井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月4日

(令和2年12月4日(金) 10:26~10:59  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 国際博覧会担当の大臣として報告します。
 12月1日に開催されたBIE総会において、大阪・関西万博の登録申請が承認され、各国や国際機関に対し正式に参加の働きかけができることとなりました。承認の翌日である12月2日には、早速6名の在京大使や臨時代理大使をお招きし、大阪・関西万博への参加招請を行いました。
 また、今朝の閣僚懇においても、菅総理や他の閣僚に対し、各国の要人にお会いになる際などに参加の呼びかけをいただくよう協力をお願いしました。
 コロナ禍の厳しい状況ではありますが、できるだけ多くの参加、出展を得て盛大な万博になるよう、私自身が精力的に働きかけを行うことはもとより、政府一丸となって参加招請をしっかり進めてまいります。
 次に、科学技術政策担当の大臣として報告します。
 研究力強化のためには、研究者が研究に集中できる環境が重要です。そこで、研究者の研究時間の確保の観点から、競争的研究費の申請手続等の簡素化などによる事務負担の軽減を推進すべく、河野行政改革担当大臣と連携しながら検討を進めてまいりました。
 先日もお話ししたとおり、内閣府におきましては、現場の研究者や事務担当者の方々に対して、各種事務手続に関するアンケートを実施しました。今般、アンケートにおける主な御意見を踏まえ、従来から用いられているカテゴリーである「競争的資金」に該当する各事業と、それ以外の公募型の研究費である各事業を区分することなく、これらを「競争的研究費」として一本化いたします。そして、各種事務手続に関するルールを統一し、簡素化、デジタル化や迅速化も進めることなどについて関係省庁とも調整を行い、本年度内に統一的なルールを定めます。そして、来年4月1日以降に実施する事業から適用できるようにいたします。
 具体的には、各種事務手続に関するルールの統一につきましては、会計実績報告や研究成果報告の提出期限の統一、研究費で購入した研究機器の他の研究開発への使用に係るルールの統一、研究費で購入した消耗品の取扱いに係るルールの統一などについて改善を図ります。
 また、簡素化、デジタル化や迅速化につきましては、提出書類や資金配分機関からの通知書類の押印省略及びデジタル化、資金配分機関、代表研究機関、分担研究機関間の手続の簡素化、研究費で購入した研究機器の廃棄等に係る手続の迅速化などについて改善を図ります。
 これらは、細かいことと思われるかもしれませんが、煩雑な事務手続に忙殺されている現場の研究者の方々にとっては大変大きな話だと思っています。現場の研究者の方々の事務的負担を少しでも減らし、自らの研究に集中できる環境をつくることが私の役割です。研究開発の主役である研究者を支え、研究者が活躍できる社会に向け、汗をかいてまいります。
 次に、消費者及び食品安全担当並びに公正取引委員会の事務を担当する大臣として報告します。
 携帯電話が国民の生活必需品となる中、携帯電話サービスに関する消費生活相談は相談件数の上位に入っており、消費者行政を担当する大臣として重要な課題と認識しています。
 この度、携帯電話料金の低廉化に向けた環境整備に、総務省、消費者庁、公正取引委員会が連携・協力して取り組むため、武田総務大臣と私からなる2大臣会合及び3省庁の局長クラスからなる検討チームを立ち上げ、来週9日にも第1回会合を開催いたします。
 消費者の立場からは、消費者が自らのニーズに合った多様な選択を行うための環境整備が重要です。こうした観点から、これまでも事業者に対して適正な表示と消費者向けの分かりやすい情報提供を行うよう求めてきたところであり、引き続き注視してまいります。
 さらに、消費者が携帯料金プランについて正しく理解できることも大切であることから、消費者が知っておくべきことを整理したので配付させていただきました。詳細については後ほど事務方から説明をさせますが、例えばメインブランドと比べてサブブランドが通信可能なエリアなどで劣っているとの誤解もありますので、その点について整理しました。消費者の皆さんには、是非御参照いただきたいと思います。
