西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年8月7日

(令和2年8月7日(金) 17:27~18:31  於:中央合同庁舎8号館1階講堂)

1.発言要旨

 お疲れ様です。
 先ほど、尾身会長、平井知事から御説明があったと思いますけれども、分科会で提言・報告などをいただきましたので、それを受けて政府としての考え方をお話ししたいと思います。
 まず、今日お話があったと思いますけれども、この目標が非常に大事でありまして、基本戦略ということで7月22日にまとめられたものですけれども、今日も御説明があったと思いますが、分科会でも何度も議論になりました。
 まさに医療・公衆衛生・経済・感染防止と経済を両立させる、ここですね。社会経済と感染対策の両立、それが大事だという中で2つのことを目標にしています。
 1つは、「十分に制御可能なレベルに感染を抑制する」。つまり、このウイルスはゼロにはできないということですね。ゼロリスクにはできないということですからどこかに潜んでいる。全ての人がワクチンを打って、そういう状態になるまで、免疫ができるまで、このウイルスは無症状の人も多いですし、どこかに潜んでいる。1億2,000万人が同時にPCR検査ができるわけでもありませんし、それを毎日できるわけでもありませんから、どこかに潜んでいるということですね。そのことをまず理解していたいだ上で制御可能なレベルに抑制していくと。そして、亡くなる方、そして重症になられる方をとにかく減らすと、増やさないということが大事であります。
 そして今、漸増傾向にある。このレベルにあるということで評価をいただいていますけれども、感染レベルをできるだけ早く減少傾向にしていくということが目標であります。まずこれが大前提。両立をさせていくこと、それから、ゼロリスクにはできない中で制御可能なレベルに下げていくこと、これが大事であります。
 次、お願いします。
 それから今日、押谷先生から、前回の緊急事態宣言を出した時の大きな流行と今回の流行との違いの説明をいただきました。
 これを見ていただくとよくわかるんですけれども、4月23日に集計した全国のそれぞれ、こちらは8月4日に集計した全国の年齢性別分布とその割合です。女性と男性が左右に書かれていますが、前回は、ここを見ていただいたらわかりますように、20代、30代、40代、50代と年齢が上にいきます。こちらは70代、80代、90代ですね。今回もかなりの数の流行になっていますが、20代、30代、非常に若い人が多い。60代以上は非常に少ない割合になっています。前回の流行のときは若い人もいましたけれども、50代以上が非常に大きな割合で、そうした中で重症化し、残念ながら亡くなる方もかなりの数出たわけであります。ここがとにかく違うということであります。
 そして、次、お願いします。
 もう細かく言いませんけれども、今のをグラフにしますと、4月23日、この時にはこういうなだらかなグラフで、割と年代にかかわりなく広く感染がありました。今回は20代、30代が非常に多い。高齢が非常に少ないということであります。
 お願いします。これは東京の例ですけれども、同様の傾向があります。
 次、お願いします。愛知県、大阪、かなりの数増えていますけれども、やはり20代、30代、特に20代が非常に多いという傾向にあります。
 次、お願いします。沖縄も20代、30代が非常に多く、70代以上が少ない傾向にあります。沖縄全体に若い人が多いということがあります。ただ、離島を初め、やはり病床の体制が弱い部分がありますので、ここは沖縄はしっかりと対策をやっていかなければいけないと思います。
 次、お願いします。各県、様々分析をいただいていますけれども、一例を申し上げると、鹿児島でかなりの数。これは例の「おだまLee男爵」というショーパブでクラスターが100人以上発生しました。職種柄というか、高齢者にも感染者が出ていますので、こういったところは重症化するリスクが高いですから、しっかり見ていかなければいけないということであります。
 全国的には20代、30代が多いですけれども、そして都市部、今、感染が広がっているところでは同じように若い人が多いですけれども、しかし、地域によっては高齢者の発生が増えてきている部分、あるいは医療体制が十分でない部分、ここを特に見ていかなければいけないということであります。
 最初の目標にありましたように、重症化する人、亡くなる人をとにかく最少化するということであります。現在は若い人が多い状況ですけれども、地域によってはこうした高齢者や、そして病床の体制をしっかり見なければいけないということであります。
 次、お願いします。現在の状況は、これまで御説明してきていますとおり、新規陽性者の数はかなりの数になっています。連日ですね。しかし、重症者の数は3分の1程度。そして重症者用のベッドも、当時、これは5月15日、4月はなかなか統計がとれなかった時期がありましたので、そのときは10%ぐらいになっていましたけれども、今は5%の数字ですから病床はしっかり確保されていると。
 しかし、我々が見なければいけないのは、今は新規陽性者の数で、当然これは少ないほうがいいわけでありますから減少傾向にさせるということですけれども、特にこの重症者の数、重症者用のベッドがどうなっているか、こういったところを見なければいけないということで、今日、分科会で様々御議論をいただいて提言をいただいたわけであります。
 次、お願いします。そして、今日いただいた指標・目安がこの表であります。もう説明はなされたと思いますので私からは細かく申し上げませんが、医療提供体制、これが何より大事だということであります。そして、PCR検査がきちんとなされて、一定以下になっているかということで10%を基準に見る。
