井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月9日

(令和3年4月9日(金) 9:16~9:28  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 国際博覧会担当の大臣として報告します。
 本日より京都へ出張します。京都商工会議所関係者、大阪・関西万博シニア・アドバイザーの京都精華大学ウスビ・サコ学長、門川京都市長との面会を予定しております。それぞれの面会では、大阪・関西万博のテーマの具体化や、様々な形での大阪・関西万博への御協力や連携について意見交換をしてまいりたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)学術会議のことについてお聞きしたいんですけれども、先日、ぶら下がりのときに、学術会議からの提言というか、報告は最大限生かしたいというような、大臣おっしゃったと思うんですけれども、今回示された報告案で、例えば設置形態については、現行が一番よくて特殊法人みたいなものもあり得るよね、というふうな感じだと思うんですけれども、例えば総会の中で、現行のやり方が一番よくて、ほかは考えられないというような結論が出たとしたら、そうした場合には、それも政府としては最大限に生かして現行の設置形態のままでいくというようなことになるんでしょうか。
(答)これは仮定の話なものですから、それはなかなか答えにくいんですけれども、ただ、私は、年末のときにも申し上げたように、現在の設置形態にこだわらず、フラットにいろんな形を考えていただきたいということはずっと申し上げておりますので、そういう意味では、今回、いわば両方俎上に載せていただいたわけですから、それぞれまだ、報告書素案にもあるとおり課題はあるという認識なんだと思います。例えば国の機関として残るのであっても、やはりそれでは国の機関としての国民に対する責任をどのように果たしていくのかとか、それから、国から切り離した場合には、ナショナルアカデミーとしての権能をどういう形であれば発揮していくことができるのかとか、そういう課題がそれぞれありますよね。ですから、それらについて引き続きよく詰めて、まずは学術会議で考えていただきたいと思います。
(問)あともう一つ、今回の素案の中でも情報発信機能の強化とか提言機能の強化、そういうことがうたわれているんですけれども、いずれにしろ、例えば政府に対する提言の場合は、政府の側で受けないと、受けて生かすのか生かさないのかは政治の判断があるかと思うんですけれども、ちゃんと受け取って消化しないといけないのかと思うんですけれども、今までの学術会議の提言と政府の関係を見ていると、なかなか、そもそも知らなかったり検討されていなかったりする。だから、政府の側が何か学術会議の提言を受けて、うまくさばくような、そういうようなシステムというのはこれから考えていかれるんでしょうか。
(答)まず、情報発信とか提言機能の強化ということで、今回の素案でもいろいろな改革案を盛り込んでいただきました。なかなかマスコミの皆さんには設置形態ばかり注目されるんですけれども、そのほかのことでも、いろいろな改革案を盛り込まれたということは、私は高く評価をさせてもらっているんです。ですから、そういった様々な改革案について、引き続き深掘りをして、そして、できるものからどんどん実行してもらいたいということを学術会議側にもお伝えをしております。
 それで今、御質問のあった点は、これ、やはり政府に提言されたときに、せっかく提言をいただいたのに、それをほとんど国民から認知がされていないとか、実際に実効性があまりないといったような問題意識は、これは私もありますし、学術会議側も持っております。
 それで、いろいろな意見交換の中でそういったお話もして、政府側も考えなければいけませんねということをお話をしたんですが、今回の素案については、これはまさに学術会議としての改革案なので、それに対して政府でこう受け取ってほしいとか、そうしたことを書くのはちょっとそぐわないのではないかということで、学術会議側の判断もあって、そういったことは書かれておりません。しかし、私は、そういう問題意識がありますので、これ、いずれにせよ、正式な総会の後、正式な報告書ができて、そして私のところにも説明に来ていただけるということですから、それを受け取った後、政府としてどういうふうに対応するか考えていく中の一環として、今の点も考えたいと思います。
