西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年10月25日

(令和元年10月25日(金) 8:51~9:05  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

特になし

2.質疑応答

(問)2点お願いします。1点目、先程、菅原経産大臣が首相に辞表を提出されました。西村大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)菅原大臣の詳しい事情は私も承知しておりませんので、コメントは控えたいと思いますけれども、一般論として政治家、何か疑問に思われること、疑惑が生じた場合には、しっかりと自分自身が説明することが大事だと思いますので、菅原大臣、いろいろ判断をされたんだと思いますけれども、私自身も何かそういうふうに思われないように、身を正していきたいなと、引き続き正していきたいなと思っております。
(問)もう一点、一昨日の経団連の会合で、賃上げの継続を産業界に改めて要請されたと思うんですが、この要請の狙いを改めて御説明いただきたいのと、経団連側からはどのような反応があったのか教えてください。
(答)デフレからの脱却に向けては、経済の好循環、成長と分配の好循環を引き続き継続して、力強いものしていくことは大事だと思っております。そうした中で、賃金の上昇というのは非常に大事な鍵となることでありますので、そういう意味で経団連のこれまでの御努力もあって、6年連続で今世紀入って最高水準の賃上げが続いておりますので、その流れを是非継続していただきたいということで、私から賃上げの継続と、それから関連ですけれども、中小企業においても広く賃上げの環境が整えられるように、取引の適正化を含めて、広くサプライチェーン全体で経済の好循環の実現、強化ができるように協力をお願いしたところであります。
 非公開の意見交換でありましたので、先方の御発言を詳しく紹介することは差し控えたいと思いますけれども、私の印象としては、経団連からは賃上げの継続を重要な課題として捉えているという旨の反応がございましたので、この賃上げの重要性については経済界と認識を共有できたのかなと思っております。
 我々としても、要請するだけではなくて、賃上げのためには生産性の向上への取組が必要でありますので、そうしたことへの支援、あるいは下請取引の適正化など、中小企業、小規模事業者も含めて、幅広く賃上げできるような、そうした環境をしっかりとつくっていきたいと思います。
(問)大臣、すみません、今日、菅原大臣は国会で説明すると言っていて、経産委員会の方で話すという感じだったんですけれども、先程から経産委員会の理事会が休憩になっていて、開かれていません。説明責任を果たす前にまず辞表を提出されたというのが説明逃れにも見えるんですが、このことに関してはどう思われますか。
(答)詳しい状況を理解しておりませんので、何とも言いようがないんですけれども、辞表を提出する、辞任というのは政治家にとっては最も重い対応の一つでありますので、責任をとられたのかなと思いますけれども、詳しい事情が分かりませんので、これ以上は控えたいと思います。
(問)先程の賃上げの件について質問があります。認識は共有されたとのことなんですけれども、賃上げの手段ですね、今まで結構政府の方から、特にベアに軸足を置いて賃上げを求めていた印象なんですけど、昨年から経団連は多様な処遇と言い出して、必ずしもベアありきではないということをかなり会長の中西さんが強く言っておられてますが、そこら辺については何か認識のずれみたいなものはどういうふうに受け止めていらっしゃるでしょうか。
(答)大事なことはこの賃上げの流れを継続していくことだと思ってます。そのことについては経済界、経団連側と認識を共有できたと思っております。
 その上でどういう形で賃金全体のその体系の中で、どういうふうにその賃上げの方向に持っていくかというところは、経労委でいろいろ議論をしておられるということでありますので、まずはその議論をしっかり行っていただいて、我々としても見守っていきたいと思っておりますけれども、全体として賃上げの方向については理解や認識を共有できたのかなと思っております。
(問)先日、大臣はイオンの店舗に消費増税後の視察ということで行かれましたけれども、イオンの岡田社長が今月9日の決算説明会において、キャッシュレスのポイント還元策について非常に不公平でほとんど暴力だというような、割と強い言葉を用いておっしゃっていらっしゃいました。この発言について大臣、所管外だとは思うんですけれども、受け止めを教えていただきたいのと、また、今週月曜日のイオンの店舗の視察において、そういったことに関連するやり取りがもしございましたら教えてください。
(答)まず、駆け込みの需要が見られましたけれども、いろんな統計を見ますと、全体として前回ほどではないという感じを持ってますが、いずれにしても、私どもとしては万全の対策を講じてきておりますので、御指摘のあったポイント還元とかキャッシュレス化、それからプレミアム商品券とか、それから軽減税率への御理解とかですね、こういったことを含めてしっかりと施策を実行していきたいと、そのための広報ですね、丁寧な説明も引き続き行っていきたいと思っております。
 その中で、イオンの現場を視察をしましたときには、確かに、いろいろ工夫をしておられて、イートインの方が10%で、持ち帰りの方が8%、ここで申告をしてもらわなきゃいけませんので、その申告に向けてのいろいろ工夫をしておられて、サービス、ドリンクのサービスなどをしながらやっておられる、この御苦労は伺いました。負担が生じているということですね。そこで多少お客さん同士でのいろんなやり取りもあるとお伺いをしました。
 それから、これは百貨店の方ですけれども、持ち帰りとその場でイートインされる人と、レジを打ち分けなきゃいけないですし、聞かなきゃいけないということも含めてですね、従業員の方に負担になってるということもお伺いをしました。
 ただ、全体としてはですね、軽減税率については、それなりに多くの方に理解が進んでいるということで、食品についても、駆け込みは見られましたけれども、これはほかのものを駆け込みで買うときに併せて買ったためだということの説明もございましたので、そういう意味で、全体としては理解が進んでいるのかなと思っております。
 それから、これは経団連のときの説明でもございまして、全体としてはキャッシュレス化が進んできていると、以前よりも引上げ前に比べて、キャッシュレス化の割合が非常に高まってきているというお話も伺いました。
 多くの方が意識をして使われているんだろうと思いますけれども、高齢者の方々にとっては、なかなか分かりにくいというようなお声もありますが、プリペイド型のカードであるとか、あるいはデビットカードは、高齢者の方にも購入しやすいというか、使いやすい仕組みになっておりますので、そういったものも活用していただくのもあるのかなと思っております。
 そういう意味で、できるだけ丁寧に説明をして、多くの方に理解がいただけるようにしていきたいと思っております。
 兵庫県の神戸の商店街でもお話を伺いましたけど、高齢者の方も、それだけ割引があるなら、今ちょっとやってみようかといってスマホを使ってやられる方もおられるということですので、それぞれに消費者の皆さん、負担を少しでも下げようということで努力しておられると思いますので、我々としてはできるだけ丁寧に説明しながら、いろんなサポートもできればなと思っております。経産省の方にいろいろお願いをしているところであります。
(問)経済産業省とは経済政策とかですね、消費税増税対策を巡って、かなり内閣府とも関連性が高い省庁だとは思うんですけれども、今回の菅原大臣の辞任でですね、その経済政策運営面で何か御影響があると考えていらっしゃるかどうかお願いします。
(答)そのことは基本的に心配はしておりません。経産省の事務方と我々内閣府の事務方も緊密に連携をしておりますし。私自身も経産省からも説明を受けたりもしておりますので、基本的に問題ないと思っております。