 4月の緊急事態宣言のときには、とにかく新規陽性者の数、これが、あの頃は100人を超えているかというのを基準で見ていました。しかし、今申し上げたように、大事なのは命を守れるかどうかということで、今日分科会から御提言をいただいたように、医療提供体制をしっかりと見ていくということであります。そして、申し上げた監視体制と感染の状況。当然、新規陽性者の数は、報告者の数は少ないほうがいいわけでありますので、この規模も見ていきます。それから、感染経路不明の割合。これが多くなるとクラスターから発生したのではなくて、どこで感染したかわからないということですから、感染が広がっているという証左でもあります。とにかく、医療提供体制と、全体として医療に当たっている人がどれだけおられるか。これはホテルも含めて、そして自宅で療養されている方を含めて、全体としてきちんとケアがなされているかを見ていかなければいけないということで、今日、御提言をいただきました。
 この数値の指標を目安に、それぞれ国も地方公共団体も判断しながら、当然、それぞれの自治体で様々な指標も設けています。これも参考にしていただきながら対策を講じていくということであります。
 次、お願いします。申し上げたいのは、繰り返しになりますが、リスクをゼロにできない中で、とにかく以前の日常とか昔の日常には戻さない。「新たな日常」をみんなで作っていかなければいけないと。それをやらないと、まさに経済と感染防止の両立ができないということであります。「新たな日常」を構築できないと、結局は人の動きをとめていくことしかないわけです。接触機会を減らすしかないわけですので、4月の緊急事態宣言の時のように強制的に、強制的にといっても何か罰則があるわけではありませんけれども、意図的に経済をとめて、人の流れをとめて、接触機会をとめるということをやらざるを得なくなるわけですけれども、そうではなくて、「新たな日常」を作っていくことによって経済と、そして感染防止、感染防止策をしっかり講じていただきながら、経済社会活動も両立していくことを目指していかなければいけない。
 そして、繰り返しになりますが、ゼロにはできませんので、ゼロになるまで経済をとめなければいけない、人の動きをとめなければいけないということはありませんから、制御できるレベルに抑えていくと。重症化する人、亡くなる方をとにかく減らしていく、最少化するというのが最大の目標であります。そのために、今日提言をいただいた医療提供体制、これをしっかりと見て、とくにこの点を見て対策を考えていくということであります。
 次、お願いします。以前から繰り返し述べていますが、2月、3月、4月はスポーツジムでクラスターが発生しました。100名を超える発生人数が各県でありました。当然、運動して息が上がる、はあはあ言いながら呼気が荒くなって飛沫が飛ぶ、エアゾールもある、そして近くにスポーツをしている人がいる。当然、感染が広がるわけであります。スポーツジム、フィットネスクラブはこの反省に立って、そして専門家のアドバイスにおいて次の対策を講じました。
 ちょっと見にくいですけれども、ガイドラインを作ったわけですね。対人距離をとる、ソーシャルディスタンスをとる、2メートル四方には人はいない、最低1メートルはとる。共有スペース、ロッカールームとか、ここでも感染が考えられるわけでありますので換気を徹底する、距離をとる。そして、入場者、退館者の記録をしっかりとって1カ月保持する。多くは会員制が多いですから、名簿はしっかりとっているので、何かあったときは追いかけていけるわけですけれども、入退場者の記録を、いつどの人が来たのかというのがわかるようにする。そして、ロッカーを間引いて、入館者やロッカールームの利用者の数を制限する。そして消毒、これもしっかりやるということですね。全ての共有スペースですから、当然、運動するところもそうですね。
 こういったことを徹底することによって、フィットネスクラブ、スポーツジムではクラスターは発生しておりません。岐阜県で1件発生しましたけれども、これは外国人が多いクラブで、聞いてみますと、いろいろ体を寄り添う、外国人らしいハグをしたりするというのがあって、それで広がっているのではないかという分析がなされています。そういう報告を受けました。
 しっかりとガイドラインを守ってもらえれば両立ができるんですね。事業の継続ができるわけです。そして、一人一人の健康や命を守ることができるわけです。この「新たな日常」をみんなで作っていかなければいけないということであります。
 次、お願いします。このステージにあたっての判断、考慮を今日いただきました。もう繰り返し申し上げませんけれども、先手、先手の対策を打つことが大事。
 ステージについては、もう御説明があったと思いますので。考え方。
 今の、元のページを出してもらえますか。もう説明があったと思いますけれども、次の段階が起こりそうな兆しをしっかりと早く検知して、先手、先手でやっていくことが大事ということで指標を御提案いただいていますが、これはあくまで目安であって、一つ一つ機械的に判断して、それで何か機械的に作業をするのではなくて、こうした指標を総合的に判断して、感染状況は機動的、積極的に先手、先手でやっていくと。
 そして、地方部と大都市部の見方の違いは平井知事からもあったと思いますので私からは申し上げませんけれども、とにかくそれぞれの都道府県知事がもう既に、もう対策を打たれています。
 昨日、3人の知事とお話ししましたけれども、愛知県を中心とした中部3県、それから沖縄、そして首都圏、愛知県、大阪府、こういったところで休業要請なり、時間の短縮なり、もう既に様々な対策が打たれています。もう既に今日の指標を待たずして、それぞれの都道府県知事が危機感を、警戒感を持ってこうした対応をなされています。
