西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月4日

(令和2年9月4日(金) 20:42~21:22  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 私から冒頭申し上げます。
 まず、分科会の前に人事について申し上げます。
 9月14日付で内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室の樽見室長が厚生労働次官に着任し、後任として吉田次長が室長に着任することになりました。
 樽見室長には3月のコロナ室発足以降、厳しい状況の中で緊急事態宣言をはじめとして対策の推進において力を振るってもらいました。再来週以降、違う立場になりますけれども、引き続き連携してこのコロナ対策に当たってもらえればと思っております。
 後任の吉田次長は、8月7日にコロナ室次長に着任する前まで、御案内のとおり厚労省の医政局長として、まさにこの新型コロナ対策に当たってきたわけであります。これから、まさにインフルエンザとの同時流行も含めて秋から冬にかけて、繰り返して申し上げていますとおり医療提供体制、国民の皆さんの命を守ることが何より大事でありますので、医政局長として取り組んできた経験を生かしていただきながら大いに活躍をしてもらえればと、その手腕を発揮してもらえればと期待しています。
 それでは、本日の分科会の概要について申し上げます。
 第8回目であります。3点御議論いただきました。最近の感染状況、Go To Eat事業、そしてワクチン接種などであります。
 まず、最近の感染状況につきましては、先日の厚生労働省のアドバイザリーボードで報告が取りまとめられています。そのことについて、今日は押谷先生から御説明がありました。
 もう御案内のとおりでありまして、7月末をピークとして緩やかな下降が続いているという評価であります。
 引き続き重症化の方は遅れて数が増えてきますので、感染された方の重症化防止、そして命を守るために引き続き高い警戒感を持って対応に当たりたいと考えています。
 詳細について何か御質問がありましたら、尾身先生もおられますので御対応していただこうと思います。
 そして、2点目の「Go To Eat」のキャンペーン事業でありますけれども、「Go To Eat」のうち、今回2つの事業があることは御存知だと思います。1つが地域ごとの食事券の発行事業、もう1つがネットで予約をしてポイントが付与される事業であります。今回は、そのうちの食事券を地域の域内で使える、都道府県内で使えるプレミアム食事券についての事業、これについて御議論いただきました。
 もうお分かりになると思いますけれども、商工会議所や商工会などが中心となってこのプレミアム食事券を発行して、その都道府県内で使えるという事業であります。
 そして、既に農林水産省で発表されていますが、8月25日ですね、33の事業体が実施するということで、公募の結果が公表されています。この緑のところであります。
 ちなみに、北海道、東京、沖縄といったところは、都道県は今回33の中に入っておりません。今後、また2次募集、2次公募などあると思いますけれども、今日、御議論いただいたのはこの地域のことであります。
 そして、食事券の話ですね、今申し上げた。オンライン、飲食については、今日は議論を行っておりません。まだ開始ということではないということであります。
 そして、このことについて今日、御議論いただきまして、専門家の皆さんから、分科会の皆さんから提案、御意見をいただきましたので、このことについて尾身先生からお話をいただければと思います。

(尾身茂会長)尾身でございます。よろしくお願いします。
 今、大臣から御説明があったように、今日は最近の感染状況とかワクチンのことも話しましたけど、今日のメインイベントは、この「Go To Eatキャンペーン」について国からの大きな方針が示されて、分科会のメンバーとしてはどういうふうに考えるのかというような意見を求められて、今日、我々の意見をまとめて、今から申し上げるのが分科会のメンバーのコンセンサスとしての政府への提言です。
 比較的簡単なので、今日は記者会見はすぐに終わるんじゃないかと思います。
 実は、「Go To キャンペーン」の分科会の政府への提案というのはこの4つの柱がありまして、1、2、3、4ですよね。私ども分科会で最も大事な、ある意味ではこれからウィズコロナ、あるいはポストコロナの日本の社会がどういうふうな社会、文化であってほしいかという、感染症という領域だけじゃなくて、もう少し日本人のレジャーの楽しみ方、食事の仕方、そういう文化についてもこの機会に少し考えた方が良いんじゃないかというのがかなり強く主張というか、提案をさせていただいたのがこれです。
