井上内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月25日

(令和2年9月25日(金) 11:42~11:58  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 まず、私から御報告します。大阪出張につきましては、前回、延期することとなりまして、皆様に大変御迷惑をお掛けしました。その後、再調整をして、明後日27日に行うことといたしました。関係者と意見交換をするとともに、会場となる夢洲の視察を行います。吉村大阪府知事、松井大阪市長、2025年日本国際博覧会協会の石毛事務総長や、関西経済連合会の松本会長、大阪商工会議所の尾崎会頭、関西経済同友会の深野代表幹事、古市代表幹事との面談を予定しております。大阪・関西万博の準備・運営の中心となって取り組んでおられる方々にお会いをして、今後の計画や課題等について率直に意見交換を行い、大阪・関西万博の成功に向け、力強く協力関係を築いてまいりたいと思います。また、夢洲を視察し、準備状況の進捗等を私自身の目で確認をし、現場のアイデア、悩みなどもしっかり聞いてまいりたいと思います。大阪・関西万博は、日本の魅力を発信する絶好の機会であります。地元の皆様と緊密に連携を取りながら、国際博覧会担当大臣の私が先頭に立ってオールジャパン体制で取り組んでまいります。
 次に、消費者及び食品安全担当の大臣として報告をいたします。本日の閣議におきまして、9月30日付で辞職予定の独立行政法人国民生活センター理事長、松本恒雄氏の後任に、前公正取引委員会事務総長、山田昭典氏を10月1日付で任命することが了解をされました。山田氏は、6月2日から29日まで実施した公募の結果、応募のあった方々のうち、外部の有識者から成る選考委員会において、消費者利益の実現の観点から最も適任であるとされたものであります。
 それから、科学技術政策担当の大臣として報告をいたします。我が国を代表して、第64回IAEA総会の初日となる21日にビデオ録画形式の演説を行いました。この演説における我が国のメッセージとして、コロナ禍におけるグロッシー事務局長のリーダーシップに敬意を表するとともに、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の取組が着実に進んでおり、ALPS処理水の処分方法の2つの選択肢は技術的に実現可能で、国際慣行にも沿っているとの認識がIAEA事務局長から示されたことを説明した上で、我が国として引き続き、丁寧かつ透明性を持って国際社会に説明していく旨を表明しました。また、原子力の平和的利用の分野における我が国の力強い支援や、北朝鮮及びイランを含む地域の不拡散課題に関する我が国の立場を表明しました。今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、ビデオ録画形式での演説となり、現地ウイーンで関係者と直接お会いすることはできませんでしたけれども、国際社会に対して我が国の立場をしっかり発表することができたと考えています。

