北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年9月16日

(令和2年9月16日(水) 10:31~10:44  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 先ほどの臨時閣議におきまして、内閣総辞職が決定されました。昨年の9月に国務大臣に就任して以来、地方創生、規制改革を始め、非常に幅広い担務を頂戴いたしまして、各分野で就任以降のおよそ372日間、私なりに全力を尽くしてまいったつもりではあります。在任中、報道各社、記者の皆様方には大変お世話様になり、高い所からでありますが、この場をお借りして、心から感謝を申し上げます。
 約この1年間の主な出来事を振り返りますと、まず、地方創生の推進におきましては、各地域の現場の皆様の生の声を現地で十分にお伺いし、お聞き取りをすることが大事と考えた上で、大臣就任以来、全47都道府県を視察させていただき、私自身が地域の実情や課題を理解して、多岐にわたる施策によって地域の皆さん方のチャレンジを応援してまいったつもりであります。これまで、御多忙の中、多くの貴重な機会を提供してくださった視察先、自治体の皆さん方を始め、その関係の皆様方、そして出張を準備してくれた職員の皆さんや先方の関係者の方々に、重ね重ねこの場をお借りして改めてお礼を心から申し上げたいと、感謝を申し上げたいという気持ちでいっぱいであります。中でも、コロナの厳しい状況の中での仕事でありましたから、大変準備に当たられ調整に当たられた皆さん方、我が方の役所の皆さんも、また視察先の関係の皆さん方も、大変な神経の使いようでありましたので、本当にありがたい視察をさせていただいたと、そう思っております。
 また、2020年度から新たな5年間の政策の道しるべとなる第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定するとともに、感染症の克服と経済の活性化の両立、これを見据えながら「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」を策定いたしました。
 国会では、改正国家戦略特区法や第10次地方分権一括法など、合計4つの法案を御審議いただきまして、成立させていただくことができました。具体的には、改正国家戦略特区法によって、世界最先端の技術を活用した、より良い未来の社会・生活を包括的に先行実現、実装するスーパーシティ構想の実現に向けて、大きな道筋ができたと思っております。また、地方分権一括法につきましては、まちづくりや福祉など、地方の現場の課題解決につながるきめ細やかな対応によって、地方自らの判断と責任によって、効率的・効果的に施策が実施されるための環境を整えることができたと言えるのではないかと思っています。
 さらに、新型コロナウイルス感染症への対応として、各自治体が各地域の実情に応じた対策を迅速に展開できるよう財政支援を行うために、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を創設し、総額3兆円を確保しました。
 新たに立ち上げた規制改革推進会議においては、オンライン診療や遠隔教育について集中審議を行い、緊急対応措置の実行につなげるとともに、書面・押印・対面規制の見直しを含む、いわゆる「規制改革実施計画」を取りまとめました。
 そして、公文書管理においては、閣議了解を経て、今般の新型コロナウイルス感染症を国家社会として記録を共有すべき「歴史的緊急事態」に該当すると判断するとともに、公文書管理に関する法令やガイドラインに基づいた対応が適切に行われるよう、新型コロナウイルス感染症対策本部や、全ての各府省庁の公文書監理官、いわゆるCROの会議の場で、関係閣僚及び関係府省庁の幹部に対して積極的な働きかけを行いました。
 その他、アクションプランの改定によってPFI法改定に向けた道筋をつけるとともに、公益法人のガバナンスの更なる強化等に関する有識者会議の立上げ、そして地方創生SDGsの推進等にも取り組んでまいりました。
 私といたしましては、国民の皆様の期待にしっかり応えられるように、全力を尽くしてまいったつもりではありますが、今後、これらの取組が一層進化し、更に発展することを心から願っております。限られた期間ではありましたが、皆様方には大変お世話になり、誠にありがとうございました。