 「新しい会食の在り方を考える機会」ということで、新しい生活様式の下で、利用日や利用時間帯の分散及びスペースの分散など、従来の会食スタイルにとらわれることなく、新しい会食の在り方を考える機会とすべきじゃないのかと。これは感染症対策というより、広い日本人社会の文化とか生活の仕方に対する提言だと思うんですけど。
 例えば、今回はいろんな飲食店だとか、「Go Toトラベルキャンペーン」の方はホテルとかっていうことで、日本人の場合にはどうしても夏休みになると一斉に休みをとる。当然、行くときに新幹線とか何かもかなり混みますよね。帰ってくるときも混む。ホテルに行ったり、食事もかなりその時期に行けば混むということで。
 ホテル、あるいは飲食店の方は、その期間はお客さんがたくさん来るから、いわゆる目一杯になって収入は上がるけれども、実はそうではないローシーズンと言いますか、そうじゃないとお客さんがぱたっと止まるということで、一時期は収益がわっと増えるんだけどいうことが恐らく、私は経済の、ビジネスの専門家ではないですけど、そういうことは実感として分かりますよね。
 実は、お店の方にしたって、あるときものすごく収益があっても、ある時期になるとほとんどというよりは、コンスタントにお客さんが6割とか7割とか一定程度入る、コンスタントに。そのことが恐らく、経済の専門家の人なんかもそのことをおっしゃっていましたけれども、我々素人でも実感として分かりますよね。
 そのことが、実は我々生活者にとっても比較的、行ってもお店だとかいろんなところがゆったりしている、電車では満員電車じゃない、ゆっくりした電車の中で、あるいはレストランの中で食事ができるという。そういうことでこの提案をさせていただきました。
 もちろん、こういうことはすぐには、理想論かもしれない。日本人の働き方、あるいは休暇の取り方等がすぐに変わるということはなかなかそう簡単ではないという認識はみんな示されていましたけど、こういう機会にそういうことを考える機会になって、人々のクオリティーオブライフも良くなるし、お店の経済的、それから個人の言ってみれば生活にゆとりが持てる、そういうような考えでこれを第一番目に書かせてもらいました。
 それから第2番目が、この会食のリスク。もう3密いいですよね。大声を避けということの対策の一環として、リスクを認識して事業者や利用者の相互が十分な予防対策を図るとともに、ここも感染発生時の店の利用者をトレースできる、これは起きた場合ですよね、トレースできる体制を確保した上で推進すべきであると。このことはよろしいですよね。今までもこういう議論は。
 3番目に、じゃあ今回は、今、大臣の方からもお話があったと思いますけど、県単位でやることになりますので。そうすると、私ども分科会でこの前のステージ1から4の考えを示したと思うんですけど、そのステージの考え方と、この「Go To Eatキャンペーン」の考え方がどういうふうに関係するのかということも、かなり今日議論が出ました。
 そういう中で、今回の我々のコンセンサスとしては、各都道府県においてステージ1とか2、感染がまだ下火という、比較的コントロールされている時期ですよね、医療機関への負担も少ない、というように相当すると都道府県によって判断される地域で、ここの地域でこういう1とか2に相当すると判断する地域で実施することを、この「Go Toキャンペーン」は基本として。
 ただし、ステージ3または4に相当すると判断される地域では、この開始しようか、するべきかどうかも含めて、あるいは開始した後に感染が拡大した場合、そこをどうするかということも含めて慎重に対応していただきたいということがこのステージ。
 ステージ1と2と判断される。知事が判断されますよね。そういう地域で実施することを基本とする。ただし、ステージ3、4になった場合には、いろんな方法で、開始することを遅らせることもあるし、実際にこれがこの事業で政府の方がこれを具体化できるかどうか。いろんな不都合が生じる可能性がありますよね。始めちゃって券を配っちゃったのを、急に始めてから感染が拡大することはあり得るので、そういう実行上の困難さっていうのは当然あるんじゃないかという意見も出たんですけど。一応、我々分科会としては、これは政府への提案ですから、このことはやっぱりちゃんと分科会として提案すべきだということでコンセンサス。あと、この考えをどう実行するかっていうのは国が判断して、できれば実行していただきたいと私たちは思いました。
