小此木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年10月20日

(令和2年10月20日(火) 10:44~10:53  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私からですが、昨日まで長崎県の五島市に行ってまいりました。18日から19日にかけてでありますけれども、きれいでのどかな島であり、人も温かく、中村知事、野口市長をはじめ皆様におもてなしをいただきました。お忙しい中を御対応いただいた、島の方々にも感謝しております。
 五島市は、令和元年度において転入者数が転出者数を上回って、33人の社会増を達成しているという先進的な地域であって、実際に転入された方々とも意見交換をしてまいりました。
 例えばワーケーションを推進しているホテルや、廃校になった小学校を改修したグランピング施設の支配人や、従業員の方々は転入者でありました。交付金を活用した事業を通じて島の活性化に大きく貢献しているとともに、知人に五島のよさを勧められ、さらなる転入につながる好循環となっていたと感じました。また、五島市には10年以上前に建設業から風車のメンテナンス業に転換をして、五島市の沖合にある浮体式洋上風力発電の風車だけでなく、全国120の風車を遠隔で監視してメンテナンス業を営む事業者もおり、デジタル化の先進事例であると認識いたしました。
 新しい内閣では、いつも言うように、自助・共助・公助をモットーに改めて取り組んでいますけれども、まさに五島市では、この自助・共助・公助がうまく組み合わされているということを実感いたしました。
 五島はアルファベットで、これはちょっとしゃれになっちゃうんだけれども、「GOTO」と書きますが、政府としてコロナウイルス対策に全力を挙げて、多くの方々に国境離島を訪問していただきたいと思います。まさにGoTo五島ということ、これは市長さんも前のめりに発信しようというような、しゃれといったらしゃれなんだけれども、わかりやすい発信にしていこうということがありました。
 今後ともこうした前向きな取り組みを支援してまいりたいと考えております。マスコミの皆さんも、ぜひこうした取り組みを報道していただければと改めて思いました。
 もう一つですが、領土・主権展示館における企画についてでありますけれども、お知らせです。領土・主権展示館では、10月27日から12月6日の間、企画展「海図の発展とEEZ」を開催します。海図とは、航海の際に必要となる水深や海岸の地形等が記載されたものであり、EEZの範囲を確定する際の根拠となるものです。我が国の海図の発展の歴史を学ぶことを通じて、一般の方にも領土、主権について関心を持っていただくことを期待しております。
 なお、本企画展は今年の2月に一旦開催し、コロナということもあり中止になってしまいましたが、測量器具等の資料を追加展示し、内容をさらに充実して開催するものであります。詳細は、領土・主権対策企画調整室に照会していただきたいと思います。
 私からは以上ですが、何かございましたら。

2.質疑応答

(問)今、イギリス政府の発表が入ってきまして、ロシアの情報機関GRUが東京オリンピック・パラリンピックの関係団体等へのサイバー攻撃を行っていたと明らかにしました。このことについて、大臣の受け止め、また、今後の対応について、お聞かせください。
(答)報道については承知しております。警察において、一般的に、この種の事案が発生した場合には、関係機関等と連携をして、所要の対応を行っていると承知をしています。個別の事案における対応の詳細については、事柄の性質上、お答えを控えたいと思いますが、引き続き関係機関等と連携しつつ、大会の安全・円滑な開催に万全を期すよう、警察を指導してまいりたいと存じます。
(問)離島の視察についてお伺いいたします。
 1つ、転入者を、要するに五島のほうで人口が増えていると。この要因といいますか、五島が選ばれている理由というのはどういうふうにお感じになったのか。
(答)国境離島に対する交付金を活用していただくというような法律が2016年に成立いたしまして、去年がその3年目だったんですけれども、まさにそういう制度を利用されて、これは国と県と五島市で財源を持ってやる補助金制度ですけれども、そういったことを活用されているということの中で、3年目に社会増が増えたと。
 まさにそういったところを5カ所、6カ所見てまいりましたけれども、先ほどの遠隔操作、これは建設業から洋上の風力だけじゃなくて風車による自然エネルギー、そういったところを何と120カ所、北海道も含めて遠隔で操作、監視をしているというところがありました。まさにデジタルの先取りというふうに言いましたけれども、そういった事業にも、そういう制度を利用されて雇用も増えたということ。あるいは先ほどの廃校になった学校を利用して宿泊施設を整えているところ、数カ所回りましたけれども、そういったところの従業員、あるいは支配人、そういった方々も、地元の人もおられるんだけれども、まさに外から五島に入られて、生業というものを築かれた人も多くいらっしゃった。そういう私は出会いがありましたので、いろんな効果があったと思います。まさに地元のもの、食べ物をおばあさんのころから受け継いで、御商売を大きくされているという方もおられたんで、いい制度をいい意識のもとで使っておられるなということを感じました。
(問)一方で、離島の一つの課題というよりコロナ対策なんですけれども、そこら辺は何か地元の方から悩みだったり、要望、特に病床の不足とか、あと医療体制の脆弱さという課題がある。この辺、コロナ関連で大臣の印象に残ったことはありますか。
(答)五島では、これまで感染者数が2名ということが市長のお話でわかったわけですけれども。ですから、そういったことに対する密を避けるですとか、衛生的なところでは相当気を使われていると思いますと同時に、3年目でようやく30人以上の転出者がふえてきたという努力がかなったところで、今年コロナということですから、返す返すもこれは残念だということを市長のお話から感じましたので、そういったことは続ける一方で、申し上げたように3密対策、あるいは衛生上の対策を、島の皆さん一体となって気をつけるように、特に気を使われているということを感じました。

(以上)