西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年11月12日

(令和元年11月12日(火) 9:27~9:43  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
 本日朝です。デジタル市場競争会議におきまして、ヒアリング会合を行いました。デジタル市場のルール整備について、我が国で多く利用されている海外のデジタルプラットフォーム企業でありますGoogle、Apple、Facebook、Amazon、いわゆるGAFAと言われる企業から意見を伺いました。
 大規模なオンラインモールやアプリストアの取引に関し、透明性・公平性を求めます、デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案を準備を進めているところでありますけれども、これの考え方などについて意見交換を行い、理解を深めていただいたと認識をしております。
 今日の御意見も踏まえ、また、今日の夕方も未来投資会議で議論を致します。年内の内容取りまとめに向けて、政府として検討を深めていきたいと考えているところであります。
 事務方からこの後、その内容についてはブリーフィングをさせていただきます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今朝のそのデジタル市場競争会議のヒアリング会合で、GAFAの担当者からのヒアリングがあったということなんですが、ヒアリングの改めて狙いと、今回どういった話を具体的に聞かれたのか、この後、事務方の方から御説明があるということですが、主なお話についてお伺いできればと思います。
 また、ヒアリングを踏まえて、今後どういった規制や政策が必要だというふうに大臣はお考えになったのか教えてください。
(答)今回、用意をしておりますデジタル・プラットフォーマー取引透明化法案ですけれども、既に論点は公開も公表もしておりますけれども、取引条件の回避であるとか、運営方針、運営状況の定期的な報告、公表であるとか、こういった内容を盛り込もうと思っておりますが、こうした点についての御意見を頂きました。
 それから、個人情報保護法の改正も考えておりますので、これについても意見を頂きました。
 こちらについては、ヨーロッパのGDPRがありますので、これについての取組もされていますから、幾つか御意見も頂きましたけれども、全体として方向性は理解を頂いているんじゃないかと思います。
 ただ、イノベーションとの阻害しないようにということで、その両立とか、そういったこともありますので、これは我々も当然考えています。こういったところについて、またしっかりと意見も聞きながら、しかし、この取引の透明化、それから、個人情報保護、こういったことはしっかり進むように取り組んでいきたいと考えています。
(問)昨日、公表になった景気ウォッチャー調査で10ポイント指数が低下して、東日本大震災の直後以来の低い数字になったと。一部で、家電量販店なんか、デパートとかでも、増税後売上げが落ちているというのもありますし、マインドの指標も落ちています。
 増税後の景気認識については大臣、お変わりありませんでしょうか。
(答)昨日、公表いたしました10月の景気ウォッチャー調査ですけれども、御指摘のように以前から申し上げているとおり、駆け込みと反動も当然増税、税率の引上げですので、ありますので、そういった駆け込みの反動、それから、もう一つは台風19号等の影響、これもあるんだと思います。
 そうしたことを受けて、現状判断のDIは10ポイント低下をして36.7という数字になっています。
 この水準はかなり低い水準であるということで認識をしておりますけれども、傾向を見ていただいたら分かるんですけれども、昨年来、米中貿易摩擦の影響など、海外経済のそういった不透明感、こういうのを受けて継続的に下落していたという、そもそもの背景がありますし、先月の台風19号などの影響、繰り返しになりますが、これも広範囲にわたって被害が出ておりますので、これもあるんだろうと思います。
 他方、前月差で比べると、前回のときに比べて、前回15.7ポイント落ちているんですけれども、今回は10ポイントの低下ということで、低下幅が小さいということ。今申し上げたように台風19号等の影響の下押し要因も鑑み、一緒に併せて考えてみると、今まで述べてきたとおり、消費税率引上げ後の落込みは前回ほどではないという認識に変わりはありません。
 ただ、御指摘のように繰り返し述べていますけれども、税率の引上げですので、消費者マインドに与える影響、それから、先行きの景況感、こういったものに与える影響、しっかりとこれは見極めていきたいと思っておりますが、いずれにしましても、経済対策を取りまとめるように総理からも指示を受けていますので、こういったことも十分留意しながら、消費の下支えも含めて、経済運営に万全を期していきたいと思っています。経済対策の取りまとめ、しっかりやっていきたいと思っております。
(問)10月28日に、北海道の鈴木知事が西村大臣に日米貿易協定に伴う農林水産業などの対策を要請した際に、大臣がその協定の内容について、乳製品は触っていないというふうに説明されました。
 これは、実際は協定ではチーズやホエイなど、一部の乳製品で関税は撤廃されるような内容になっていますが、この発言と協定内容の違いについて、どのようにお考えかお聞かせください。
(答)御指摘のように、先月28日ですね。鈴木知事が見えられたときに、私から米が完全除外されていることを指摘した上で、余り意識していなかったんですけど、乳製品について「さわっていない」と発言したようであります。発言録も見ました。
 これは、私の申し上げたかった趣旨は、日米協定においてバター・脱脂粉乳が除外されていることを含めて、乳製品が全てTPPの範囲内だということと、それから、TPP対象相手国全体で低関税の枠を作っている、いわゆるTPPワイド枠ですね。これについて、アメリカに対して新たな枠を設けていないという、そういう趣旨で申し上げました。今思えば言葉足らずだったのかなと思っております。
