井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年7月2日

(令和3年7月2日(金) 10:23~10:41  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 公文書管理担当の大臣として報告します。
 昨日は、国立公文書館が開館して50周年に当たることから、国立公文書館の主催による記念式典が開催され、私も出席し、挨拶を行いました。
 式典では、記念講演やパネルディスカッションなどもあり、福田元総理から公文書管理の重要性や公文書管理法制定時の経緯をお聞きするとともに、パネリストの皆さんから、今後の国立公文書館の果たす役割や展示への具体的な期待などが表明され、非常に有意義でありました。
 国立公文書館の新館建設に向けた準備も着実に進んでおり、新館の展示の在り方と運用上の諸課題を議論する検討会についても、近日中に設置に向け準備をしております。これを機に、国立公文書館がこれからの時代にふさわしい役割をしっかりと果たせるよう、担当大臣として引き続き取り組んでまいります。
 国際博覧会担当の大臣として報告します。
 本日、大阪府知事など大阪・関西の皆様が、大阪・関西万博に関連するインフラ整備などに係る要望を政府に提出されます。この要望も踏まえ、政府としては、大阪・関西万博に関連するインフラ整備の事業計画を策定してまいります。
 もう一件あります。
 まず、参加招請について、新たにアラブ首長国連邦、カザフスタン、スペイン、EUより正式な参加表明をいただきました。UAE及びスペインについては独自のパビリオン建設、すなわちタイプAでの参加表明をいただきました。今回の参加表明を心から歓迎しております。
 次に、招請活動の現状と評価について報告します。
 昨年12月のBIE登録承認以来、私を先頭にオールジャパンで参加招請を行ってまいりました。私自身、各国閣僚とのウェブ会談などを通じ、56カ国1機関へ働きかけてまいりました。
 現在、コロナ禍で各国が経済的、財政的に極めて厳しい状況の中、通常、直前の万博終了後に次の万博の準備に取りかかるところ、ドバイ万博が1年延期になったという特殊な事情もあります。コロナ禍での対面での働きかけも困難です。それでも、インド、英国、ドイツ、フランス、ブラジル、メキシコ、ロシア、EUといったG20の国・機関を含め、幅広い地域から、本日の発表分を含め、合計46カ国5国際機関の参加表明をいただきました。また、それ以外の国からも、最終段階にある国内手続が完了でき次第、参加表明を行う予定であるなどの具体的な発言もあります。厳しい環境ではありますが、着実に前進していると思います。
 タイプAでの出展については50区画を想定し、現在9カ国が出展を表明しています。さらに、特にタイプAでの参加を期待できると考えて積極的に働きかけている一定数の国から、タイプAでの参加に前向きな感触が得られております。
 タイプAでの出展については、「できるだけ多くの国に今年6月末までに参加表明・申請をいただきたい」と申し上げてまいりましたが、これは個性豊かなパビリオンの設計・建設を進めるための望ましいスケジュールであり、期限を設定したわけではありません。より多くの国に早期の参加表明をいただくことが望ましいですが、6月末を過ぎたら受け付けないということではありません。
 今後とも、建設整備の工程を考え、参加者の準備に極力無理がかからないスケジュール感について、理解を得ながら進める必要があると考えております。具体的には、タイプAに限らず、大阪・関西万博の参加表明を年内にいただきたいですが、中でもタイプAでの出展については、本年秋ごろにははっきりした見通しをつけていきたいと考えておりまして、できるだけ多くの国に早期の出展表明をいただけるよう、各国に働きかけてまいります。その上で、最終的には想定規模である150カ国・25機関の参加を実現していきたいと考えております。
 次に、宇宙政策担当の大臣として報告します。
 明日、北海道大樹(たいき)町に出張し、インターステラテクノロジズという地元ベンチャー企業が行う観測ロケットMOMO(モモ)7号機の打上げを視察します。また、時間の許す範囲で地元関係者や開発当事者のお話を伺う予定です。
 宇宙は大きな転換期を迎えており、今までの官需中心の開発から官民共創の時代に移りつつあります。今回視察するインターステラテクノロジズは、ロケット打上げサービスを目指しているベンチャー企業であり、この視察を通じて宇宙開発における民間の力も実感したいと考えております。
