西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年8月17日

(令和2年8月17日(月) 9:21~10:03  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。お待たせいたしました。
 本日公表いたしました、2020年4―6月期のGDP速報でありますけれども、もう既に事務方からも説明があったかと思います。
 スライド1枚目、実質成長率ですけれども、前期比マイナス7.8%。年率換算でマイナス27.8%ということで、結果として3四半期連続のマイナスとなっております。過去最大のマイナス幅、落ち込みとなりました。比較可能な1980年以降でリーマンショック時の2009年1-3月期が実質GDPでマイナス4.8%、年率換算でマイナス17.8%でありましたので、それを上回るマイナスであります。
 私の談話はお手元に発表させていただいておりますけれども、4―6月期の大半であります、4月・5月に緊急事態宣言を発出いたしまして、いわば人為的に経済を止めていた状況でありますので、その影響でこうした厳しい結果となっております。
 他方、もう御案内のとおり1次補正・2次補正で、6月26日までに特別定額給付金9.1兆円の支給を終えております。持続化給付金も29日までに2.8兆円、雇用調整助成金で0.1兆円、緊急小口の資金で0.2兆円で、合計12.2兆円の支出を行っておりますので、こうしたことで事業、家計を下支えしてきたものと思います。ちなみに直近では合計で17.2兆円。雇用調整助成金も後ほど出てきますが、休業補償について7,000億円を超える支給、政府が支援を行ってきております。そして定額給付金も12.4兆円、もう98%ぐらいの支給が終わっていると思います。合計17.2兆円の給付をいたしておりますので、こういったことで経済の下支えをしてきたわけであります。
 その下支えもあって、欧米の主要国と比べますと、それぞれ30%から、イギリスは60%近く落ち込む中で27.8%ということで、こうした経済の下支えを行ってきたものと思います。
 失業率もそうです。日本の場合、もともと失業率の水準は低いですけれども、雇用調整助成金で休業手当を国が支援しておりますので、2.8%ということで比較的抑えてきております。何とか雇用を守るために企業が踏ん張ってくれている状況だと思います。
 まず設備投資ですけれども、設備投資のところを見ていただくと、マイナス1.5%と2期ぶりの減少であります。それから住宅投資も3期連続のマイナスということです。法人企業景気予測、日銀短観、それから政投銀の調査など様々あります。政投銀は1,700社で少し数が少ないですけれども、主要企業ということで、それぞれに2020年度の計画も少し差はありますけれども、ソフトウエア投資は計画が強いものがあります。経済全体のデジタル・トランスフォーメーションを進めていく上で、こうしたデジタル化が進展することはぜひ大きく期待したいと考えております。後ほどまた出てまいります。
 それから輸出についてですが、これはマイナス18.5%と非常に大きく落ち込んでおります。以前にもお示ししたかもしれませんけれども、数量で見ましても1-3月期の平均に対して、4―6月期はこういうことであります。欧米経済もロックダウンで経済を止めている中で、輸出も大きくマイナスとなっております。
 他方、各国経済、中国がこういう形でプラスになってきております。ユーロ圏、アメリカ圏、英国圏、それぞれ6月から7月にかけてプラスになってきておりますので、輸出も今後、自動車を中心として牽引していくことを期待したいと考えております。中国経済も6月・7月とかなり戻ってきておりますので、輸出も期待したいと思います。
 消費については以前も申し上げましたけれども、家計調査でも6月がかなり戻ってきております。4月・5月は非常に低い水準でしたけれども、戻ってきているわけであります。
 これは以前にも申し上げましたけれども、衣服、それからテレビ・パソコン、エアコン、家具は5月からかなり上がってきておりますが、それぞれ緊急事態宣言の後半から、あるいはその後解除されて以降、こういった引き続いてのテレワーク、あるいは巣ごもり的なものも含めて消費が増えてきているわけであります。
 7月に入ってもプラスだったわけですけれども、7月後半の長雨、それから足下の感染が少し広がってきている状況を受けて、7月に入って少し戻りが足踏みをしている状況が見られます。
