小此木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月13日

(令和3年4月13日(火) 9:27~9:43  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 お願いします。私から2つございます。
 平成28年4月に発生した熊本地震から明日で5年目となります。改めて亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。
 政府はこれまで、できることは全てやるという方針で、熊本県をはじめ被災された自治体と密に連携を図り、復旧・復興に取り組んでまいりました。これにより、今年3月の阿蘇大橋ルートの開通をはじめ、公共土木施設や農地、農業用施設の各災害復旧工事が概ね竣工するなど、復旧・復興が着実に進んでいます。一方で、いまだに応急仮設住宅等に入居されている方々がおられるということから、引き続き被災者お一人お一人が置かれた状況に寄り添って、そして生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行い、復興をなお進めてまいりたいと存じます。また、災害が激甚化する中、これまでの災害の経験と教訓を継承し、引き続き災害発生時には万全な対応を速やかに行うとともに、防災・減災、国土強靭化についても、しっかりと取り組んでまいります。
 もう一つは、民間企業との協定の話なんですが、先日、4月1日からですけれども、内閣府と民間企業4社との間で、災害応急対応に関する協定を締結いたしました。具体的には、佐川急便株式会社、アートコーポレーション株式会社、株式会社サカイ引越センター、株式会社引越社、この4社になります。これらの4社は、災害時に内閣府が要請させていただいた場合には、避難所における段ボールベッド等の組み立て業務、各社が保有する段ボール等の資材を組み合わせることで作製することができる、緊急時簡易型ベッドの供給業務について、本協定によりご協力をいただくことになります。
 この協定を通じて、災害対応における官民の連携が一層強化されて、大規模災害時における、避難所の環境改善がさらに迅速に行われるものと考えています。詳細については、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)熊本地震に関連して、その熊本地震で問題となりました車中泊についてお尋ねしたいんですが、コロナ禍で避難所の密を避けるために車中泊を避難手段の一つに考える自治体が増えているように感じるんですけれども、ただ、熊本地震でも問題になりましたように、エコノミークラス症候群という健康面とかリスクを伴うために、やむを得ず対応しているというところが多いと感じているんですが、自治体に聞きますと、国にもう少し具体的な踏み込んだ指針なり対策なりを求める声も聞かれるんですけれども、国として車中泊に対する考えとか、今後何らかの対応を検討されているのかどうかというところをお聞かせください。
(答)熊本地震には様々な要因がありますけれども、主に余震がずっと引き続き収まらなかったということから、エコノミークラス症候群というものが非常に県内でもいろんな報告がありまして、こうしたことを踏まえて内閣府として、やむを得ず車中泊をする場合の対応として、自治体に対して避難所運営のガイドライン、あるいは避難所における新型コロナウイルス感染症の対応のQ&A等において、車中泊の場合は浸水しないよう周囲の状況等を十分確認すること、車での避難者へエコノミークラス症候群防止の周知を実施するよう促すこと、一酸化炭素中毒等の危険に留意すること、車中泊のための車両スペースをできる限り1カ所にまとめて確保して、食料等必要な物資の配布、保健師等による健康相談等を受けられる場所等の情報を伝達すること、などについては既に示しているところでありますけれども、車中泊に関する自治体の先進的な取り組み状況も含めて、さらにいろんな情報交換の下に勉強することも引き続き必要だと考えていますので、そういう情報共有、連携を取りながら、そういう対策も進めてまいりたいと存じます。
(問)情報を共有するというものは、何か検討会なりワーキンググループみたいなチームみたいなものをつくって、今後そういう対策を検討するということでしょうか。
(答)言われたこともありましょうし、具体的なそういう専門家の意見をお聞きして会を設けるということは、まだそこまで着手していませんし、実際の状況を思いながらも、今は共有しながら、どのような方策が取れるかというところであります。
(問)今のところ、国としては車中泊については、あまり推奨できるような立場でないという、そういう理解でよろしいですか。
(答)推奨といいますか、実際に現実にあったわけですから、車中泊をする場合には、こうこうこうしてくださいというようなことを今、県と話し合って、それから被災者の皆さんには伝達をするように、その伝達の仕方も工夫をしながら努力していこうということであります。