 あわせて、その整理の中で携帯電話の乗換えに当たって障壁となっていることも明らかになりました、乗換えに必要となる手数料や手間等のスイッチングコストの低減や、事業者と消費者の情報格差の解消に関して、公正取引委員会において現在実施しているフォローアップ調査なども踏まえつつ、武田大臣とも話し合って、その改善に向け積極的に取り組んでまいります。
 引き続き関係省庁が緊密に連携し、消費者のためにできることは全てやる決意で、公正な競争環境の整備を通じた料金の低廉化に取り組んでまいります。
 最後に、消費者及び食品安全担当大臣として報告します。
 新しい生活様式のもとで、デジタルプラットフォームは、消費生活の基盤としてますます重要性を増しています。こうした中で、デジタルプラットフォームを利用した取引において、違法・危険製品の流通防止や紛争解決に向けた体制整備などについて、デジタルプラットフォーム企業が構ずべき措置を定めるなど、消費者保護を図るための新法を準備をしております。
 今後、消費者団体、事業者団体や与党にも御意見をいただきながら、次期通常国会への提出を目指し、法案の具体化を加速してまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほどの競争的資金の話なんですけれども、現在、競争的資金は補助金と委託費と基金という3種類に分かれていて、会計法上、別々に扱われているんですけれども、今回の改革では、とりあえず事務手続を簡素化すると。将来的に、この会計法上異なるやつも例えば一体的に使えるとか、そういうふうなことも検討の課題になっているんでしょうか。
(答)まず今回は、競争的研究費として一本化するということでありますけれども、これをしっかりやった上で、いずれにせよ研究者の方々の利便性の向上ということで、いろいろ御意見賜りながら、さらに改革を加速していきたいと思います。
(問)もう一つは、学術会議に関連して、一般的によく海外のアカデミーと比較されて、例えば民営化というか、NPO法人にするとか、そういうことに関しても海外のアカデミーと比較をされるんですけれども。一般的にアカデミーは、顕彰機能と提言機能と、ほかにいくつかあるんですけれども、日本の場合は学士院と日本学術会議で顕彰機能と提言機能が分かれていますけれども、将来、学術会議のあり方を考える上で、アカデミーとしてのあり方を考えるんであれば学士院についても検討しなければいけないかと思うんですけれども、そこら辺についてはどうお考えでしょうか。
(答)日本学士院は文部科学省の特別な機関であり、学術上、功績が顕著な科学者を優遇するための機関であり、特に優れた研究業績への授賞などの事業を行っております。
 平成15年に総合科学技術会議が取りまとめた報告書によりますと、他国のアカデミーが持つ栄誉授与機能は現行の学術会議は担当しておりませんが、我が国では、ほかに担当することがふさわしい機関、学士院が存在していること、そして、学術会議は現役科学者中心の集まりであることから、栄誉授与機能を担当することは今後も適当ではないとしていると承知しています。
(問)宇宙関連で1つお伺いしたいのですが、はやぶさ2が6日にも地球に帰還します。直前ということで、大臣の今のお気持ちを聞かせていただけませんでしょうか。
(答)明後日、6日午前2時50分ごろ、はやぶさ2が小惑星リュウグウのサンプルが入ったカプセルをオーストラリアのウーメラ地区に投下する予定であり、まず、このミッションが成功裏に終了することを期待しております。
 はやぶさ2は、これまでのところ、6年にもわたる任務を大きなトラブルなく遂行しております。これは、失敗を恐れず挑戦したJAXA及び関係する企業、大学の研究者、技術者の皆様の不断の努力のたまものだと思います。
 「はやぶさ」や「はやぶさ2」で培った技術力をベースに、今後とも長期的な視点を持って宇宙科学・探査に取り組むなど、我が国の高い技術力を通じた世界の社会的課題の解決や、新たな知のフロンティアの開拓への貢献を期待しております。
