井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月22日

(令和3年6月22日(火) 11:06~11:20  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 科学技術政策担当の大臣として報告します。
 来る7月15日より、東京スカイツリータウンにおいて、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」の開始初年度のイベントとして、「Society5.0科学博」を開催します。
 本イベントでは、SIP、ImPACTの成果のほか、JAMSTEC、JAXAなどの国立研究開発法人や民間企業約40社における総勢200点を超える品々を集結させ、「Society5.0」の未来像を展開します。
 また、本イベントのアンバサダーには、日本で初めて科学技術による未来像を示したアニメ、と言っていいと思いますが、「鉄腕アトム」を起用いたします。
 私も開催前夜である7月14日の夕方に行われるオープニングセレモニーに出席する予定です。ここでは、「Society5.0科学博」をイメージした東京スカイツリーの特別ライティングも披露される予定です。是非とも本イベントの開催により、科学技術のおもしろや大切さを感じていただくとともに、昨今の新型コロナウイルス感染症による閉塞感を打破し、明るい未来社会像であるSociety5.0がどのようなものなのか、少しでも実感していただきたいと思っております。
 もう一件、国際博覧会担当の大臣として報告します。
 本日夕刻から、神戸、大阪に出張します。神戸では、未来社会の実験場をコンセプトとする大阪・関西万博の検討の具体化に向けて、最先端の水素活用技術などを視察します。また、竹中大工道具館の視察及び関係者との意見交換を行い、万博会場整備でも活用が想定される木材に関し、我が国が誇る加工技術などについて知見を深めるとともに、70年万博におけるパビリオン建設の経験などについても話を伺います。
 また、大阪においては、来月に政府として策定を予定している万博に関連する周辺インフラ整備等の事業計画である関連事業計画の検討に資するため、大阪市が市内中心部において実施するインフラ事業を視察いたします。
 兵庫、大阪もまん延等防止重点措置ということですので、コロナ対策には万全の配慮をしながら出張してまいりたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)Society5.0科学博のことについて教えていただきたいんですけれども、Society5.0をイメージできる展示というのは、具体的にどんなものなのか、なかなかイメージができないんですけれども、大臣、どういうものなのでしょうか。
(答)200点もの展示があるということですから、是非期待して楽しみに来ていただければと。おっしゃるように、やはり来場者の方、国民の皆様が、そのSociety5.0のイメージを抱いていけるような、そんな展示を私も期待をしています。
(問)何か具体的な事例とかがあると。
(答)具体的に何を展示するかは、例えばレベル3の自動運転機能を持つ自動車、先日私も試乗したホンダレジェンドですね。それから小型衛星システムの模型、これはImPACTの成果でもあります。それからJAMSTECの「しんかい6500」の実物大の模型。それからJAXAの「はやぶさ2」のリターンカプセル、これは現物です。スカイドライブ社の「空飛ぶクルマ」。こういったものが挙げられます。
(問)関西の視察についてお伺いします。
 まず、神戸で見られる水素活用技術というのは、具体的にはどういったものを見られるんでしょうか。
(答)これは、オーストラリアの褐炭から水素を抽出して、それを冷凍して運んでいくと、そういった水素船がありますので、その水素船でありますとか、あるいは水素を使ったコージェネレーションシステム、こういったものを見学しようと思っています。これから万博に向けても、やはり水素の活用というのは大きなテーマの一つだと思っていますので、今後の万博にも生かしていきたいと考えております。
(問)今も少しお話にもありましたけれども、それを視察されてどういうふうに万博の会場で大臣としては生かしていきたいなというふうに考えていらっしゃるんですか。
(答)いろんな形が考えられると思っておりまして。水素を使ったモビリティ、船や車やそういったものに装備し、あるいはコージェネレーションシステムも会場内で何か活用したいとか、いろんなことが考えられると思いますので、むしろ今回の視察を参考にして検討していきたいと思います。
(問)大阪市内の中心部のインフラ事業の視察というのは、これはどういったものを想定しているんですか。
(答)これは地元からも要望のある例えば御堂筋整備とか、あるいは道頓堀川の整備とか、そういったことを今想定しておりまして。来月決める関連事業計画、ここに盛り込みたいと地元から聞いているものですから、それでは現地を見させてもらおうということです。
(問)つまり、現状を視察して、ここをこんなふうに変えたいんですというような大阪市、大阪府側のプレゼンテーションというか、説明を受けるという認識でよろしいですか。
(答)それでなぜこの関連事業計画に盛り込んでもらいたいか、万博開催時にどんな状況になるのかとか、そういったことのお話を伺いたいと思います。
(問)2つありまして、1つはSociety5.0の科学博なんですけれども。こちらはサイトを見ると、細かく分かれていて、フィジカル展示だとかいくつかあるようですが、これは来場の見込み数だとかというのは、何か今、大体予定しているものはあるんでしょうか。
(答)(事務方)想定では、大体7,000人ぐらいを予定しているんですけれども、今の新型コロナ対策がありますので、それを踏まえて少し人流の間隔とか、開閉時間をコントロールするとかがありますので、そういったことを考慮してやりたいと思っています。もともとの何もない状態でしたら、1日大体7,000人以上は入るようなイベントとして企画したものではあります。
(問)1日ですか。
(答)(事務方)はい、1日です。
(問)あと、結構映像系だとかというのが多そうにも見えるんですけれども、こちらでは5G環境でフィジカルとサイバー空間というか、まさしくその5Gの空間だと思うんですけれども、そういったところを活用した話になるのかという、その辺はどうでしょうか。
(答)スカイツリーで、ということですか。
(問)そうですね、そこの展示の時点で、見せるために5G環境を使ってやるのかという。
(答)展示内容の詳細までは把握していないんですけれども、どうですか。