 それぞれの知事と私も話をしていますし、事務的にも緊密に連携をとりながら、そうした知事の判断、とられる措置をサポートし、必要な調整を行ってきているところであります。引き続き、今日いただいた目安もしっかりと見ながら、とにかく早い段階で先手、先手で対策を打っていくように、それぞれの都道府県知事とも連携していきたいと考えています。
 次、お願いします。福岡もそうですね。繰り返しになりますかね、沖縄もです。
 次、お願いします。そして今日、これも何人かの分科会の構成メンバーからも意見をいただき、私も発言させていただきました。繰り返しになりますが、ガイドライン、これが肝であります。ガイドラインを守っていただくこと、「新たな日常」をみんなで作っていくことであります。そして、ガイドラインを遵守していない事業者については、守るように要請していく。これは繰り返しになりますが、持続化補助金、最大200万円でアクリル板の設置とか、こうした費用を補助していっています。さらには、地方創生の臨時交付金も活用して、地方が独自に支援金を出しているところもあります。
 とにかくガイドラインを守ってもらう。そして、守らない事業者に対しては休業要請を行うと。これには支援は要りません、守らない事業者ですから。休業要請をしても支援を行う必要はないということであります。さらに、それでも休業しない。今、法体系では要請しかできません。緊急事態宣言のもとでも指示しかできません。
 さらに、実効性を上げるための措置、これも新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正も含めて何ができるか。様々なほかの法律、感染症法とか、それから建築物衛生法とか、もう既に対策を打っていますけれども、他の法律も含めて実効性を上げるための措置をしっかりと講じていきたいと考えています。
 そして、ガイドラインを遵守している事業者は、当然、事業をやっていいわけですけれども、遵守していたとしても、あるエリアとかが感染拡大した場合には、今、何人かの知事が行われていますが、時間の短縮であったり休業要請であったり、こういったことを行っていきます。
 こうしたことに対しては、協力してくれる方々には支援が必要になってきます。これまで政府としては持続化補助金、5.2兆円の予算、きょう9,000億円を超える予備費を追加いたしましたので5兆円を超えました。既に3.8兆円の給付を行ってきています。200万円、100万円の給付を行ってきています。4月、5月に休業したことで非常に厳しい状況だった方々の支援をしてきています。さらに、休むことによって従業員の方の雇用調整助成金、これは後ほど資料を出しますけれども、既に60万社を超える企業に5,800億円の支援を行ってきています。リーマン・ショックのときは1.2兆円で200万社、4,000万人の雇用を維持してきています。休業した場合にしっかりと支援する。さらには地方創生臨時交付金3兆円をもうお配りしておりますので、こうしたことを活用して必要な支援は行ってきておりますし、うまく活用していただければと考えています。
 そして、今日も議論になったのですけれども、一定の損失、得べかりし利益ですね、遺失利益。休むことによって得べかりし、得られたであろう利益の一定割合を計算して補填する。いわゆる補償という言葉の意味するのはいろいろな意味があると思いますけれども、これを補償するというのは、各事業者で事業形態も事情もまちまちです。休むことによって、一体幾ら得べかりし利益が失われたのか。そして、その一定割合を補填する、補償する、これは極めて技術的に難しいです。法律上も、法制局ともさまざま議論をしておりますけれども、法制的になかなか難しい。
 主要国の中にこういったやり方をやっている国はありません。日本がやっているように、持続化補助金のように、50%以上売り上げが落ちた、そうした中小企業に対して、それ掛ける12倍の、12カ月分の最大200万円の支援を行う。こういった形で、実体上、補償と言っていいと思うんですけれども、支援をしっかりと行ってきているわけであります。
 雇用調整助成金のほうは、休業要請に従った場合は10割、中小企業の場合は100%、月額上限33万円まで国が支援すると、国が助成するという仕組みがあります。そして、国の持続化補助金は50%の以上の売り上げが落ちた場合ですけれども、そうでない部分、あるいは協力金のような形で、この地方創生臨時交付金で上乗せして支援が行われてきています。
 法制上は、補償ということを法律に入れるのはなかなか難しいのですが、実体上、こういう形で補償的な措置を行ってきているということも、ぜひ、御理解いただきたいと思っております。
 法制局とも既に様々議論してきております。そうした中で、何よりガイドラインを守ってもらうことが大事。守っていない事業者に対しては、まさにこういう支援を行いながら守ってもらう。それでも駄目な場合は休業要請、さらに実効性を上げるための措置、これを実施し、さらなる措置も検討しているということであります
 次、お願いします。そして、今日の数字を当てはめてみますと、基準がいただけましたステージ3、4に至る数字。こうして見ていくと、先ほど申し上げたように沖縄、陽性者の数は若い方が多いんですけれども、医療が非常に十分ではない部分があって。確保予定の割合から言うと、48%でありますから、まだ次のステージ4には行きません。ここですね。特に重症者のベッドの利用は20%で、予定数から11%ですから、かなりまだ余裕がありますけれども、この医療の部分はしっかりと見ていかなければいけないと思います。特にホテルの確保。軽症者、無症者の方はホテルで療養していただけるように、国としても観光庁、厚労省、そして国の施設、JICAの施設なども含めて、しっかりと確保し支援していきたいと考えています。
