西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年4月21日

(令和2年4月21日(火) 10:03~10:23  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 昨日、経済対策を決定しまして、補正予算の概算も決定したわけですけれども、企業支援のポイントを始め、幾つか少しお話ししておきたい。
 もう皆さん御案内のとおり、1月から12月の売り上げが50%以上減少した場合に、全国どこにいても中堅・中小・小規模事業者、これはNPOや医療法人、農業法人、社会福祉法人も含めて200万円、フリーランスを含む個人事業主は100万円の持続化給付金を支給することになっております。相談ダイヤルも設けております。平日、休日を問わず、この番号でできます。
 補償なのか損失補填なのか、名称はともかくとして、全国どこにいてもこういう支援を行うということでありますので、休業して、この3月、4月、あるいは5月に50%以上落ちれば、こうした支援があるということであります。ある意味で実質休業補償的な、休業支援的なものであるということでありますので、御理解いただきたいと思います。
 それから、雇用調整助成金の拡充をいたしまして、パート・アルバイトの方も対象になっています。休業手当に要した費用を助成しますが、解雇などを行わない場合は、中小企業の場合は90%を国が支援、大企業の場合は75%を支援します。
 東日本大震災、熊本の震災の際も、大半の企業、5割以上の企業が従来どおりの給料を支払われています。今も、収束後の人手不足も予想されますので、人材をしっかり確保したいという企業が多いと思いますので、企業の皆さん方、事業主の皆さん方には、ぜひ今までどおり給料を支払っていただいて、休業ということになれば、中小企業の場合は9割、大企業でも75%の支援、国からの助成金が出ます。
 雇用調整助成金という名前ですけれども、ある意味、雇用維持助成金という性格のものでありますので、事業者の皆さんには、休業してもらう場合も、ぜひ10割、これまでどおりの給料を払っていただければ、中小企業の場合は9割は国が支援するということでありますので、このことはお願いしたいと思います。
 それから、納税・社会保険料については、今年は猶予で、支払う必要がありません。固定資産税も同様です。固定資産税の場合、猶予されて、来年に今年の分と来年度の分を支払っていただくことになりますけれども、来年度の分は、今年の事業に伴う売り上げが5割以上落ちればゼロになります。売り上げが3割以上、5割減であれば2分の1になります。したがって、例えばビルのオーナー、家主の皆さんには、家賃を猶予してあげるということで今年の収入が50%以上落ちれば、来年度の固定資産税は払う必要はなくなります。ですので、そういった措置を活用していただいて、家賃の猶予などをお願いしたいということであります。
 また、家主さんには別途、これまで家主さんが持っている債務については返済猶予を行っていくようなことも金融庁から金融機関に強く要請しておりますし、それから、家主さん向けへの無利子・無担保の融資もあります。そういったことを活用していただきながら、ぜひ家主さんには、家賃の猶予を入っているテナントの皆さんにお願いしたいと思います。
 それから、今申し上げた実質無利子・無担保の融資、3年間無利子、5年まで元本据え置き、そしてこれを地銀・信金・信組、いわゆる都道府県のやっている制度融資と連携させまして、同様の措置が受けられるようになりますので、日本政策金融公庫など、もう窓口に殺到していることについて、それぞれの都道府県で制度融資を受けられますので、実質無利子・無担保できますので、これができるようになるということで窓口が緩和されて、より幅広い窓口で受けられるようになります。
 中小企業・事業者関係の支援については以上であります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)緊急事態宣言が出されてから2週間が経ちました。大臣はかねてから2週間で効果が見えるとおっしゃってきましたけれども、これまでの外出自粛や店舗休業などの効果はどうなのか、感染状況の評価と課題をお願いいたします。
 また、宣言の期限である5月6日が迫る中で、この後の対応に非常に関心が高まっています。期間を延長するかどうかは、いつごろどういった基準で判断するのか、地域を分けて解除するなどの考えはあるのかなど、御見解をお願いいたします。
(答)4月6日時点で感染者の数が4,000人近くなる中、4月7日に7都府県に対して緊急事態宣言を発出したところであります。そして、4月16日時点で感染者が9,000人を超える中で、全国に拡大していく中で、16日に区域を全国に拡大いたしました。
