井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月27日

(令和2年10月27日(火) 10:36~10:48  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 科学技術政策担当大臣として報告をいたします。
 お手元に配付したとおり、明後日29日、日本学術会議を訪問し、梶田会長をはじめとする学術会議の幹部の皆様との意見交換を行う予定です。先週23日に梶田会長や幹部に大臣室までお越しをいただいた際には、まずは学術会議において課題の検討をいただき、年末を目途に状況を報告いただけるよう要請をいたしました。29日は、学術会議の幹事会が開催され、課題の検討が本格的に始まるタイミングとなります。この機会を捉えて、私として初めて学術会議を訪問し、庁舎を視察するとともに、幹事会に参加される梶田会長、副会長、その他の幹事の方々から現場の生の問題意識を率直に伺い、改めてしっかり検討いただくよう要請するものです。引き続き、梶田会長とも連携して、学術会議のあり方について、ともに未来志向でしっかりと検討をしていきたいと思います。
 また、明日28日、河野太郎行政改革担当大臣を訪問し、学術会議のあり方について会談を行う予定であります。
 さらに、自民党の政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討プロジェクトチームの塩谷立座長とも、近日中にお会いできるよう調整中でございます。
 私からは、以上です。

2.質疑応答

(問)学術会議ではないんですけれども、日本では医療ベンチャーがなかなか育ちにくいという状況がありまして、その原因の一つが、例えば画像診断装置みたいなものであっても、薬機法で医薬品と同じような厳しい規制があって、ベンチャーがなかなか参入できないと。そういう例えば薬機法なんかは、厚労省の担当ですけれども、大臣としてはイノベーションを促進する観点から、こういった障害になり得るような今の規制について、どのように改革を進めていくのか、教えてください。
(答)おっしゃるように、具体的な規制については厚生労働省ということですけれども、私としても近年医療系ベンチャーが革新的な医薬品、医療機器の研究開発や実用化に大きな役割を果たしていると期待が集まっていると認識しています。
 ですから、医療系ベンチャーが抱える課題について、例えば専門家から支援を受けることができる相談窓口を設置して、研究開発から実用化までのプロセスを総合的に支援しております。
 また、医療系ベンチャーは、開発から実用化に至るまで、多大な資金調達が必要であることも課題であると思います。
 このため、内閣府の事業として、例えばAMEDへの出資により実施している医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)において、ViCLE枠を設けてスタートアップ型のベンチャー企業の支援もしております。引き続き関係省庁と一体となって、医療系ベンチャーの支援も含めて、医療分野の研究開発の推進に取り組んでまいりたいと考えています。
(問)菅首相は、昨夜、学術会議の会員構成について、民間や若手、地方の大学の研究者が極端に少ない、また、一部の大学に片寄っていると指摘しました。井上大臣、この会員構成について見直しの必要があるとお考えでしょうか。また、見直す場合、これは大臣のもとで議論されるテーマになるんでしょうか。
(答)具体的な任命につきましては、これは総理大臣の権能ですから、総理がお考えになると思います。他方で、総理が示されたという多様性が大切であるということ、これはそのとおりだと思っていますし、学術会議側もそういった問題意識を持っているとは承知をしております。ですから、学術会議でも、そういった問題意識について、引き続き検討していただきたいとは思います。
(問)今の学術会議の関連ですが、明日、河野大臣とお話しされるということですけれども、これは会談されるということなんですが、どういった形式で、ある程度何かオープンな形でされる予定なのか、その予定について伺えますでしょうか。
(答)プレスに対しては、会談が終わった後、私がぶら下がり取材を受けたいと考えています。
(問)今後、行革の面で検討するに当たっても、学術会議がどういった機能を果たすべきかという点を押さえる必要があるという趣旨の話を、この前大臣がしていらっしゃったと思いますけれども、河野大臣とはどういったお話をしたいというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、河野大臣のところで行革の観点から予算とか、あるいは機構、定員等、こういったことをお考えいただくわけですけれども、それと学術会議の果たすべき役割、機能、これはいわば裏腹の関係にありますから、ここのところのすり合わせを河野大臣としていきたいと思います。
(問)学術会議の関係なんですけれども、総理の昨夜の発言ですけれども、日本学術会議法では、学術会議の推薦に基づきということで任命は決められるということですけれども、総理が先におっしゃってしまうと、これから学術会議のあり方を議論していく上で、影響力を帯びてしまうのではないかというふうに思うんですが、その点に関しては、大臣はどうお考えでしょうか。
(答)それは総理が総理のお考えで発言されたということですから、それはよろしいのかと思いますけれども。
(問)明日、河野大臣とお話しされるということですけれども、予算とかの削減というところについて検討されているという一部報道もありますが、そのあたりというのは、大臣、所管としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)それについては、一部報道で学術会議への年間予算10億円のうち4億円超に上る人件費の縮減を図るといった報道があったことは承知をしておりますけれども、これは河野大臣にも確認をいたしまして、私自身も全くそういった事実は承知しておりませんので、その報道は報道として、ただ、いずれにせよ、さっき申し上げたように、協力をしながら、学術会議のあり方については考えていきたいと、このように考えております。
(問)この点、塩谷座長ともお話をされるということですが、それ以外に検討されている方とかは今のところではいらっしゃらないということでよろしいですか。
(答)具体的にはまだ何も決まっておりませんけれども、やはりこれから見直し作業をしていく上で参考となる、そういった方々からお会いして話を聞きたいとは思っております。
(問)それぞれの方とお話しされて検討を進めていくという形になると思うんですけれども、連携というのはどのように図っていくのかということを改めてお伺いできますでしょうか。
(答)ですから、今、学術会議側に内部でしっかり検証をしてほしいということを要請いたしました。学術会議がまさに明後日から幹事会を開いて検討を進めるわけですから、そのときに何も学術会議に丸投げするわけではありませんから、私のほうでも適宜いろんな意見を学術会議側に申し上げて、そして、ともに未来志向で進めていきたいと思っています。
(問)万博の関連で伺います。
 一部報道で、万博に出展する外国企業などについて、法人税や所得税を非課税とすると。さらにそれについては出展企業のブースなどで土産物や飲食物を販売した場合の収益などについて非課税という方針だということなんですけれども、その辺について事実確認というか、今後どのように税制、また予算的に外国の参加を促していくか、伺えますでしょうか。
(答)万博における税制上の措置につきましては、参加国の出展コストにも大きな影響を与える事項であります。過去の万博においても、税制上のさまざまな措置が講じられておりますので、こういったことを踏まえまして、今度の大阪・関西万博に関する税制の優遇措置、これを検討していることは事実です。
 ただ、税制改正ですから、まずは年末に向けて、与党を中心に御議論をいただくということで、しっかり我々としてもそれを踏まえて検討していきたいと思います。
(問)学術会議の関連で伺います。
 河野大臣と塩谷さんとの会談結果によると思うんですが、今後その会員の選考方法とか、学術会議のあり方について見直しを進める場合、事務局組織の見直しとかも進める場合、日本学術会議法の改正ということも必要になってくると思うんですが、現時点で大臣、この法律の改正については、どのように思っていらっしゃいますでしょうか。
(答)それは、まだまさにこれからということなので、検証をしながら考えていくということだと思います。
(問)現時点で、まだその判断はできないということでしょうか。可能性を含めて、否定はできないですけれども。
(答)まず、検証してみないとこれは分かりませんので、検証しながら、いろんなことを考えていきたいと思います。

(以上)