日となる20日に、私から我が国のメッセージとして、ALPS処理水に係る基本方針について、IAEAより「廃炉計画全体の実行を促進するもの」と評価されたこと、東電福島第一原発の状況について、国際社会に対して科学的根拠に基づき透明性をもって説明を継続するとともに、各レビューの実施に向けてIAEAと協力していく旨を表明しました。
 これに対し、ウィーン時間21日、韓国は、日本の東京電力福島第一原発の処理水の処分方針に関して批判を行いました。これに対し、総会の場において、引原在ウィーン国際機関代表部大使から、以下の発言を行わせました。
 (1)原子力の安全が我々の最優先事項であり、また、ALPS処理水の取扱いについて、客観性、透明性、安全性を確保する上でIAEAの役割が不可欠であり、我が国は国際社会への説明責任を果たすべく、IAEAと緊密に連携してきている。
 (2)我が国は、今月にALPS処理水の安全性と規制に関するレビュー及び海洋モニタリングを進めることにつき、IAEAと合意し、IAEAの取組を円滑に進めるためにあらゆる努力を行う。
 (3)我が国は、規制基準を満たさない限り、貯蔵されている水の放出を承認することはない。
 (4)IAEAは、海洋放出が技術的に実現可能であり、国際的な慣行に沿っていると評価している。
 (5)我が国は、様々な二国間、地域、国際的なチャネルやフォーラムを通じて対話を行ってきているほか、科学的根拠に基づき、一貫した透明性のある方法で関連情報を提供してきており、今後とも、こうした努力を継続していく。
 我が国として、ALPS処理水の処分に当たっては、安全性を確保しつつ、IAEAとの緊密な連携の下、国際社会に対し丁寧に説明をしております。今後とも、科学的な根拠に基づき透明性をもって丁寧に説明し、国際的な理解をさらに醸成してまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今のALPS処理水に関連してなんですけれども、韓国の原発は年間200兆ベクレル以上のトリチウムを海洋放出しています。一方で、ALPS処理水は年間約22兆ベクレル程度と言っていますけれども、韓国が自らこれだけたくさん出しているのに、こういった主張をすることに対して、大臣としてはどのような感想を持ちましたでしょうか。
(答)先ほど申し上げたように、これはIAEAも、ある意味国際的な慣行であると言っておりますので、そういう意味では、そこは是非考慮してもらいたいと思います。
(問)関連しまして、一部報道を見ていると、立憲民主党の枝野代表が、「風評被害を多くの皆様が心配しているのは安心でないことの証しだと思っている」みたいな発言をしていると思うんですけれども、これに関して大臣の御所見をお願いします。
(答)このALPS処理水の処理につきまして、国民の安心・安全、これを確保していくこと、風評被害を発生させないということは非常に重要なことだと思っています。私もメンバーである「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議」において、先月もIAEAなどの「外部の目」で透明性を確保し、国内外に信頼性の高い情報を発信することを含めた対策パッケージを取りまとめて、それに基づく風評被害対策も行っておりますので、しっかり進めていきたいと思います。

(以上)