小此木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年12月25日

(令和2年12月25日(金) 10:07~10:23  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私から1件ですが、30日ごろから年明けにかけて、上空の寒気が先週の大雪のときより強くなり、北日本から西日本の日本海側を中心に、平地も含めて大雪となるおそれがあります。政府としましては、本日午後1時45分から、私も出席をいたしまして、関係省庁災害警戒会議を開催して、気象庁から最新の予報について報告を受けます。また、年末年始の関係機関の警戒態勢を確認いたします。引き続き緊張感を持って対応してまいりたいと存じます。
 私からは以上です。何かございましたら。

2.質疑応答

(問)今おっしゃったとおり、年末にかなり強い寒気が、しかもかなり広範囲に入るというところで大雪を気にされていますけれども、大臣としてはかなり強い危機感をお持ちということでよろしいんでしょうか。
(答)強いかどうかというのは自分ではあれですが、常に緊張感を持って、いろんな情報に接しながらおりたいと思っております。
(問)午後の関係省庁災害警戒会議では、特にこういうことを確認したいとか、またこういうことを国民に呼びかけたいとかがありましたら、お伺いできますか。
(答)今申し上げたとおりですけれども、雪といいましても単なる雪のことだけを気にするのではなくて、この数年で起こっております、頻発化・激甚化ということは他の災害でも言っておりますけれども、まず行政の連絡、あるいは地域間での連絡を共有していただきながら、予報等に接していただきたいと思います。
(問)防災におけるこれまでの取り組みの評価と課題、あと今後さらに進めたい施策について、ちょっと全体的なお話なんですけれども、お願いいたします。
(答)私の担当からしますと、3年前に一度、今の立場に就任をし、今年の9月から改めて就任をしたという中でですね、秋の臨時国会でも、皆さんに議論していただきました被災者生活再建支援法の改正ができました。半壊世帯のうちの比較的大きな被害を受けた世帯を、その支援金の対象を広げるという形で追加をすることができました。この3年の中でこのことについては、自治体責任者、あるいは議員の皆様からも、様々な角度から、要請をいただいたことがありました中での結果、つまり国会に提出をいたしました中でも、全党の皆さんの賛成をいただいて成立することができて、少しでも不安の解消につながることができれば大変にありがたいことでありますけれども、これは一つの成果といえば成果という中で。
 ただ今年、御案内のように、コロナ禍で起きた災害もございました。避難所の密を避けるということについての、自治体、現場での徹底がされていたというふうにも思いますけれども、避難所からは感染者が出なかったということもございました、なお、そういういろんな意味でのいいこと、そして必ずしもできなかったことの反省を次に生かさなければいけないと思いますし、そういった発信も国民の皆様や、あるいは自治体の方々にお伝えをすることが、これからの課題というふうにも捉えられると思います。
 また昨日ですね、有識者会議からの提言をいただきました。広域避難に関することですとか、あるいは高齢者の皆様の避難についての提言を昨日いただきました。こういったことについて、必要な法制化、制度改正を常に心がけながら、防災部局とも力を合わせて前に進めてまいりたいと思います。
 また、様々な分野で、この内閣が発足をいたしましてから、デジタル化の推進ということも発信していますけれども、ここでも何度か申し上げてきたように、罹災証明書の電子申請、コンビニ交付を含むクラウドを活用した被災者支援システムの開発や、各省や自治体の様々な被災者支援制度に関する情報を集約したデータベースの構築など、防災分野のデジタル化というものがありますけれども、こういったものも、縦割りの打破ということも発信をしていますが、各省庁協力をして防災に係るための努力を今後ともしてまいりたいと存じます。
(問)午後の災害警戒会議について、関越道で先日も数日に及ぶ立ち往生がありました。それを踏まえて、関係省庁に具体的にどういった指示を出される御予定でしょうか。
(答)2年前にも福井県を中心とした大雪があり、立ち往生のほかに、高速道路を下りたところで連絡が取れなかったという乗用車があり、これはとても大変不幸なことになりました。国家公安委員長として、警察にも、あるいは気象庁にも、このような事案があったこと、また、もう一度気を引き締めて、そういったところにも気持ちを配ってほしいということを言いました。いろいろな状況等の確認等の共有が繰り返し繰り返しされることが重要であると思います。私も今日はそういうことを改めて伝え、気を引き締めてまいりたいということであります。
 世間は、コロナ禍で、またクリスマスイブ・クリスマスということもありますが、私たちの中では気を緩めないようにしなければならないと感じていますので、それを発信したいと思います。
(問)大臣がおっしゃいましたように、コロナ禍だからこそ、公共交通機関の利用を避けて車で帰省するという方も多くいると思います。小さい子供であったり高齢者も乗っていて、それで立ち往生に遭うと命にかかわるような危険もあると思いますが、そのあたりの危機感もやはりお持ちでしょうか。