(問)自民党神奈川県連の会長を務めた梅沢健治さんが一昨日亡くなりました。梅沢さんは大臣の御父様の彦三郎さんの盟友で、大臣御自身も「おやっさん」と呼んだりして、大分懇意にされていたと思うのですが、お悔やみなりあればお聞かせいただきたいのですが。
(答)深い悲しみの中におります。亡くなられた日に弔問にまいりましたが、コロナ禍でありましたので、非常に久しぶりの対面となりました。私にとりましては、大切な方でありました。長く会っていなかったため、今でも実感がありません。正に市井の中におられた方で、その中で、人情に関わる機微というものを大切にされて、そこに政治活動の原点があるといったことを教えていただいた方です。まだまだ私は十分にそういったものを引き継げていませんが、改めて、故人を偲び、そういった大切なところを引き継いでまいりたいと、このように思います。心から御冥福をお祈りします。
(問)亡くなる前に最後にお会いになったのはいつですか。
(答)もう覚えてないくらい、お会いしていません。
(問)残念ですね。
(答)はい。
(問)先ほどの段ボールの供給の協定の関係でお伺いしたいんですけれども、改めて避難生活における段ボールの利用の重要性ということのご見解と、あと今回、協定を結ぶことによる国側のメリットというか、その辺をお伺いしたいなと思っています。
(答)まず、最近の話ですけど、就任間もなく熊本にそれこそ参りまして、これは地震じゃなくて豪雨がございましたから、熊本人吉を訪ねたんですが、その中で避難所が設けられていまして、熊本県側から、コロナ禍ということもありまして、地べたといいますか、そこにただ単に布団を敷いて休んでいただくよりも、高さのある段ボールベッドのほうがクラスターが起きなかった、あるいは感染症が出なかったという面で大いに効果があったという話がございました。そういう地べたそのものに休むよりも、格段の違いがコロナ禍でなくてもあるという話を聞いて、もともとがプッシュ型支援の中で行われてきたと思いますけれども、そういう意味では非常に喜ばれたと、あるいは効果的だったということが政府としても実感としてあるところであります。
 例えば到着した段ボールベッドについて、製品の重量や組み立ての数量の関係から、自治体職員や被災者自身で組み立てが困難となって、自衛隊が本来の救助業務と別に対応している例があるなどの課題もあったという認識があります。また、同じく避難所で使用する段ボールベッドについては、内閣府の備蓄分はもとより、各事業者による迅速な生産体制の下で供給されていますけれども、今後発生が予想される大規模災害を踏まえると、さらなる体制の強化が必要と考えられてきましたけれども、以上の課題に対応するため、このたび各事業者と協定を締結することが、今、発表したとおりでありますけれども、本協定により大規模災害時の被災地支援がより適切、迅速になるものと考えていますから、大変にありがたいことだと思っています。
(問)今の協定の関連でもう1点なんですが、今回、国が事業者と結んだというのは、都道府県とか市町村が別に結ぶということもあり得るとは思うんですけれども、今、大臣がおっしゃったような大規模災害というか広域で必要になるようなことを想定して、国が主体となって協定を結んでいるという理解でいいんでしょうか。
(答)非常に申し出はありがたいという話でありましたので、広域であろうが、そうでなかろうが、必要なところには、全国組織だと思いますので、全国にいろんな支所もあろうと思いますし、いろんなところで、そういう意味では広域的に使えるということかもしれませんけれども、ありがたい話だと思っています。必要性は十分あると思っています。
(問)今朝、福島の汚染水をめぐる関係閣僚会議に、大臣もおそらく警備という業務から参加されていたと思うのですが、福島の関係をめぐっては、震災、地震、そして今回の汚染水処理という、地震があった際の総理の発言から生まれた「三重苦」があります。汚染水処理をめぐっては、地元で根強い反対がある中での決定だと思いますが、内閣の一員として、どういう形で地元の納得、懸念を示している周辺国、震災から続く風評被害に対処していくべきだとお考えでしょうか。
(答)総理からは、風評被害対策の努力を閣僚全員でしていきたいという発信がございました。まず、そのことに向けて、私としても、いろいろと更に考えてまいりたいと思いますが、警備も必要でしょうし、やはりいろいろなところで様々な知見を説明をするなり、不安というものはなかなか、人間の内なるものですから、その解消のための努力はする必要があります。その解消ができるかできないかという、なかなか難しいものとは思っていますが、そこに我々一致結束した努力が必要だと思っていますので、その方針の下で進んでいきたいと思います。
(問)大臣自身も福島に2月に足を運ばれて実情を御覧になったかと思うのですが、実際、この風評被害の影響を実際お感じになったりしたことはございますでしょうか。
(答)その時は地震で行きましたので、コロナ禍の時期だったため、滞在時間がものすごく短かったので、そのことについての話は一切出ませんでした。

(以上)