2.質疑応答

(問)大臣が所管をする日本学術会議のことについて教えていただきたいのですけれども、学術会議の山極会長が今月末で任期を終えます。今期の学術会議の活動について、大臣としてはどのように評価しているのか。また、10月の総会で新しい会長が選出されますけれども、どのようなことを期待したいのか、教えてください。
(答)山極壽一会長、今月末で退任をされるということで、大変御尽力をいただいたと感謝をしております。日本学術会議は、科学者の代表機関として独立して職務を行っておりますけれども、山極会長、3年前の就任当初から、社会との対話、これを重視され、「未来からの問い」と題する報告を取りまとめられるなど、学術界と社会をつなぐ役割、積極的に果たされたと高く評価をさせていただいております。また、総合科学技術・イノベーション会議の議員として次期科学技術・イノベーション基本計画の検討等において、アカデミアの立場から御審議もいただきました。この間、霊長類学の世界的研究者のみならず、国立大学協会会長、また京都大学総長を務められ、大変御多忙であったのだろうと、その中で本当にありがたいと思います。次の会長は、互選によりまして来月初めに選ばれることとなりますけれども、山極会長と同様に、科学の知識の浸透にリーダーシップを発揮されることと期待しています。
(問)万博大臣、そして科学技術大臣という立場の形でお伺いしたいのですけれども、以前、JAXAが火星衛星探査機MMXで、万博のときに火星や衛星を中継するということが話題に上がっていました。それに関する期待をお聞かせ願いたいのと、このように、日本の科学技術を万博で広める、発信するということで、イベントなど、大臣が現在考えられていることがありましたら教えてください。
(答)JAXAの火星探査機MMXによる万博会場と火星とのライブ中継、現在、検討を継続中と聞いておりますけれども、夢のある良いプロジェクトだと思いますので期待をしております。大阪・関西万博2025、そもそもコンセプトが「未来社会の実験場」ということで、会場を新たな技術やシステムを実証する「未来社会の実験場」と位置付けて、多様なプレーヤーによるイノベーションを誘発して、それらを社会実装していくためのSociety5.0実現型社会を目指すこととしております。現在、次期科学技術・イノベーション基本計画の検討を進めているところであり、これらを具体的かつ実効的なものとして、次期基本計画の最終年度に開催される大阪・関西万博では、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を具体化したSociety5.0、これを世界にアピールしたいと思っています。たまさか、私がこの万博大臣に就任をしまして、かつ、この科学技術・イノベーションを担当しているということですから、なおさら融合して、それぞれ、いわばウィンウィンというか、両方に良い効果が出るように取り組んでいきたいと思います。
(問)消費者分野で2点お聞きします。1点目は、国民生活センター創立50周年です。先ほど大臣がおっしゃった、新旧理事長がお代わりになる、ちょうど来週10月1日が国民生活センター創立50周年に当たります。消費生活関連のいろいろな情報を管轄している、あるいはテストしたりとか、相談を受け付けたりとか、その機関である国民生活センター、半世紀の活動に対して、今後の期待も含めて受止めを一言お願いしたいということが1点目。2点目は、地方消費者行政の充実強化についてなのですが、地方消費者行政の核になるとも言われている、法律に基づいた「見守りネットワーク」、消費者安全確保地域協議会というのですけれども、この見守りネットワークの設置がずっと求められてきて、各自治体では設置している、増加しているのですけれども、まだまだ目標には至らない。多分自治体は頑張っているのだと思いますが、以前、担当大臣とか消費者庁の職員の方々がキャラバンを作って地方に回られたりとか、お話しされて要請されたりとかという実績もあるのですけれども、大臣として、この地方消費者行政の充実強化に向けて、何らかの具体的な予定であるとか、計画であるとかはお持ちでしょうか。
(答)国民生活センター50周年ということで、50年にわたってさまざまな御尽力をいただいたセンターの方々、関係者の皆さん、本当に感謝を申し上げたいと思っています。9日の日に、このシンポジウムを予定しておりますので、私もそこに出席をして、直接感謝を述べたいと思っています。そういうことで、この国民生活センター、着実な成果を出してこられましたけれども、今後もセンターが、全ての人々が安心して安全で豊かに暮らすことができる社会の実現に向けて、消費者庁と緊密に連携して、引き続き中核的な役割を担うこと、これを期待しております。それから「見守りネットワーク」の話であります。確かに「地方消費者行政強化作戦2020」、この目標を掲げましたけれども、なかなか目標まで届いていないことは事実であります。しかし、このネットワーク、非常に重要だと思っておりますので、その設置を更に進めていただくように、私としても後押しをしてまいりたいと思っています。具体的にはということなのですけれども、コロナの影響もありますので、実際いろいろ現地に行ったりすることはどうしても制限されてしまうことがあると思いますけれども、いずれにせよ、これから具体的にどういうことをやっていくかということについても検討して取り組んでいきたいと思います。
(問)現在、コロナの影響下で、イベントの開催など、人が集まることが難しい状況が続いていますが、この状況を経て、改めて万博を開催する意義と、コロナの影響を受けて、何かこれまでの万博と変わるべき点などあれば、お考えをお願いします。
(答)まずは新型コロナの終息に向けてということで、これはとにかく菅政権一丸となって取り組んでいく最重要課題ですから、そういう意味では、私もその一員としてしっかり取り組んでいくと。ですから、2025年の大阪・関西万博、それに影響がないように、もっと早く終息をさせていくということが一番大事なのかと思っています。その上で、むしろ、このコロナの影響を受けて、いろいろ社会のありようなどが変わっていくわけですから、そういったことも見据えた上で、「新しい形の万博」を考えていきたいと思っています。いろいろバーチャルとかデジタルとか、そういったことも含めて取り組んでいきたいと思います。
(問)IAEA総会について伺います。総会では、福島第一原発の処理水について、韓国側の代表団から、処理水を処分する場合は国際社会にちゃんと説明しなさいというやり取りがあったと聞いております。このことについての大臣の受止めと、政府内で今、処理水について処分方法を検討されていると思いますが、官房長官を始め、処分方法の決定については、決断する時期に来ていると表明をされています。大臣自身はどのように考えているか、考えを教えてください。
(答)御指摘の点については、まずIAEAの場では、現地の引原国際機関代表部の大使から、しっかり日本としての反論、これを行ったと聞いています。そういう意味では、国際社会にきちんと透明性を持った丁寧に説明していく、当然のことですけれども、それをやっていくということだと思います。実際の処理方法、その他につきましては、エネ庁を中心に、今、政府内で検討しているという状況ですので、それを見据えながらということになると思います。

(以上)