 それから、ガイドラインについても、遵守している飲食店の情報を集約して、これを積極的に広報していただきたいというようなことも、かなり議論が出ました。
 もちろん、ガイドラインというのは必ずしも完璧でない可能性もあるので、いろいろな経験を積んで直すべきところがあれば適宜直していくということは当然。
 あと、ここに書いたこの方は、国の方からもいろいろ出されていますので、ほぼ特に大きな問題はありませんけど、COCOAの問題であったり。
 あと、ここでは、今日出て、政府の方の提案には多分なかったと思いますけど、この「ダイナミックプライシングの導入」という。これは経済の方の専門家の言葉だと思いますけど、結局、人がうんと集まる時間だとか所には少しお金を高くして、なるべくそういう所を避けよう、むしろ空いている所に行く方が安くなるから行ってみよう。そういう値段を介して人々のインセンティブ、あるいはディスインセンティブを図ろうという動きだと思いますけど。そういうことも導入したらどうかと、この事業の1つの要素としてですね。これは国の方ができるかどうか、これも分かりませんけれども、そういうことを是非やって。それが実はここの、新しい会食のこのスペースですね。いろんな時間帯や分散スペースの方にも貢献できるんじゃないかということで。
 これが今日のまさにメインイベントで、これについてコンセンサスができて、これをあと国がどう判断されるかということで、できれば我々としてはこういうことを検討していただいて、採用していただければ、新しい時代の生活の仕方ですね、相応しいものじゃないかというふうに思って。
 以上、簡単ではありますけど、説明させていただきました。

(西村大臣) ありがとうございます。
 尾身先生から今、御説明がありましたとおり、分科会としてこの今の御意見をいただきました。
 これを受けて、今後、農林水産省において、本日の御意見も踏まえて検討を行っていくことになります。
 そして、そのいただいた御意見を踏まえて、進め方について整理ができれば、9月中、下旬以降、順次事業が開始されると聞いております。
 その上で何点か申し上げれば、まず1点目は、感染防止策を徹底すれば、これは実施可能であるということだと理解しております。ガイドラインをまず徹底的に守ってもらうということでありますし、遵守してもらうということであります。そのガイドラインも、様々な経験、知見を踏まえて今進化させていく、改善すべき点があれば改善させていくということであります。
 それから2つ目に、ステージについてのお話もございました。それぞれの都道府県知事が、これまで分科会でお示しいただいた6つの指標を見ながら、それを参考にしながら、今既に自分の都道府県がどのステージにあるかは日々見ておられると思います。ステージが3、4の信号が付いてくると、信号が灯ってくると休業要請を行ったり、様々な対応がこれまでも取られてきたところであります。
 7月末をピークとして減少傾向にある中で、この3、4を示す信号が少し減ってきているものと理解していますが、こういったことを見ながら、それぞれの都道府県に判断をいただいて事業を開始すべきであるということ。
 それから、万が一開始した後であっても、感染が拡大してくれば、そのときにしっかりと対応すべきであるということ。
 それから、そもそも3とか4とかのステージにあると判断されるときは、当然知事は休業要請を出したりしますので、あるいは時間短縮を出したりしますので、それとあわせて「Go To Eat」をやるということはないと思いますけれども、そういった判断をしていただくということになると思います。
 それから、対象の飲食店についても議論がありまして、リスクをよく評価して対象を考えるべきであるという御意見もいただきました。
 クラスターが発生しているような業種については、対象をしっかり考えるべきだと、そういったことを見ながら対象を考えるべきだという御意見もいただきました。
 こうした御意見を踏まえて、農林水産省において検討を進めていくことになります。いずれにしても今、最初に御提言があったように、新しい会食の在り方を考える機会ということであります。