(事務方)直接5Gを使って遠隔で、というものは、今回のイベントの展示物の中では予定されてはいません。ただ、未来像をイメージしていただく、その映像のビデオとかがあります。あとは国研であります、国立天文台なんかが持っている宇宙の画像であったりとか、映像でありますとか、そういったもので体感していただく。あとJAXAさんとかJAMSTECさん、いろんなこれまで高感度カメラで撮られた映像なんかがございますので、そういったものを体験していただく、あるいは3Dで眼鏡をつけていて立体で見ていただくような、こういったことを企画しております。

(答)むしろ、だから、5Gというよりもビヨンドですね。そっちを目指さないと。

(事務方)おっしゃるとおりですね。今まさに5Gですので、次のビヨンド5Gを目指して、どういう世界になっていくかと。そこを少しイメージできるような展示をさせていただきたいと思っております。
(問)2点目は、クールジャパン戦略のほうの話でお聞きしたいんですけれども。昨日、大臣、デジタルアートミュージアムを視察されたと思うんですけれども、今週末には、オタクサミット2020というのが開催されるということで、先日祝辞のビデオを収録されていると思うんですけれども。コロナ禍で、なかなか日本の文化というのを海外に直接発信することが難しい状況にあるとは思うんですが、大臣は今後のクールジャパン戦略というのをどのように考えていらっしゃるのかというのと、今回の昨日の視察と、週末のオタクサミットに行かれるかどうかはちょっと分からないですけれども、そういったものをどう生かしていきたいと考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)昨日もこのデジタルアートを見てきましたけれども、本当にすごいですね。もうびっくりしました。非常に魅力的で、来場者の方が、これは楽しいだろうなということをすごく感じて、実際その実績もあるということですから、是非こういう日本の持てる、新しいコンテンツといいますか、発信をしてもらいたいと思います。確かにコロナですから、なかなか外国人の方はまだ来られませんけれども、今の段階でも、引き続き取り組んでもらいたいと思っています。
 オタクサミットのコンテンツ、漫画とかアニメとかもそうなんですけれども、私は担当大臣としては、もちろんクールジャパン戦略として国がいろいろ考えてやっていくということも大事なんですが、それに加えて、やはりもう自由にいろんな方がいろんな発信をしてもらうということもあわせて大切だと思っておりまして。ですから、今回のオタクサミットのような催しというものも、どんどん民間の方にやっていただければありがたいと思いますし、それを我々もサポートしていきたいと思っています。
(問)科学博についてお聞きしたいと思います。細かい話で恐縮なんですけれども、まず、いつまでなんでしょうか。
(答)実機のメイン展示は7月28日までです。
(問)ありがとうございます、資料で見つけられなかったので。ということは夏休み前半で終わってしまうということですよね、始まってすぐぐらいで。要は対象をどの辺にターゲットを絞っていらっしゃるのかなということも含めて、お聞きできればと思います。
(答)やはり子どもたちには是非見ていただきたいと思いますし、もちろん大人も含めていろんな方に関心を持って是非来場していただければと思っています。そういう意味では、夏休みでもありますので、なかなか夏休みの全ての期間ということになると、いろいろ大変なこともあるので、これだけの期間ですけれども、是非御来場いただきたいと思います。
(問)それから最後にもう一点なんですけれども、いわゆるSociety5.0のイメージが体感できるというお話だと思っているんですが。要は白書で掲載された、ああいう未来社会みたいなイメージのものを展示するというものなのか、どちらかというと、今、最先端の研究を披露して、これが未来につながるんだというイメージか、どっちというふうに考えたらよろしいでしょうか。
(答)それは200の展示がありますからね、両方だと思います。それはそれぞれの出展者の方々の様々な工夫の中でやっていただければと思います。

(以上)