西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月10日

(令和2年7月10日(金) 10:31~10:54  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からまず1点御報告ですが、第2次補正予算で14億円を措置いたしました、「AI等を活用したシミュレーションの調査研究」でありますが、昨日9日から公募を開始いたしました。7月21日の締め切りであります。
 こちら、ちょっと見えにくいかもしれませんが、5つの研究テーマについて公募いたします。
 1つは、第二波対策。まさにこれまで我々が頼ってきたSIRモデルの効果分析、それから人流等のシミュレーション、それから医療物資や医療供給体制の最適配置、どういったことを備えなければいけないのかといったようなことを1つの大きなテーマとしてあります。
 それから2つ目は、ガイドラインを進化させていく、感染防止策です。今、足下でも、様々な会食であったり、それからバー、クラブなど接待を伴う飲食業でも感染が起こっています。シミュレーションを使ったり、空調、こういった配置なども含めて感染防止策を考えていく。
 三つ目に検査体制の進化。これはPCR、抗原検査、抗体検査、それぞれ役割があります。これを組み合わせていくような、そうした検査方法などを追加していく。
 これ、それぞれ1例ですので、いろいろなテーマについて研究している人もおられますし、研究したいという人もおられますし、その材料、AIを、あるいはスパコンを初めとして、そうした分析の手法を研究している人もおられますので。それぞれ例でありますが、こういったこと。
 それから、ICT、IOTを活用して、さらに接触機会の低減ができないかと。ウェアラブルの機械を装置して、無症状である方の重症化を、何か異変を検知するとか、そういったアイディアも伺います。それから早期検診の仕組みとして、これはCTスキャンの画像から新型コロナウイルスの感染症であることを早期診断する手法の確立。
 こういった大きな5つのグループ、研究開発領域において、公募を行いました。締め切りは7月21日であります。したがって、7月下旬には重要テーマについて先行的に決定し、その上で、もう皆さんに御報告しております、黒川先生をトップとする、山中教授、そして永井先生、安西先生に入っていただいているアドバイザリーボードを開催し、大所高所から御意見をいただいた上でスタートしたいと思います。7月下旬にアドバイザリーボードを開いて、決定してスタートしたいと思います。
 そして、8月下旬には第一弾の研究成果を期待したいと思ってます。したがって、第2回目のアドバイザリーボードを8月下旬に開催する予定であります。
 いずれにしても、秋以降の第2波に、大きな第2波、足元も少し感染が広がってきているわけですけれども、大きな波が来たときに備えるために、人工知能やスーパーコンピュータを使ったシミュレーション、そして感染防止策、これを進化させていきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日、昨日に続いて小池知事、あと専門家も交えて意見交換されると。その場で具体的な対策を検討されることになると思うのですけれども、これは1つではないと思うのですが、どういったアプローチからの対策を検討されている状況でしょうか。
(答)昨日、小池知事と意見交換しまして、現状、バー、クラブなど接待を伴う飲食店での感染の広がり、当然、陽性者がいないお店であっても、幅広く今、新宿、豊島区ではPCR検査を受けていただくよう呼びかけておりますので。自主的に受けていただいていますから、どうしても新宿だと1日数十人の方が検査を受けられていますので、その中で感染している人がおられれば、当然、その分の数は増えていきますので、全体の数を分析するときには、そういったことも配慮しなければいけないと思います。
 いずれにしても、何といってもバー、クラブなどの接待を伴う飲食業での対策、これがもう肝になってきます。やはり近い距離で会話する、時には大きな声も出すということで、感染リスクの高い業種であります。ガイドラインを守っていただくことを徹底しなければいけないと思いますし、進めておりますPCR検査もさらに拡充しなければいけないと思っています。
