井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月15日

(令和3年1月15日(金) 11:15~11:28  於:中央合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨


 来週月曜日、通常国会が開会をいたします。今国会において、私の所管において提出に向けて準備している法案は3本です。
 まず、原子力関係では、「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案」、消費者庁関係では、「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案」、「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案」の2本であります。
 具体的な内容については、今後、与党において条文審査等をいただく中で詰めていくこととなりますが、私としては、今国会への提出を目指して作業を急いでまいります。
 次に、科学技術政策担当大臣として申し上げます。
 内閣府所管の法律に「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」があります。この原子力立地地域特措法は、立地地域について防災に配慮をしつつ地域の振興を図ることを目的としており、本年3月末までが期限となっております。
 原子力立地地域特措法に基づく支援措置は、これまで多くの立地地域で活用され、現在も避難道路をはじめとする防災インフラの整備に重要な役割を果たしているところです。延長が実現し、本法に基づく支援措置が今後も継続していくことは重要な意義があると認識しております。また、昨年12月28日には、原子力委員会において私も出席し、「原子力立地地域特措法を延長することが必要」との見解もいただきました。
 これらを踏まえて、今通常国会において、原子力立地地域特措法を延長するための法案を提出し、立地地域における防災インフラ整備に対する支援措置を継続していくことを目指して、必要な準備を進めているところです。
 消費者及び食品安全担当大臣として発言します。
 緊急事態宣言については、13日付で7府県が追加されましたが、宣言後の状況について、新型コロナウイルスに関連する消費生活相談については、足元で急増しているような状況ではないとの報告を受けています。物資の需給状況については、現在のところ、緊急事態宣言が出された地域において生活関連物資が品薄になったという情報は寄せられておりません。
 一方、このような状況においては、コロナ禍の中での巣ごもり消費に乗じた悪質商法が増える懸念もあり、大変憂慮をしております。一昨日も、消費者庁が特定商取引法に違反した事業者に対して業務停止命令等の行政処分を行いましたが、近年、通信販売に関し、商品が知らないうちに定期購入になっている、あるいは、いつでも解約可能と表示しておきながら細かい条件がついているなどの消費者トラブルが急増しております。
 消費者庁では、このような、消費者に紛らわしい表示をするなど、詐欺的な定期購入商法への対策を強化するため、定期購入ではないと消費者に誤認させる表示などに対する規制の強化などを盛り込んだ特定商取引法などの改正法案を次期通常国会に提出することとしており、新型コロナ対策の一つとしても作業を急いでまいります。
 消費者の皆様においては、少しでも不安なことがあれば、実際にお金などを払ったりする前に、消費者ホットライン188(いやや)に御相談をいただきたいと思います。
 なお、前回会見時に発言した、表記に誤りがあったビール飲料については、消費者の反応も広がり、販売されることが決定されたと聞いております。来週、私宛てに事業者の方から報告をいただく予定となっておりますが、食品ロス削減の観点から妥当な判断をいただいたのではないかと考えております。
 今後も、食品ロス削減の観点に沿った企業の取組が広がっていくことを期待したいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)第6期(科学技術・イノベーション)基本計画についての検討、進んでいるかと思うんですけれども、パブコメの時期がいつぐらいになるのかということと、以前もお聞きしたんですけれども、基本計画、一言で言うと何になるのか、教えていただければと思います。
(答)(事務局)事務局ですけれども、パブリックコメントにつきましては、近々、早ければ来週にでも開始ということを今予定しております。