 現在、北海道には、まん延等防止重点措置が適用されております。出張先は重点措置の区域外ではありますが、コロナ対策には万全の配慮をしながら視察を行ってまいります。
 最後に、消費者及び食品安全担当の大臣として報告します。
 諸事情が許せば、来週5日に徳島県を訪問し、消費者庁新未来創造戦略本部の開設1周年を記念した「消費者行政新未来創造シンポジウム」に参加するほか、松茂・北島消費生活センター、徳島県立城西高校、上勝町の株式会社いろどりや、ゼロ・ウェイストセンターなどを視察する予定です。地方の消費生活センターの相談員、さらにエシカル消費等の推進に汗をかく方々のお話を伺い、意見交換をさせていただくことで、消費者行政の最前線である地方の実態、エシカル消費を進める上での課題等についてしっかり理解を深めてまいりたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど大臣からも発言がありましたが、タイプAの申請期限、目途としていた6月末を過ぎたということで、現在9カ国がタイプAで申請があったということで。大臣が積極的に各国に働きかけを行ってこられたということは私も存じ上げているんですけれども、一方で、コロナ禍であったりだとか、ドバイ万博が1年延期というのも分かっていたことで、一定の期限が過ぎたということで、今後の招請活動や大臣の活動として、何かこれまでこうした方がよかったなと思われている点であったりだとか、今後何か変えていかれる点というのはあるんでしょうか。
(答)そういう意味では、厳しい状況の中で、既に46カ国、5国際機関の参加表明をいただいたということで、これはタイプAとして50カ国という言い方をしておりましたけれども、参加表明国や機関という意味では50以上になったと思っていますので、一定の成果はあったのかなと。
 ただ、他方で、やはり参加招請活動の高い目標を掲げて、それにオールジャパンで取り組むということも大切ですから、そういう意味では、引き続きタイプA50カ国を目指して取り組んでいくということだと思っております。
 私が感じたのは、参加表明をしていただく国の中でも、タイプはA、B、Cと決め切れないといった国が結構あり、そういう事情が多いんだなということを感じました。ですから、そういう意味で、そこは2段階になっていると言いますか、そこはちょっと難しいところかなということは感じました。
 他方で、事情としては、やはりタイプAはそれぞれの国が設計・施工、全てやってもらうということですから、どうしても他のタイプに比べて時間がかかってしまうので、なるべく早くに表明してもらいたいという、そういう事情もある中で、今後もこの目標をクリアできるように努めていきたいと思います。
(問)既に参加を表明されている国に対して、タイプAに是非どうですかということを改めて働きかけていくだとか、新規開拓もあると思うんですけれども、これまでに参加を表明されているところに対して改めて言っていくだとか、何か今後やられていくことはありますか。
(答)一つは、やはり参加表明をいただいている中でまだタイプを決めていない、そういう国に対しては、是非タイプAでお願いしたいということを申し上げたいと思います。また、他方で、そもそも参加表明もいただけていない国に対しても働きかけを行っていくと。
 やはりタイプAとなると、それだけ規模が大きくて経費もかかるわけですから、基本的にはやはり、いわゆる世界の大国がタイプAを期待できると思っていますので、そういった国を中心に働きかけを強めていきたいと思っています。
(問)こちらも先ほど大臣から発言がありましたけれども、今日、大阪府の吉村知事がこちらに来られているということで、大臣、会われる予定があるのかということと、あと、万博の関連事業計画の要望が先ほど公開をされまして、大阪メトロの延伸だとか、淀川左岸線整備だとかに始まって、南海トラフ対策だとか公園整備だとか、非常に多岐にわたっているんですけれども、もし大臣、既に目を通されておりましたら、受止めを教えてください。
(答)担当大臣ですから、もちろんしっかり対応したいと思っています。