 もう大胆にPCR検査を広げていくことが必要だと思っています。ただ、そのためには保健所の機能を強化していくとか、そのための人員も必要となってきます。東京都では、病床はもうしっかり確保されています。重症者の数も6名ということで、ピークから比べると、93名から大幅に減っていますし、病床数も今1,000床ありますけれども、3,000床に向けて、これはもう近々に3,000床になると報告を受けておりますので、病床については心配しておりませんが。
 また、無症状、軽症の方向けのホテル、療養施設ですね、これも確保されています。今後、当然、PCR検査を拡大していくと無症状の方、軽症の方も増えてきますので、このホテルもしっかり確保していかなければいけません。
 そういう意味で、全体として対策を進めていくことの具体策、具体的な取り組みを今日、新宿区長、豊島区長にも入っていただいて、また、専門家の尾身先生ほか、入っていただいて、具体的な取り組みを決めたいと思っております。その上で、迅速に対策を実行していくということだと思っています。
 とにかく、このバー、クラブなど接待を伴う飲食業、今はホストクラブ、キャバクラで感染者が出ていますので、ここの対策をしっかりやるのが肝だと思います。
(問)今の質問に関連して、ホットスポットとなっている接待を伴う飲食業についてガイドラインの徹底が肝になるとおっしゃいましたけれども、こういった業種に限って休業要請を出すお考え、また、検討しているという状況はあるのでしょうか。
 それともう1点、昨日のぶら下がり会見で、市中感染の評価について、専門会に引き続き分析を行ってもらいたいと発言されていましたけれども。先週、都内で連日100人以上の感染者が確認されて以来、大臣は同様の趣旨の発言をずっとされていて、夜の街だけではなくて、市中感染が確認されたら、また対策というのも一段フェーズが上がると思うのですけれども、この分析というのは、結果はまだ出ていないのでしょうか。
(答)まず、今の状況は、東京都の状況は昨日来お話ししているとおりでありまして、感染者の数は確かに増えていますけれども、積極的にPCR検査を受けている、2次感染防止のための対策のあらわれでもありますので、その分も配慮して考えなければいけない、評価しなければいけないということであります。
 それと同時に、若い方が多いですから、今のところ、若い方が全く重症化しないわけでもないのですけれども、比較的軽症の方が多いということで、重症者とか、病床、医療提供体制には影響は出ていないという状況でありますから、4月上旬の緊急事態宣言を発出した時とは状況が違うということを、まず、これは日々、専門家の皆さんと確認しています。
 それから2点目に、全国の状況を見ても、まだ最近、直近の1週間で感染が確認されていない都道府県が約20ありますので、いわゆる緊急事態宣言の要件であります、「全国的かつ急速な蔓延の恐れ」というところにはあたらないものと認識しています。
 ただ状況は、昨日大阪でも30例ですかね。再陽性の方が1人おられるみたいですけれども、30例ということで、これも3月下旬頃の状況の数字でありますから、そういう意味で警戒しなければいけない状況にあると思っています。
 その中で、特に今、御指摘があったバー、クラブなどの接待を伴う飲食店、大阪でもこの関連の方が一定数あると聞いておりますので、やはりここが肝であるということです。その対策をどうするかということを詰めなければいけないと思っています。
 それから2点目に、それだけではなくて、最近、会食を通じての感染拡大が見られます。これはいわゆる若い人たちのコンパのような集まりであったり、パーティーであったり、こういったものもありますし、40代、50代のいわゆる会食、会合というか食事ですね、これも見られます。これも近い距離で食事をしますので、当然、飛沫が飛びます。ガイドライン上、飲食店では距離と距離をとることをお願いしていますけれども、ガイドラインでそういうふうに定められていますけれども、やはり個室で、例えば6人の個室に6人入って近い距離で会話をすると、当然、感染のリスクは高まります。10人で10人が入っても、また距離が離れていますから大きな声も出します。端と端の人が話をすればですね。そういった状況を、これはぜひ、感染防止の観点から最大限注意していただきたい。10人部屋で3人とか4人とかで距離をとって、静かな環境で大声を出さすにゆったりと話をしていく、それから換気もよくする、これが何より大事であります。この会食やパーティー、コンパ、こういったもので感染拡大が見られますので、これも大事なポイントだと思っています。