3.資産公開に関する質疑応答

(問)今回公開された御自身の資産について、まあ、受け止めというかお考えをお願いします。
(答)はい。まず、資産公開制度はですね、正に国務大臣等が自らの資産を国民に公表することによって、在任中の清廉さ、公正さを保って、国民の信頼を確保しようというものでありますので、私自身も、これまでもそうですし、今後も適切に対応してまいりたいと思っております。
 その上で、私自身は、二世でもありませんし、資産家の家でもありませんので、私がこれまで一生懸命働いてきたというか、やってきたことの結果かなと思っております。
 今回、妻の両親が亡くなったものですから、山口の田舎の山林とかを、相続しておりますので、そこはたくさん書かれてますけど、余りその財産的な価値がある山林ではなくて、むしろ周りの人に迷惑を掛けないようにしなきゃいけないなぁということで話してるとこですけども、経済政策などをやってきまして、私自身は、時間を掛けたり労力掛けて何か財産を殖やそうとしてるわけではありませんけども、低金利時代で、将来はまだどうなるか分かりませんけども、分散して長期にコツコツ投資をする、これは国内・海外、新興国・先進国、あるいは株式、債券、こういったものにコツコツ分散して投資をする、自分自身でそんなの選べませんから、様々な商品がありますので、私は、3人の娘が成人になりましたので、「つみたてNISA」とかですね、こういったものを、月々5千円でも1万円でもやったらどうかということで勧めたいと思っております。やはり、20年30年と長期で投資をすると、過去の統計から行くと、いろんな、リーマンショックがあろうと何があろうとですね、長い目で分散投資、長期投資すれば、必ずプラスになると思いますので、統計がそう物語ってますので、娘たちにはそういうことを勧めたいなと思っております。
 ちなみに、私も、もう年齢が大分行ってますけど、iDeCoは去年から、妻と二人で始めております。

(以上)