井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月9日

(令和2年10月9日(金) 11:10~11:28  於:中央合同庁舎第4号館12階共用1202会議室)

1.発言要旨


 まず、科学技術政策担当大臣として御報告をいたします。
 今朝、河野行政改革担当大臣ともお話をいたしました。日本学術会議を所管する担当大臣として、科学の観点から社会的課題について提言していくといった会議の役割がしっかりと果たされているのかなど、河野大臣とも与党とも連携をしながら十分に検証をしてまいりたいと思います。進め方も含めて、詳細は今後よく詰めてまいります。
 次に、国際博覧会担当の大臣として御報告をいたします。
 明日、10月10日に大阪出張で、大阪・関西万博シニアアドバイザーの安藤忠雄氏、コシノジュンコ氏、博覧会協会の石毛事務総長との面会、それから1970年大阪万博50周年記念セレモニーへの出席を予定しております。
 宇宙政策担当の大臣として報告をいたします。
 宇宙関係予算の令和3年度概算要求につきましては、内閣府としての取りまとめを終えました。本年6月に閣議決定した「宇宙基本計画」を踏まえ、「アルテミス計画」への貢献や強靱な社会構造の実現に不可欠なデジタル化、リモート化の重要基盤である宇宙システムの強化などに向け、過去に例のない大規模な要求額となる約5,440億円となりました。内閣府としては、関係省庁に対し、宇宙の重要性の高まりなどを踏まえ関係予算の拡充を要請してきましたが、関係省庁においてもこれに応えて、それぞれ思い切った要求をしてもらいました。
 内閣府としては、準天頂衛星システムについて、7機体制の確立などに必要な約305億円の要求、また、宇宙開発の大規模化、高度化が急速に進む中、将来の月面開発に必要となる技術やデジタル化などの衛星技術の革新などに省庁横断的に取り組むための予算として、新たに193億円要求いたしました。
 今後、年末の政府予算案決定に向け、関係省庁とも連携しつつ、財政当局としっかりと調整し、所要額の確保に努めてまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)まず2つ教えていただきたいんですが、1つは、先ほどの河野大臣とのお話があった日本学術会議の問題なんですが、あり方についてどのようなことを検討されるんでしょうか。今、現時点で分かる範囲で教えていただければと思いますが。
(答)まさに検討していこうというのを決めたばかりですので、中身とか進め方とか、あるいは時期とか、そういったことについても、それも含めてこれから考えなければいけないと思っています。まずは、今、学術会議に求められている機能がしっかり働いているのかといったところから始めるのではないかと思っていますけれども。
(問)学術会議に求められている点というのは、提言機能のことを指していると見てよろしいのか。
(答)いや、具体的な機能というよりも、学術会議全体としてということです。
(問)あと、話は変わるんですけれども、昨日、大臣が出席されたPEAKSの全体会合、甘利さんとか渡海さんとかも挨拶していましたけれども、大臣、あの会合に出席して、どんな問題意識を持たれたんでしょうか。
(答)昨日はおかげさまで多くの方に、オンラインも含めて200名を超える方々に参加をいただいたということで、やはりこの大学の重要性、それから産官学の連携の重要性、そういったことを改めて感じました。
 私自身も冒頭で失礼してしまったのですけれども、中身の報告も受けておりまして。やはり、例えば博士後期課程学生の経済的支援の拡充とか、あるいはキャリアパスの確保、それからポストコロナの時代の国際連携の必要性と、こういったような意見が多く出たということで、こういった意見をしっかりと受けとめて、次期科学技術・イノベーション基本計画の検討、こういったところに反映させていきたいと思っています。
(問)日本学術会議の改革の関係で伺いたいと思いますけれども、河野大臣からはどういったお話があって、今なぜこうした改革が必要であるという認識であるのかということについて伺いたいと思います。
(答)御承知のように、学術会議について、今いろんな議論がなされ始めたということですから、当然のことながら、これは政府としても対応して、いろいろ考えていこうということです。
