井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月10日

(令和3年8月10日(火) 10:52~11:05  於:―(オンライン形式))

1.発言要旨


 科学技術政策、国際博覧会担当の大臣として報告します。
 8月4日から9日までG20研究担当大臣会合への出席及びUAE国際博覧会担当大臣との会談等のため、イタリア及びアラブ首長国連邦を訪問しました。
 イタリアでは、G20研究担当大臣会合に出席しました。同会合では、デジタル化に伴う研究・高等教育における課題や対応を盛り込んだ大臣宣言が発出されました。また、サウジアラビア及びトルコの研究担当大臣と会談を行い、グリーン・イノベーションやAIなど、日本との研究者交流や産業界も含めた研究協力を望んでいる分野への具体的な期待も示されながら、さらなる連携の拡大に向けて有意義な意見交換を行いました。対面での意見交換を通じて、具体的な課題・関心を共有しつつ、今後の連携可能性の議論の契機とすることができたことは、成果の一つであると考えています。さらに、G20研究担当大臣会合の機会を活用し、サウジアラビアやトルコのほか、イタリア、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国の研究担当大臣にも、大阪・関西万博参加への協力の要請も行いました。
 アラブ首長国連邦においては、リーム・アル・ハーシミー国際協力担当国務大臣兼ドバイ万博事務局長と会談を行い、ドバイ万博の経験を踏まえた大阪・関西万博の成功に向け、有意義な意見交換を行いました。また、ドバイ万博の会場全体及び日本館などを視察し、準備状況などについて説明を伺いました。
 今回の出張の成果を科学技術政策の推進及び国際博覧会の成功に役立てていきたいと考えています。
 次に、消費者担当大臣として発言します。
 7日、食品表示のオープンデータ化について報道がありました。消費者庁としては、現在多様化する消費者のニーズに応えて、分かりやすく活用される食品表示の実現のためのデジタルツール活用に取り組んでいます。現在、食品業界の実態調査に取り組んでいるところであり、秋には消費者の意向を把握するための実証事業も実施する予定です。来年度に官民協議会を設置し、データのオープン化の方策などについて議論を行っていく予定です。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今回の出張で二国間会談があったかと思うんですけれども、その中で例えば具体的なプロジェクト、大臣会合を契機に具体的なプロジェクトが始まりそうなものがあったら、まず教えていただきたいのですが。
(答)具体的なプロジェクトですか。従来からサウジアラビアやトルコともいろんな協力をやっておりますから、そういった協力について、引き続きの連携を確保していこうと、そういったような話はさせていただきました。
 例えば、サウジアラビアに関しては、学生や研究者交流のさらなる拡大、また従来からの石油化学分野だけでなくて、海水の脱塩処理技術、また高性能蓄電池などに関する協力について方針を確認いたしました。それから、トルコにつきましては、これは安倍総理とエルドアン大統領との間で確認されてきた戦略的パートナーシップ、この方針がありますので、その下でのJSPSの枠組みを通じた研究協力、またJICAとの借款貸付契約を通じたスタートアップを含む小規模事業支援への協力といったようなことについて話し、引き続き協力強化していくといったことを確認いたしました。
 大体、以上です。
(問)話は全く変わるんですけれども、大臣、東京オリンピックが閉会式を迎えましたけれども、開会式と閉会式、大臣は御覧になりましたか。
(答)もちろんニュースでダイジェストは見ておりますけれども、リアルタイムで見てはおりません。とりわけ閉会式のときは出張中だったものですから、そこは残念ですけれども、ニュースで見まして、すばらしい開会式、閉会式、またオリンピックができたと思っています。
(問)例えば、クールジャパン担当大臣として、今まで日本では、例えばゲームだとかアニメだとか、そういうコンテンツ、クールジャパンとしてやってきたかと思うんですけれども、そういう点があまり開会式や閉会式には見られなかったかと思うんですけれども、そこら辺についてはどういうふうに受け止められているんでしょうか。
(答)クールジャパンもそうですし、あるいは万博とか科学技術とか、いろんな面で、このオリンピックの機会に日本としても発信をしたり、あるいは世界との交流をしたいと、実はいろいろ考えておりましたけれども、このコロナの厳しい状況の中、かつ無観客ということで行われましたから、そういう意味では、残念ながらそういった我々の施策を実行することは、今回は難しいのかなということで、基本的には行っておりません。
(問)先ほど出張でドバイ万博の会場を訪れた話があったと思うんですけれども、その成果を大阪・関西万博の成功につなげていきたいという話をされていましたが、具体的な今回の出張の成果を教えてください。
(答)まず、先方の担当大臣との会談の中で、1時間弱に及ぶいろいろ活発な意見交換ができたと思っています。例えば、やはりレガシーが非常に大事だということで、もちろん来場者数とか参加国数といった、そういったデータも大事なんだけれども、やはりいかに心に残るレガシーあるいは形に残るレガシー、そういったことをつくることが大切だといったようなことは、非常に共感するところがありました。
 それから、会場の視察に関しては、やはりコロナ対策、それから熱中症対策、あるいはいろいろデジタル技術などを活用した展示の方法など、大阪・関西万博にも活用できる、参考にできる、そういったポイントがいくつかあったと思っておりまして、大変有意義な視察になったと思っています。
(問)レガシーをつくるというのは非常に大事だと思うんですけれども、具体的にはドバイ万博ではどのようにレガシーを残していくというふうに説明があったんでしょうか。
(答)ドバイの大臣のおっしゃり方というのは、今まで10年間いろいろ準備をしてきたけれども、むしろ今振り返ってみれば、もっとレガシーづくりに重点を置くべきだったと。ある意味、ちょっと反省の弁のような言い方だったんですね。ですから、そういう意味では、現時点においてレガシーづくりがあまりできていないということだったので、そういう意味では、それを他山の石として、大阪・関西万博ではしっかりつくっていかなければいけないと思いました。
(問)レガシーという点に関して、インフラをつくるという点もあれば、記憶だったり、何かしら生活様式が変わったりとか、いろんな点のレガシーがあると思うんですけれども、大臣としては、大阪・関西万博で、どのような形のレガシーというのを重点的に残していきたいなというふうに現時点では考えられていますか。
(答)それは、おっしゃるとおり、いろんな形でのいろんな意味でのレガシーというのがあると思いますので、そういう意味では、別にこういった形のレガシーだけを残すんだとは思っておりません。インフラ、形に残るレガシーもそうですし、あるいはデジタルなどの科学技術などが、この万博を契機に普及していくということもそうだと思います。
 ただ、私は個人的には一番大事なのは、やはり日本の国民の心に残るレガシーだと思っているんです。いつも70年万博のすばらしさを皆さんにも伝えておりますけれども、やはり半世紀以上経っても、あの万博のことを、当時の日本国民はみんな非常にいい思い出として覚えているわけですから、それは最大のレガシーだと思っていますし、今度の大阪・関西万博も、そういった万博としていきたいと思っています。
(問)靖国神社参拝についてお伺いしたいのですが、大臣は終戦記念日の15日もしくはその前後での日程で、靖国神社参拝の御予定はありますでしょうか。もし確定しているものがありましたら、理由もあわせてお願いします。
(答)これは個人として適切に判断していきたいと思っています。

(以上)