西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年1月14日

(令和2年1月14日(火) 10:24~10:36  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 先週、中国に行ってまいりましたので、その報告を簡潔に申し上げたいと思います。
 7日火曜日から11日土曜日に掛けまして、中国の北京と重慶に出張してまいりました。
 北京では、カウンターパートであります何立峰・国家発展改革委員会主任と会談を致しました。閣僚級の会談は2009年の6月以来10年ぶりの、いわゆるマクロ経済の対話ということになります。
 世界経済が減速する中で、下方リスクに備える観点から、世界第2位、第3位の経済規模の国同士で、今後の経済政策の在り方等について率直な意見交換を行えたことは非常に有意義であったと思っております。
 具体的には、両国経済の見通し、あるいはマクロ経済政策の在り方、世界経済の発展のために両国が取り組むべき課題、それから、少子高齢化等両国が共通に抱える中長期的な課題、こうしたことについて活発な議論を行うことができました。
 特に、世界経済に下方リスクがあるという認識を共有を致しまして、それに備えていくために引き続き密接な意思疎通を図っていくという認識で一致を致しました。
 私からは、特に日本のこの経済対策なども紹介しながら、経済成長のための財政出動と財政健全化、そして構造改革、これを両立していくことの重要性について特に強調いたしました。
 今般の会談を通じまして、主要国のマクロ経済政策を担当する閣僚との対話を行うことの重要性を改めて認識を致しました。今後とも、こうした対話の機会を積極的につくっていきたいと考えております。
 また、重慶では、陳敏爾・重慶市書記と会談を致しました。中国内陸部の今後の経済発展戦略、あるいは内陸部から見た中国経済の今後の見通し、地域の格差など両国が共通に抱えるような課題、こうしたことについて、同世代の政治家同士、率直に、また大変有意義な意見交換ができたと思っております。
 また、重慶市はスマート化ということに非常に取り組んで、視察も致しましたけれども、経済社会のスマート化への取組について協力をしていくことで一致を致しました。
 会談には、唐良智市長あるいは旧知の仲であります李波副市長も同席をされました。
 重慶市から、さらに日系企業への積極的な支援等ビジネス環境の改善についての説明がありました。前向きに評価をしたいと思っておりますし、また、観光振興の取組等によって双方の人的交流が盛んになることが双方の経済にとって有益であるという認識で一致を致しました。
 併せて、今回、北京でベンチャー企業の支援の取組あるいは自動運転の取組、開発に向けた取組、あるいは重慶では、ビッグデータやロボット等を用いた先端産業の取組を視察を致しました。
 今回の会談や視察で得られた知見、こうしたことを今後の経済政策運営あるいは成長戦略等の議論に生かしていければと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先週金曜日に、昨年11月の景気動向指数が発表されました。その基調判断は、4か月連続で景気後退の可能性が高いことを示す悪化となりました。政府は、12月の月例経済報告で、緩やかな景気回復が続いているとの判断を示しており、両者が食い違う状態が長引いております。改めて大臣に、足元の景気認識について伺わせてください。
(答)はい。景気動向指数でありますけれども、御指摘のように11月分、これにつきましては、生産・出荷などの減少によりまして2か月連続で低下をし、基調判断は4か月連続で悪化となっております。
 御案内のとおり、これは生産や雇用など景気に関する経済指標を統合して指数化したものでありますけれども、この判断につきましては、あらかじめ決められた基準に従って機械的に当てはめていっておりますので、それに当てはめますと悪化ということであります。
 他方、政府としての景気判断につきましては、この景気動向指数の、9項目の経済指標を統合して指数化したものでありますけれども、これだけではなくて、GDPはもちろんですし、公共投資あるいはサービス消費など様々な経済指標の動向、さらに、その背景にある経済環境あるいは企業の景況感、これは日銀の短観など総合的に勘案して判断を行っているところでございます。
 いずれにしましても、政府としての景気判断は今月もまた月例経済報告においてお示ししたいと思っておりますけれども、足元の日本経済については、この景気動向指数でも表れておりますけれども外需の弱さ、生産の弱さ、こういったところ、特に海外経済の動向について引き続き注意が必要であると認識をしております。
 正に海外発の下方リスクに対して万全の対応を図るため経済対策をまとめたところでありますし、着実に実行していきたいというふうに思いますし、今般の中国を始め海外の経済の下方リスクに備えるということで、しっかりと主要国とも意思疎通を図っていきたいと考えているところであります。
(問)すみません、併せまして、先週金曜日に発表されました総務省の家計調査も発表されたんですけれども、ちょっと個人消費への御所感をお伺いしたいんですが、11月の調査ですと、10月から減少幅が縮小してマイナス2.0%ですか。前回の増税時とは大分違った動きになったわけですけれども、年末年始の商戦も含めて、大臣の現在の消費増税後の駆け込み、反動減の影響について、まだ足元残っているというふうにお考えか。一部で可処分所得が増税によって減ることで消費を冷え込ませるとの声も、やっぱりエコノミストの間にはまだ根強いわけですけれども、消費全体への影響についてどのようにお考えか改めてお伺いできますか。
(答)はい。家計調査11月分でありますけれども、御指摘のように、消費支出の前年比がマイナス2.0%となったと承知をしております。減少幅は、御指摘のように10月のマイナス5.1%からは縮小しておりますし、前回の消費税率引上げ後の2014年の5月は8.0%減ということを踏まえますと、反動減は前回ほどではないという認識に変わりはありません。
 この11月の調査も、細かくここでは申し上げませんけれども、暖冬であるとか大学授業料の支払のずれとか一時要因によるものもあって減少幅が2.0%になっているということもあるようでありますので、そういったこともよく分析をしたいと思っておりますが、いずれにしても、消費全体の評価につきましては、月例経済報告でお示しをしたいと考えておりますけれども、日次データあるいは週次データを含めて12月までの動きを見る限り、持ち直しが続いていると見ております。特に、連合の調査あるいは経団連の調査でも冬のボーナスが、これは想定以上に高い数字で、引き続き雇用・所得の環境の改善が続いているということでありますので、そうしたことを背景に、消費は持ち直しの動きが続いていると見ております。
 ただ、先程のお話でもありましたように、海外経済の減速などから外需に弱さが見られることもありますし、消費者マインドについても、持ち直しの動きがあるものの、まだ低水準であるということでありますので、この海外の動向なども含めて消費に与える影響については、引き続きしっかりと注視をしていきたいと思っております。
(問)内閣府の方で行っている氷河期の中途採用の件なんですけれども、先週の金曜日で募集が締め切られたと思うんですけれども、応募の状況を教えていただければと思います。
(答)はい。就職氷河期世代を対象としました内閣府の選考採用試験についてでありますけれども、応募者数は、10日の時点で係長級が182人、係員級が348人ということで、それぞれ若干名ずつの採用を予定をしておりますけれども、そういった数字、500名を超える数字になっております。
 ただ、1月10日金曜日の消印まで有効としておりますので、今日も含めて今後増える可能性もございますが、現在ではそういう状況であります。
 就職氷河期世代の方々の支援につきましては、こうした方々の活躍の機会が広がるよう、今回の内閣府、それから厚労省も同様の取組をしてくれておりますし、さらに、行動計画の中で、来年度は統一試験を具体化していくということにもなっております。政府としてできること、国としてできることをしっかりと進めていきたいと思いますし、地方や民間におきましても、こうした動きは徐々に広がってきていると認識をしておりますので、是非いろんな機会が広がるように引き続き取り組んでいきたいと思いますし、一人一人の状況に寄り添いながら、できる限りの支援をしていきたいと考えております。

(以上)