井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月25日

(令和3年6月25日(金) 9:43~9:56  於:中央合同庁舎第4号館1階全省庁共用108会議室)

1.発言要旨


 国際博覧会担当の大臣として報告いたします。
 明日、大阪に出張し、「『TEAM EXPO 2025』プログラム 共創チャレンジ キックオフミーティング =未来への宣言=」に参加します。
 このイベントは、多様なチームが万博のテーマの実現に向けて主体的に取り組む参加型のプログラムである「TEAM EXPO 2025」を広く紹介し、万博に向けた機運醸成と多様な主体による共創の取組の促進を図るものです。
 プログラムの参加者の皆様からのお話を伺い、大阪・関西万博を盛り上げる活動をさらに活性化してまいります。
 次に、消費者及び食品安全担当大臣として報告します。
 再度の緊急事態宣言が出された本年4月以降、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示につき、5度目となる緊急監視を実施しました。その結果、今般、43事業者による49商品について改善要請を行いました。
 新型コロナウイルスにつきましては、現状、その特性が必ずしも明らかではなく、かつ、民間施設における試験などの実施も困難な状況にあります。一部の大学などの研究機関における研究結果などに言及する表示も見られましたが、特定の健康食品を摂取することによる予防効果が実証されているものではありません。したがって、現状、新型コロナウイルスに効果があるとうたう食品やサプリなどは、全て不当表示であると考えております。
 このような広告表示は、国民への適切な情報伝達に重大な支障を来す恐れがあり、緊急時における国民の不安に乗じた大変悪質なものであり、引き続き厳しく対処してまいります。
 なお、コロナ関連では、政府の大規模接種センターの対象拡大や職域接種の開始により接種件数が増加する中、ワクチン接種に関する詐欺を疑わせる相談が引き続き見られ、これまでの累計で195件程度となっています。最近では、不審なショートメッセージやSNS、ワクチン予約をかたる不審サイトに関する相談が寄せられております。本日、最近の相談事例を取りまとめて国民生活センターからも公表します。
 消費者の皆さんにおかれては、公的機関の情報を直接確認するなどして、コロナに関連した商品の表示やワクチン接種に便乗した詐欺には引き続き十分に御注意をお願いします。不審な勧誘やトラブルなどがあった場合には、一人で悩まず、「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」などに早めに御相談をお願いいたします。
 最後に、科学技術政策担当の大臣として報告します。
 内閣府では、バイオ戦略に基づき、関連市場の拡大に向けて国内外から人材・投資を呼び込み、世界市場に進出するための方策として「バイオコミュニティの形成」を進めています。
 バイオコミュニティには、戦略的なバリューチェーンで世界をリードする「グローバルバイオコミュニティ」と、地域に応じた特色ある取組を展開する「地域バイオコミュニティ」があり、本日、「地域バイオコミュニティ」を初めて選定しました。
 具体的には、北海道プライムバイオコミュニティ、鶴岡バイオコミュニティ、長岡バイオコミュニティ、福岡バイオコミュニティの4件を認定しました。また、認定されなかったものの、今後の成長が期待される「育成バイオコミュニティ」に、東海バイオコミュニティの1件を登録しました。
 今後、認定を受けた地域に対し、各種施策をパッケージとして総動員し、認定ロゴマークの使用権付与による地域ブランディングなど、関係各省と連携して効果的・効率的な支援を行うことにより、バイオに基づく戦略を強力に促進してまいります。
 また、今回は認定に至らなかった地域に対しても、さらなる挑戦を期待しております。
 なお、「グローバルバイオコミュニティ」につきましては、2021年度末までに東京圏と関西圏から公募・認定する予定です。
 以上です。

