西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年2月14日

(令和2年2月14日(金) 9:11~9:21  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず私から、TPP11について申し上げます。
 まず、月曜日にお話ししましたとおり、今週、TPP等政府対策本部の三田内閣審議官、それから宇山内閣審議官をタイのバンコクに派遣を致しました。両審議官は、バンコクでタイ政府の幹部と会談をし、TPP11について意見交換を行いました。
 タイが、TPP11参加に対して関心を示していることを我が国として歓迎しておりますが、今般もタイの新規加入に向けた動きが円滑に進むよう、日本として全面的に協力する旨の私の副首相宛ての、2人の副首相がおられるんですが、宛てのレターを伝達をしたところであります。
 昨日報告を聞いたところでは、タイ側は、日本の協力の申し入れについて感謝をすると同時に、タイ国内でも前向きな検討が進みつつあるという印象を持ったところであります。機会があれば、私自身、タイの関係閣僚と何らかの形で会談をし、タイの前向きな動きを支援をしていきたいと考えております。
 また、今週、TPP11の国内手続を終えていない4か国があるんですけれども、そのうちの3か国、チリ、ペルー、ブルネイの担当閣僚と電話で意見交換を致しました。詳細は控えたいと思いますが、いずれの国も早期締結に向けて国内の手続に努力をしているとの印象を持ったところであります。
 今後、その4か国のうちの残りの1か国マレーシア、それから、今年の議長国でありますメキシコの閣僚とも電話で意見交換をする予定で、方向で調整を致しているところであります。
 この夏にもメキシコで第3回TPP委員会、閣僚級の会議を予定をしているようであります。開催される予定であります。それまでにこの未締結国、国内の手続が終わっていない4か国の国内の手続が進むとともに、タイなどの新規加入の話が具体化をしていくように日本として全力で支援を行うつもりであります。
 従来から申し上げてるとおり、TPPのこの21世紀型のハイレベルなスタンダードを持つ、新しいハイレベルな投資、貿易、通商のルールを是非できるだけ多くの国に広げていきたいと考えておりますし、タイは既に日本とサプライチェーンがある国ではありますけれども、よりそのサプライチェーンが重厚になっていくということも期待をしたいと思いますし、今般の中国コロナウイルスのような発生した場合も多層な、多様な、多角的な、重層的なサプライチェーンがあれば、いろいろカバーもできる面もあると思いますので、そうした面からも是非この日本のサプライチェーンの重層化、重厚化ですね、これを是非広げる意味も込めて、含めてTPPもこの高いレベルのルールを広げていきたいと考えてるところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)新型肺炎関連で1点お伺いします。昨日、政府は緊急対策を決められまして、観光産業への資金繰り支援などについても含まれておりますが、感染拡大の経済への悪影響を懸念する声は徐々に高まってきているのではないかと感じています。今後の総合的な経済対策などの必要性について、現在のお考えをお聞かせください。
(答)まず、今般お亡くなりになられた方に対して御冥福をお祈りし、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。
 まずは、感染拡大防止に向けて、政府一丸となって全力で取り組んでいるところですけれども、今般の予備費、閣議決定いたしましたので、これも活用しながら、全力を挙げていくということが何より大事なことだと思っております。
 その上で、まず、10-12月期の経済状況なんですけれども、公需が増加基調にあるということで下支えをする一方で、前回ほどでなかったにせよ、消費税率引上げに伴う振れ、それから10月の台風、その後の暖冬の影響等から、個人消費を中心にGDPは7-9月期の水準よりも低くなる可能性が大きいというふうに思っております。
 前回の2014年のときは2四半期続けてマイナスとなりました、当時の速報でですね。2014年の4-6月期がマイナス6.7%、それから、その次の7-9月期もマイナス2.3%と、2四半期続けて半年間マイナスが続いたわけでありますが、今回は、軽減税率を始め十分な対応策も打ってきましたので、1-3月期以降は、2四半期目はこうした影響からの回復が見込まれると考えてきているところでありますけれども、しかしながら、引き続き1月の記録的な暖冬、これ、観測史上始まって以来ということの高温ということでありますので、冬物がなかなか売れていないということ。それから、新型コロナウイルス感染症の影響という新たな下押しのリスクが出てきているところであります。
 こうした中で、政府としては、何よりも国民の命と健康を守るということを最優先に緊急対策を昨日取りまとめたところで、今朝、閣議決定されました予備費103億円と、今年度の予算も含めて153億円の活用によって、この対策を速やかに実行していくということが何より大事だと思っております。
 具体的に国内感染対策に加えて水際対策の強化と同時に、影響を受ける産業等への緊急対応ということで、国民や訪日外国人旅行者への迅速かつ正確な情報提供と風評対策、それから、日本政策金融公庫や保証協会等を通じた資金繰り支援ということで、緊急融資保証額5,000億円を確保するということ。それから、補正予算で盛り込まれております中小企業生産性革命推進事業の活用によるサプライチェーン毀損に対応した設備投資等への支援、それから、影響を受ける事業者への雇用調整助成金の支給要件の緩和、これは前年度2018年度の売上げのうち中国あるいは中国人向けが1割以上を占める企業を対象に要件を緩和するということで、売上げ3か月間を見ての平均を取っているんですけども、1か月で見て、それで対象としようということで、雇用調整助成金の活用。それから、中国向けの輸出も減速する可能性がありますので、これも補正予算等で対応しておりますけれども、新輸出大国コンソーシアムということで、TPP11、それから日EU、日米、こうした協定に基づいて、こうした国々への輸出を増やしていく、そのための支援、バックアップ、こうしたことを活用しながら経済の影響をできるだけ小さなものにしていくよう全力を挙げていきたいと思っております。
 先程申し上げたサプライチェーン、部品供給が止まってきている場合等々の新たな設備投資が必要になってくる場合の支援も、この成立した補正予算の中で盛り込んでおりますので、そうしたものも活用していくということであります。
 いずれにしても、引き続き、観光業を始めとする経済の影響を十分注視して状況を見ながら、緊急度に応じて必要な施策を臨機応変に順次講じていくなど、政府一丸となって万全の対応を執っていきたいと考えております。
 何といっても補正予算成立しておりますので、この迅速かつ着実な実行、地方経済への影響も懸念されますので、この着実な実行、地方の予算もかなり公共事業を含め盛り込んでおりますので、これを迅速にできるよう私から各省にもお願いをしたいと思っております。
 いずれにしても、この令和2年度の当初予算も早期に成立を図るなど、経済運営については万全を期していきたいと考えているところです。

(以上)