井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月23日
(令和3年3月23日(火) 9:12~9:22 於:中央合同庁舎第4号館1階全省庁共用108会議室)
1.発言要旨
まず、科学技術政策担当の大臣として報告します。
本日夕方、日本学術会議の梶田会長にお越しをいただきます。梶田会長とは、先月、学術会議主催の学術フォーラムに参加した際にもお話をする機会がありましたが、その後、学術会議では、会長が会員との意見交換を行う機会も持たれ、あり方についての検討を重ねられていると承知しております。
今週には、学術会議の幹事会が開かれる予定とも伺っており、それに先立ち、学術会議のよりよい役割発揮に向けた現在の検討状況について、改めて梶田会長から伺い、意見交換を行う予定です。昨年来の合意事項を踏まえて、学術会議での検討に進展があることを期待しております。
次に、宇宙政策担当の大臣として報告します。
内閣府では、宇宙ビジネスの裾野拡大や宇宙ベンチャーの創出・育成に向けた活動の一つとして、2017年より、宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」を実施しており、今年も開催します。「S-Booster 2021」では、国内外からアイデアを幅広く募集し、最優秀賞の受賞者には、事業化に向けた初期活動資金として、民間スポンサー5社の御協力のもと、賞金1,000万円を授与させていただく予定です。また、すぐれたアイデアには専門家のアドバイスを提供し、新たな宇宙ビジネスの創出を支援します。
本日から5月20日までの間、専用サイトでビジネスアイデアを募集します。個人を含め、多様な方々から多くの応募があることを期待しています。
最後に、国際博覧会担当の大臣として報告します。
昨日、スウェーデン王国のアンナ・ハルベリ貿易・北欧大臣との間で、2025年大阪・関西万博について2国間のウェブ会談を行いました。会談では、私より、大阪・関西万博の成功に向け、早期参加表明を強く働きかけました。先方からは、大阪・関西万博への強い期待が表明されました。参加を前向きに検討いただいている模様であり、大変心強く思っております。
私から、これまで53カ国1国際機関に対し、直接の働きかけを行っています。今後ともしっかり招請活動を進めてまいります。
以上です。
2.質疑応答
- (問)宇宙関連で聞かせていただきたいんですが、今回宇宙ビジネスのアイデアを募集するということで、それに加えて文科省を中心に、将来宇宙輸送システムロードマップの検討会が行われています。そこで日本は、H-2AやH-2Bロケットをはじめとして、H3ロケットの開発も進めてきていますが、有人飛行には非常に慎重になっています。今後、宇宙への有人輸送というのも、ビジネスの一つとして開ける分野だと思いますが、大臣として、そのあたりの御所感はいかがでしょうか。
- (答)有人宇宙飛行につきましては、我が国においてもベンチャー企業を中心に、独自のサービスの実現に向けた技術開発などを行っています。また、アルテミス計画では、宇宙飛行士の月面着陸を実現し、持続的に月面での探査を行うことも計画されています。
こうした状況も踏まえて、昨年閣議決定した宇宙基本計画において、将来の宇宙輸送システムの研究開発に当たっては、「将来における有人輸送の重要性に留意すること」とされております。
文科省の検討会での検討においても、今申し上げた宇宙基本計画の考え方がベースになっていると考えておりまして、精力的な検討を期待したいと思っています。
いつも申し上げるように、宇宙は人類に残された最後のフロンティアであって、無限の可能性が広がっております。サブオービタル飛行による高速2地点間輸送に加えて、宇宙旅行、月面開発など、今後宇宙への人類の進出はますます高まってまいります。有人宇宙輸送ビジネスは将来性のある領域だと考えていますので、大いに期待したいと思います。 - (問)今日、梶田会長と学術会議の意見交換をされると思うんですけれども、梶田会長のほうから、何らかの検討結果が示されたときに、大臣としてはそのことに対してどの程度まで対応するのか。例えば学術会議設置法の改正、あるいはそれを取り巻くような関連法案についても改正するというところまで踏み込んで、今回の、多分今週まとまるであろう検討結果を生かしていくのか、どの程度生かしていくのか、そこら辺についてお考えを教えてください。
- (答)まずは、学術会議側で今検討を進められているということで、先月、梶田会長にお会いしたときも、その上で直接、会長自ら会員の皆さんと意見交換をしていくといったようなことを伺いました。それを踏まえて素案を出していきたいということでしたので、やはりまずは、学術会議側からどういった検討を行っているか、そういうことを伺った上で、我々が考えていくということだと思います。
ただ、いずれにせよ、3月25日に幹事会で、さらに4月21日から総会だと聞いておりますから、最終的には、その4月21日からの総会で示されるということですから、それに合わせて対応を考えていきたいということになります。 - (問)4月21日の総会で、もし会員任命問題のことで反対意見が出てまとまらなかったとしたら、そうしたらどうするんでしょうか。
- (答)それは、まとまることを期待していますけれども、これはもう学術会議の中での検討ですから、しっかり会長以下、役員の皆さんにまとめていただくように期待したいと思います。
- (問)昨日、オリンピックに関連して海外客の入場を中止するというふうな方向が示されたかと思うんですけれども、国センのCCJなども、海外客のキャンセル問題などを対応されていると思うんですが、また今後もそういったキャンセル問題が増加するおそれもありますが、そういった部署の強化などは、今、大臣は考えていらっしゃらないでしょうか。
- (答)現在、新型コロナに関連した訪日観光客の宿泊キャンセルなどのトラブルについて、国民生活センターで、2年前から「訪日観光客消費者ホットライン」、これを設定して7カ国語での相談を受け付けています。昨年来、訪日観光客自体は減少しておりますけれども、一方で、今後御指摘のようなオリンピック・パラリンピックに関連したトラブルも想定されるということで、引き続き十分な相談体制を確保するように、海外からでも情報収集しやすいように、ホットラインの専用ホームページ、チャットボットを開設するなど、情報提供の充実を図っていきたいと考えています。
- (問)昨日、報道があったんですけれども、オンラインサロンでのトラブル、マルチ商法的な取引に巻き込まれてしまって後悔しているみたいな当事者の話も盛り込んだような報道が、すごくインターネットで読まれておりまして。コロナ禍で対面が難しくなって、オンラインで何か新しいことを学びたいとか、自分がこれまで知らなかったような世界に足を踏み入れてみたいというように思う消費者の方は、すごく増えている、ツールもあるという状態の中で、新たなトラブルの温床というと、すごく言葉が悪いんですけれども、そういう場になりかねないのではないかというふうな危機感があるんですけれども、何か実態を調査されたりですとか、トラブル対応を強化されたりですとか、大臣の中で、もしお考えがあれば教えてください。
- (答)すみません、報道については承知していないんですけれども、そういったオンラインサロンにおける様々な消費者被害、これが懸念されているということであれば、しっかり調査するなり、対応することを考えていかなければいけないと思いますので、私のほうで調べたいと思います。
(以上)