 感染防止策を徹底していただくということが何より大事ですので、消毒、マスクは当然ですけれども、大きな声とか、それから換気ですね。これは今までもスパコンの「富岳」を使ったシミュレーションでわかってきています。換気がよければ、かなり感染を防げます。そういった環境を作っていただくこと。そして、私も先日食事をしたときに、ちゃんと飲食店でアクリル板を置いてくれていまして、向かい合わせになるときにはアクリル板を置いてくれているし、斜めになって食事したりもしていますけれども、そういったことの小さな努力の積み重ねを、ぜひ、お願いしたいと思います。
 それは、持続化補助金でちゃんと支援できますので、アクリル板を買っていただいて設置したり、換気をよくしたり、消毒液とかを買う。こういったことの対策を、業種によって多少差がありますが、持続化補助金で最大200万円まで支援ができますので、ぜひ、これを徹底していただきたいと思います。
 今日知事会で、こうしたことを知事会の皆さんと午後、話をしますので、こういった状況や対策について意見交換をし、ぜひ、連携して対応していければと思っています。
 今晩、具体的な対策については、新宿区長や豊島区長の現場の声も聞きながら、どういった対応をしていくかは専門家の意見も聞いて判断していきたいと思います。
(問)東京の感染者が224、過去最大という情報が流れるとびっくりしますが、後で聞くと重症者は6人と。なおかつ、2週間で死んだ人がいないというような状況があります。やはり、その日ごとの感染者数で右往左往する、あたふたするような情報の発信の仕方というのも、やや問題があるのではないかと私は思うのですが、その辺について改善の余地があるのかどうかということです。
 あわせて、大臣は経済の再生とコロナの対策の両立の大臣でありますが、これは非常に、いよいよ板挟みとか難しい立場になると思いますが、御自身の立場を含めて、肝に銘じているということが何かありましたら伺いたいです。
(答)まず、数字については、これはぜひマスコミの皆さんにもお願いしたいんですけれども、やはり全体数、これは皆さん関心がありますからお知らせされるのは当然ですけれども、やはり、内訳も含めて詳しく、私の立場でも一生懸命できるだけ丁寧に説明したいと思いますし、小池知事やそれぞれの都道府県知事の立場で説明してもらいたいと思いますけれども、ぜひ、詳しく説明していただけるとありがたいと思います。
 今お話のあったとおり、医療体制とか、これは全く今は大丈夫です。重症者の数はむしろ減ってきていまして、6人ということ。医療も、当然、入院されてから重症化される方もおられますから遅れて出てきますので、何も安心しているということではなくて、東京都も1,000床から3,000床に増やすと。これは近々に増やせるということで報告を受けていますので、医療体制については、現時点で何か逼迫しているとかということはありません。
 それから、若い方が7割とか8割とか、日々占めていまして、その中には、無症状であっても積極的にPCR検査を受けて陽性者になっておられる方がかなりの部分含まれます。当然、この方が接待を伴う飲食店、ホストクラブなどで働いていれば、次に感染させてしまうこともあるわけであります。そこを防ぐために積極的に受けているということで、いわば2次感染が防止されているという面もあります。そういったことを丁寧に私の立場からも説明していきたいと思います。
 ただ、先ほど申し上げたように、警戒すべき状況であることは、これはもう間違いありませんので、日々、市中感染がないのか専門家の皆さんの分析を急いでもらっています。東京都内でも新宿区、豊島区だけではなくて、ほかの区でも感染が出てきていますので、そういったこととのつながりがどういうふうになっているのか。今日の時点で感染経路、リンクがわからないといっても、何日か後にわかってくるケースもありますので、そういったことの分析を進めてもらっています。ただ、現実として新宿区、豊島区だけではなくて、他の区にも広がってきているのも事実でありますので、その分析を急いでもらっています。いずれにしても、そうしたことの説明を丁寧にやっていかなければいけないということを肝に銘じて取り組んでいきたいと思います。
