西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月3日

(令和2年3月3日(火) 8:43~8:52  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。本日、法律案が閣議決定したんですけれども、私の関連で略称で言います。地域における乗合バス及び地銀に関する独禁法の特例法案です。これを閣議決定いたしました。この法律案は乗合バス事業者及び地域銀行、地銀が持続的に基盤的なサービスを提供することが困難となっている地域において、これらの事業者による合併等及び共同経営について独禁法の適用除外とすることで、基盤的なサービスの提供の維持を図り、もって一般消費者の利益を確保するものであります。この法律案によって地域において将来にわたって基盤的なサービスが維持されることで地域経済の活性化及び地域住民の生活の向上を図られることを期待を致しております。
 それから併せて、本日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法案」、これも閣議決定されました。この法案は昨年末取りまとめました全世代型社会保障検討会議の中間報告において、「2020年の通常国会に必要な法案の提出を図る」とされたものであります。年金制度についてパートの皆さんへの厚生年金の適用を段階的に拡大すると共に、自分で選択可能となっている年金受給開始時期の上限について75歳に引き上げるなどを行うこととしております。全世代型社会保障改革担当大臣として充実した審議を期待をしたいと思います。厚労委員会になるかと思いますけれども、期待をしたいと思います。
 私から以上です。

2.質疑応答

(問)新型コロナウイルスの感染拡大防止のために政府がイベントの中止、延期を要請してから1週間がたちました。コンサートなど大規模なものだけでなく、個人消費や外出などを控える動きがかなり大きく広がっているかと思うんですけれども、まず経済に与える影響をどのように見ていらっしゃるのか御所感をお願いします。
(答)新型コロナウイルス感染症、国内でも感染が広がってきております。世界全体に広がるという中で我が国経済にも相当の影響をもたらしてきております。外国人観光客の減少、それからサプライチェーンを通じた生産縮小に加えて、今お話のありましたイベントや外出の自粛、あるいはテレワークの実施によって鉄道客数はかなり減少しておりますし、百貨店などの売上げも減少しております。あるいは国内旅行、宿泊のキャンセルなども見られます。先日も茨城県で経済団体との意見交換を行いましたけれども、今、ウメのシーズンで、水戸は偕楽園が通常の35%ぐらいお客さんが少ないということも言っておられました。様々な影響が出ている中で、こうした状況が長引けば、より経済的に厳しい状況になるということも懸念されるところであります。こうしたことに対して、既に5,000億円の融資・保証枠とか、それから雇用調整助成金の要件緩和などを行ってきているところでありますけれども、2,700億円を超える予備費を活用して、3月10日頃を目途に緊急対応策の第2弾を取りまとめることにしておりますので、そうした中でもしっかり中小・小規模事業者への資金繰りなど対応していければと考えているところであります。
 いずれにしましても、感染拡大を防ぐことがやはり経済的な観点からも重要でありますので、まずはこのことに全力を挙げるということですので、専門家の皆さんの意見、考え方、方針が出されていますので、それに沿って国民の皆さんには行動していただいて、まずは感染拡大の防止に全力を挙げたいと思っています。その上で、もちろん経済に責任を持つ立場からは、臨機応変に状況を見ながら対応していきたいと考えておりますし、いずれにしても経済に万全を期していきたいと考えております。
(問)昨日、2月の自動車新車販売台数が前年同月比10.3%減と大きく落ち込みました。不振の背景とそのことが日本経済に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
(答)2月の新車販売ですね、商用車を除く新車販売では前年比9.8%減少ということで御指摘のとおり、1月の12.1%減からは減少幅は縮小しているものの、しかしながら、まだまだ厳しい状況にあると思います。いろんな要因がありますので、よく分析しなきゃいけないのですけれども、新車販売に備えて新しいモデルを期待しての買控えなどもこれまでも指摘をしておりましたけれども、それが2月中旬でありましたので、2月全体としては半分の押上げ効果ということ。それからまた一部車種でエンジンの不具合などによる生産停止も、これまでと違う会社で出ております。加えて、やはり新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う販売店への客足が減ったこと、客数の減少ということも指摘をされております。いろんな要因が重なってきていると思いますけれども、いずれにしても自動車は日本経済のやはり中心的な存在、柱でありますので、引き続きこうしたコロナ感染症の影響なども注視しながら、よく見ていきたいと考えております。
(問)雇用関係で質問させていただきたいんですが、先週末の有効求人倍率、久々に悪化しておりまして、景気のエンジンである雇用状況にちょっと心配な指標が出ていると思いますが、御所見をお願いします。
(答)先週公表された1月の有効求人倍率でありますけれども、1.49倍ということで御指摘のように前月を0.08ポイント下回ったわけですけれども、これもいろいろ分析をすると、1月からハローワークの求人票の記載項目の拡充を行っておりますので、これで相当企業側には負担になるというようなことがあって、12月に1月から変わるんであれば少し先に出しておこうということで駆け込み的な求人があり、1月はそれに伴う減少もありました。こうした影響もありましたので、これを除いてみると12月が1.55倍、1月が1.52から1.53ではないかという試算がされているところであります。そうして求人票の見直しの影響を除いた場合でも有効求人倍率は低下ということになりますけれども、1.49倍という有効求人倍率は引き続きバブル期を超える高い水準でありますので、求人が求職を大幅に上回って推移しているという状況には変化がないわけであります。失業率も2.4%ということで約27年ぶりの低い水準で推移しておりますので、引き続き雇用の環境は良いと思いますが、ただ新型コロナウイルス感染症の影響、インバウンドが減っていること、あるいはサプライチェーンを通じた経済への影響、こうしたことには十分注視していかなきゃいけないなと思っているところであります。

(以上)