 現在は感染者数が1万人を超えた状況で、都市部から地方への感染拡大が見られるところであります。しかしながら、いわゆるオーバーシュート、欧米で見られるような爆発的な感染拡大、これは2日や3日で感染者の数が倍増していく、その軌道にはまだ乗っていない。これは専門家の皆さんの判断であります。数字を見ておられると思いますけれども、そのような爆発的な感染拡大には至っていないということであります。
 そうした中で、各県知事からは住民の皆様に対して、新型インフルエンザ等対策特別措置法45条に基づく外出の自粛要請をお願いしているところであります。
 5月6日まで国民の皆様にはいろいろと御不便をおかけしますけれども、人との接触8割削減は全国のそれぞれの地域で、それぞれの皆さんにぜひお願いしたいと思います。
 今申し上げたことなのですけれども、全国における累積の感染者の数は増加しておりますが、1日当たりの新規の感染者数はこの1週間は300人から500人前後で、いわゆる爆発的にはなっていないという状況であります。引き続き8割削減を目標に不要不急の外出を避けていただいて、3つの密、あるいは夜の繁華街を極力避ける取り組みを徹底して行っていただければと思います。
 全国の人の流れのデータも日々公表しておりますし、我々は分析もしています。感染拡大以前と比較して、六、七割程度の減少が見られているところでありますが、全国的に見ると、まだわずかな減少にとどまる地域もございます。十分と言えない部分がありますので、一層のそれぞれの皆様の御尽力、御努力、御協力をお願いしたいと思っています。
 昨日は、東北の経済界の皆さんにこうしたことを改めて私からお願いしたところであります。4月の上旬辺り、いい季節で東北の公園や観光地に人が多く訪れるということがありましたので、そうしたことも含めて改めてお願いしたところでありますし、本日午後にも、都道府県知事会の皆様とこうした状況について意見交換したいと思っております。改めて県をまたがる移動であるとか、県内の観光地について入場者数の制限を行うなどの措置を引き続きお願いしていきたいと思っています。
 また、パチンコ店などにおきまして、都道府県知事から24条9項に基づく休業要請などを行っているところですが、残念ながら要請に従っていただけないケースや、ある地域で開いていますと、そこに県域をまたがって人が集まってくるケースもあるなどの報告を受けているところであります。
 こうした状況について、専門家の皆さんも大変強い危機感を有しておられます。また、幾つかの県の知事からも相談を受けているところでありまして、特措法45条2項に基づく休業要請、これは施設を特定して改めて要請を行う、そしてそれを公表する措置までできるわけですが、そうしたさらに強い措置を講ずることについて検討、調整を行っているところであります。
 これまでも申し上げてきましたけれども、まずは国民の皆様の自粛によって、人との接触の8割削減をお願いするところですけれど、それがなかなか実現されていない場合には、そういった措置をとることもあり得るわけでありまして、国民の皆様には引き続き、自分の命を守るためにも、大切な人を守るためにも、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、解除についてですが、基本的対処方針におきましては、緊急事態宣言を行った後も都道府県や専門家の皆さんとの定期的な情報交換を通じて、感染状況の変化、それから施策の実施状況など、今申し上げたようなことなどを日々分析し、私も意見交換を毎日重ねております。
 特に5月6日の期間終了までの間に適切に評価を行うということにされておりますので、今の段階で解除について何か申し上げるのは時期尚早だと思っております。いずれにしましても、日々そうした評価をいただいているところですけれども、2週間経ちましたので、近く専門家会議を開いて、2週間がどういう状況であったかということの分析をいただき、評価をいただきたい、御意見を伺いたいと考えているところであります。
 私からは以上です。
(問)西村大臣は10万円を申請されますか。全閣僚が仮に辞退しますと、それでは副大臣はどうなんだ、誰がどうなんだとなります。これは本来異例の措置ですが、全国民に一丸になってもらうという意味では、むしろ立場の高い方はこれをもらっていただいて、その使い方や現場をサポートするなど、もらうべき人、もらわないべき人という議論になるのはよくないと思います。
 その辺について、この企画の立案者として、辞退されるのかどうかも含めてお考えを伺いたいです。
(答)これまでも申し上げてきたところでありますけれども、本来、本当に厳しい方に重点的に支援しようということで、いろんな議論がありましたけれども、そういう方針でおりましたけれども、全国に緊急事態宣言が拡大される中で考えてみますと、従来、政治家や公務員は所得が減っていないと、受け取る必要がないということを申し上げてきました。
