北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月21日

(令和2年7月21日(火) 11:31~11:41  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 今日は2件、私から御報告があります。
 1件目ですが、先週17日の臨時閣議におきまして、「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」を閣議決定いたしました。今般の基本方針には、地域経済・生活に大きな影響を与えた感染症の克服と経済活性化の両立の視点を取り入れて、感染症に対応する中での国民の意識や行動の変容を踏まえて、新たな日常に対応した地域経済の構築と、東京圏への一極集中の是正や結婚・出産・子育てしやすい環境の整備など、新しい地方創生の実現に向けて取り組む事項を盛り込みました。基本方針に基づいて、政府一丸となって地方創生の一層の加速に取り組んでまいります。
 次に2件目でありますが、出張についての御報告がございます。地域における意欲ある取組や地域のニーズ等を把握して、今後の地方創生に関する取組に生かそうということで、7月23日の木曜日に大分県の豊後高田市、別府市、大分市を視察し、広瀬勝貞大分県知事と意見交換を行うとともに、7月26日の日曜日には、岩手県の釜石市、遠野市、盛岡市を視察して、達増拓也岩手県知事と意見交換をすることとなりました。詳細については、事務方にお尋ねいただければありがたいと思います。

2.質疑応答

(問)規制改革推進会議に関連してお伺いしたかったのですけれども、先週末に規制改革実施計画が閣議決定されたかと思います。上旬に提出された答申と見比べて、実施計画がどこまで反映されているか、という点を大臣としてどのように評価されるかという点と、今後、実施計画に基づいてどのように進めていくおつもりかという御所見をお願いできますか。
(答)書面規制・押印・対面規制につきましては、行政及び民民の間での手続きの双方で、新型コロナ対応として一定の緊急対応が行われることとなった次第です。緊急対応を行った手続きだけでなく、書面・押印・対面が求められる、原則として全ての行政手続について、恒久的な制度的対応として、本年度中に必要な検討を行い、法令、通達の改正等を行うよう求めていくという考え方であります。民民間の手続きにつきましては、慣行等による押印の廃止のため、「押印についてのQ&A」を公表するとともに、官民一丸となって見直しに取り組むべく、経済団体との共同宣言を行ったわけであります。また、電子署名の活用促進のため、クラウドを活用した電子認証サービスのうち、一定のものについて電子署名法上の「電子署名」に該当する旨を明確にするQ&Aが公表されました。これらの取組を周知徹底していくことが大切であると考えますし、さらに個別の分野につきましても、「規制改革実施計画」に盛り込まれました実施事項について、継続的にフォローアップを行うとともに、引き続き、課題の洗い出し及び解決に向けてしっかり取組を行うことで進めようと考えております。当然のことでありますけれども、実施計画は基本的に答申を踏まえたものとなっていると認識しております。
(問)7月の12日、13日の新潟県、富山県の出張と、あと19日、20日の三重県、愛知県の御出張についての御所見がありましたら、教えてください。
(答)この度の新潟県、富山県及び三重県、愛知県への視察では、各県の知事さんとお会いして、新型コロナウイルス感染症の影響や対応、または地域ならではの地方創生の取組等について話を聞くことができました。まず、新潟県では、国家戦略特区である新潟市でスマート農業に力を入れている「有限会社米八」、またトマトの高付加価値化を実施している「株式会社たくみファーム」などを視察して、若手の農業者や経営者などと意見交換をすることができました。南魚沼市では、雪国観光圏における中核的な旅館である「八海醸造魚沼の里」、「ryugon」などを視察して、地元の観光業や商店街の関係者の方々と意見交換を行い、熱意あふれる仕事に取り組まれていることに感心いたしました。富山県では、南砺市でエコビレッジ構想の関連施設であり、伝統文化再生や、情報発信の拠点でもある合掌造り「かずら」や、木質ペレット工場を見せていただきました。富山市では、富山駅付近で次世代型電車システム、有名なLRTの活用等によって、コンパクトなまちづくりを進めている現場の状況というものを見せていただき、新しい公共交通のあり方と有効性について考えることができました。次に、三重県では、桑名市で「エイベックス株式会社・桑名先進工場」を見せていただき、感染予防策とともに雇用をしっかりと確保して、前向きな投資を継続するために取り組んでおられる生の声を聞くことができました。いなべ市では、「にぎわいの森」で県外から移住した出店者の姿などを拝見し、関係人口の創出・拡大の優れた事例であると感じましたし、また「桐林館」へ伺いまして、フェアトレードタウンの取組、またSDGsのモデルの例として、大変参考になるものでありました。愛知県の犬山市では、城下町のにぎわいの創出に取り組む「IMASEN犬山からくりミュージアム」で、国指定の重要無形民俗文化財である犬山祭のからくり人形の実演なども見せていただき、春日井市におきましては、ニュータウンでの地域再生に取り組む「グルッポふじとう」や、「高蔵寺ニューモビリティタウン構想事業」の取組が、地域再生の取組のモデル例として大変参考になりました。そして豊山町では、「あいち航空ミュージアム」で、航空宇宙産業の発展を目的とした国際戦略総合特区の取組ぶりを見せていただき、特区の制度などの地方創生の政策間連携も重要であると再認識しました。これらの視察先では、いずれも地域の様々な担い手によって地方創生が実現されていましたし、全国全ての市町村に2万4,000局のネットワークを有する郵便局におかれても、地域を支える重要かつ身近な拠点として、欠かせない存在であり、今後とも郵便局を含む様々な地域の担い手と連携しながら、地方創生を推進してまいりたいと考えております。

(以上)