 いずれにしましても、北海道の皆さんを始め、なお残る不安に応えていくため、TPP等関連政策大綱を今、改定作業を行っているところでありますけれども、しっかりと北海道知事からも御意見も頂きましたし、その後、愛知県知事からも同様の御意見を頂いたと思います。今作業を加速して取り組んでいるところでありますので、しっかりと取りまとめて農業の基盤を維持し、発展していけるように、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
(問)今朝のデジタル会議のことでお伺いさせてください。2点。
 来年出す新法について、何個か意見があったとおっしゃっていましたけど、具体的にもう少しどんな意見だったのかというのがあったら教えていただければ、教えてください。
 もう一点、先程大臣、規制とイノベーションの両立もあると、お話しされていましたけども、GAFAを規制する一方で、国内のIT企業の育成という面も課題とおっしゃるその辺り、大臣のお考えを教えてください。
(答)後者からいきますと、イノベーションとの促進とのバランスですね。個人情報の保護とかデータの適正な利活用と、併せてその利活用によるイノベーションの促進という、このバランスをしっかりと考えていきたいと思っております。
 その際、やっぱり個人情報がしっかり保護されているということは、利用される方からは安心して使えるわけでありますので、こうした適切なルールを整備することが、結果としてデータが増えていくことにもなりますし、イノベーションを促進するという面もありますので、やっぱりしっかりとバランスを取っていきたいと思っておりますということですね。
 それから、今日は規模の大きい、それから海外ということもあって、4者のヒアリングを行いましたけれども、既に専門家の有識者の皆さんを含めて、国内事業者であります楽天とヤフーについてはヒアリングを実施しております。当然、内外無差別な対応、内外無差別なそういうルールにしていくという大きな方向性があるわけであります。もちろん日本経済を担当する私の立場からすると、日本の企業にも是非世界で活躍してほしいと思いますし、世界の消費者を相手にいろんなビジネスを展開してほしいと思いますけれども、ルールはルールでしっかりと内外無差別に作っていきたいと思っております。
 それから、先程紹介を一部しましたけれども透明性、取引の透明性とか、あるいは個人情報の保護について、あるいは今申し上げたイノベーションの阻害しないようにということを含めて幾つかございましたので、これは後程事務方から詳しく説明させていただきます。
(問)昨日の税調の甘利先生の御講演がありまして、経済対策に関して、去年より今、経済がいいとは言えないので、規模としても去年と同じぐらいではどうなのかみたいな、少しそういう御意見を伺ったんですが、大臣としての御見解をお願いできますでしょうか。
(答)はい。先般総理から御指示がありました三つの柱ですね。災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、これは今回のもちろん災害被害に遭われた方々への対応、インフラの復旧、こういったことを急ぐわけでありますけれども、なりわいの再建ですね、こういうところを急ぐわけですけれども、総理からも更に、今回の被害を受けての教訓、知見、こういったもので将来に向けての安全・安心をしっかり確保できるようにということだと思いますので、そういった面でまずこの柱をしっかり対応したいと思います。
 それから2番目が経済の下振れリスクを乗り越える、乗り越えていくため、それを乗り越えようとする様々な主体、中小企業であったり農林水産業であったり、こういった方々への重点支援ということでありますので、新たにチャレンジをしながら新しい投資をしたり、海外市場を開拓をしたりという、こういった思いを持っておられる、前に向かって進んでいこうとしておられる方々への支援をしっかりと行っていきたいと思いますし、3点目の未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後を見据えた経済活力の維持ということです。ここも正に未来への投資ということでSociety 5.0、いろんなITの新しい技術の実装であったり、そうしたことへの投資であったり、正に未来につながるような、そういった取組を応援をしたいと思っております。こういった趣旨を関係する大臣にも私からも直接申し上げておりますし、関係省庁で今、対策内容を詰めてくれていますので、そういった効果的な政策をしっかり吟味して、そしてそれの積み上げた結果が規模感ということだと思いますので、現時点では規模感とか、あるいはその時期についてもまだ決まっているわけではございませんけれども、各省にはお願いをしておりますし、できるだけ速やかに取りまとめていきたいと思っております。
 いずれにしましても、先程申し上げた消費者あるいは事業者のマインドも見ながら、下振れリスクを確実に乗り越えていくと、民需主導で経済成長の軌道、持続的な経済成長の軌道に乗っていくように、実現につながるようにしっかりとした対策を組みたいと思っておりますし、先程申し上げたように、IT投資などによって生産性が向上する、人手不足にも対応できる、そういった投資、いわゆるワイズ・スペンディングですね、こういった考え方にも意識しながら、留意しながら効果ある経済対策を取りまとめたいと考えています。
(問)たびたびGAFAのヒアリングの件で恐縮なんですけれども、詳細は事務方に確認しますけれども、先月末に公正取引委員会が公表された調査では、巨大ITのプラットフォームを利用する事業者が手数料を一方的に値上げされたとか、検索結果の基準が不透明といった声が出ているんですけれども、この辺りというのは、今日ヒアリングで追及されたりしたんでしょうか。向こう側のスタンスももし分かれば教えてください。
(答)私どもからは取引条件の開示ということで、取引拒絶理由あるいは表示順位を徹底する主な要素とか、自社優遇、自社製品・自社サービス、こういったものを優遇しているんじゃないかとか、そういった含めて様々な取引についてお伺いを致しました。それぞれの考え方が表明されておりますので、後程詳しく説明させていただきます。

(以上)