(問)河野大臣の問題意識というのは、どういうところにあってというふうに捉えたらよろしいんでしょうか。
(答)問題意識というか、そういったことをむしろいろいろ国民の声も伺いながら、どういうことを考えて、どういうことをしていくかということも含めて、まさにこれからということです。
(問)日本学術会議は国の予算措置をもって運営されているわけですけれども、そもそもなぜ学術会議が国の予算措置を受けて運営されているのか。その意味について、大臣のお言葉で教えていただければ幸いでございます。
(答)学術会議ですから、やはりいわば一定の重みはなければいけないと思っていますから。そういう意味ではしっかりした位置付けとか、あるいは権限ということで、独立性は保ちながらも、そういうことで行政機関の一つとして設置をされているんだというふうに思っています。
 加えると、やっぱり審議機関ですから、そういう意味では財源も安定的に運営するために確保しておかなければいけないと、そういったこともあるのかと思います。
(問)最後に1つ、今まさに安定的に運営しなければいけないというお話がございましたけれども、2015年の有識者会議の報告でも、そういった趣旨で、だから国の措置が必要であるという結論になっていたと思いますけれども、そういった結論を今回覆してでも対策は必要であるというお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)27年の報告書についても、一定の合理性はあるというふうに思っています。思っていますが、今回、こういった形でいろんな声があるわけですから、それを受けとめて考えていくということだと思います。ですから、まずはさっき申し上げたように、学術会議の求められている機能というのがありますから、それがちゃんと発揮されているのかといったところがスタート地点だと思います。
(問)ノーベル賞に関して2点お伺いしたいのですが、まず1点目、今年、科学部門での日本人の受賞は叶いませんでした。ノーベル賞が全てではありませんけれども、今後、日本人の受賞者を増やすために、科技大臣として考えられていることがありましたら教えてください。
(答)今年、今回のノーベル賞については本当に残念だと思っています。ただ、日本人の研究者、本当に顕著な業績を上げられている方がたくさんいらっしゃいますから、そういう意味では、もう次回、来年はぜひ日本人の受賞を期待をしております。
 そのために何をしていくかということですけれども、例えば科学技術基本計画、それから「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」、こういったものをつくっているわけですから、それに基づいて優秀な若手研究者が活躍できる研究環境の整備、学術研究、基礎研究の推進と、こういったことに力を入れていきたいと思います。
(問)もう一点。今回、宇宙分野で2年間連続でノーベル賞の受賞が決まりました。大臣としまして、宇宙への今後の期待を教えていただけたらと思います。
(答)私、科学技術担当であり、かつ宇宙政策も担当しておりますので、本当に宇宙政策は非常に大事だなというふうに考えております。ですから、宇宙に関する研究者にも頑張っていただきたいと思っていますし、全体として物理学、あるいは自然科学全体としても、日本人の研究者をしっかり後押ししていきたいと思っています。
(問)消費者担当の分野で1点お聞きします。昨日、大臣、東京都消費生活総合センターと国民生活センターへの視察をされました。両方のセンター、ともに消費生活相談員たちの意見交換会を実施されました。その意図と感想、そこでの感想をお聞きしたいと。これはオープンではなかったものですけれども、相談業務の核でもあるので、そこで得られた大臣なりの感想を伺いたいと思います。
(答)昨日、都のセンターと国民生活センターと、それぞれ視察をさせていただいて、それぞれ相談員の方々とも意見交換をさせていただきました。とにかく現場を見て、現場で御苦労されている方の声を聞こうということを私、モットーにしておりますので、そういった意味で非常に有意義な視察になったというふうに思っています。
 特に相談員の方に関しては、やっぱり相談員の方々が基本だと思うんです。消費者の方々の声を国につないでいただくのも相談員の方々ですから、この相談員の方々がしっかり活躍できるような環境を整備していくというのが我々の務めでもあるというふうに思っています。
