井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年1月12日

(令和3年1月12日(火) 10:55~11:06  於:中央合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨


 消費者及び食品安全担当大臣として2点発言をいたします。
 1点目は、緊急事態宣言後の状況につきまして、消費生活相談については、この3連休など足元で特に急増している状況ではないとの報告を受けております。ただ、ワクチン接種や給付金をかたるような事例も報道されており、消費者の皆さんにおかれては、くれぐれも御注意いただくようお願いをいたします。少しでも不審なことがあれば、実際にお金などを払ったりする前に、消費生活相談ダイヤル188(いやや)に御相談をいただきたいと思います。
 関連して、昨日は成人式でありましたが、コロナに関係する解約料として受け付けた相談は全体では約1万件、成人式の延期・中止に伴う貸衣裳のキャンセルに関する相談は、消費者庁でざっと集計したところでも、かなりの件数の相談が寄せられております。キャンセル料については、今回の状況でいただいた相談事例等を分析し、どういった対応策が必要なのか、実際に取りうるのかという点について、消費者庁としても検討してまいります。
 物資の需給状況につきましては、現在のところ大雪の影響によって、北陸の一部地域で食品等の品薄状態が起こったとの報道は見られますが、緊急事態宣言が出された地域において、生活関連物資が品薄になったという情報は寄せられておりません。他方、消費者の皆様におかれては、引き続き過度な買いだめや買い急ぎをしないよう、落ち着いた購買活動をお願いします。
 2点目は、食品ロス削減の状況につきまして、食品ロス対応については、昨年以降、関係省庁連絡会議において、できるものから順次対応するよう、関係省庁に対して指示をしてまいりました。この年末年始についても、コンビニエンスストアのおにぎりについて、温度管理の工夫などを通じて消費期限を延ばす動きが出ており、大きな課題である流通過程における食品ロスを減らす動きとして歓迎をいたします。
 一方、表記の誤ったビール飲料の発売が取りやめられたとの報道も見られ、これは食品表示法に直接違反するものではありませんが、なるべく食品ロスを発生させることのないよう、事業者にもお願いをしてまいります。
 私からは、以上です。

2.質疑応答

(問)ノーベル賞受賞者の山中先生や本庶先生らが、緊急事態宣言を受けまして、生命科学や産学連携への支援強化や、科学者たちの勧告を政策に反映できる制度づくりをすべきだという声明を出されました。それに関して大臣の御所感をお聞かせ願いたいと思います。
(答)今回の緊急事態宣言に当たって、ノーベル賞を受賞された研究者の皆様がまとまって、このように危機感をお示しいただいていることをしっかりと受け止めたいと思います。
 その上で、新型コロナウイルス感染症に関する研究開発については、今回声明を出していただいた研究者の皆様も含めて、アカデミアから産業界まで幅広い研究者に参画をいただき、必要なワクチン・医薬品開発を鋭意進めているところであります。政府としても、AMEDなどを通じて約2,000億円の研究開発予算を措置しております。
 これまで、そして今後も世界で日々見出される新しい科学的知見をさらなる研究開発において活用することが重要であります。とりわけ、緊急事態宣言の中でもありまして、コロナ対策としても非常に重要だと思っております。研究者の様々な御意見に、しっかり耳を傾けてまいります。
(問)いろいろと緊急に対策をとらなければいけない部分があるということは重々承知しているんですが、来年度からの第6期(科学技術・イノベーション基本計画)の(検討の)進捗状況を改めてお聞かせいただければというふうに思います。
(答)科学技術・イノベーション、第6期の基本計画につきましては、今CSTIなどで御議論をいただいておりますので、早い時期にこれを策定していきたいと思っています。先般の来年度予算におきましても10兆円規模の大学ファンドなど、この実現をできることになりましたし、あるいはこれから5年間で研究開発費、総額いくら見込んでいくのかといったところも大きな焦点になると思いますので、今ちょうど詰めの議論をしているといった状況です。
(問)確認なんですけれども、パブコメをされるという御予定があるということなんですけれども、この件に関しても粛々と予定どおりという理解でよろしいんでしょうか。
(答)はい、そうですね。(予定通り)やっていきたいと思います。
(問)大臣が冒頭でおっしゃった成人式のキャンセル料に関する相談がかなり多いというお話なんですけれども、今後はどういった対応が必要なのか消費者庁としても検討していくということだったんですけれども。具体的にはその情報発信だったりとか、いつまでにこういうケースはこういうことが考えられるという、何か情報を発信されるという具体的なお考えがあれば、教えてください。
(答)これは、先ほど1万件と言いましたけれども、これは成人式を含めた様々な結婚式とか、いろんなことに関する解約料の件なんですけれども、そういう意味では、まずこの成人式を巡るキャンセル料については、特にここ数日間の動きが多分大きかったと思います。ちょっとここ数日間の情報は、まだ集約しきれていないものですから、まずは情報の収集に努めていきたいと思います。
 その上で、件数が多い場合、またいろんな御意見もあるかと思いますので、我々としてもどういった手法をとることができるのかといったことを早急に検討していかなければいけないと思います。
 実際の消費者の方々と事業者の関係、あるいは成人式を主催する自治体との関係と、いろいろありますので、どうしてもできることは限られてしまうかもしれませんが、やはり消費者庁としては、消費者サイドに立って、消費者の皆さんがなるべくお困りにならないように、何らかの方法を考えていきたいと思います。
(問)先ほど、大臣冒頭、ビールの食品ロスを発生させないようにというお話がございましたけれども、サッポロビールが、スペル誤りで発売を中止したビールの件だと思いますが、これは発売することが望ましいと、そういうお考えでいらっしゃるということでしょうか。
(答)いえいえ。私が思うのは、そもそもその表示、スペルを1文字間違えたということですけれども、そのことによって、全ての生産されたビールを廃棄処分にすることがいいかどうかというのは、これは食品ロスの観点から、やっぱり考えなければいけないと思っております。
(問)そうすると、今回発売が中止されていますけども、その措置を是正してほしいということではないということでしょうか。
(答)そういう意味では、事業者の方ともちょっとお話をした上で対応を考えていくということになると思います。
(問)先ほどの成人式のキャンセルについてなんですけれども、昨年3月ごろ、いわゆる卒業式シーズンにキャンセルの相談が増えたという背景があるかと思うんですけれども、そうなるとあと1カ月、緊急事態宣言が続き、また、もしかしたら延長されるかもしれないというところで、やはり何か1つ、方針を国のほうが打ち出すということはかなり心強いのではないかと思うんですけれども、そのスピード感というのは、大臣、どのようにお考えなんでしょうか。
(答)まず、卒業式シーズンに緊急事態宣言が出ていないように努めていくというのが政府の一番の役割だと思っております。ただ、いずれにせよ、こういったことに関しては、事前に考え方を整理していくということは、消費者の皆さんにとっても安心材料になると思いますので、何らかの対応を考えたいと思います。
(問)別件で、大雪の件なんですけれども、北陸を中心にかなり大きな被害になっているかとは思うんですけれども、先ほどの品薄以外にも一酸化炭素中毒で亡くなられるような事態も出ていますが、改めてこの大雪に対しては、どのように井上大臣は考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)私の所管という意味では、どうしても限られてしまいますけれども、とりあえず生活物資の品薄ということにはならないようにと、これからまだまだ雪が降る可能性は高いと思っていますので、しっかり事前に手を打ってまいりたいと思っています。

(以上)