 個人消費について。これも以前申し上げましたけれども、例えば燃料、ガソリンの支出なんかも、まだ外に大きく行くという格好ではない状況でありますし、自動車の販売も戻ってきてはいるんですけれども、こういう状況です。
 これは1週間の個人消費についてマクロミルが出しているものですが、過去3年の幅がグレーのゾーンです。以前も申し上げました。4月・5月は緊急事態宣言のもとで、過去3年のトレンドの範囲内よりもかなり低いわけです。ちなみにこれも何度も申し上げているんですけれども、12月から1月にかけては例年並み、過去3年並みに戻ってきていた。1月の後半も過去3年のときから非常に高い水準で推移していたわけでありますけれども、この辺りから新型コロナウイルスの影響を受けて非常に下がってきたという中で、4月・5月が非常に低い水準であったわけです。6月からは大体過去3年のトレンドの間に入ってきていたわけですけれども、7月に入って後半、特に感染状況、長雨、豪雨、こういった影響で少し落ちたものが、さらに8月も過去3年のトレンドに比べると、低い状況になっているという状況であります。
 それからこれも直近の様子ですけれども、4月・5月のときからは少し上向いてきてはいますけれども、直近の8月、例えば旅行。これは100%のうち何%の人が支出をしたかということですが、4月・5月はほとんどなかったわけです。しかし6月以降、7月、8月も戻ってきてはいますが、まだ3.4%と非常に低い水準であります。それから食事会、飲み会も一時期、4月・5月がほとんどなかったわけですが、5月後半から6月、7月にかけてあったものも、横ばいからやや下向きの傾向、10.8ということです。それから家族で外食する分はふえているんですけれども、ここに来て少し横ばい傾向ということであります。
 今申し上げた状況で、民間の消費は4月・5月が底だったわけですけれども、これから申し上げますけれども、ぜひ期待をしたいと思っております。住宅は様々意見があってよくわからないところがあります。マンションもそれなりに数字は出ているんですけれども、他方で郊外の一軒家の引き合いが出てきていると。これはテレワークなりの影響だと思いますけれども、これがどういうふうに動いていくか。
 それから民間設備投資は先ほど申し上げたように、全体にはマイナスになっていますが、ソフトウエアを中心に底がたいものがあります。以前から申し上げているとおり、物流であるとか再開発であるとか、こういったものを含めて期待ができる部分もあります。
 輸入は今回落ちてはいるんですけれども、4―6月期の平均でいうと、要は輸入の落ちが少なかったわけです。輸入が増えれば増えるほどGDPはマイナスなんですけれども、思ったほど輸入が落ちなかったために、寄与度も小幅プラスになっておりまして、輸入がそれなりにあったということです。この背景が次のページです。
 4―6月期、御案内のとおりマスクが中国を初めとして、非常に高い水準できています。それからパソコン、テレビ、これも輸入が非常に高い水準で推移しています。いわば緊急事態宣言のさなかであっても、あるいはその後も家庭で過ごす時間、家庭で仕事をするテレワークを含めて、パソコン、テレビ、こういったものの消費が非常に底がたくて、その分の輸入がかなりあったということで、輸入がそれなりにあったために、全体としてはGDPを押し下げる効果になっています。
 公共投資ですけれども、御案内のとおり2019年度の補正予算で2.2兆円。これが執行されていっていますので、さらに2020年度の当初予算で7.6兆円。うち1兆円の臨時・特別の措置もありますから、これだけの金額を公共投資、いわゆる国土強靱化、防災、減災で使っておりますので、公共投資は引き続き高い水準で推移すると思います。
 以上、全体の数字としては大きなマイナスになっていますけれども、政府としては4月・5月を底に、内需主導で成長軌道に戻していくということ。そのために万全の経済運営をしていきたいと考えております。公共投資も高い水準で推移すると思いますし、消費、設備投資も一定の期待をしたいと思っております。
 大事なことは3点あると思っております。一つが、足下の感染拡大をやはり減少傾向にしなければならないと。感染が広がる中でやはり国民の皆さんの不安がある中では、なかなか消費も増えないわけでありますし、経済の先行きが企業としても見通しにくいんだと思いますので、何としても減少傾向にさせるということが大事だと考えています。