 次、お願いします。そして、これはいいですね、基本的対処方針。
 次、お願いします。あとはいいですね。今日説明のあった感染状況などの資料ですので、あとは、先に尾身先生、そして平井知事から御説明があったものと思います。
 繰り返しになりますけれども、今日この指標・目安をいただきました。国としても、この数値を見ながら各都道府県とこれまで以上に緊密に連携をとりながら、もちろん日々の新規感染者、新規報告数を減少傾向にさせるということは、できるだけ早くこれを実現したいと思っておりますけれども。何より重症者、死亡者を最少化すると。1人でも多くの命を守る、皆さんの命を守るということが大事でありますので、今日いただいた医療の提供体制、これをしっかりと見ながら、引き続き都道府県と連携して対応していきたいと考えています。
 感染防止と経済活動の両立のためには、「新たな日常」を作っていく、ガイドラインをしっかり守ってもらう。当然、お一人お一人は3密回避とかマスクとか消毒とか、もう今日は繰り返しませんけれども、当然のことであります。新しい生活様式を取り込んだ「新たな日常」をみんなで作っていくことが大事だと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日、この指標と対策が出たということで、政府の対策としては、これは何か具体的に変わる点があるのか、あるいは特に、この指標の公表をもって変わりはないという理解でいいのかという点と、この指標及び対策というのは、基本的対処方針に位置づける必要性はないのか、その点もお考えをお願いいたします。
(答)対処方針に関してもありますかね。対処方針、基本的対処方針。
 基本的対処方針をどうするか考えたのですけれども、実は、緊急事態宣言措置を実施すべき区域の判断などについては、以下の3点で総合的に判断するということで。これまで申し上げてきたとおり、感染の状況、そして医療提供体制、監視体制、これを総合的に判断するということでありますので。そして、きょう提言いただいた対策は、もう全て対処方針に入っておりますので、今回この対処方針を改めて変更する必要はないという判断をいたしました。
 多少というか、これは5月25日、解除したときの基準なのですけれども、4月、5月の大きな流行を緊急事態宣言措置をとって、そして解除したときのものでありますから、当時は感染の状況、先ほど申し上げた、年代にかかわらず幅広く感染が出ていましたので、まずはこの感染状況を見なければいけない、新規報告者がどうかということでありましたけれども、ここに書いてあるのはクラスター対策が十分実施可能な、まさに先ほど申し上げた「制御可能な」ということでもありますし、順番としては、この医療提供体制は何より今は重視されてきていますので、分科会の報告でもこれが一番に書かれています。
 書かれている内容は、重症者が増えた場合でも十分対応できる医療体制があるかということですから中身は同じでありますので、今回、基本的対処方針を変えることは行わないと判断いたしました。その上で、しかしながら、各都道府県の知事さんたちも非常に関心事項でありますし、世の中の関心事項でありますので、知事会であるとか、政令指定都市の会、あるいは経済界を含めて、幅広く通知を行っていければと。今日のこの資料などを含めて通知を行っていければと考えています。
 経済界の代表、労働界の代表も入っておられますし、知事会の代表も入っておられますけれども、改めて、できるだけ多くの方に理解していただこうということで、資料は幅広くお配りしたいと考えています。
 そして、対策ももう盛り込まれていますし、先ほど申し上げたように、それぞれの都道府県知事がもう既に警戒感、危機感を持って対応されています。私どものスタッフとも緊密に連携をとって対応してきていますが、いま一度、先ほど主な県の指標だけお見せしましたけれども、各都道府県の状況をきょういただいた指標でもう一回チェックして、これは厚労省にもお力を借りながら、特に医療提供体制のところはもちろん厚労省に中心的にやっていただかなければいけませんので、厚労省と連携しながらこの指標をしっかりとチェックして。そして、もう既に多くの都道府県で対策はとられていますけれども、その対策の内容も、また改めて吟味しながら、各都道府県と連携して必要な対策をとり、また、強化すべきところを強化していきたいと考えています。
(問)先ほどの尾身会長からの報告でもあったのですけれど、東京についてなのですけれども、今、漸増で高止まりというお話があったのですが。改めて東京、現時点ではステージ2の状態にあるという認識でいいのかどうかということと。政府としてお示しいただいた指標で、これはステージが移行する恐れがあるという予兆を判断する数値なのか、それとも、この数値になればステージが移行したと判断する数値なのか、そこら辺を御教授いただければと思います。
(答)まず、東京のエピカーブを出してもらえますか、
 これも今日、押谷先生から御説明があったのですけれども。これが診断日ですね。報告日とは1日ずれたり、ちょっとずれたりしますけど、基本的に診断された日ですから、発症してから診断されるまで若干のタイムラグがある。こちらは発症日です。
 診断日で見ますと、こういうふうにでこぼこ、曜日によって検査件数、週末もありますのでありますが、急激に増えているように見えます。