 しかし、公務員の皆さんも、それぞれの市町村の公務員の皆さんは現場でこの感染症と闘っておられますし、まさに厳しい家計や零細事業者・小規模事業者に対して必死で支援をやられています。あるいは、感染リスクを抱えておられる医療従事者の皆さんや我々の生活を支えていただいているスーパーの従業員の皆さんや、あるいはそれを支える物流、トラックの皆さんが様々な形で、今や全国民がこのウイルス感染症と闘っていると。ぞれぞれの持ち場、持ち場、立場、立場で努力しておられる。また、いろいろな不便もかけている中で、もらえる、もらえないの不公平が出ないように、あるいは分断されないようにということで、安倍総理が最終的に判断されましたので、私はもちろんそれを御指示いただいて、全国民一律10万円というふうにもう一度制度設計をし直して対応しているところであります。
 私自身は、内閣で今方針を決めようとしていますので、その方針が決まれば、それには従いたいと思っております。
 他方、高額所得者など、自分は要らないという方もおられると思います。それは、それぞれ御自身の判断だと思いますけれども、しかし他方、受け取っていただいた上で、今申し上げたように感染症と闘っているさまざまな方もおられますし、また、厳しい状態におられる方もおられます。例えば先ほど家賃の話をしましたけれども、飲食関係の皆さん、あるいは宿泊関係、旅館の皆さんも大変厳しい思いをしておられます。また、まさに日本の、我々の国の基礎を作っていただいている文化、芸術を支えてこられた方々、あるいは私たちの心を豊かにしてくれて、潤いをもたらしてくれているエンターテインメントの皆さん、今、全く仕事がなくなって厳しい、裾野の広いフリーランスの方もおられます。劇団やコンサートのそれぞれの持ち場を担当している方もおられます。大変厳しい状況になっている方がおられますので、そういった方への支援。これはさまざまな基金や財団やあるいはクラウドファンディングで支援していこうという動きもあります。ぜひ、そういったことも考えていたければ。もらっていただいた上でそこに寄付していただくようなことも1つの考え方なのかと思っております。
 それは当然、お一人お一人の御判断ですから、御自由に判断していただければいいと思うのですけれども、自由に選んでいただければと思います。国として何かそういった情報提供ができないか、こういったファンドがある、こういったクラウドファンディングがありますと、こういった財団もありますといったようなことを情報提供できないか、これはぜひ考えていきたいと思います。
(問)先ほどパチンコ店のことに言及されましたけれども、検討、調整をおっしゃったと思いますけれども、どの地域で考えていらっしゃるのかという点と、もう1点、経済対策を決定されましたけれども、今まさに資金繰りに困っている中小企業や個人事業主も多くいらっしゃると思いますけれども、そういった方が今、どういった対応を取り得るのかという点について、大臣はどのようにお考えなのかお願いします。
(答)先ほど申し上げた45条2項についての検討、調整については、幾つかの県から相談を受けておりますので、今の時点ではまだ控えたいと思います。
 仮に45条にいく場合も、これは強い措置になりますので、必要最小限という法全体の枠組みもかかっておりますし、基本的対処方針にその段取りは書いてあるのですが、丁寧に対応していただく必要もあるかと思いますので、そこはよく調整して進めて行きたいと思っています。
 それから、中小企業はもう既にこれまで様々な対応をしてきております。1つは、納税・社会保険料については、先ほどもありましたけれども猶予しておりますので、今年は支払っていただく必要はありません。それから、無利子・無担保の融資制度は中小公庫、それから商工中金などで対応していますので、これはもう今も受け付けて、既に何万件という方々に融資が行われていると聞いております。ぜひこれを活用して、資金繰りに対応していただければと思います。雇用調整助成金も、もう申請はできますので、まだ数は少ないのですけれども、もう既に何件か出ております。先ほど申し上げた、従業員の方の事実上所得補償、休業補償の仕組みでありますので、これを活用していただければと思います。
 その上で、先ほど申し上げた幾つかの措置を今回の経済対策、そして補正予算に盛り込んでいきたいと考えていますので、補正予算成立後、ぜひ早期に成立させていければと思いますけれども、野党の皆さんにも御協力をいただきたいと思いますが、その後には速やかに対応していきたいと思っております。先ほどの100万円、200万円の持続化給付金はオンラインでの申請をしていただいて、今、私からもできるだけ早くやってほしいということで、経済産業省にも御尽力いただいております。何とかゴールデンウイーク明けには支給が始まるように、急いで今その対応をしていただいているところであります。

(以上)