(問)大臣、冒頭でおっしゃった新法についてなんですけれども、これまでの検討会では特商法の改正も含めてというような論点整理で言及もあったんですけれども、既存の法律の改正ではなくて、新しい法律をつくることを目指すというふうにされた理由を教えてください。
(答)今回、新法の内容につきまして、8月に取りまとめた消費者庁検討会の論点整理で、違法・危険製品の流通の防止や紛争解決に必要な売主の連絡先情報の開示など、優先的に検討すべき課題として挙げられてきたところであります。ですから、新しい項目をしっかり策定するということなので、既存の法律ではなく新法で制定すると、そういった判断であります。
(問)新しい項目を制定するということで、これまでの法律で規制の対象になっていなかったものを規制するというふうに理解しています。つまり、例えば某大手通販サイトさんだったりとか、某大手フリマアプリさんだったり、そういったプラットフォームを提供する企業に対して規制をするという理解でいいんですか。
(答)はい。その理解で結構なんですけれども、いずれにせよ、まだ検討中の部分もありますので、詳細についてもこれからしっかり検討を進めていきたいと思っています。
(問)最後に、紛争解決で業者の開示ということについて優先的に取り組む必要があるというお話でしたけれども、そういった大手通販サイトなどを利用したときに、販売業者と、実際に商品を出品している出品者と連絡がとれなくなるというようなトラブルが本当に多発しているんですけれども。原因としては、出品者情報を登録するときに、その出品者が虚偽の情報をプラットフォーム企業に提出して、それがまかり通ってしまうということがあると思うんです。そういった状況がある中で、新法では、プラットフォーム企業に、出品者から提出された情報が正しいかどうかというのをある程度きちんと把握しておいてくださいねという、そういう義務があなたたちにはあるんですよということも呼びかけていくというような形になるんですか。
(答)義務というか、先ほど申し上げたように、まだ細部の詰めをやっておりますので、そこについては検討中ということですけれども。おっしゃるように、そういったトラブルが多く発生して消費者の方々が大変困っているという状況にありますから、それに対して、やはりデジタルプラットフォーマーの皆さんにもできることをやっていただきたいとは思っています。
(問)万博についてなんですが、ほかの閣僚にも招請活動、参加の呼びかけをしてもらうようにお願いされたということなんですが、総理はじめ、ほかの閣僚の皆さん、どんなことをおっしゃったかというのが1点。あと、コロナの影響で招請活動が非常に厳しい点もあるとは思うんですけれども、今後の見通しについて教えてください。
(答)閣僚懇での内容なので、私からあまりその詳細を回答することは控えたいと思いますけれども、複数の閣僚から、しっかり自分たちも頑張っていきたいといったようなお答えをいただくことができました。
 それから、確かにコロナの中であります。それと、もう一つは、やはりドバイ万博が1年間遅れてしまっているということもあるので、なかなか各国への招請活動を行うのは厳しい状況にあるということは認識しております。だからこそ、私のみならず、各閣僚が協力をして政府一丸となって取り組んでいかなければいけないと思っています。
 具体的には、先日行ったように在京大使の皆さんに呼びかけをしたり、あるいは、それぞれの国に対しても電話をかけたりとかオンラインとか、そういったことで呼びかけていく。さらには、むしろ各国の要人の方が来日する機会もあると思いますから、そういった方々に対しては、それぞれカウンターパートの閣僚から呼びかけてもらおうと、いろいろなことを考えてやっていきたいと思っています。
(問)この間、在京大使の方が来られたと思うんですけれども、同じような予定というか、ほかの国の方が来られる予定というのはあるのかと、ほかのカウンターパートの方と電話で会談するような予定というのは今後何か決まっているんでしょうか。
(答)まだ具体的なことは調整中なので、なるべく早くやっていきたいとは思っています。
(問)現在調整を進めていて、決まり次第発表があるというふうに思っておいたらいいですか。
(答)そうですね。