 これを診断された日、今日も四百六十何件ということでありますから、今日460人感染されたかのような印象を持たれる方も多いと思うんですけれども、実は、何日か前に発症しているわけですね。5日前だったり、少し休みを挟んだりすると、それが1週間前だったり10日前だったりするわけであります。ですので、発症日ごとにこれを、今日の460人も3日前に発症した人何十人、5日前の人を何人って振り分けていくわけですね。後ろに倒していくわけです、戻していくわけです。そうすると、こういうエピカーブに発症日がなっていきます。
 これは、4月のときを見ると、もう急速に上がっていったわけですね。今回は緩やかに上がっていき、そして今、引き続き、びゅーっと上がっていく状況ではなく、先日の分科会で判断されたように漸増しているのではないかと。
 この辺、急に落ちているように見えますけど、これは、例えば今日の四百何十人も、過去にさかのぼって、8月1日、2日、3日にさかのぼって積み上がっていきますから、分けられて、ここはずっと上がっていくわけですね。その結果、これがどういうカーブを示すかと。今のところ、積み上がっていくとすれば、落ちている感じではないと、少しずつ増えていくのではないかということで、先日の分科会では分析がなされて。今日も、横ばいか台形のような形を形成するか少し増えていくか、少なくともがくっと落ちる状況ではないという判断をいただいております。
 したがって、何とかこの減少傾向にさせなきゃいけないということで、すでに都知事のほうで時間の短縮なり、こうした対策を強化され、そしてステッカーも貼り、様々な呼びかけを行われているところであります。
 全体の数字、各県の数字、指標、これを見ていただきますと、ステージ3、4の指標があります。東京の数字がちょうど一番上にありますから、これと見比べていただいたらいいんですけれども、ステージ3に当たっているものもあります。例えば病床の使用率とかこれを見ると、43%ですから当たっていると。しかしステージ4に当たるかどうかというと、ここを見ると35%ですから50には行ってないと。こうしたものをずっと見ていくと、重症者の病床もステージ3は25%ですが、6%とか。こうして見ていくと、10万人当たり15人の新規の発生者数、ここは当たっていますけれども、ステージ4ではないということで、当たっているものも当たっていないものもあるという中で。
 分科会の文書のところですが、ステージの判断に当たっての考慮要素ということで。まず、あくまでも繰り返しになりますが、目安であって、一つ一つの指標を持って機械的に判断するものではない。総合的に判断していくということですし、この数値を待たずに積極的に先手、先手でやることも大事だということも書かれているわけであります。したがって、ここに書かれているように、移行を検知するための指標でありますので、いわば一部の数値は3に当たっている。しかし全部は3に当たっているわけじゃない。そういう状況ですので、まさに3になりそうな段階ということであります。
 先ほど申し上げたように、3になることを検知する指標ということですから、その検知をできる段階だと思います。先ほど申し上げたようにエピカーブを見ても、急激に増える状況ではなく漸増している状況だということで、前回も確認いただき、今日もそういう御説明がありました。少なくとも急激に減少している傾向ではないということです。
 そうした中で急激に増えていく状況なのかどうかを検知する数値で、幾つかがそうしたものに当たっているという状況ですから、当然、今取られている対策をしっかりと実行していくことが大事だと思いますし、状況を見ながらさらに増加の傾向があれば、この目安を見ながら数値が全体に当たってくるとすれば、先手、先手にまた積極的に機動的に、様々な対策を講じていかなきゃいけないと思いますので。これは私どもも見ますし、東京都においても指標を見ていただきたいと思いますし、そして連携をしながら必要に応じて状況を見ながら、対策をさらに強化していくということが必要になってくると考えています。
(問)本日、指標を示されましたけれども、ステージ4になった場合、緊急事態宣言のような強制的なものがとられるというような御意見もありますけれども、この場合は国はその地域を指定して緊急事態宣言を出すことになるのかどうかということが1点。
 また、都道府県がステージ4に当たると判断しても、判断が分かれて、国はそう判断しないということはあり得るんでしょうか。2点お願いいたします。
(答)まず緊急事態宣言を発出するかどうかは国の判断であります。国の権限ですし、これは専門家の皆さんの御意見を聞いて判断するという法律になっています。ですので緊急事態宣言を発出する場合には、基本的対処方針等諮問委員会を開くことになりますけれども、今日の新型コロナの分科会はある意味、感染状況を分析していただいて、状況に応じた対策なども提案、提言いただいておりますので、そういう意味でこちらの分科会のほうは割と頻度も、いわば定期的にと言っていいと思うんですけれども、感染状況をしっかりウォッチしていく、そういう役割をお願いしているところであります。
 そしてそうした状況分析をいただきながら基本的対処方針を変える必要がある場合、あるいは緊急事態宣言を発出する必要が出てくれば、基本的対処方針等諮問委員会を開いて、そこで御判断をいただき、緊急事態宣言を発出することになります。国の責任でそれを行いますので、当然、国のほうに説明責任がありますから、私の立場からも、どうしてこの地域に緊急事態宣言をどの期間出すのかということについてしっかりと説明をしなきゃいけないと思っております。