 2点目に、しかしそうはいってもリスクをゼロにすることはできないわけでありますので、「新たな日常」をみんなで作っていくということを改めて申し上げたいと思います。事業者の皆さんにはガイドラインを徹底していただく。また、お一人お一人も3密を防ぐ、マスクをする、消毒をする、こういったことを徹底していただく。それぞれが感染防止策を講じながら経済活動、社会活動との両立を図っていくということであります。感染防止策を徹底していないと感染は広がります。この両立を図っていくということ、そのためには新しい生活様式、「新たな日常」、これが不可欠でありますので、これをみんなで作っていくということが2点目であります。
 そして3点目。いろんな状況、感染状況、あるいはそれぞれの都道府県の対策、政府としてもさまざまな対策を講じていくわけであります。経済の状況をしっかりと見ながら、臨機応変に時機を逸することなく、これは予備費の活用も含めてしっかりと対応していきたいと考えております。
 その3点を申し上げた上で、今後についてであります。雇用調整助成金で、企業が雇用について踏ん張ってくれているのをしっかりと応援しなきゃいけないということで、79万件の申請に対して68万件の支出を決定しております。8月7日時点ですから、10日前になりますけれども、7,400億円の支給を決定しております。もう既に8,000億円を超えているんじゃないかと思いますが、1.6兆円の予算を確保しております。リーマンショックのときは1.2兆円で、約4,000万人の雇用を維持したわけでありますので、企業の皆さん方にあっては休業などする場合も、休業手当をしっかりと出していただく。
 中小企業が休業要請に応じた場合には10分の10、100%、上限33万円まで国が支援できますので、ぜひこれを活用していただいて、何とか雇用を守っていければと思います。現時点で86%の給付が終わっております。今後、製造業を含めて増加することも考えられますので、しっかり対応していければと思います。この間どちらかというと、サービス業が非常に厳しい状況にあったわけでありますので、サービス業の申請が多かったわけですが、今後海外の動向も見ながらさまざまな事態に対応できるように、しっかりと雇用調整助成金で支援できればと思います。
 それからデジタル化であります。これも既にお伝えしておりますけれども、いわゆる押印の廃止ということで、契約書にハンコがなくとも法律違反にならない。つまり押印しなくとも契約の効力に影響は生じないということを公表しております。それから電子署名についても、電子署名法上の電子署名として位置づけられることを明確化しております。あと民事訴訟における推定効の対象になり得ること。さらなる明確化について、これも早期に結論を出す予定にしておりますけれども、基本的に電子署名として有効であるということが明確化されておりますし、印鑑がなくとも契約の効力に影響は生じないということも、法務省も含めて関係省庁で公表しておりますので、今後いわゆる押印の慣習、ハンコ文化はもうなくしていくということであります。
 そしてデジタル化については、様々な形で補助金税制でも支援をしております。中小企業に対してテレワークの助成金として上限100万円。まだ機材が整っていないというところに支援を行います。一度募集を行って助成を行ったんですが、新たに近々にまた公募を開始します。それからIT補助金は随時、最大450万円までの支援を行っています。そして税制でIT機器であったり、中小企業の新規投資であったり、あるいは5Gの税制であったり、こういったところでデジタル化を進めていくということであります。
 それから資本性資金についてでありますが、合計12兆円のいわゆる劣後ローンであったり出資で、中堅企業なりを支援していこうと。持続化給付金の200万円・100万円の支援では足りないような、多店舗を展開しているような中堅企業とか、あるいは旅館、宿泊施設、ホテル、こういった200万・100万では足りないというところをしっかり支援していける。場合によっては大企業も支援できるという枠組みで、何があってもいいように万全の枠組みを作っております。いわゆるベンチャー企業が今回、オンラインの中で様々な新たなビジネスをやろうと、あるいは非接触ということで、ロボットを活用したビジネスであるとか、そういったことへもこの6兆円は活用できます。
 産業革新機構であったり地域経済活性化支援機構であったり、政投銀、中小機構であったりで、いわゆる中堅企業の経営支援のみならず、新しい企業も応援していきたいと思っておりますので、ぜひこうした形の支援を活用していただく。新たな社会経済活動を行っていく、新たな構造を作っていく上で、新しい企業もどんどん出てきてもらいたいと思いますし、既存の企業も新たなビジネスに挑戦していく。新しい時代の新たな日常のもとで、ビジネスをぜひ作っていってほしいと考えております。
