井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月27日

(令和3年4月27日(火) 8:39~8:47  於:衆議院分館3階第15委員室前)

1.発言要旨


 科学技術政策担当大臣として報告します。
 本日、第9回統合イノベーション戦略推進会議を開催しました。会議では、研究インテグリティ、安全・安心に関するシンクタンク機能、公的資金による研究データの管理・利活用の基本的考え方、マテリアル革新力強化戦略について私から説明し、「研究インテグリティの確保に係る政府としての対応方針」、「公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方」及び「マテリアル革新力強化戦略」について了承をいただきました。
 会議の中で、官房長官より、私を含む関係大臣に対し、研究インテグリティについては、対応方針に掲げられた取組を各府省庁の所管する関係機関とよく連携しながら着実に進めること、安全・安心に関するシンクタンク機能については、今年度前半に立ち上げ、着実に活動できる準備を進めること、研究データの管理・利活用については、各府省庁の所管の大学・研究機関において、基盤システムを活用した研究データの検索・利活用の仕組みの導入を進め、公的資金による研究開発に関するデータについて登録を促すこと、マテリアル革新力強化戦略については、政府と産学の有識者による一層の議論と連携を進め、戦略に基づく取組を着実に実施することなどの指示がありました。
 官房長官からの御指示を踏まえ、研究インテグリティをはじめとした各取組を着実に前に進めてまいります。
 次に、消費者及び食品安全担当大臣として報告をします。
 本日、農林水産省及び環境省より、平成30年度の食品ロス量の推計値が公表され、全体では600万トン、そのうち家庭から発生する食品ロスは276万トンでありました。食品ロスにつきましては、2030年度に2000年度比半減という目標に向け、現在関係省庁が連携し、制度的な課題を含む様々な取組を進めておりますが、ここ数年、ほぼ横ばいが続き、目標達成に向けさらなる取組の加速が必要です。また、食品ロス量の推計の早期化も課題と考えています。
 なお、消費者庁で毎年調査している食品ロス削減に取り組む消費者の割合は、目標80%に対し76.6%でした。政府全体の司令塔として、食品ロス削減の取組をさらに推進してまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)統合イノベーション戦略推進会議についてお伺いしたいです。
 研究インテグリティに関する方針が今回決められたということですが、そのことについての意義、また、大臣として4方針の中で重視していきたい点がありましたら、是非お聞かせください。
(答)今日の会議では4つの項目について報告をいたしました。全体としていえば、これから科学技術・イノベーション政策を進めるに当たって大切なのは「国際連携」、そして「経済安全保障」、この2つの観点が重要だと考えています。「国際連携」については、科学技術で世界をリードするには、一国の努力では実現困難であり、先日の日米首脳会談でも合意されたように、国際共同研究の重要性が改めて認識されています。
 同時に、国際共同研究を進める上では、外国からの不当な要求や技術流出などの懸念を払拭し、「経済安全保障」についても確保する必要があることから、今回研究者が安心して国際共同研究を進めるための環境整備に資する取組を取り上げたところです。
 とりわけ研究インテグリティについても御質問がありましたけれども、特にこの研究インテグリティに関しては、こういった観点は非常に重要だと思っています。
(問)統合イノベーション戦略推進会議について伺います。
 マテリアル革新力強化戦略について1年ほど議論されて、今回正式決定となりましたけれども、これに対して大臣の所感をお伺いできればと思います。
(答)マテリアルは、我が国の科学技術・イノベーションを支える基盤技術であるとともに、リチウムイオン電池や青色発光ダイオードなど、我が国がこれまで数多くのイノベーションを生み出し、世界の経済・社会を支えてきた重要な分野です。我が国の強みである、この分野の優位性を失うようなことがあってはならないと考えています。
 今回策定した戦略は、2006年に総合科学技術会議が策定した「分野別推進戦略」以来、約15年ぶりとなるマテリアル分野を俯瞰的に展望する戦略です。近年、国際競争が熾烈になり、我が国が有していた強みが失われつつあるという深刻な状況にあると認識しています。戦略に基づく取組を着実に実行することで、国際競争力の強化につなげていきたいと考えます。
(問)特商法の改正について、先週23日の参議院の委員会で、契約書面のデジタル化が法改正に盛り込まれた経緯について、大臣の御指示があったのかという質問があったと思うんですけれども、大臣は消費者庁の中で様々な議論がありましたというふうに答えるにとどめたんですが、大臣の指示があったかどうかの事実関係について教えていただけますか。
(答)これは消費者行政にかかわらず、所管分野については、当然、大臣として責任を持って推進をしておりますから、そういう意味では、全てにわたってしっかり必要な指示はしております。
(問)具体的に言われたことだけやるのではなくて自ら進んで全部やれと、特商法の契約書面のデジタル化は一部ではなくて全ての類型の取引について適用すべきではないかということを、大臣から御指示をしたというような質問の内容だったと思うんですけれども、そうした理解でよろしいんでしょうか。
(答)おそらく規制改革の会議のことを言っているんだと思いますけれども、そういった指摘も踏まえた上で、やはり消費者行政全般について考え、そして決定していくということは、当然のことながら、我々に課せられた責務だと思っています。

(以上)