西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年4月23日

(令和2年4月23日(木) 18:35~18:52  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 今月の月例経済報告について御説明いたします。
 皆さん、お手元の配付資料1ページ目は、もう別途見ていますね。
 景気の現状についての総括判断ですけれども、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」と下方修正を致しております。
 我が国は、感染症の拡大防止のために、国民の皆様にまさに不要不急の外出の自粛を要請しており、その下で、家計や企業の経済活動が急速に縮小するという、過去に例をみない極めて厳しい状況となっています。
 先行きにつきましても、「感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる。また、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」としております。
 詳細についてはこの後、事務方から説明いたします。
 それから、本日、新型コロナウイルス感染症に関して、さらなる感染拡大の防止に向けまして、各都道府県に対して3つの通知を発出いたしました。
 1つ目が、昨日もお話ししました、新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条に基づく、施設の使用制限等の要請や公表などについてであります。
 第45条第2項に基づく施設の使用制限等は、個別の施設を対象としており、各都道府県知事は行政手続法等を踏まえた適正な手続にのっとって対応していただくとともに、先日の会見でも申し上げた、第24条9項に基づく要請に従わないケースなどにも適切に対処していただきたいと考えております。
 続いて、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の別添で掲げる、ホテル・宿泊業者の取り扱いについてでありますが、今後、大型連休を迎えるに当たって、行楽を主目的とする宿泊に係る事業は、この対処とはならないことなどを明確化いたしました。
 これを踏まえ、不要不急の旅行・観光による感染拡大を防ぐため、市民、宿泊事業者に対して、営業の自粛も含めた適切な協力について、各都道府県知事には適切に対応いただきたいと考えております。
 3点目、最後ですが、商店街やスーパー、公園などで週末に人混みが生じている状況への対処についてです。
 昨日の専門家会議による分析・提言を踏まえまして、商店街やスーパー、公園などの利用に関して、混雑時は避ける、行列も位置の指定や入場制限を行うなど、住民や事業者などにおいて適切な対策が講じられるよう協力の要請を行うことを各都道府県にお願いいたしております。
 これらの点につきましては、私から関連の経済産業大臣、国土交通大臣などの関係大臣にお話ししているところであります。各省においても、様々な対応がとられるものと思います。
 これらの3つの通知につきましても、事務方から後ほど説明させていただきます。
 今年のゴールデンウイークはステイホームということで、ぜひ家で過ごそうということを政府としていろいろな形で国民の皆様にお願いしていきたいと思っております。様々なネット上でも、そしていろいろな機会を通じて、今年のゴールデンウイークはステイホーム、ぜひこのことを皆様方にお願いしたいと思っております。
 先ほど申し上げました、県をまたがる観光地を目的とした移動もそうでありますし、身近なところでの人と人との接触も避けるという意味で、できるだけ自宅にいていただくと。公園に行くとき、もちろんジョギングや散歩はやっていただいても構わないわけですが、そのときも密集を避けて、人と人との距離を置きながら、接触の8割削減をぜひ実現していただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)発出された通知に関してお聞きいたします。
 この45条の措置なのですが、現時点でパチンコ店等が想定されるかと思うのですが、ここに、「専門家がクラスター発生の恐れがあると認める」という記述があるのですが、パチンコ店はそれに合致するものという理解でよろしいのかという点の確認と、現時点で、ほかに具体的に想定されている業態の店舗はあるのでしょうか。
 それから全体的に、この発出を受けて今後、都道府県知事の判断となると思うのですけれども、政府としてどのように知事の判断をサポートするお考えでしょうか。
(答)パチンコ店については当初、専門家の皆さんもそれほどリスクは高くないかもしれないということで御判断いただいて、そのことは私も申し上げたことがあったかと思います。
 ただ、最近は、いろいろな施設が閉まる中で、かなり混雑していること、それから、消毒などが適切に行われていなければ、誰かが使った後の台をまた使われるというようなことにもなります。それから、大勢で行かれた場合には、お互いに話しながらということも考えられます。非常に近い距離で接触が行われるということでありますので、専門家の皆さんも、今の状況ではリスクがあるので、これは都道府県知事がそういう判断をされる場合には、そういう判断について否定するものではないということで御理解いただいております。専門家の御意見をいただいた上で、私どももこういう判断をしているところであります。
 それから、他の業種も幾つかあり得るとは思いますけれども、幾つか相談も受けていますが、実際にこのような形で次の段階に進むのかどうわかりませんので、今の段階では控えたいと思います。
 それから、全体として、8割削減を目指してお願いしております。そうした中で、各都道府県知事が地域の事情も見ながら判断されて、適切な対応をとれるように、我々は専門家の意見を聞きながらサポートしている、また、調整しているところであります。