(問)先ほど言った競争的資金の各事業公募型の研究費の区分をすることなくという点なんですが、先日、若手アカデミーからも、いわゆる基礎研究費を増大してほしいとか、そういう要望も出たということ、お話を聞かれたと思うんですが。今の発表ですと、いわゆる公募型の研究費の区分、これを競争的資金に一元化するというふうに聞こえるんですが、いわゆる基礎研究費とか科研費みたいなものも一つの競争的資金にしていくという、そういう認識でいいですか。
(答)はい。
(問)そうしますと、やはり、より産業界とか、特定の政府側の意向を受けた研究費にだけ研究費が投じられると。いわゆる、より幅広い基礎研究費を増やしていってほしいという若手アカデミーが要望していたこととは逆行するような流れではないかなと思うんですが、これはなぜ、この基礎研究費の強化ということにしていくということなんでしょうか。
(答)これは、ちょっと誤解があるようですけれども、むしろ手続とか、それから様々な運用のルールですよね。そういったものを統一化していって、いわば研究者の皆さんの負担を軽減していくということ。それから、手続自体の簡素化とかデジタル化とか、そういったことをしようということで、まさに研究者の方々の立場に立って、よりよいものにしていこうと、そういった趣旨です。
(問)そうすると、趣旨としては、手続上のルールを一元化するということだけだということですね。
(答)手続、いろんなルールがやっぱりあるものですから、詳細についてはまた事務方から説明をさせますけれども、今、いろいろ我々がアンケートをとった中で、研究者の方々がお困りの点ということが多く寄せられたものですから、それに対してしっかり取り組むと、そういったことです。
(問)関連で、学術会議なんですけれども。2014年、御存知だと思うんですが、当時は山本大臣が直轄の有識者会議というのをつくりまして、そこで7回の審議を行って、国の特別機関でありながら独立を保つという、今のこの状態というのが望ましく、変える積極的な理由は見出しにくいと結論されています。政府として報告書は2015年3月に公表され、その後、政府が参院に提出をしているという経緯があります。ということで、要は、今の組織形態を変える積極的な理由は見出しにくいと結論が出ているんですが、今回、これを前提として切り離すという御発言をされたという理解でよろしいですか。
(答)ええ。そういったことも選択肢として検討の中に入れていただきたいといったようなことを申し上げました。それは、一つは、やはり様々なこと、様々な選択肢、これを幅広く検討していただきたいということなんです。
 それから、5年前の報告書の件もありますけれども、学術会議側からも、やはり5年間たって、その報告書に基づいてできていること、できていないことを検証したいと。あるいは、さらに5年たっていますから、時代の変化に応じてさらなる改革をしたいといったようなお話もありました。
 それから、日本のナショナルアカデミーとしての機能、これをしっかり維持をしていきたい。これは私も賛成ですけれども、そうなると、各国のナショナルアカデミーは、いわば行政から独立した形態を持っておりますので、そういう意味でも参考にはしてもらいたいということ。さらに言えば、その10年前の報告書の中には、むしろ理想的には国から独立した形態で組織のあり方を見直すべきだといったような記述もあります。
 ですから、いろんな御意見がある中で、やはり様々な選択肢、これを検討した上で考えてもらいたいと、そういった趣旨です。
(問)その関係でいきますと、2014年も山本大臣直轄の有識者会議をつくりましたよね。2001年のときも、2003年までにかけて、いわゆる学術会議のあり方に関する専門調査会というものを、総合科学技術会議のもとで立ち上げているんですね。今のような御指摘だと、やはりこれまでこれだけ十分いろんな議論を重ねてきたので、新たな専門調査会みたいなものをつくって、その場に各学会とか産業界の代表者とかを招いて、このあり方そのものの議論をもっとじっくりやっていくという、こういう観点での検討というのはないんでしょうか。
(答)まずは、申し上げているように、年内に一定のやはり見直しの報告というものをしていかなければいけないと思います。しかし、他方で、年内といっても3カ月ぐらいですか、時間がなかったものですから、やはりあまり拙速に全てのことを決めるのはどうかと、そういった御意見もあります。