 ダイナミックプライシングのようなお話もございました。都道府県によっては、いわゆる忙しい時期は当然支援をしなくてもお客さんは来てくれるわけですが、そうでない時期にプラスアルファの支援策をやることによって、観光やこうした飲食に支援を行っている都道府県もあります。地方創生の臨時交付金を使って、そういった時期には上乗せをするようなこともあると思いますので、そういったことも含めて、また、事業者自身が価格設定を考えているということも、当然、もう既に行われていますけれども、そうしたことも含めて「新たな日常」を作っていくということであります。
 感染防止と、そして経済活動、社会活動との両立を図っていくわけでありますので、そのための「新たな日常」を作っていくということが大事だと思っております。
 飲食においては、まさにこの「Go To Eat」事業を通じて、本当に厳しい状況にある飲食店、そして食材を提供している農林水産業の方々をこの事業を通じて応援していくということでありますので、事業が進められることによって、こうした皆さんの事業が継続していけるように期待したいと思います。
 それから、3点目にワクチン接種についてであります。前回までの議論に引き続いて、さらに議論をいただきました。これまでの議論を整理した中間とりまとめの案のポイントをお示ししたところでありますが、何点か御意見をいただきまして、実施体制の整備が重要であると。特に凍結して運搬をする必要があるといった点、市町村の対応を国がしっかりサポートするべきだといった御意見、あるいは、副反応や有効性・安全性、こういったことについて誤解、混乱が生じないようにしっかりと情報発信をすべきである。あるいは、混乱が生じないように配慮すべきである。あるいは、接種を受ける人の自己判断によって受けるということも明確にしてほしいといった御意見。接種を行う機会についても、余裕を持たせる必要があるのではないか。様々、今回も御意見をいただきましたので、これまでの議論もより丁寧に整理して、そのことも含めて今日の中間とりまとめの構成とポイントをしっかりと整理して、今月中には中間とりまとめを行いたいと考えておりますので、今後の分科会において、今日の議論まで踏まえてお示しして、さらに議論を深めていただければと考えているところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣が最後におっしゃられたワクチンについて質問させていただきます。
 中間とりまとめの構成とポイントについて議論されたということですけれども、今回、案として出されたものは、概ね了承されたと言えるのかどうか。
 それから今、一部報道でもあるんですけれども、接種を受ける際の自己負担がどうなるか、そういった点についても議論はされたのでしょうか。
(答)まずポイントに整理をされている事柄については、これまでも議論が重ねられてきた点でありますし、御理解をいただいていると考えています。ただ、今日はポイントということで、必ずしも背景とかこれまでの議論の積み重ねを丁寧に全て記述したわけではありませんので、今申し上げたような市町村への支援であるとか、コミュニケーションをしっかり取るとか、実はもう一つの資料で、これまで議論があったことも政府としてしっかりと受け止めて対応していくということをお示ししているんですけれども、そのことについて別紙でまとめていったものですから、中間とりまとめにしっかりと、これまでの議論の積み重ねを記述してほしいというお話がございました。
 今日は構成とポイントということで、概要をお示ししたわけでありますから、今日の御意見も踏まえて、今後は丁寧な文章をしっかりとお示しして、ワクチンについて国民の皆さんの御理解が進むように、正しい情報が伝わるように、整理をしていきたいと考えています。
 それから、今日は特に何か負担についての議論があったわけではありませんけれども、地方自治体の負担が生じないようにということは、平井知事からもございましたし、それから全国市長会及び全国町村会から私のところに届けられた資料をお示ししまして、こうした要望もあるということはお知らせしました。全国市長会、それから全国町村会のそれぞれの会長から緊急要望ということで、丁寧に説明してほしい、あるいは財政措置、接種方法についての明確な指針、あるいは円滑な実施体制、こういったことについて要望がなされておりますので、このことについては御紹介をいたしました。
(問)「Go To Eatキャンペーン」の提言、たたき台について伺いたいんですけれども。
 まず、3密回避をするために、利用日とかを分散すべきだということなんですけれども、やはり会社に勤めている人にとっては会社の都合とかを考えて、休暇をずらすとかはなかなかしづらいのが日本の企業社会じゃないのかなと思うんですけれども。これは大臣に伺いたいんですけれども、新しい日常を作るに当たって、休みを分散するように経済界に求めていくということも必要ではないかなと思いますが、そこの点はいかがでしょうか。