 県によっては、要請に応じて施設を閉めているところがある、しかし、県によっては、ある地域では要請に応じなくて閉めていないところがあるというケースで、当然、お客さんは開いているところを見つけて、そこに集中して、そこが混雑している原因にもなっています。まさに県をまたがってそういう移動も見られます。その場合に、単に行き帰りするだけではなくて、その周辺で食事をしたり、いろいろな密集をすることも考えられますので、そういう意味で都道府県知事が適切に判断できるように、引き続きサポート・調整していきたいと思います。
 知事がそういう判断をされたときに、そういう措置をとろうというときに、適切に手続を踏んでいただくという意味で今回、通知を出させていただきました。
(問)今回、45条、さらに強い措置についてのガイドラインを出されましたけれども、国としてのスタンスとしては、都道府県知事に対して今後、積極的にさらなる強い措置を講じてほしいというようなところまでのスタンスをとるのか、あくまでこれは知事の判断に委ねるということなのか、国としての基本的なスタンスというのを、もう一度改めお願いします。
(答)今の段階で、政府の対策本部長である安倍総理から何らかの指示を各都道府県知事にしているわけではございません。法律に基づく指示は行っているわけではありません。
 私たちは専門家の意見を聞きながら、国内の感染状況を見ながら、その分析・評価を伺いながら、御意見を伺いながら、それぞれの地域の都道府県知事が適切に判断できるように今、サポートしている段階です。
 国民の皆さんに8割の接触削減をお願いしております。これができれば、新規感染者の数が減り、収束に向けた道筋が見えてくるはずだという専門家の御意見でありますのですので、今の段階は、そのためにまずは国民の皆様に様々な活動の自粛をお願いし、本当に御不便をおかけしますけれども、それぞれの立場で工夫していただきながら、この削減に向けて努力しているという段階です。
(問)月例についてお伺いいたします。
 11年ぶりの景気悪化ということでした。前回の月例の際、大臣は会見で、景気は下降局面にあるとおっしゃっていましたが、今の景気の状況はどういう局面にあるか端的にお願いします。
(答)前にも申し上げましたけれども、景気の山谷判定を伴う景気の後退局面かどうかについては、専門家による事後的な検証を経て正式に決定されるものであります。
 先月の月例経済報告において、まさに「厳しい状況」にあるということで、それまでの緩やかな回復基調から明らかに転換して下降局面に入っているという認識をお示ししたところであります。
 今回の判断は、「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」ということでありますので、さらに下方修正したものです。従いまして、下降局面であるという認識に変わりはありません。
(問)ガイドラインに戻りますけれども、45条に基づく休業要請指示・公表に伴う損害賠償請求のリスクを心配する知事がいらっしゃるのですが、今回のガイドラインに沿えば、このリスクを回避できるというお考えでしょうか。
(答)裁判をする方がおられるかどうかは私にはわかりませんけれども、私たちとしては、行政手続法に定められている手続に従って、法に従ってしっかりと手順を踏んでやっていただくことをお示ししているものであります。
(問)月例経済報告で伺います。
 今回、リーマン・ショック以来の悪化や、あるいは極めて厳しいという表現になりました。改めて、ここまで厳しい表現をせざるを得なかった理由や、あるいは大臣の所感について伺いたいのと、今後の政策運営において、コロナで国民が大変なダメージを受けている中で何が必要になるのか、経済再生相としての御見解をお聞かせください。
(答)原因は新型コロナウイルス感染症、この一言に尽きると思います。
 これをどう克服していくか。そのためには、短期的には大変厳しい状況になりますけれども、しかし、できるだけ早期に収束させるためには、本当に国民の皆様には申し訳ないのですけれども、不便をおかけしますけれども、まず5月6日まで、本当にお一人お一人の努力、工夫で何とか8割削減を実現していければ、必ず新規感染者の数は減り、そして、収束に向けた道筋が見えてくるというのが専門家の皆さんの御意見、分析であります。
 そのために、短期的には経済をむしろとめるわけですから、今、大変厳しい状況になっていますけれども、このウイルス感染症を克服するためということで御理解をいただいて、もし自分は大丈夫だという思いが広がれば、緩めば、昨日も専門家会議でお示しされたように、65%になれば、もっと長い期間収束に向けた道筋は見えてこないわけです。そうなると、余計に経済は長い間影響を受けることになります。
 短期的には、もちろん厳しい影響が出ています。これは本当に多くの事業者の皆さんに大変な思いをおかけしていますけれども、何とか早く収束させて、その後の展開が見えるようにしていきたいと思っております。
 その上で、この間の本当に厳しい思いをしておられる皆様方には、お1人10万円の給付をできるだけ早くお手元にお届けするということでありますし、また、名称はともかく、実質、休業補償的な給付である持続化給付金、200万円、100万円も連休明けには支給ができるように今、準備を加速しているところであります。
 そして、今年は納税とか社会保険料とかを支払っていただく必要はなく、延納していただいて結構ですので、そうしたことを含めて、あと、様々な支援策、メニューをもう既に実行しておりますし、さらに今度、補正予算の中でそれを実現していきたいと思います。
 そうしたことで、今は何とか踏ん張っていただけるように、全力でさまざまな事業活動、そして雇用、生活をお守りしたいと思っております。
 そして、補正予算の中には、収束後にV字回復していける段階になれば、そのときに国民の皆さんに、もうこれは幅広く、旅行や消費やイベント、大いにそうしたことを楽しんでもらう、そうした予算も盛り込んでおります。
 そのための準備をするために早く盛り込んでいるわけでありますし、また、厳しい状況の事業者の皆さんにも、そうした将来への希望もぜひ持っていただくために、この補正予算の中にそうした予算を盛り込んでおりますので、ぜひそうした準備を並行的に進めていきたいと思っております。
 いずれにしても、当面は厳しい状況になりますので、何とか雇用・生活・事業をしっかりと応援していく、全力で応援していく姿勢で臨んでいきたいと思っております。

(以上)