 それから、両立であります。これはもう、多くの国民の皆さんが感染したくない、感染が広がってほしくない、また、自分の健康や命は守りたい、当然のことだと思います。何より命が大事であります。しかし一方で、暮らしや生活、当然、生きていかなければいけませんので、経済活動、社会活動も広げていかなければいけません。どっちが大事だということではなくて、両立していかなければいけない、バランスをとっていかなければいけないということであります。
 それをやるには、絶対に油断することなく、感染防止策を徹底していくということ、もうこれしかないんですね。これしかないです。一人一人が消毒をし、マスクをし、人と人との距離をとる。会食する時も必ず距離をとって、当然、友達と、仲間と話をしたいです。私もしたいです。でも、その時も狭い部屋にぎゅっと入るのではなくて、やっぱり「三密」、密になることを防ぐ、これを常に頭に置いていただいて、消毒する、マスクをする、距離をとる、で、換気ですね。「三密」を防ぐ1つは換気です。もちろん、外でも近い距離でマスクなしで会話すると感染リスクは高まります。「三密」を回避する、換気をよくする、その中で社会活動、経済活動を行っていくということであります。
 人の流れを見ても、緊急事態宣言の時には皆さん方の協力があって、8割ぐらい電車を使う通勤の人が減っていました。今は首都圏で2割から3割減になってきています。当然、社会活動、経済活動が活発になっていますので、移動は活発になります。それでも、ぜひ、感染防止策を怠らずにやっていただきたいと思います。
 できることなら、テレワークを引き続きやれる企業には、やれる事業体には、そういう業種の方はテレワークを継続していただきたいと思いますし、そのための支援策、中小企業やこれまで取り組んでいなかった業態であっても、新しく取り組むという事業者には、中小企業には、様々なテレワークの支援策もあります。もちろん持続化補助金もいろいろな形で使えますので、そういったものを使っていただきながら、政府として支援しながら、新しい生活様式、新しい日常、スマートライフですね、これを実現していくことが感染防止と経済活動の両立につながっていきますので、ぜひ、お一人お一人の協力をお願いしたいと思いますし、政府として皆さん方のそうした努力、取り組みを全力で、全面的に応援していきたい。様々な予算があります。ぜひ、そういったものを活用していただいて両立が図っていければと思います。
 今日は各紙の朝刊に持続化給付金のほうのチラシが入っていました。新たに、今年創業した方とかも申請できるようになっていますけれども、そうしたことも含めて説明が書いてありますので、ぜひごらんいただいて。もう既に給付を受けておられる方も200万社以上おられますけれども、まだの方は、ぜひ、こうした持続化給付金なども活用していただければと思います。
(問)先ほどの質問で、夜の街への個別の休業要請をどう考えるかという質問に対してのお答えをお聞きしたいのですけれども。
(答)豊島区と東京都でいろいろ調整されていますので、今日夜、会合の時に話を聞いて、また、専門家の意見も聞いた上で、どういう取り組みがいいのか判断していきたいと思っています。
(問)先週お聞きしたときには、実は大臣は、やや後ろ向きというか、「北風と太陽」のお話もされていましたけれども。
(答)そういう面もありますので、ある地域だけやると他の地域に動いてしまうとか、あるいは地下に潜ってしまうとか、様々な。これは専門家の皆さんも指摘されていますし、私もそう思いますし、そうした懸念も東京都には伝えています。その上で、どういった取り組みが実効性があるのか、これを考えて、今日は専門家の皆さんにも入っていただいて、そして議論して方向性を出したいと思います。
(問)東京都は予算を組まれていますよね、50万円の協力金を。
(答)そのことも含めて、昨日も一部説明を受けましたけれども、専門家も含めて、どういう取り組みがいいのか、それをしっかり議論して、実効性のある形でやりたいと思います。

(以上)