 そして当然のことでありますけれども、それに至る過程で日々、私はそれぞれの都道府県知事とも連絡を取り合っておりますし、当然、緊急事態宣言を発出するようなステージ4になるような状況、これはきょうも目安をお示しいただきましたので、当然、都道府県知事も毎日見られているでしょうし、私も日々これを見ながら状況を見て、それぞれの知事とも話しをしていきますので、突然何の連絡もなく、ある地域が緊急事態宣言の対象になるということは当然ないということです。普通に考えればそういうことですけれども、しかししっかりと状況を日々見ながら、専門家、分科会の皆さんの御意見なども踏まえながら判断をしていくということになります。
 それから繰り返しになりますが、ステージ4の検知をすべき目安、指標、数値に当たる、当たらない、もちろんそれぞれ検知をしていくという意味で見ていくわけですけれども、これに当たったから直ちに緊急事態宣言をやるかどうかというのは、これは専門家の皆さんにも御判断をいただきながら状況を判断していくことになります。当然クラスターの状況とか、これも対処方針の中に入っていますけれども、それぞれのいろんな状況がありますので、それを見ながら判断をしていくことになります。ただ、何より大事なのは、やはり医療の提供体制、これが何より優先されて重視されて判断をしていくということ。これは今日の分科会で示された大きな方向性だと思います。
 新規の報告者の数ももちろん大事であります。当然、陽性者の数が増えると病床に影響を与えますので、当然ですけれども、無症状、軽症者の方、特に若い方はそうした方が多いですから、ホテルや場合によっては自宅ということも考えられますので、基本的にはホテルに入っていただくということをしていけば、病床に与える影響、負荷は少なくなっていく、負荷は増えないということだと思いますけれども、何よりこの病床の体制、医療提供体制を重視して、国民の皆さんの命を守るということで、強い危機感、警戒感を持って数値は見ていきたいと考えています。
(問)2点伺いたいんですけれども。
 1点は、強制力を強めるような形の特措法改正について、小池知事だとか、先ほど鳥取県の平井知事も意見を出されていましたけれども、特措法の改正について大臣はどう考えているかということと。もし改正が必要であるとするならば、国会を開かなきゃいけないと思うんですけれども、これについて内閣の一員として働きかける考えがあるのかというのが1点。
 それから今日も提言の中に「効率的な財源の活用の検討」という文言が入っていて、先ほどの平井知事の会見の中でも「財源の裏打ちがなければ積極的な対策がとれない」という声がありました。この点について大臣は、これまで臨時交付金を当てていくということを会見冒頭でもおっしゃってきたと思うんですけれども、これで十分だとお考えになりますでしょうか。
(答)まず1点目の法改正の点ですけれども、これまでも申し上げていますとおり、特措法を変えるとすれば、議論しなければいけない点がかなりの数になります。まさに今の焦点になっている実効性を上げていくために、例えば強制力を持たせるということ。それが1つの課題、テーマです。
 それ以外にもこれまで申し上げてきましたけれども、例えば緊急事態宣言のもとでは臨時の医療施設を作るということが、消防法とか医療法の特例でできることになっているわけですけれども、今、緊急事態宣言でない段階で医療体制を強化していくために、臨時の医療施設を作るという判断もあり得るわけです。例えばこういったものをどう考えるか。それから今ホテルで療養していただいていますけれども、感染症法上は入院をさせるということになっております。けれども、ホテルで療養ということの位置づけをどう考えるのか。
 それから今回は、WHOが新型コロナウイルスは未知のウイルスではない、既知のウイルスと発表したことで、新型コロナウイルス感染症は指定感染症と、感染症法では整理されたわけであります。特措法は新感染症なら直ちに法改正なしに使えるけれども、指定感染症であれば法改正をしないと使えないということであります。これは国会でも答弁しましたけれども、例えば指定感染症であっても、全国的かつ急速に蔓延する恐れがあるような、そして重大な影響を及ぼすような指定感染症であったら、法改正をしなくとも、新型インフルエンザ特措法が直ちに使える仕組みで機動的に使えるわけです。ですのでそういった枠組みもあるのではないかという点とか。
 さらにいえば、これはどちらかというと感染症法の世界になってくると思いますけれども、情報の、データの共有の話とか、大変な負担をかけながら、保健所が今中心となって様々なデータを収集し処理していただいていますけれども、これをどういうふうに共有していくのかとか、既に幾つかの課題が上がってきています。そうした中で本来であれば特措法と感染症法、あるいは場合によっては検疫法などを含めて、全体を改正しなきゃいけない、考えなきゃいけないということだと思いますけれども、そうするとかなりの時間がかかってきます。ということで、いずれにしてもそれぞれの項目、特に私が担当している特措法の世界の中で、どうすれば実効性が上がっていくのか、何ができるのか。
 24条9項というのは非常に緩やかな要請でありますが、緊急事態宣言の後でも指示、公表までしかできない。そうした法体系の中で、緊急事態宣言を発出する前にさらに強い措置が取れるのかどうか。こうした非常に一般的な要請、非常に緩やかな要請の中で強い措置がとれるのかどうか。こういったことを含めてかなりの論点がありますので、まずは法制局としっかり議論をしていきたいと。もう既に始めておりますし、私も折に触れ法制局長官とも議論をしております。問題意識とか方向性は共有しておりますが、実際の法改正となるとどのぐらいの規模のもので、どのぐらい時間がかかるのかを含めて、見きわめをしていかなきゃいけないと考えています。
