小此木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年3月12日

(令和3年3月12日(金) 9:41~9:59  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。私から1点です。
 本日の閣議において、激甚災害関係の政令を決定しました。具体的には、令和2年等に発生した災害について、市町村単位で指定基準に達した災害を、激甚災害として指定いたします。この政令については、3月17日の公布・施行を予定しております。詳細については、事務方にお尋ねいただきたいと存じます。
 私からは、以上です。

2.質疑応答

(問)病院船についてお伺いしたいんですけれども、超党派のほうで何か法案を提出するとか、審議するとかいう一部報道もありまして、その受け止めと、政府として、年度内に調査の方向性を示すということになっておりますが、その進捗状況を教えていただければなと思います。
(答)3月8日に超党派の病院船に関する議連の総会が開催をされて、議員立法について議論がされたと承知しておりますが、引き続き、これは注視してまいりたいと思います。
 政府としてですが、内閣府と厚生労働省、防衛省、国土交通省が分担連携して、病院船の活用の可能性について調査検討を進めております。内閣府の検討会においては、病院船は、災害時に陸上医療機関を補完するものとして期待されているといった意見がある一方で、具体的な平時の活用方策が見出せておりません。病院船で活動する医療従事者と運航要員の確保に課題があるといった意見が出ておりまして、それも報告を受けています。
 今後、検討会における報告書の取りまとめを踏まえて、年度内に政府内の考え方を整理していきたいと、そういうふうに考えています。
(問)地域防災を強化する観点で、郵便局の役割を大臣はどのようにお考えですか。
(答)いつも申し上げておりますけれども、郵便局には、日頃から地域の情報が集まるということ。地域とすれば非常に身近な局長を初め、郵便局の皆さんが身近な存在であるということ、地域の行事にも非常に積極的に顔を出されるというところを、私たちと同じように感じています。
 地域のことをよく知る多くの郵便局長が、防災士の資格を持っているということも現実の事として、そういう中でのいろんな防災についての啓蒙、啓発、こういうことに、自然のうちに取り組んでおられるということも感じています。大変心強く思っております。
 また、日本郵便株式会社は指定公共機関にも指定されて、被災者の郵便手段の確保などに責任を有するなど、防災上も重要な役割を果たすことが、さらに期待されていると思います。内閣府としても日本郵便や地域の郵便局と連携しつつ、地域の防災力向上に努めていきたいと思います。
(問)交通関係で、多様な交通主体の交通ルールの在り方についてお尋ねします。この検討会の趣旨ですが、これは電動キックボードや歩行支援ロボット等の新しいモビリティの普及を見越して、考えられる車両全ての交通ルールを抜本的に見直すことがテーマなのか、それとも、新しいモビリティを歩行者、自転車、原動機付自転車という今までの交通主体に当てはめることを考えているのか、この目的について、大臣はどのように把握されているのかお尋ねします。
 もう1点、この有識者検討会の情報公開についてお尋ねします。この検討会の補足資料を情報公開請求しましたが、ホームページに掲載されていない資料を公開するかの判断に105日かかるという判断が出ております。長いということもさることながら、それほど多くの情報が提供されていないということだと思います。検討会は非公開にすべきという採否が議事要旨にはありません。ただ、事務方からは、情報は非公開だからということなのですが、新しい交通主体がどんどん出てくる中で、国民は、その新しい交通主体に対して、百人百様のイメージを持っていると思います。この春、中間取りまとめをいきなり見せられても、議論が紛糾するのではないかと思います。社会的理解・合意を得るためには、国民に対してもう一段踏み込んだ積極的な情報提供が必要なのではないでしょうか。この受け止めについても、お願いいたします。
(答)御質問を聞いていると、何か、事務方がとても冷たく感じますね。そういう感じなのでしょうか。
 後半の部分について、会議資料については、検討が一定程度進んだ後に公表する旨、第1回検討会において、有識者委員間で申合せがなされ、それを前提として議論が交わされてきたと承知しています。よく言われることですが、新しいモビリティについて、いろいろな方面から闊達な議論をするために、そういうルールにしましょうと、つまり、一定程度議論が進んだ後に公表することにしましょうと決まったと聞いています。
 検討会では、4月の中旬頃、中間報告書を取りまとめますが、その際には、報告書と共にそれまでの会議資料を速やかに公開して検討の状況を広くお示しする予定との報告を受けています。
 警察庁では、具体的な交通ルールの在り方について、報告書の内容を踏まえるとともに、更に幅広く御意見も伺いつつ、引き続き検討を進めていくものと承知をしています。
 前半の部分については、正に新しい交通手段、いろいろな運送手段も含めて、便利なものとして考えてきたのでしょうが、いろいろな発明もあったと思いますが、これは交通ルールという観点から見れば、交通事故が起こらないとも限らないということ、重大事故にどのようにつながっていくのかということも、幅広く議論されることは大事だと思っています。正に、安全で快適な交通を目指していくわけでありますが、新たなモビリティ以外の交通主体に係る既存のルールを変更することも視野に入れて議論が行われていると承知しています。引き続き議論の状況を注視していきたいと思います。