 ということで、足下は非常に厳しい数字でありますが、雇用調整助成金、それから予備費で既に手当てをしました、持続化給付金の増額。それから新たに家賃支援の給付金も支給を開始しております。それから厳しい状況にある方への緊急小口資金、こういったものを活用しながら、厳しい状況にある経済を何とか下支えしながら、そして次への新しい芽を育みながら、デジタル化、新しい企業、産業、こういったものを支援しながら、当面はコロナを前提とした経済社会活動をしなければいけませんので、感染防止策との両立、「新たな日常」を作っていくということをしっかりと応援できればと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭、2問、お尋ねします。
 まずは、4-6月期の今御説明ありましたけれども、受けとめについて改めて教えてください。特にGDPのレベル感でいうと、今回500兆円を切るという形で、第2次安倍政権発足当初の姿になりました。落ち込みのスピード、レベル感、改めて御評価をお聞かせください。
 2点目の今後の「新たな日常」についてなんですけれども、感染防止をしていく中で、例えば席を間引かなければいけないですとか、お客さんの数を減らさなければいけないということで、なかなか従来どおりのお金の稼ぎ方ができない方がたくさん増えています。今後、こういった状況が長く続くと、経営がなかなか難しいという方も出てくるかと思うんですが、「新たな日常」ということで、国民が希望を持ってこれから経済を立て直していけるのかどうか、改めてメッセージをお願いいたします。
(答)まず、1点目の今回の4-6月期のこのGDP速報の結果を受けてでありますけれども、実質GDPは485.2兆円ということで、非常に厳しい数字でありますが、名目GDPは506.6兆円ということで、安倍政権発足時よりも上回ってきております。これはデフレ脱却に向けて政府と連携をしながら取り組んできた結果でもあると思いますけれども、非常に厳しい数字ではありますが、何とか4月・5月を底に、もう一度成長軌道にしっかりと戻っていくように、全力を挙げていきたいと思っております。
 この間は、新型コロナウイルス感染症という世界が、全世界が直面したこうした感染症でありますので、世界全体が落ち込む中で、1次補正、2次補正で費用をかけ、雇用をしっかりと下支えをしながら何とか持ちこたえてきているのかなと思いますけれども、引き続き厳しい状況にある方々への支援、これをまずは第一に考えて、雇用を守る、生活を守るということに全力を挙げていきたいと考えております。
 繰り返しになりますが、雇用を何とか、雇用調整助成金で失業が増えないように企業が踏ん張っている、それを支えていければと思います。緊急小口資金も増額をいたしましたので、本当に厳しい状況にある方々に対して最大80万円までの、3カ月間で80万円の貸し付けでありますが、これらの厳しい状況が続けば返済が免除されるものでもありますので、全国の社会福祉協議会の皆さん方も頑張ってくれております。こうしたものも活用していただきながら、何とか生活、雇用を下支えしていければと考えております。
 当然、各地で休業要請なども出ておりますが、持続化給付金、これも増額、予備費で手当てをしておりますし、それから家賃の支援給付金も始まりました。こちらは1カ月でも50%落ちれば対象となりますし、3カ月で30%落ちていても対象となりますので、持続化給付金よりも要件が1つ緩和された要件もついておりますので、これも活用していただきながら、5月・6月・7月でも、6月・7月・8月でも30%落ちていれば活用できますので、ぜひこういったものを活用して、何とか事業を継続していけるように、そして雇用を維持していただけるように、お願いをしたいと思います。
 休業しているときの休業手当については、雇用調整助成金が使えますので、ぜひ申請をしていただければ給付も早くなってきております。1週間で9万件ぐらい対応できるようになってきておりますので、ぜひ活用していただければと考えております。
 いずれにしても、この経験を未来に生かすことも大事だと思っております。内需主導でしっかりと成長軌道に戻していきますけれども、その際に、2つ目の質問とも重なりますが、「新たな日常」を作っていく、いろんな創意工夫をそれぞれにしていただきながら、またその中でイノベーションという大きな何か新しい技術を開発していく、作っていく、そういったことも含めて、しっかりと応援をしていければと考えています。