(答)ちょっと一言で言うのは、すみません。宿題をいただいていたんですけれども、いろいろあって失念をしておりまして、もう一回考えたいと思います。
(問)万博関連なんですが、年末年始に、参加の表明だとか、何か進展がありましたら教えてもらえますでしょうか。
(答)正式な表明については聞いておりません。なかなかそれぞれ各国、国内の手続もあるでしょうから、若干の時間はかかるものだと思っておりますけれども、なるべくたくさんお返事をいただけるように努力していきたいと思います。
(問)正式なものではなくて、参加できそうだみたいな方針が伝えられたりとか、そういったものはあるということですか。
(答)そうですね。それは随時、私自身も直接在京大使の皆さんなどとお話をしている中で、やはりかなり好感触といいますか、積極的な発言をいただいております。
 今朝、茂木外務大臣ともちょっとお話をいたしましたけれども、外務大臣も外遊中に相手国に対して万博の招請について触れていただきまして、多くの国から積極的な回答をいただくことができたと、私も伺いました。
(問)何カ国ぐらいが前向きに調整しているとか、そういった具体的な数字がもし出せるものがありましたら。
(答)ちょっと取りまとめて、またお伝えしたいと思います。
(問)NASAから発表があったんですが、JAXAがゲートウェイの開発参加に合意したという発表がありまして、日本は月探査のキープレーヤーとして今後活躍が期待されていますが、大臣としての御所感をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)昨年の12月31日、日本政府とNASAとの間で「民生用月周回有人拠点のための協力に関する了解覚書」が発効し、一昨日、日本の外務省とNASAがその旨を公表しました。
 この覚書は、月周回軌道上に建設する有人拠点である「ゲートウェイ」に関する協力を行うために日米政府間で署名したものであり、我が国が参加する国際宇宙探査計画「アルテミス計画」の実施に向けた第一歩です。
 我が国は、ゲートウェイ居住棟への機器提供や物資補給を通じた貢献を行うこととしております。今後も日本の強みを生かして、月探査に貢献してまいります。
(問)消費者担当大臣としての発言がありましたので、2点お聞きしたいんですが。
 1点目は、特定商取引法、預託法の一部改正があるんですけれども、これまで法律で義務づけられていた契約書面、これが消費者の承諾を前提として、その場合に限り電子化の方法をとるということが検討されているのではないかと思いますけれども、これに対しては、消費者団体であるとか、消費生活相談員であるとか、弁護士会であるとかというところから、大臣宛てでもあると思いますけれども、大臣宛てに要望書、意見書が提出されているというふうに聞いております。つまり、反対の意見なんですけれども、まずこれに対して、井上大臣としてはどういう御対応をお考えなのかということが1点。
 もう一つが、先ほどお話しになったビールのことについて、事業者のほうから報告が寄せられる予定だということでした。これは何らかの措置というか、何かの規約、規定に基づいた報告なのか、それとも事業者の自主的な判断なのか、そういうことをちょっとお聞きしたいと。この2点、お聞きしたいと思いますが。
(答)電子化の話につきまして、特定商取引法や預託法では、事業者に対して、契約の締結前や締結後などに必要な事項を記載した書面を消費者に交付しなければならない書面交付義務を規定しております。この書面交付義務は、消費者にとって重要な制度ですが、社会全体のデジタル化の推進を踏まえ、書面ではなく電子メールなどにより必要な情報を受け取りたい消費者のニーズにも応えるために、契約書面等の電磁的交付について、そのあり方を検討しております。
 消費者庁としては、消費者の利益の確保の方法などの論点を整理した上で、消費者団体等の懸念にも配慮をしつつ、デジタル化をさらなる消費者保護につなげるという観点から法律改正案に盛り込むため、早急に検討を進めていきたいと考えております。
 それから、ビールの表示に関しては、直接法律の規制内容には該当しないものではありますけれども、食品ロスの削減の観点から、私から事業者に対して意向を伝えて、その上で来週報告をいただくということになっています。
(問)大臣の要請ということですか。
(答)要請といいますか、いろいろ国民の皆様の御意見もありましたし、表示が1文字間違えていたことによってそれを全部破棄してしまうのかということになると、やはり食品ロスということになってしまいますので、このことについては慎重に判断してもらいたいといったようなことは、私の意見としてお伝えをいたしました。

(以上)