 いずれにしても、法改正は必要だと思います。タイミングは法制局との関係も含めて、今の段階でまだお答えはできませんけれども、感染症法との関係も含めて、全体の法体系の見直しは必要だと考えています。
 1点、補償規定を入れるべきだという議論がよくありますけれども、補償の規定については先ほど申し上げたように、私自身は法律上、得べかりし利益、逸失利益の一定割合を補償するという枠組みを実行するのは、事実的に極めて難しいと考えていますし、この点については法制局とも議論をしています。実態上、先ほど申し上げたように持続化給付金とか雇用調整助成金、あるいは地方創生臨時交付金などで支援を行う。特にガイドラインを守って休業要請に応じてくれているところに、そうした支援を行っていくのは必要だと思いますし、実態上これまでも行ってきているという認識を持っています。
 その上で今日平井知事からも議論がございました。先ほど申し上げたように、持続化給付金は5.2兆円の予算規模を確保しておりますし、雇用調整助成金は1.6兆円の予算を確保しております。それから地方創生の臨時交付金は既に3兆円お配りいたしております。まずはこうしたものを活用していただいて対策を講じていただくということが大事だということだと思います。その上でさらにいえば、今後の感染状況あるいは対策、こういった状況を見ながら政府としてさらに何をすべきか、何ができるのか、こういったことは引き続き検討していきたいと考えています。
(問)3点伺います。
 まず今回の指標を政府として率直にどう評価しているのか、それをお聞かせください。
 2点目として、「地方部では感染の状況に関する指標を重視する」との記述がありましたけれども、先ほど来、大臣は医療提供体制を強調されていました。分科会の認識と政府の認識、これが違うのかどうか。
 それともう1点。「都市部」と「地方部」という記述、どこまでの地域を都市部と捉えているのか。この3点をお願いします。
(答)私は早い時期からというか、専門家の皆さんと連日議論をしていく中で、緊急事態宣言の解除、あるいは再指定の基準を出す、出さないの議論がありました。まさに専門家の皆さんのおっしゃるとおりになったんですけれども、再指定の基準については当時の専門家会議では、非常に多くの皆さんから慎重論が出ました。
 一つには、数字がひとり歩きをする。まさに緊急事態宣言を解除するときは、10万人当たり1人か0.5人かというところを日々マスコミの皆さんも報道されて。やはり数字でごらんになると、医療提供体制を含めた全体で判断をするということなんですけれども、やっぱり数字を示すと、数字がひとり歩きをするということを非常に心配される専門家もおられました。
 それから再指定に際しては、状況が変わるということ。これは尾身先生もずっと言われていました。私は当時から、知事会から、いつ再指定になるのか数字を示してほしいということを強く言われておりましたので、あえて私の判断で緊急事態宣言を出した4月の時よりも厳しい基準でということで、具体的に新規陽性者の数とか倍化スピードとか、あるいはリンク不明の割合、こういったものについての数字も申し上げました。
 ところが、まさに私の言っていることよりも、専門家のおっしゃったことが正しかったわけです。状況は全く変わったわけです。当時の私の判断として、それはそれで一定の役割を果たしたと思っていますけれども、しかし今はきょう御議論いただいたように、新規陽性者の数ももちろん見なきゃいけないけれども、何より見なきゃいけないのは病床だということ。
 特に先ほど押谷先生のデータをお示ししましたけれども、前回の時と年代が全く変わってきているという中で、重症者、死亡者をどう減らすかと。これが大きな課題で、病床体制をしっかり見るべきだという御議論でありましたので、そういう意味で専門家の皆さんの言っておられることは、その時々に的確に助言をいただき、提言をいただいていると考えています。
 私の立場では本当に信頼をしている尾身先生をはじめ、脇田先生や岡部先生や押谷先生と日々、いろんな議論をさせていただいています。そして感染症の専門家だけではなくて、経済、社会、それぞれの代表で入った皆さん方の集大成、総意である提言、そして指標を今日は示されました。当然ふだんから最大限尊重している立場でありますし、今日の指標も政府としてありがたいというか、的確に示していただいたと思っておりますので、この指標を日々見ながら、対策をそれぞれの都道府県と連携して講じていきたいと考えています。
 そして地方部の見方も全く違いはありません。先ほど申し上げたように、これは平井知事の御意見でありますけれども、地方部においては感染状況の指標、つまり例えば岩手のようにゼロであった県で突然何人か出始めると、やっぱり感染者の数を皆さん心配されるわけです。平井知事の鳥取も普通はかなり収束して出ませんが、時々発生するわけであります。やはり発生者の数というのは、地方の住民にとってはふだんはゼロとか少ないがゆえに、逆に心配が募るということであります。当然注目する指標は、重視する指標はそれぞれの都道府県で変わってくると思いますけれども、地方部においても最後に書いてあるように、特に医療提供体制が脆弱な地方部というのがありますので、積極的にさらに対策を講じるということでありますから、私は全く政府と知事会とで認識は共有していると思います。
 日頃よく議論するのは大都市部の知事さんが多いです。やはり感染が急拡大し、あるいは大きなクラスターが発生すると当然、医療提供体制に逼迫感が出てきているところを私も見ておりますので、意見交換をする知事は大都市部の知事が多いですけれども。でも地方部というのか大都市圏というのかわかりませんけれども、これまでも岐阜であったり三重であったり、あるいは茨城であったり宮城であったり、あるいは北海道であったり沖縄であったり、地方部の知事とも議論をしてきています。それぞれの地域の感染状況や地域の事情によって、問題意識に差はあると思いますけれども、私自身はそれをしっかり受けとめてこれまでも対応してきていると思いますし、これからも大都市部、地方部を問わず、それぞれの状況に応じて対策を連携してとっていければと思います。