2.質疑応答

(問)大臣、1年間、お疲れ様でした。規制改革を御担当されていらっしゃったことに関連してなのですが。後任が河野太郎防衛大臣ということで、非常に突破力が期待されるところかと思うのですけれども、河野大臣に後任として期待されることと、大臣が1年間規制改革を担当されて、規制改革の難しさはどういったところに感じられたか、教えてください。
(答)私自身、規制改革担当大臣として、聖域を設けることなく規制を見直し、スピード感を持って改革を進める、そういった覚悟を持って臨んできたつもりでありますが、そのことを昨年10月に新たに立ち上げた規制改革推進会議の冒頭の挨拶でも申し上げたとおりであります。その規制改革推進会議を推進力として、これまでにオンライン診療や遠隔教育の緊急対応措置を実行し、また書面・押印・対面規制の見直しなどを進めてまいったわけです。こうした規制改革は日本経済の成長力の強化のために、今後更に進めていく必要があると存じますし、菅総裁は規制改革を看板の政策と掲げておられると認識します。日本経済の成長のために、持ち前の行動力を十二分に発揮していただいて、規制改革をより一層前に進めていってもらいたいと期待をしています。
(問)1年間、大変お疲れ様でした。国会答弁などで、主に公文書の話題のときなどですけれども、野党から厳しい追及を受けたりですとか、なかなか答弁が滑らかに進まなかったりした瞬間などもありました。大臣をお務めになっていて、そういうときは辛いとか、辞めたいとか、思ったことはありますか。
(答)いや。今の最後のところで、辛いとか、辞めたいと思ったことはないかと。全くありません。私は、不覚にも、ぶつかり稽古のつもりで鍛えられているというつもりで質問を受け、答弁のために2時間も3時間も準備して、誠実にお答えをし、練りに練った答弁ですから、言い間違い、あるいは読み間違えてはいけないということで、またそこをとがめられたこともありますけれども、そういうことで答弁が苦になったり、委員会が苦になったりして、辞めたいと思ったようなことは全くありません。だから、私はこういった仕事をさせていただけるということで、ラグビーのプレイヤーでしたから、練習はどんなに厳しくても、本番の試合になったときにその成果が発揮できればいいからということで、委員会が練習だと思った、質問が練習だと思ったつもりはないが、そこでへこたれちゃいかんと。だから、辞めたいとか、嫌だというふうな気持ちはありませんよ、ということを言いたいためにぶつかり稽古と言ったつもりだったんですが、おまえはふざけているという、本番と稽古を一緒にしちゃ駄目だとお叱りを受けたので、これからは、大臣は注意して物を言わないといけないと思って、二度とぶつかり稽古は言わなかった。そんなことでありましたから、決して私は苦になったり、辞めたいと思ったことはないし、最初に皆さん方にお礼を申し上げましたとおり、本当に皆さん方におつき合いをいただいて、視察も十分させていただきました。ありがたく思っています。私が仕事をいろいろとさせていただいてきた中で、辞めたいとか嫌になったとかということよりも、逆に、最初に述べましたとおり、今年の3月には閣議請議を行って、閣議の了解を得て、このコロナウイルス感染症に係る事態を歴史的緊急事態に該当すると判断をして、その新型コロナの対策本部やCRO会議の場で、法やガイドラインに基づく対応が適切に行われるように、その機会を捉えて、チャンスとして生かし、関係閣僚や各府省の幹部に積極的に働き掛けることができたという、私なりに仕事をさせてもらったという、ある種の充実感はあります。ただ、結果はまだまだ、闘いの最中ですから、これから良いものになるように、次の大臣あるいは皆さん方でともどもに国を挙げて国民全体で頑張っていただきたいと思います。そして、公文書の管理のことについては、将来にわたって説明責任を果たすために大変重要なものでありますから、公文書管理の制度に関する担当大臣として、私自身も誠心誠意務めたつもりではありますけれども、次の大臣におかれても、引き続き個々の公文書を担当する各府省庁へのルールの周知・徹底、そして研修の充実強化など、適正な公文書管理の徹底に万全を期していただけるものと考えておりますし、その点をしっかりと引き継いでまいりたいと思っています。

(以上)