(問)最後に、今回もいろんな改革案があって、それを実行していくには、要は予算が必要で、今の10億円ぐらいの学術会議の運営費では全く足りないような予算が必要になるかと思うんですけれども、例えばこれ、全部実行しようとすると例えば2倍ぐらい予算が必要な場合も、政府としては、そこら辺は来年度予算でこれを実行するための必要な経費は要求していくというようなことでよろしいんでしょうか。
(答)基本的には、やはり学術会議にナショナルアカデミーとしての機能を発揮していただきたいというのは政府も同じ思いでして、そのために必要な予算や人員というものはなるべく確保していこうとは思っています。
 しかし他方で、まだまだいろいろ詰めなければいけない問題があって、例えば設置形態がどうなるかによって、全然、予算や人員の配置の仕方というものは変わってきますので、ですから、まずは全体の改革の話を進めていただいて、その上でどれぐらい予算や人員が必要なのかという話が、その後ついてくると思っています。
(問)今の学術会議の関連で1つお伺いしたいんですけれども、自民党のプロジェクトチームからの提言が出されているところでありますが、今後、党とはどういった話をしていきたいというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 また、総会の報告書を正式に受け取った後、どういった形で政府として検討していきたいというふうにお考えでいらっしゃるのか、現時点でお考えがあれば教えていただけますでしょうか。
(答)そうですね。自民党、塩谷座長からも、この報告書の素案が出てきたので、これについて自民党としても意見をまとめて、私に対してもそれを伝えに行きたいといったような御要望もいただいておりますので、そういった中で自民党の皆さんとも意見交換をしたいと思っています。
 政府としての対応ですが、これは私からこの間、梶田会長にも、21日の総会までにも、さらにこの素案を詰めていただきたいということをお願いをしております。その上で、21日に総会で正式に報告書を決めて、その後、私のところに再度御報告に来ていただけると聞いておりますから、まずはそれを受け取ってから考えたいと思っています。
(問)学術会議の件なんですけれども、昨日の会見の中で、任命されていない6人の問題について、21日の総会でも意思表示を示したいということをおっしゃっていたんですけれども、常々、総理の権能だということをおっしゃっていますけれども、今後の学術会議側が総会で示された意思というのは、担当大臣としてはどういうふうにやっていくとか、今もしあれば教えてください。
(答)これは、ですから、総理の権能であるので、私がどうこう申し上げるという立場にはないと思っています。ただ、梶田会長が御報告にまた来られるという話ですから、そのときにお話は承って、必要があれば総理にお伝えしますということになると思います。
(問)ちょっと話は違うんですけれども、先週の話になりますが、量子技術のイノベーション戦略に関する大臣の所感と受止めをちょっと確認したかったんですけれども。1日に理研のほうで量子コンピュータ研究センターが発足して、2日後の3日には筑波のほうに行かれて御出張をされて、産総研で超伝導量子コンピュータ回路製造の状況を見られたと思うんですけれども、今後の量子技術イノベーション拠点の整備のあり方について、改めてちょっと御所感があればお願いしたいんですが。
(答)量子技術は、経済や産業、安全保障を大きく転換させる可能性のある重要な技術と考えています。産業利用を見据えた研究開発においては米中が先行しており、これを巻き返すためには我が国の産学官の総力を結集した取組が不可欠です。このため、昨年1月に「量子技術イノベーション戦略」を策定し、将来の産業・イノベーションの飛躍的発展が期待される領域において、「量子技術イノベーション拠点」を形成することとしました。
 この度、4月1日に理研が量子コンピュータ及びそれにかかわるハードウェア・ソフトウェア等の研究開発に取り組むため、「量子コンピュータ研究センター」を設置しました。理研には、国内8つの量子拠点間をつなぐ中核組織として、国際連携・人材育成・産学連携等を先導する役割を期待しております。本拠点も含め、引き続き政府を挙げて、量子技術イノベーションの評価に向けた取組を戦略的に進めてまいりたいと考えています。

(以上)