2.質疑応答

(問)地域バイオコミュニティ、今回初めての認定となりますけれども、大臣として今回認定されたコミュニティに対しての期待をお願いします。
(答)そうですね。バイオ戦略に掲げられたとおり、非常に国としても大切な分野であり政策だと思っておりますから、それを地域において様々な関係各省が協力をして推進をしていただくということで、我々もできる限りの支援もしてまいりますし、非常に期待をしているところです。
(問)万博の関連事業計画についてなんですが、もちろん、まずは地元からの要望が先にあるとは思うんですけれども、「関連」ということで非常に幅広な要望が出てくることが想定されると思います。大臣、先日、関西を視察されて、このあたりを基準にしようかなという、もし何かそういったお考えがありましたら。非常に幅広なので、ここら辺が関連事業計画の収めどころかな、みたいなものが何か大臣の中でお考えがありましたら、教えてください。
(答)「万博関連」ということでありますけれども、いくつか趣旨があります。一つは、当然会場にアクセスする、そのアクセスのインフラ整備ということで、これは割と近い領域になるのかなと思っています。そして、さらには、万博に来られた方が大阪・関西を観光などで是非回ってもらいたいということ。それとさらにもう一つは、この大阪・関西万博を一つの契機として、大阪・関西のさらなる発展を目指すということで、そういう意味では、趣旨に応じて割と近いエリア、もう少しさらに広くということになって、それぞれ様々な性格の事業を掲げていくといった方針です。もちろん大阪・関西万博ですから、全体の外枠は関西の広域行政圏の範囲内ということで、地元の皆さんとも今話をさせてもらっているので、要望が出てくるのを今待っているという状況です。
(問)現地でも記者から聞かれていたかとは思うんですけれども、道頓堀を視察されて、あのあたり、既に工事も始まっていて、非常に綺麗になりつつあるところだと思うんですけれども、大臣として、何か期待感を持つようなこととか、何かありましたか。
(答)先日、道頓堀、それから御堂筋を視察させていただきまして、やはりまさに大阪の中心となる地区でありますから、万博を契機に大勢の国内外の方に訪れてもらいたいと思いますし、そのときに大阪の顔として、より綺麗な街があって、賑わいがあってということを期待したいと思っています。
(問)冒頭発言のあった消費者関連のことなんですけれども、緊急監視も続いている一方で、まだ便乗していると思われる案件も続いていると思うんですけれども。コロナ禍になって1年余り経ちますが、大臣として、まだこうしたトラブルが続いていることについては、どのような憂慮というか、どのような思いをお持ちなんでしょうか。
(答)冒頭申し上げたとおり、これは大変憂慮しております。国民の皆様、新型コロナに対して不安を感じ、あるいはワクチンには期待をしているといったような状況、そういった国民の気持ちにつけ込むような、そういった商法であったり詐欺というものは、断じて認めるわけにはいかないということで、消費者庁としても、ここは厳しく監視をして対応していきたいと思っています。
(問)一方で、特に科学的に、正しい情報の発信も求められていると思うんですけれども。大臣、科学も所管されていると思うので、この正しい情報の発信についてはどのようにお考えなんでしょうか。
(答)これは当然、正しい情報を発信してもらわなければ困ると思っております。そういう意味では、冒頭申し上げたように、この新型コロナウイルス感染症という疾病そのものに効果があるということは科学的にも認められていないということ。これは消費者の皆さんにも是非理解をしてもらいたいと思っております。
 その上で、それぞれの事業者が当然のことながら科学的根拠に基づいて、新型コロナではなく、様々な効用をうたうということは、それはそれで必要なことだとは思っています。
(問)地域バイオコミュニティの話で、詳細は後で事務方にお聞きしようと思うんですけれども。今回、申請が何件ぐらいあって、審査も同じ数なのか分からないんですが、その辺のところの数字と。あと、今回応募していないところがあるとすれば、他の地域で、資料には「積極的に参入を想定している」とかというふうに書いてありますが、大臣のほうから何かそういった呼びかけというか、あるいは「こんなこともやりたいんだけれども」みたいな、地域から上がっている声があれば教えていただきたいんですけれども。
(答)応募件数は7件ありました。それで、これは毎年度募集をしたいと思っておりますから、引き続きということになります。
 先ほども申し上げたように、グローバルバイオコミュニティは2021年度末までにということで考えております。
(問)特段、他の地域からの声というのは、何か大臣のほうには入ってきたりということはあまりなさそうですか。
(答)他の地域というのは、これからということですか。
(問)地域バイオコミュニティに今回は応募しなかったけれども、これから応募したいんだけれどもみたいな話というのは、特段大臣のほうに話としては上がってきていないですか。
(答)そういう意味では、事務方レベルではいろんなやりとりがあるのかもしれませんけれども、応募件数としては7件と聞いています。

(以上)