 中身につきましては、私も少し事前に非公式で見せていただいておりますけれども、多岐にわたる事業、御要望をいただくんだなと思っています。これは基本的には非常にいいことだと思っておりまして、もちろん、その財源をどうするかとか、そういったことはしっかり考えなければいけませんけれども。いつも申し上げているように、まずは夢洲の会場までのアクセス整備、これはもう当然やらなければいけないですし、これだけではなくて、万博を契機に大阪・関西地域の発展を実現するためには、幅広く様々なインフラ事業の整備をしていくというのは非常に重要なことだと思っています。
(問)私もざっと目を通しただけなんですけれども、無難なものというか、当然やらなければいけないよねと思うようなものが多くて、何かレガシーとして残るような、「こんな変化球を投げてくるんだ」というものはなかったんですけれども、それはそういうものなんですかね。
(答)それは要望側にお聞きになってもらいたいと思いますけれども、やはり、この関連事業計画の要望をつくる過程においても、おそらく、従来からある計画の中で取捨選択するというのがまず最初だと思うんですね。いきなり全く白紙の状態から、万博をやるから事業を立ち上げるというのはなかなか難しいものですから、そういう事情も関係していくと思いますけれども。ただ、規模の大きな事業とか非常に重要な事業も含まれているようですので、そういう意味では、しっかり関連事業計画を実施していくことがレガシーにつながると思っています。
(問)万博についてお伺いしたいんですけれども、冒頭、新たに正式な参加を表明された国の御紹介がありましたけれども、それらの国への期待ですとか、また、スペインとEUはタイプAでの参加ということなんですけれども、どんな参加を期待したいかというところを改めてお願いいたします。
(答)UAEはまさにドバイ万博の開催国でありますから、そういう意味でしっかりタイプAで素晴らしい参加をしてもらいたいですし、歓迎もしたいと思っております。
 スペインについても、先般、担当閣僚とオンラインで会談をさせてもらいましたので、そのときにも大阪・関西万博に対する高い評価と期待をいただいたので、それからすぐにタイプAの表明をいただいて、大変ありがたいなと思っています。もちろんカザフスタンやEUについても歓迎したいと思います。
(問)昨日、SIPの自動運転に関して、これまでの成果報告と今年度の東京臨海部の実証実験の参加者について決定した旨を公表されていたと思うんですが、大臣、この21年度の取組に対する期待感があればお願いしたいんですけれども。
(答)このSIPの自動運転の話、私も4月にSIPの成果を活用した世界初のレベル3自動運転車に試乗しまして、まだ課題はありますけれども、未来に向けた夢のある技術であると感じています。
 SIP第2期は4年目に入りまして、社会実装の取組を強化する予定です。産学官が連携して自動運転の技術開発などを進めていくことで、交通渋滞の削減や高齢者などの移動手段の確保といった社会的課題の解決に貢献していきたいと考えています。
(問)7月5日の新未来創造戦略本部のシンポジウムのことでお聞きします。
 これはテーマが「デジタル社会と消費者行政」ということですので、大臣、以前、記者会見で、OECDのほうでの悪質商法に対するオンライン上の問題、防止について、日本が主導して国際研究プロジェクトを推進されていくということを確か御説明されたと思うんですが。今回、このシンポジウムでは、それについてのより具体的なものというのが何か話し合われる予定はあるのでしょうか。
 先日の消費者白書の中で、インターネットの通販に対して不安を持っている方が3割ほどいらっしゃるということがあって、年代ごとに増加していくということがありましたので、その理由としてもいろいろ出ておりましたので、その点について何か方向性があればお聞きしたいと思います。
(答)OECDの話を、具体的にこの5日の日にやるということは考えていませんけれども、ただ、私、従来から申し上げているとおり、日本の消費者行政におけるデジタル化というのは非常に重要な課題だと思っております。それは、やはり消費者行政の内部でのデジタル化と、それから国民との関係でのデジタル化と両面あると思っておりますので、そういった両方の側面から、是非有識者の方にも議論をしていただきたいと思っています。
 とりわけドイツやイギリスの方も講演者でありますから、いろいろと、ヨーロッパなんかの消費者行政、デジタル化、日本よりも進んでいる部分が大きいと聞いておりますので、そんな話を伺えればと思います。
(問)先ほどちょっと伺ったんですけれども、吉村知事とは会われるんでしょうか。
(答)さっきも言いましたけれども、だから、当然私、担当大臣として対応する予定です。

(以上)