 しかし、他方で、なかなか仕事が非常に忙しいとか、あるいは処遇が厳しいといったようなこともありました。ですから、そういったことを解決するために、例えばデジタル化を進めていって、それで効率をよくしていく、負担を減らしていくとか、それから、相談員の皆さんの処遇改善とか、あるいは相談対応困難者、これに対するマニュアルが国のほうではまだできていないというお話ですから、これはもうすぐ、なるべく早くつくるようにといったような指示もさせてもらいました。
 引き続き、相談員の方々の声も伺いながら、よりよい環境整備に努めていきたいと思っています。
(問)靖国神社の秋の例大祭について伺いたいと思います。
 今月17日から18日に開かれる予定なんですけれども、大臣は例大祭中に参拝する予定はありますでしょうか。また、参拝する予定があれば、何日に行く予定なのか、教えていただきたいと思います。また、参拝しない場合でも、供え物の真榊を奉納する予定はありますでしょうか。
(答)このことについては、個人として適切に判断していきたいと思います。
(問)参拝するかどうかについての御質問も、そのようなお答えですか。
(答)そうですね。まだ今後のことですから、適切に判断していきたいと思います。
(問)明日、安藤忠雄さんやコシノジュンコさんらと面会されると思うんですけれども、その狙いについて教えてください。
(答)お2人とも、これまでシニアアドバイザーとして大変御協力をいただいておりますから、そういう立場で、どのような万博を目指すかとか、そういったことを意見交換をしていきたいと思っています。
(問)先ほどの学術会議のことについて教えていただきたいんですけれども、先ほど大臣、行政機関の一部とおっしゃいましたけれども、世界的に見ると学術会議というのはアカデミーとして認識されています。これから検討するに当たって、アカデミーとして求められる機能と、行政機関の一部として求められる機能、大臣としてはどちらが優先されるべきだとお感じでしょうか。
(答)そういうことも含めてこれから検討ということですからね。「これを、検討していこう」ということもまだ決めたばかりですので、これからということになります。
(問)例えば、アメリカの場合はナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスとか、イギリスだったら王立協会とかアカデミーがありますけれども、例えば、これから参考にすべき先進国のアカデミーとか、そういうものはまだ想定されていない段階でしょうか。
(答)これからですね。
(問)少し話が戻ってしまいまして、昨日の都センと国センの視察の件でお伺いしたいんですけれども。先ほど処遇改善という発言もありましたけれども、具体的に予算づけですとか人員の拡充ですとか、何か大臣、考えていらっしゃることはありますでしょうか。
(答)そういう意味では、しっかり必要な予算も確保していくというのは当然のことだというふうに思っています。それから、デジタル化も、これは政権全体として、別に消費者行政に限らず重要な政策の一つで、しかもデジタル化ですから、やっぱりスピード感を持って対応していくということだと思います。
 あとは、さっきも申し上げたように、喫緊の対応としては、この相談対応困難者への対応マニュアルの作成、これはもうなるべく早くと思っています。
(問)関連で、昨日、いわゆるセンター・オブ・センターと呼ばれるような、本当に中核となるところを御視察されたかと思うんですけれども。やはり先ほどの相談員の方が国を支えているということが、本当に地方の、全国隅々の相談員の方々にとっても、すごく前向きな発言だったのではないかと思うんですけれども、逆に各地の地方のそういった現場へも御視察なり、声を聞いてみたいというお考えはあるんでしょうか。
(答)これも非常に重要だというふうに思っていまして、センターによってもいろいろ全くばらばらだと、規模から何から、というふうに聞いております。ちょっと今考えているのは、徳島に行こうと思っていまして、例の移転の話もありますので、徳島に行ったときに、やはり徳島の地域のセンターなども見させてもらいたいと。調整中なので、まだ決定はしていませんけれども、そんなことを考えています。

(以上)