 ですから、おっしゃったようないろんな形態があると思いますので、まずは年内にできることからやって、その上で必要があれば、またさらなるいろんな検証の形というものも考えていきたいとは思っています。
(問)ナショナルアカデミーというところを維持させてあげたいという点に関連してなんですけれども。いわゆる国際学術会議はISCというのがあるんですが、これとは別に、各国政府が公式に国の機関として承認しているナショナルアカデミーでつくっているIAPという、インターアカデミーパートナーシップという国際機関があります。これは、今、学術会議側の取材をしていますと、もし国から切り離し、国の機関でなくなった場合、このIAPというものが、学術会議を中立的な立場で政府に政策提言をしているというナショナルアカデミーだというふうにみなしてもらえず、このIAPから外される可能性があるのではないかという声が出ているんですね。このナショナルアカデミーの位置付けが崩れたときに、いくつかの国際学術会議の会議体にこれまでのように入れなくなる、外されるという可能性が考えられるんですけれども、この点、大臣としては、独立したことでIAPに入れないというような状況が起こることは避けたいのか。もしくは、独自に独立してやはり機関をつくることで、また別途IAPに加盟できるような団体というのをつくるべきなのか。この点はどういうふうにお考えなんでしょうか。
(答)今おっしゃった具体的な御意見については、私、承知しておりませんけれども。いずれにせよ、学術会議の皆さんが、やはりナショナルアカデミーとして、この機能は維持したいとおっしゃっておられるので、そういうことは尊重したいと思っています。ですから、その上でどういったあり方があるのかということを、学術会議の皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。
(問)少し話が戻ってしまって恐縮なんですけれども、冒頭発言にありましたプラットフォーマーの新法について2点お伺いしたいんですけれども。コロナ禍でネット利用が増えまして、相談件数、トラブル件数も増えているというような報告もあるわけですけれども、この新法を加速させるというところの大臣の思いというのは、どういったところにあるんでしょうか。
(答)おっしゃるように、いろいろこういったネットの関係で消費者の皆さんのトラブルが多く発生して、また御要望も多いということですから、やはり消費者庁としては、消費者保護の観点から、消費者の皆さんのためにできることをやっていくといった思いで取り組みたいと思います。
(問)2点目なんですけれども、ただ一方で、検討会も含めて、より厳しい規制が必要だという声もあったり、より慎重な議論が必要だと、両方の意見が出ているということだと思うんですけれども。加速させないといけない一方で、関係団体や消費者団体などに対しての議論の進め方、深め方というのはどのようにしていきたいとお考えですか。
(答)これまでもやってきたとおり、関係者のいろんな御意見をいただいた上で考えていかなければいけないことだと思っています。
 具体的には、消費者庁検討会、これを年内に開催をして報告書を取りまとめていただきたいと思っています。与党での議論も今進めていただいておりますし、こういった内容を踏まえて我々で取りまとめて、来年、通常国会に提出していきたいと、こういうことです。
(問)今の質問に関連して、今後の流れなんですけれども、来週、与党内の消費者問題調査会の予定があって、年内を目途に報告書がまとまると。その報告書の中には、新法の骨子だったり、こういったことを定めるべきだということが出てくるという理解でいいんですか。それを読めば大体分かるということでいいんですか。
(答)そうですね。その報告書もそうですし、来週9日に予定されている与党に対しても、その法案の骨子案といったものを示していきたいと思います。
(問)先ほどのもう一度確認させてください。科研費と、いわゆる競争的資金って、今までちょっと違う枠組みだったと思うんですが、今後、その科研費の枠を競争的資金の何か大きな枠組みの中に入れ込むということなのか、単純に同じ科研費は科研費の枠組みで、予算づけはそのままだけれども、いわゆる募集の応募のルールだけ一元化するということなのか。これ、どっちなんですか。