 もう一つ、「Go To Eat」の関係で、基本的にステージ1と2の都道府県が開始するというところですが、仮にステージ1、2の都道府県が開始した後に、ステージ3とか4に進んでいってしまった場合は、キャンペーンを一時中断するとかそういった対応が必要になってくるのでしょうか。また、一度発行してしまった食事券というのは、一時中断した場合、効力を一時停止するとかそういったことは可能なのかどうか、その辺を伺えないでしょうか。
(答)1点目の休みの分散など、「新たな日常」を作っていくということですが、このことはそもそも長年の課題で、観光の関係の皆さんは常にそのことを問題提起されています。当然、5月の連休とかお盆の時期とか、ものすごく混み合って大渋滞になる、大混雑をする。そして、そのこと自体がコロナを契機にいわゆる密の状態を生んで、感染拡大してしまう恐れ、リスクも高まるということでありますので、従来からの課題でもあり、さらに今回コロナを経験して、より大事な課題になってきていると認識しています。
 休みの在り方について、今後どういったことが可能か。幸いなことにテレワークを経験し、いわゆる毎朝の満員電車も、以前よりは混雑度が減ってきていると思います。今なお首都圏でも3割、関西圏でも2割以上減っていますので、こういった「新たな日常」ができつつある中、多様な働き方、これも広がってきています。そういったことも含めて、休みの在り方も今後大事な論点だと思いますので、経済界の皆さんともしっかり議論しながら、多様な働き方を進める一環で、休みも分散して取っていく。テレワークを進める一環でそうしたことも進めていけないか、是非議論を深めていきたいと考えています。
 それから2点目は、今日の分科会でも専門家の皆さんから御提起いただきました。私も少し発言したんですけれども、一つは発行を止めるということはできると思うんです。これ以上発行するのを止めるというのは、そんなに難しくないと思うんです。他方、既に発行した食事券をある時期から使えないようにするということが、実体上、現場の混乱をもたらさないかどうか、こういった点の検討も必要であると思いますので、この点については農林水産省で今日いただいた問題提起、御意見を受け止めて、どういうふうに何ができるのかといったようなことを検討していくことになります。

(尾身茂会長)今の2番目のことですけれども、今、大臣が説明していただいたとおりなんですが、分科会のこのことに対する気持ち、これをなぜ入れたかということですけれども。
 実は今、大臣から説明があったように、始めたときはステージ1だったけれども、途中で何か起きたときに発行を止めることはできるかもしれないけれども、ここの期間は駄目だけれども、ちょっと待てばということ、そのこと自体は、私が想像するにかなり難しいというか困難、混乱を起こす。みんな想定をしていたのに、急に感染が拡大したから急に使えなくなる。あるいはこの期間は使えないで延期するみたいな。そういうことが実際に国の方としては、そういう支障というか困難に直面するというのは、私どもビジネスの素人でも分かります。
 ただ、医療界の人だけじゃなくて社会経済の人も、やっぱり分科会としては、かなり政府としては努力をしないと難しいです。だけれども、それはやっぱりこれからの時代にこういうことが必要なので、是非検討したいというかなり強い気持ちがあったので、最初は入っていなかったんですけれども、これを入れるというコンセンサスになったという経過があったことだけは説明させていただきます。
(問)今日のメインのテーマではないと思うんですけれども、少し前まで感染者が多く出ていた沖縄の感染状況について、今日、御議論があったかというのを教えていただきたいのが1点。
 あと、今日、沖縄県が独自の緊急事態宣言を明後日、日曜日から解除するということを決めました。今日の資料を見ても、沖縄の病床の逼迫状況、療養者数も含めて、まだまだ高い状況が続いているかと思うんですけれども、そういった中で社会経済活動を再開させるという判断をしたということへの受け止めをお願いします。
(答)沖縄県の状況につきましては、新規陽性者の数は一時期からかなり減少傾向にあると理解しています。それから、陽性率も5%前後まで落ちてきております。一時は10%を超えていましたから、そういう意味ではかなり落ちついてきているのかなと見ていますが、御指摘のように指標で見ますと、病床の使用率がかなり高い状況でありますので、この点は我々も引き続き警戒感を持って見ております。これまでも御説明してきましたとおり、看護師さん、保健師さんの派遣、これは各都道府県にもお願いをして対応してきておりますので、引き続き沖縄県と連携をしながら対応していかなきゃいけないと思っています。
