西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年12月20日

(令和元年12月20日(金) 11:04~11:12  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝は、閣議で来年度予算案が決定をされました。閣議の前後で官邸での会議、年内の総括をするような会議が幾つか開かれました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)来年度の当初予算案ですけども、102兆6,500億円余りという過去最大になって、経済対策も盛り込まれています。
 まず率直に、大臣、この予算をどのように御評価されているでしょうかというのが1点目で、併せて、一方で歳出拡大しているということで、プライマリーバランスが悪化するということになりましたが、財政再建の観点からはどうお考えでしょうか。
(答)はい。まず、今回の予算案は、骨太方針や予算編成の基本方針に基づいて編成がなされ、本日、政府案が閣議決定されたということであります。
 そうした中で、中身を見てみますと、私の担当しております全世代型社会保障制度の構築に向けて、消費税の増税分を活用した高等教育の無償化などの社会保障の充実、それから臨時・特別の措置としてキャッシュレスのポイント還元とか、あるいはマイナポイントを活用した消費活性化策など、経済対策の着実な実施、こうしたものが含まれております。
 他方、新経済・財政再生計画の下、歳出改革の取組も継続をしておりまして、社会保障費、非社会保障費、それぞれこの目安を達成するということになっておりますので、私の立場からは経済再生、経済成長と、併せて財政健全化を目指していく、それを両立する予算になっているものと考えております。
 引き続き、経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下、海外経済の下方リスク等を乗り越えながら、景気回復の継続、民需主導の経済成長を実現していくために、先般策定した経済対策を着実に実行していきたいと思いますし、併せて、昨日も議論されました成長戦略をしっかりと大胆かつスピード感を持って進めていきたいと思っております。
 それから、同時に昨日これも諮問会議で決定いたしました改革工程表に沿って歳出改革の取組を着実に進めて、2025年度の国・地方合わせたプライマリーバランスの黒字化、債務残高対GDPの安定的な引下げを目指してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、年明けに「中長期の経済財政に関する試算」を出しますので、そこでしっかりと今後の姿も示したいと思っております。
(問)今もお話ございました来年度の予算に関してですね、消費の活性化策としてですね、具体的にどのようなものを幾らぐらい盛り込んでいらっしゃるのでしょうか。
(答)消費の下支えが期待できるものとして、来年度の予算案におきましては、来年4月から実施をします高等教育無償化、それから消費税率引上げに伴い今年度10月から実施をしている幼児教育無償化が平年度化、通年化するということにもなります。それから、年金生活者支援の給付金、介護保険の第1号被保険者の保険料軽減、これも社会保障充実策として平年度化されるということになりますので、こういったものは負担の軽減ということで、消費の下支えにもつながっていくと思っております。
 併せて、安心と成長の未来を拓く総合経済対策で決定しましたキャッシュレス・ポイント還元、それからマイナンバーカードを活用した活性化策、こういったところを講じているところであります。
 それから高校の無償化も、私立高校は来年から予算が手当されますので、そういったことも含めて、これらの施策の予算額を単純に足し上げますと3兆円程度になります。消費の下支えも期待をされるところであります。
 さらに、政府としては中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境の整備、生産性向上に向けた思い切った支援策、高齢者の就業機会確保の取組、就職氷河期世代に対する支援プログラム等、こういったものをしっかりと実行していきたいと思っておりますので、こうした中で賃金が緩やかに増加すると同時に、雇用者数も、先日も申し上げましたけれども、伸びは鈍化すると見込んでおりますが、しかし、それでも女性、高齢者を中心に引き続き増加することが期待をされております。
 こうした全体を通しての取組の中で、18日閣議了解した経済見通しにおきましては、個人消費の伸びはプラス1.0%程度と見込んでいるところであります。
(問)加えてお伺いいたします。
 今もお話ございました就職氷河期に関連してですね、夏の概算要求ですと1府6省で1,344億の要求があったと思いますが、その結果はどうなりましたでしょうか。
(答)本年6月に取りまとめました、正に就職氷河期世代支援のプログラムを踏まえて、関係府省におきまして支援策の具体化、それから予算の調整を行ってきたところであります。
 各種施策について、今後の取組の方向性をまとめた行動計画は週明けにも策定予定でありまして、今その予算の概要、予算の中身をしっかりと精査して、今調整をしているところで、整理をしているところでありますので、その計画の中で予算の概要、施策の概要についてもお示しをしたいと思っております。今、整理中であります。
(問)予算の関係なんですけれども、歳出改革の目安は達成したということなんですけれども、数字を見てみるとですね、一般会計における基礎的財政収支が9兆2,047億円の赤字となってですね、19年度に比べると524億円悪化したという結果になりました。
 で、ここは数字が出ているわけ、悪化しているという数字が出ているわけなんですけれども、大臣としてはどう捉えていらっしゃるのでしょうか。
(答)もちろん、財政健全化を進めなきゃいけないということを強く感じております。そうした中で、今回様々な理由で、そういう形になったことは残念ではありますけれども、しかし、長い目で見てこれは中長期的に、経済再生なくして財政健全化なしという基本方針、この下でしっかりと経済成長していく姿を描きながら、そして、財政も併せて健全化していく。歳出改革も、今回も、目安の範囲に収めたということで努力を致しておりますし、さらに、昨日決定をしました改革工程表、この中でしっかりと歳出改革も、行っていきたいと考えております。

(以上)