西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年11月14日

(令和元年11月14日(木) 9:20~9:31  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日公表いたしました2019年、本年の7-9月期のGDP速報についてお話しします。
 速報では、実質成長率は前期比プラス0.1%、年率に換算すると、プラス0.2%と4期連続のプラスとなりました。名目成長率は前期比プラス0.3%、年率に換算するとプラス1.2%となり、名目GDPは558.5兆円と過去最高を更新しております。
 海外経済の減速などから、外需はマイナスに寄与したものの、個人消費や設備投資、公共投資といった内需が増加をし、全体として景気の緩やかな回復を示す結果となっております。
 個人消費については、プラス0.4%となっておりますが、これには、9月に入っての駆け込み、それと天候の影響、長雨や台風が含まれます。今後も注意深く見てまいりたいと思います。
 なお、駆け込み需要につきましては、前回の2014年1-3月期がプラス2.0%であったのと比べますと、前回ほどではなかったと見られます。
 先行きにつきましては、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、消費税率引上げによる影響には十分注意するとともに、台風等の被害からの復旧・復興の取組を更に加速し、あわせて、米中貿易摩擦など、海外発の下方リスクによる悪影響に備える必要があります。
 こうした認識の下、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、それから、経済の下振れリスクを乗り越えようとするものへの重点支援、そして、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上、この三つを柱とする新たな経済対策を策定することとしているところでございます。
 経済の下振れリスクを確実に乗り越え、民需主導の持続的な経済成長の実現につながるよう、ワイズ・スペンディングの考え方をしっかり意識しつつ、生産性向上につながる取組を加速するなど、未来を見据えた、力強い経済対策の取りまとめに全力で取り組んでまいる所存であります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)来期について、早くも市場予測の中ではマイナス成長を予測する声も出ています。来期以降の経済の見通しを教えてください。
(答)私ども、この消費税率の引上げに対応して、軽減税率、それから、キャッシュレス化によるポイント還元、そして、プレミアム付商品券、併せて、税制の措置、そして何より、消費税率引上げ分の約半分を幼児教育・保育の無償化に使うと、こういった対策を講じているところでありますので、まずはこの対策の実施状況を、昨日、諮問会議でも確認をさせていただきましたけれども、手続の遅れなどもございます。申請がまだこれからという方もおられますので、こうしたことについて、しっかりと広報活動をやりながら、この対策が引き続き円滑に実施されるように、それによって、消費税率引上げの影響、負担軽減にもつながるように、しっかりとまずは取り組んでいきたいと思っております。
(問)今回、輸出のところで、サービス輸出が急減しておりまして、先程のレクでも、訪日外国人の減少が響いたということだったんですけども、この部分について、大臣の受け止めありましたら、若しくは、対応策等を考えてらっしゃったら、教えてください。
(答)輸出のところは、引き続き、自動車とか電子部品が弱い傾向にあって、財は若干プラスなんですけども、これは船舶とか、一時的なあれも入っていると思いますので、引き続き輸出は弱い状況にあると思っています。
 それに加えて、今、御指摘の韓国からの訪日客減少による要因が大きいと思うんですけれども、これがマイナスで大きく効いております。
 他方、9月の末から、下旬からラグビーのワールドカップが始まって、10月にかけてかなりの、これは欧米を中心として、欧米、オーストラリア、ニュージーランドですね、こういったところから、多くの外国人観光客が来てくださってますので、そういった面でのプラス効果も10月はあるんだろうと期待をしているところでありますが、各地で、韓国の訪日客の減少の話もお聞きしましたが、この機会に欧米豪で長期滞在してくれる方々へのキャンペーンを強化するとか、そういった取組もお聞きをしておりますので、そういった取組に対してのいろんな支援を考えていきたいと思ってます。
(問)今、輸出の中で訪日観光客の減少の話をしていただきましたけれども、米中貿易摩擦だったり韓国への輸出だったり、そういった影響もこの輸出の減少に出ているんでしょうか。
(答)そうですね、国際的な世界的な様々な動きが当然、日本、我が国を含むサプライチェーンに影響はございますので、そういう意味で、今、経済対策を取りまとめるその背景の大きな一つは、やはり海外経済の変調と海外経済の減速ということだと思います。IMFも世界経済の見通しを引き下げているところでありますので、そういったことに対する備えということでしっかりと経済対策、取りまとめていきたいと考えています。
(問)個人消費の部分なんですけれども、前期比で0.4%増と小幅だったんですけれども、天候要因とか特殊な要因があったかとは思うんですけれども、民間からは消費の基調自体が弱いというふうな声も上がっていますけれども、改めて個人消費のところのこの受け止めをよろしくお願いします。
(答)はい。まずですね、7-9月のこの伸び、0.4%で、先程申し上げましたけれども、駆け込み需要がどの程度あったかということで比較すると、前回、2014年の1-3月期の2.0%と比べて低いということで、駆け込み需要は前回ほどではなかったという見方は変えておりません。背景として先程申し上げたように軽減税率、あるいは政策の効果、こういったものもあったんだろうと思いますし、そういうことを指摘される声も多く聞いております。
 その基調ですけれども、雇用・所得環境、これは引き続き、この春の賃上げも今世紀に入っての過去最高水準の賃上げが続いておりますし、人手不足の観点から、非正規の方々、パート・アルバイトの方々の賃金も上がっておりますので、基調としてはですね、この消費を支えるファンダメンタルズはしっかりしているという認識であります。
 ただ、一方で消費者マインドは低水準でありますので、消費に与える影響については引き続きしっかりと注視してしきたいと考えております。併せて、先程来、お話があります米中摩擦の動向など海外発の下方リスクですね、そしてその不透明感が与える消費者への心理的な影響、こういったものもしっかりと見ながら備えていきたいと思っております。そうした観点も踏まえて経済対策をしっかり取りまとめていきたいと思います。
(問)デフレーターに関してですね、こちらを見た上で大臣としてデフレ脱却について現状、結構順調という感じなのか、それなりに苦戦しているということなのか、御所見をお願いいたします。
(答)はい。今回もプラスとなっております。デフレではないという状況になっているということは以前から申し上げているとおりでありますが、その状況に二度と戻らないという、そういう意味でデフレ脱却というところに向けてはまだ道半ばだと思っておりますので、引き続き今回の経済対策も含めてですね、しっかりと日本経済が成長軌道に乗っていくように、そして、デフレ脱却が果たせるようにですね、取り組んでいきたいと考えております。

(以上)