(答)もちろんですね。なるだけ外出は控えるということも一つでありましょうし、先ほどから申し上げているような密の回避はもちろんのこと、それに大雪という予想がされることでありますので、先ほど申し上げましたけれども、天気予報の情報を常に頭に入れていただきたいと、接することに努力をしていただきたいと思います。
(問)昨日報告を受けられた、台風19号を受けてのサブワーキンググループの報告の件で伺います。
 サブワーキングの報告書の中では、特に伺いたいのは、広域避難に関しまして、制度面に関しては一定の方向性、今後取り組むべき方向性というのが御提言としてあったわけですけれども。その中で、報告書の中で文言で、実効性の確保に向けては制度面だけでは容易に解決できない課題が山積しているというような指摘があって、制度面だけではなくて実効性を高めるためのオペレーションの部分もしっかりと取り組んでいくべきだという文言が入っておりました。
 広域避難はなかなか一朝一夕に実行するのは難しいと思うんですけれども、この広域避難に関しての大臣の問題意識ですとか、特にこういうことを取り組むべきじゃないかというお考えがあれば、お聞かせください。
(答)広域避難、大規模広域避難ということの中でですね、どのようなことができるか、あるいは過去どのようなことができなかったかということについて、いろんな議論、提言をしていただいたと思います。市町村、都道府県、自治体をまたぐということでありますので、そういう大人数が災害が起こったときに広範囲に移動する、あるいは、繰り返しになりますが、予報に応じて、その大きさの中で備えておく、準備をするということについては、規模が大きくなれば大きくなるほど、あるいはそういう予想をすればするほど、自治体間の協力、あるいは情報の共有、あるいはそれが都道府県まで来たり、あるいはそれを国がきちんと把握するというような中で、災害が起こる前から本部を設置して、常にそういう連絡が共有できるような体制を整えていくと。まずこういったことも法案化して、法律として私たちは、まず言われた制度というものをつくるわけですけれども、その制度ができました、これから制度をつくりますという情報を、やっぱり私たちから発信する、また都道府県、自治体がそれを把握していただいて、さらに国民の皆さんに発信をしていただくということが非常に重要だと思っています。
 広域避難の実効性を高めるためには、申し上げましたけれども整理して申し上げますと、平時から避難先や避難手段について関係者間で話し合い、顔の見える関係を構築し協定を締結することや、平時から住民等への周知・啓発を行い、広域避難に対する社会機運を高めることなどに取り組んでいくことが必要であると思いますし、内閣府として関係者間の先進的な調整事例や広域避難の検討手順の整理などを行って関係者とも連携して広域避難の実効性が高まるように、常に努めてまいりたいということでございます。
(問)今の関連で、昨日のサブワーキングの報告ということなんですけれども、もう1点、災害情報の関係に関しまして、避難指示の一本化であったりとか、避難情報の整理が改めてなされたんですが、その中で名称の変更というのもあります。大きな災害が起きるたびに名称が変更されるということが、このところ相次いでありまして、言ってしまえば、ころころ名称が変わってしまうことについてどう考えるのかということについて。また、周知徹底というのも今後ちゃんとしていかなきゃいけない、自治体の負担という部分も考えなきゃいけないとは思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)そのころころ変わるというのは決していい表現ではないんだけれども、そういうふうに見られる場合もあると思うんですね。ただ、災害そのものが小さくなることじゃなくて、大きくなっていると。つまり、それが激甚化しているという意味ですけれども、それに応じて対応していかなきゃいけないということになれば、よりよい発信ですね、避難についての発信だとか、あるいは被災者同士の情報共有だとか、そういったあり方は常にその災害に応じて変えていかなきゃいけない。
 加えて、先ほども話しましたが、コロナというものが加わりました。複合災害という言い方をしますけれども、そういった中での、私たちというか私がここでしゃべっていますけれども、実際想像しながら、あるいは自分の中でも被災地を回り、被災状況を見ながらしゃべっているつもりですけれども、実際に被災に遭っている人の精神状態は、また想像を超えたものであると思うんですね。特に高齢者、中で様々な議論をしていただきましたけれども、逃げてくれと言っても逃げていただけない方もおられるという中で、何とか努力をしたいということなので。繰り返しになりますが、ころころ変わるという意識よりも、常に起こる災害等々に備えて、過去の教訓を持ちながら次に備えるという気持ちを持つということが、非常に重要であるということを私は今思っております。あるいは学んでおります。

 令和2年は最後の会見になろうかと思いますが、皆様にもいろいろお世話になりましたことを心から感謝申し上げます。改めて、なかなか緊張感の抜けない仕事でありますが、危機感の発信という意味では、これからも協力いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。今年一年、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

(以上)