 私も現地におられる医師、医療の関係者の皆さんと話をしておりますが、一時に比べて少し落ち着きは出てきているようでありますので、これが引き続き逼迫につながらないように。特に重症者の方は後から増えてきますので、しっかりとそのあたりは連携をしながら対応していきたいと思っております。沖縄のことについて何か補足があれば、後ほど尾身先生からお話をいただきたいと思います。
 その上で先ほどの図のとおり沖縄県は、まだこの事業に事業者が手を挙げておりません。通常、他の県の事例でいえば、商工会議所や商工会が。今の時点で沖縄は33の中に入っておりません。これはもちろん最終的には沖縄県知事の判断になりますけれども、3とか4のステージの指標に当たっていますので、基本的にはまだ慎重にお考えになるのかなと考えていますが、沖縄県にとって観光の事業は非常に大事でありますし、それから当然、飲食店も厳しい状況にあると思います。
 玉城知事も以前にお電話をしたときには、落ち着いてくれば是非Go Toの事業、特に県内でトラベルであったりイートであったりということを考えたいという趣旨を、私にもおっしゃっておられましたので、感染が落ち着いてくれば、是非、沖縄の観光関係の皆様、飲食関係の皆様にもこういった事業を活用していただければと思いますが、現時点でまだ事業者として応募されていないということでありますし、現状を最もよく分かる知事が今後、御判断をされていくと考えています。

(尾身茂会長)今の大臣の御説明に加えて参考までに。沖縄のこともそうなんですけれども、多くの県で今、徐々に新規感染者が減っているというのは、皆さんも御存知だと思うんですけれども、緊急事態宣言を解除した4月、5月、あのときの下がり方と比べてやや遅くて。あのときは8割削減ということで来ましたよね、それに比べると遅くて。
 沖縄なんかも実効再生産数の西浦さん何かのあれと。どこの時点で計算するかということで、1を超えるということもあるんです。なぜかというと実効再生産数というのはちょっと数が変化するだけで、1を超えたり下がったりということが局所的にはあるんですけれども、大きなピクチャーから見ると、4月、5月のときに比べて下がり方が遅い。しかも下がり方が時々遅い。エピカーブを見ると下がるんだけれども、ちょっと上がりながら。
 これは報告日ベースじゃないです。発症日ベースでもこういうことが時々あるんです。沖縄だけじゃなくて、クラスターが時々起きるんです。これが起きるとぱっと。全体としては下がっているんだけれども、やっぱり今と緊急事態宣言を出した8割削減のときでは。やっぱりあのときは対策をかなり強化してやったから、下がり方が急峻なんです。今回は各都道府県が、知事のリーダーシップで都道府県版の緊急事態宣言を出したけれども、あのときとは違いますよね。そのことが今。
 だからこれはある意味では、日本にしては緊急事態宣言というかなり強力な。ロックダウンしたほかの国に比べたら。しかし、日本の中でいうと、社会経済を維持しようということで、やっぱりかなり強力だったものと。失業者がどんどん増えている。GDPが下がっている。これは我々素人でも分かります。そういう中であまり強力なことをしていない。ある意味では、今の中で合理的な方法でやっているということで、下がり方がやや急峻にならないということで、時々またこういうことで。
 特に感染者数の少ない所は、学校で、クラブでぱっと数が増えます。そういうことが今起きていて。だから皆さんもう少し早く、東京だったら100を。私どもは一日本人としてそう思います。だけどなかなか下がりが遅いというのは、やっぱりあのときと今とで、対応の仕方がやや、というのを参考までに申し上げました。

(西村大臣)以前、東京の実効再生産数は1を切っているという説明したときにも言いましたけれども、少ないときはちょっと増えたらバーンと上がってしまうという、こういうものです。変動はありますけれども、感染の数が多いときはそんなに大きくは変動しないし、少ないときにやっぱりボーンと増えると急に増えるというものでありますので、今後下がってきても、さらに大きなクラスターが出ると実効再生産数がバーンと上がることになりますので、このあたりはよく見ていかなきゃいけないということであります。今の説明でよろしいですか。

(尾身茂会長)はい。

(西村大臣)ありがとうございました。

(以上)