 感染防止策でこういうアクリル板を入れたり、費用がかかる部分は、中小企業の皆さんには持続化補助金で支援をいたしております。最大200万円までの支援もございますので、それも活用していただければと思います。そして確かに距離をとらなければいけない、様々工夫も必要になってきます。飲食店によっては、こういうアクリル板を入れることによって、席の間隔はこれまでどおりだけれども、これによって感染を防いでいるお店もあります。その費用はしっかりと持続化補助金で最大200万円まで支援をしていければと考えていますけれども。そうでないと、こういうアクリル板を入れたりしないと、一定の距離をとっていただくことにもなります。ですので、それぞれのお店で創意工夫をしていただきながら、ぜひ新たな日常のもとで事業の継続していく、そのために何が必要かということを考えていただければと思います。オンラインの飲み会とか、オンラインのライブ配信とか、そういったものも様々な新たなビジネスモデルの構築を考えて、既に実践をしておられる方々もおられます。まだまだ厳しいとは思いますけれども、そういったものに対しても、持続化補助金のほう、最大200万円までの支援が業態によってはちょっと違いますけれども、支援はありますので、それを活用してもらいながら、それぞれに工夫をしていただいて、「新たな日常」のもとでの事業形態、これをぜひ考えていただきながら、政府としても支援をしていきたいと考えています。
 これまでどおりの「昔の日常」、「以前の日常」のもとで同じようにビジネスをやっていては、感染は必ず広がります。それぞれの業態のガイドラインを守っていただきながら、それぞれちょっとした工夫、創意工夫で感染防止と経済活動との両立を図っていく、これが大事だと思います。
 同じようにコンパをやり、飲み会をやれば、感染が今のように広がっているわけでありますので、アクリル板、マスク、距離をとる、換気、こういったことを含めて、ぜひ両立を図るための方策を考えていただければありがたいと思いますし、それを政府はしっかりと持続化補助金などで支援をしていければと考えています。
 また、新たな知見もどんどん出てきておりますので、これは人工知能やスーパーコンピューターも活用しながら、実際の感染がどういうふうになっていっているのか、どういう感染防止策が考えられるのか、こういったことの分析も進めております。8月、今月中には一定の何か成果も出したいと思って研究開発、それぞれにお願いをしているところであります。そういった新たな知見も活用しながら、「新たな日常」のもとでの経済活動、社会活動をどうしていくのか、これは引き続き、ガイドラインの見直し、進化も含めて日々考えていきたいと思います。
 厳しい状況ではありますけれども、とにかく昔の、「以前の日常」には戻らない。これは一人一人がそれを考えていかないと、肝に銘じてやっていかないと感染は広がります。感染防止策をみんなで講じていく、ガイドラインを守っていただく、それは支援をしっかりしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 そうした中で、非接触型であったりオンラインであったり、いろんな新しいビジネス、これも応援をできればと思いますので、先ほど申し上げたIT補助金とかテレワークの補助金とか、あるいはもっと大がかりに何かベンチャー企業を起こして何かやるという場合には、先ほどのベンチャーへの支援もありますので、ぜひそういったものの活用、6兆円の資金がありますから、これで新しいビジネスもぜひ支援をしていきたいと考えております。
(問)今回のGDPを見られて、今後、緊急事態宣言という政策のカードを政府としてどういうふうに考えていくか。そのカードがもし感染拡大次第で、政策のカードとして温存、それを使える状況かという、そこの認識を教えてください。
(答)当然、感染拡大の状況によっては、分科会で示されたように、ステージ4の状況になってくると、緊急事態宣言も視野に入ってくるということだと思います。しかしながら、そうならないように、今申し上げたような「新たな日常」を作っていくということをやっていかないと、結局は感染が広がっていくことになりますし、ならないようにやっていくわけですけれども、仮に緊急事態宣言を出して、感染が減ったとしても、これまた「昔の日常」に戻れば、また増えるわけです。何が大事かというと、結局は「新たな日常」、感染防止策と経済社会活動の両立をどう図っていくかということをみんなで考えていかないと。事業者の皆さんにもガイドラインをしっかり守っていただいていく。