(答)これ、ちょっと複雑なんですけれども、科研費もまた科研費として、いわば別のカテゴリーになっていまして。今、競争的資金とそれ以外の競争的研究費というのがありまして、あわせて競争的研究費なんですね。ですから、その競争的研究費の中に科研費も入っています。あわせて競争的研究費なものですから、競争的研究費の中であまり区別をしないでルールを統一化させようと、そういったような考えです。
(問)ちょっと話を戻して、新法の内容はこれから詰めて議論があってということだと思うんですけれども、1点ちょっと伺いたいのが、今、BtoCの、大手通販サイトで出品をする事業者に関しては特商法でいろんな表示義務があるわけで、これは守らなければいけないというのが前提なんですが、その一方で、守らなければいけない表示が虚偽だったり適当だったりして、トラブルが多発しているというのはあると思うんですけれども。フリマアプリみたいな、消費者同士、個人間取引の場合は、出品するほうに対してもきちんと情報を書かなければいけないという表示義務が今一切かかっていない状態で、プラットフォーマー企業にだけ、そこに出てくる情報が正しいかどうか確認することが求められるというのは結構難しいのではないかと思っているんですけれども、この点、大臣はどうお考えでしょうか。
(答)その最後のデジタルプラットフォーマーに何を求めるかについても、先ほどから申し上げているとおり、まだその細部の検討をしておりますので、そこは控えたいと思っています。
(問)関連するんですけれども、学術会議で国際アカデミーの一つに、日本の学術会議が中心となって立ち上げて、これまで続けてきたアジア学術会議、SCAというのがあるんですね。これは、そもそもその定款に、政府直下のナショナルアカデミーだけがメンバーとなれるというふうになっていまして、もし今回、国から切り離された場合、アジア学術会議のメンバー資格がなくなってしまうのではないかと。実質的に、事務局の運営全て学術会議の会員たちが担っているんですね。ということで、アジア学術会議全体がそもそも、これから続けていけない状況になるのではないかという懸念がたくさん出ているんですね。この点、どういうふうにお考えなのか。
(答)まずは、アジアのことも大切ですけれども、日本学術会議そのものが、やはりどういったあり方があれば国民の期待に応えられるかという観点から、まず検討していきたいと思っています。
(問)非常に日本の中でどういうあり方をするかという議論も一つなんですけれども、やはり今、国際学術会議の会長からも、今回、独立・任命拒否騒動をめぐって懸念の声が出されていまして。いわゆるナショナルアカデミーですね。政府にしっかり中立的な科学者の立場からものを言えるようなナショナルアカデミーというものが、日本でしっかり学術会議のようなものが存在し続けられるのか。それの結果、そうでなくなった場合、アジア学術会議や、さっき言ったようなIAPというところにそもそも属すること自体ができなくなるのではないか。これは単に日本の中でどうかということだけではなくて、国際的に日本の科学アカデミーがどう見られるかという非常に重要な問題、論点だと思うんですね。
 この点、やはり切り離すとあっさり一言でおっしゃったんですが、ナショナルアカデミーの位置付けが守られないのであれば、やはり切り離すということは非常に慎重にしなければいけない話なのではないかなと思うんですね。ここをどう考えるのか。
 つまり、海外からのナショナルアカデミーたる学術会議のようなものがなくなってしまった場合に、海外から、そういう学術コミュニティーみたいなものが日本にはない、いわゆる政府直下の一つの、予算づけされて、それによって動かなければいけないような学術コミュニティーではやはりだめだという、そういう海外の声というものにどう答えていくつもりなのかというのをお聞きしたいんですね。
(答)繰り返しになりますけれども、何も切り離せと私のほうで申し上げているわけではありませんので、あらゆる選択肢をしっかり検討していただきたいということです。

(以上)