(問)自衛隊施設周辺などの土地買収規制を強化する法案について伺いたいんですけれども、政府で目標としてきました、3月上旬までの閣議決定、国会提出ということが、まずできませんでした。それについての受け止めをお願いします。
(答)さらに熱心な議論が、与党内で今行われておるという認識でありますし、政府内も最大限努力をして、よりよい法案提出になりますように、今努力をしているところであります。引き続き国会で審議いただけるように、努力してまいりたいと思います。
(問)そこについてなんですけれども、昨日、公明党も北側一雄中央幹事会会長が、この法案に関して「まだ審査中であって、この国会で成立するという話をする段階ではない」ということを述べていますが、それに対する受け止めと、この法案の閣議決定と国会提出の時期的な目途についてのお考えをお願いします。
(答)それは努力をしているということでありますから、何とも申し上げられませんけれども、熱心な議論が交わされているということ。そして、私ども政府もしっかりと努力をしているということを改めて申し上げたいと思います。
(問)度々で恐縮なんですけれども、この国会での提出を目指すというふうにおっしゃってきたと思いますが、それは変わらないということでよろしいですか。
(答)はい、もちろんです。
(問)2つお伺いします。
 東日本大震災から昨日で10年が経ちまして、大臣も出席されましたけれども、昨日追悼式が開かれました。防災・減災、国土強靱化を担当する大臣として、改めて思いを伺いたいのと、もう1点は、国会審議で度々取り上げられていますが、選択的夫婦別氏制度について、閣僚でも考え方が分かれているかと思います。10日には、自民党でワーキングチームを設置するという発表もありました。選択的夫婦別氏制度についてのお考えを伺います。
(答)まず、東日本大震災から昨日で10年が経ちました。天皇皇后両陛下御臨席のもと、式典ができましたことは、非常に感慨深いことだと思います。被災地の皆様もそれぞれお話をされましたこと。つらい思い出、決して御本人からすれば、思い出したくないような話なのかもしれませんけれども、あそこで語っていただくこと、風化をしないためにも、必要なことだなということを思いまして、お話しいただいたことに、心から敬意を表したいというふうに思います。なお一層、担当大臣といたしましても、防災に向けた、あるいは国土の強靱化に向けた務めを果たしていきたいと、こういうふうに思います。
 選択的夫婦別氏制度については、私自身の政治家としての、あるいは、人間としての思いもありますが、これは進めていくべき話だと思っています。政治家としても二十数年活動していますが、早々に、容易く、この結論に至ったわけではありません。この数年の私の考え方としては、今申し上げたとおりです。
(問)確認なのですが、進めていくべきだという考えというのは、議論を進めるべきということなのか、それとも、選択的な夫婦の別氏を進めていくべきということなのか、どちらになりますか。
(答)政治家としても、個人としても、思いが分かれていますので、議論を前に進めていくということだと思います。
(問)そうすると、大臣の個人的なお考えというのはあるが、それを置いておいて、議論を進めるべきだということですか。
(答)私が進めるべきというのは、選択的であれば、これは選択できるわけですから、そちらの方向に進めていくと、もし問われれば、そういうことだと思います。
(問)今の質問にも関連しますけれども、東日本大震災の発生から昨日で10年ということで、その教訓として、犠牲者となった方の約6割が高齢者や災害弱者であるというような状況がありますけれども、改めてその教訓を生かすという意味で、「誰一人取り残さない」という観点で、大臣としての思いをお伺いしたいと思います。
 併せて、災対法改正案の中で、個別避難計画の強化、それと各自治体への努力義務化という項目が入っていますけれども、国として自治体に対して、どのような支援を行っていくのかということを、併せてお伺いしたいと思います。
(答)最初の話は、いろんな言い方ができると思いますけれども、自助・共助・公助という言葉が発信されて、そして絆ということも含めて、総理から発信されて、ややちょっと取られ方が必ずしも素直に受け入れられていないというかな、思いが私にはあるんですけれども、やはり今やもう防災に限っていえばと、所管ですから、きちんと組み合わせの中で、それぞれが自助・共助・公助というのは独立されているものではなくて、みんなで一緒に助け合っていくんだということ。どうしたって自分の力だけでは歩いていけない、逃げ切れない中で、共助や公助があるということでありますので、あなたは自助でやりなさい、全て自助でやりなさいなんていうことを、そんなような意味で言っている人はいないと思いますけれども、改めてそれは発信したいと思います。
 個別避難計画の作成等についての話だと思いますけれども、後半部分はね。改めて申し上げますと、ハザードマップ上で危険な地域にお住まいの介護が必要な高齢者の方など、まずは優先度の高い避難行動要支援者について取り組んでいただきたいというふうに考えていまして、内閣府としては、現時点で優先度の高い避難行動要支援者は、約250万人と推計しています。この方々に係る個別避難計画の作成経費ですが、先行事例等を踏まえ、1人7,000円程度と。全体で180億円程度を要すると考えています。こうした優先度の高い方について、市町村には、概ね5年程度で作成に取り組んでいただきたいと考えており、年平均で36億円程度、初年度令和3年度は、その半分の約18億円程度を要すると見込んでいます。
 これらを踏まえて、令和3年度において市町村における個別避難計画の作成経費について、新たに地方交付税措置を講じることとされていますけれども、こういったことについても進めていきたいと、こういうふうに考えているところです。

(以上)