北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年6月19日

(令和2年6月19日(金) 11:02~11:17  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 かねてから話題にもなっておりました印鑑の押印について、やっと皆で頑張ってQ&Aを作り、お知らせするということができるようになりましたので、そのことを触れさせていただきます。規制改革推進会議におきまして、民間事業者の間で慣行として行われている判子を押す押印について、廃止を進める上での心配、懸念を解消するために、行政の側から考え方の整理をして示すべきでないかという議論が、これまでございましたことは、御承知のとおりです。これをしっかり受け止めまして、内閣府、法務省、経済産業省の3府省におきまして、「押印についてのQ&A」を作成した次第で、本日公表させていただくことになりました。このQ&Aにつきましては、押印に関する民事訴訟法上の取扱いや、押印の効果、押印を代替し得る手段等について整理を行ったわけです。具体的には、本人の押印がある文書には、裁判上の証明負担軽減の効果はありますけれども、文書の真正性、間違いなく正しい、本物であるということが、押印の有無のみで判断されるものではなくて、証拠全般に照らして判断されるべきこと、また、認印の効果については限定的であることや、押印の代替手段として、例えばメールの送受信記録の保存、これも一つの証拠になるといったことなどを記述しています。今後、このQ&Aを御活用いただいて、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策などの中でも、押印の廃止が進む一助となれば幸いであると考えております。詳細については事務方が残りますので、事務方にお尋ねいただければありがたいと思う次第です。

2.質疑応答

(問)昨日、河井前法相夫妻が逮捕されたことについてお伺いいたします。参院選での買収容疑で、昨日、河井前法相夫妻が逮捕されましたが、閣僚として、また一国会議員としての北村大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)誠に申し訳ないが、個別の事案ということであって、大臣としてのコメントは、今は控えさせていただきたいと思います。
(問)国会議員としてはどうですか。
(答)私の常日頃の国会議員としての務めを果たす上においては、やはり有権者からいただいた信頼が大事です。おかげで私も7回小選挙区で選挙して、支えていただいて仕事をしてきました。やはり有権者との信頼関係が一番大事だと思いますから、信頼がなければ支持を頂くということはあり得ないし、有権者1人1人が政治に対するそれぞれの違いを持って、託する思いがあります。その託された有権者の思いをしっかりと日々の行動の中で、自分自身が実現してやりますという、公約等々、広報等でお知らせしたことは、ちゃんと自分の行いや言葉の中でしっかり果たされているかということを考え、日々その実現のために言葉や行いをしているわけです。私に信頼、市議会議員、県会議員、国会議員ということで、国会議員の秘書を始めたのは昭和45年ですから、選挙や政治ということに係わっておよそ45年から50年近く、この道で、大げさに言うと半世紀、係わってきているわけですから、自分がやりたいこの政治の仕事に携わらせてくださっている方々の、私に与えてくださっている何よりも大事な信頼の基は何かということを考え、約束を守るということが大事なことであるということを心掛けています。だからお前はちゃんと約束を守っているかということを、自分の行いや言葉の中で常に照らし合わせながら、日々暮らしをしていると思っています。そういう意味で、人のことをいろいろ私が論評したりする資格は、先ほどは個別の事案についてコメントを避けたいなどという紋切り型で、あなたの質問に誠実にお答えしているかということからすると、非常に申し訳ないと思いながら、敢えて今ここで、大臣として個別の事案についてのコメントは差し控えたところです。これまで、国会議員としても当選7回、19年という間、党の役職など、いろいろな仕事もさせていただいてまいりましたから、その時その時の課題や、問題点、かれこれを翻って考えてみると、本当に世の中の複雑さ、政治、その時と所、事柄によって、いろいろな見方や考え方、受け止め方があるから、私が今あなたの質問に応じてコメントするということは、控えなければならないだろうなと考えます。ただ国会議員として自分自身は、今申し上げるようなことで仕事をさせていただいていますから、政治全般、あるいは選挙についても臨んでいく。また選挙というのは非常に有権者の皆さん方との信頼関係の最終的な形として表れる、契約関係の成立の大きな姿だと思いますから、その約束を果たし、私たちは皆さんもご存じのとおり、選挙のときにはあなたの代わりに私を国会に送ってくださいと、あなたの代わりに、代弁者として、国会で仕事をさせていただきますと思っています。それだけの能力等があるとは思いませんが、それを身につけて頑張っていこうと思っていますから、私を買ってくださいというお願いの仕方できていますから、有権者の皆さんを欺くようなことがあってはいけないと思います。コメントは控えると言っていますので、ここで終わらせていただきます。
(問)昨日、全国知事会地方創生対策本部の鈴木本部長の要請を受けられましたが、それに対する大臣の御所見をお願いいたします。
(答)昨日、全国知事会地方創生対策本部長の鈴木三重県知事から、6月4日に全国知事会議においてお取りまとめいただいた御提言を頂戴しました。そして意見交換をすることができました。提言の内容は、ご存じと思いますけれども、多岐にわたっておりまして、その一つ一つが各地方の現場を良くご存じの知事さん方が、例えば新型コロナウイルスによって生じた地域経済への深刻な影響や、コロナに対する医療提供体制への課題など、地方が抱えている厳しい現状を踏まえたものが集約された御提言であったと思っています。私からは、大都市部への一極集中の是正については、今回の感染症による影響も踏まえた上で、しっかりと取り組んでまいりたいということと、特にテレワークへの支援など、施策の検討、また手当や充実を図っていくことが必要ということで前向きに取り組んでいること、さらに地方創生臨時交付金については、厳しい状況にある地域の経済と暮らしの回復、さらにコロナとどうしても共生していくということで、「新しい生活様式」を作り上げていこうという意識を持って、コロナの時代の未来志向の地方創生に、知事さんや市区町村長さん方がコロナの時代という認識の下に、未来志向で地方創生に活用して、有効なものに臨時交付金を使っていただきたい、というお願いも重ねていたしました。やはり、知事さん方や市区町村長さん方に対する期待があるものですから、そのことをお願いし、また現在、まち・ひと・しごと創生基本方針の策定に向けて、鋭意検討を進めているところでございますから、今回の提言を実にタイムリーに頂いたと思っておりますので、受け止めて、地方の取組を一層後押しができるように、基本方針の策定に当たりたいと思っています。そして、小さな拠点づくりについても、地域のそれぞれの組織や地域の方々が頼りにしている郵便局や農協、漁業組合、地方の皆さん方のよりどころを小さな拠点として、一層活用していただきたいということを願いながら、お話をさせていただきました。

(以上)