 どこが都市部か地方部か。岐阜県であっても、岐阜市は名古屋と20分でありますので、当然、名古屋の影響を強く受ける地域。三重県でも当然、南のほうとそして四日市はじめ大都市圏、名古屋と近いところとはまた状況が違うでしょうし、千葉もそうです。千葉県の森田知事とも話しますし、千葉県選出の国会議員ともよく意見交換をしますけれども、やはり船橋や市川など、首都圏と本当に一体的になっているエリアは大都市部と言えるでしょうし、房総半島の特に海岸線に近いところは本当に農村部でありますから、感染がほとんどない部分でありますので、地方部と言えるでしょう。これには何か一律の定義があるわけじゃないですけれども、それぞれの県によってもそういう差はあると思いますので、それぞれの都道府県知事がこうした指標を見ながら的確に判断して、そしてそれぞれの地域の県民の皆さんの感情があると思いますので、そうしたことにも配慮しながら対応されると思います。
 私の選挙区でも明石は神戸の経済圏で、やはり都市部と言えると思いますが、淡路島はやはり島でもありますし、感染者の数も非常に少ないですから、1人2人出ると非常に敏感に。私の地元の方からも「出ていなかったのにとうとう出た」とか「何日かぶりに出た」とか「どうしたらいいんだ」という連絡を多くいただきます。それぞれの地域の住民感情もあると思いますし、問題意識の違いもあると思いますけれども、今日こうして指標を示されましたので、これを参考にしながら、それぞれの地域の事情に応じて対策をしっかり講じていく。特に、どんなことがあっても命を守る、医療提供体制を重視していくということは、全国共通の課題だと認識しています。
(問)2点あるんですけれども。1点目は、先ほど平井知事が会見をなさったときに「7月23日の海の日からの連休をきっかけに地方部で感染が拡大した。感染のフェーズが変わった」という趣旨の御発言があったんですけれども、その点について西村大臣の御見解をお願いします。
 それともう1点は、先ほど補償の資料のところで、「ガイドラインを遵守している事業者に対しては補償をする」というような書かれ方だったと思うんですけれども、逆にいうと、遵守していない事業者は対象にはならないというお考えなのか。それから区別して支給をしたりしなかったりということが技術的に可能なのか。この辺を教えてください。
(答)1点目。今日も押谷先生から、全国の感染状況について説明がありました。東京のエピカーブですが、この後東京が積み上がってきますので、台形のような形になるのか、少し増えていくのか、これは本当に警戒感を持って見なきゃいけないんですけれども。今のところは先ほど申し上げたように、急激に増えていく状況ではどうもなさそうだという見解をいただいております。そうするとどこがピークなのか。3つぐらい山があって、ひょっとしたらもうちょっと積み上がって、さらにピークが来るかもしれませんので、これはまだ言えないんですけれども、後ほど見ていただいたらいいんですが、全国のカーブも同じようなカーブになっています。まだ積み上がりますから、まだピークが来るかもしれないし、わかりません。
 けれどもこれまでのところ、7月27日前後が1つの大きな山になっているのは事実であります。ですので、感染から発症まで平均すると5日ぐらいということでありますから、今見る限りでは、22日前後で感染した方がある程度いるということであります。それをどう評価するかということでありますが、まだそこは専門家の皆さんにも状況の細かい分析をいただいていませんので、専門家の皆さんに分析をいただいて、また改めて評価がなされればと考えています。
 それから補償のところ。ここは私が今整理をしている、法制局などとも議論をしている1つの考え方であります。当然ガイドラインを守っていない人たちに休業要請を出した場合は、支援は必要ないということだと思います。他方、しっかり守っていれば、基本的には感染は広がらないわけでありますので、休んでいただく必要もないし、時間を短縮していただく必要もないわけですけれども。しかし、そのエリアで感染が広がっているということであって、それを抑えるためにどうしても措置が必要だという場合がありますので、その場合は支援が必要になってきます。
 補償というと失った利益を全部補償するとか、何割補償するとかになるので、補償という言葉にこだわらず、もう繰り返しませんが、国としては50%以上とか一定の支援。上乗せの臨時交付金もあるし、雇用調整助成金もあるし、一定の支援は行ってきておりますので、私は実態上、補償措置を行ってきているという認識を持っています。100%じゃありませんけれども、国としてやってきているということです。
 その上で、おっしゃるように、細かく言えば一店一店ガイドラインを守っているかどうかチェックをして、ステッカーを貼っていくという作業をやっていかなきゃいけません。東京都そしてそれぞれの都道府県で今、かなり細かく一軒一軒お店を回って、基準を満たしているかどうか、ガイドラインを満たしているかどうか、そして店舗のほうにも貼っていくという作業をやっていっていますので、かなり細かくはできるんじゃないかと思いますが、御指摘のように実態上、守っているか守っていないか、これが区別できるかというところはかなり大きな問題になってきますので、今後対策をとっていく中で、こういったところもこれから詰めて議論をしていかなきゃいけないと考えています。

(以上)