 もちろんガイドラインは厳しいところもあります。それは今申し上げたように、様々な新しい知見が出てきます。研究成果も出てきますので、それを生かしながら進化させていく、見直しをしていくということも当然、これは日々、不断の見直しもやっていければと思います。当然いろんなことが日本国内だけでなくて、世界で新しい知見が研究の成果が出てきますので、それを生かしながらやっていくということであります。もちろんワクチンや治療薬の開発もあります。そういったことも見ながらやっていくわけですが、まずはガイドラインを守っていただきながら、国民の皆さんには、本当に大変なんですけれども、お一人お一人で3密を回避するなど、マスクをして消毒をする、もう新しい生活様式、一定の距離をとる、できるだけオンラインで、非接触でいろんなものもやっていく、こういった「新たな日常」を作っていかないと、結局は感染が広がっていきますから、そのことをぜひみんなで構築をし、定着をさせていくことが大事だと考えています。
 大きな4月・5月の流行を経験し、それを抑えることができましたので、その経験を生かして感染防止策をとればリスクはかなり減りますので。ゼロにすることはできません。全くゼロにすることはできないんですけれども、小さな流行で抑えていくことはできます。これは北九州の例を見ても、鹿児島の例を見ても、大きな流行が出ても、大きな流行というか、かなり鹿児島も100人を超える、あのお店から出ましたけれども、しかし、もう一旦は収束をします。北九州も一時期かなり増えてびっくりしましたけれども、しかし、これも濃厚接触者を特定することによって、PCR検査をやって抑え込むことができていっています。
 ところどころでそういう流行は起こりますけれども、それを小さな流行で抑えながら、みんなで経済社会活動との両立をどう図っていくのか、これを創意工夫しながら構築をし、そして定着をさせていくということが何より大事だと考えています。そうすることによって、何とか減少傾向に転じさせて、緊急事態宣言を出さなくて済むように、ぜひみんなで力を合わせてやっていければと考えています。それぞれの取り組みを、政府としてはしっかりと補助をしたりしながら、また厳しい状況にある方を、生活、雇用、事業、これを下支えして、何とか内需主導で経済活動が、社会活動との両立ができるようにしていければと思いますし、安心につながるためのPCR検査の拡充、これも戦略的にしっかりと拡充していければと考えているところであります。
(問)今回のGDP、統計史上最悪ということになりましたが、御説明いただいたように、政府は1次補正・2次補正で様々な手を打っているかとは思うんですが、今回の数字を見て、消費税の減税というのは視野に入ってくるでしょうか。今の大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まず、4月・5月、緊急事態宣言のもとで経済を、いわば意図的に人為的にとめるということで、国民の皆様にお願いをしたところであります。その結果、大きな流行を収束につなげることができたわけでありますので。結果として経済は非常に厳しい数字となっております。これは世界的に見ても同様の、あるいは日本以上の厳しい数字になっているわけであります。
 日本経済、そういう厳しい状況でありましたけれども、補正予算を通じて、生活、雇用、事業、これらが継続していけるように、もう繰り返しませんけれども、12兆円を超える直接給付を行って下支えを行ってきました。
 そして、その結果も、何とか企業も持ちこたえてくれて、雇用も何とか踏ん張ってくれている状況だと思いますので、これを引き続き、政府としても支援をしながら、先ほど申し上げたように、6月、そして7月にかけて、かなり消費、輸出も上向いてきておりますので、何とか内需主導でありますけれども、経済が成長軌道、回復基調にしっかりと乗っていくように、全力を挙げていきたいと考えております。
 そうした中で、消費税については、全額社会保障費ということで、もう既に全世代型社会保障の改革を進める中で、昨年10月からその第一歩として幼児教育・保育の無償化にも活用してきているところであります。そういったことを十分に頭に置いて、考えていかなければいけないと思いますし、当然予備費の10兆円、それからもちろん様々な状況も考えられる中で、先ほど申し上げたような12兆円の企業支援をする。大企業も含めて資本性ローンであったり、出資であったり、様々な形で支えるための予算も用意をしております。何が起こっても日本経済をしっかりと守っていける、そうした枠組みは用意をしているわけでありますけれども、今後様々な状況、感染状況あるいは海外の状況もあります。こういったことも含めて、経済運営には万全を期していく。臨機応変に、そしてまた時期を逸することなく対応していければと考えているところです。

(以上)