北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月19日

(令和2年5月19日(火) 11:33~11:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 地方創生に関する金融機関等の「特徴的な取組事例」に対する表彰について、御報告をさせていただきたいと思います。第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、毎年度、地方創生に関する金融機関等の取組状況を調査・モニタリングすることとしております。そこで今般、令和元年度分について、「モニタリング調査結果」及び「特徴的な取組事例」を取りまとめました。このうち、「特徴的な取組事例」については、今回、金融機関より寄せられた約650件の事例から、外部有識者による審査を経て、34の好事例を選定し、表彰することといたしました。本来であれば、私から直接表彰状をお渡しし、各金融機関の取組をたたえたいところでありますが、今年度は新型コロナの関係もございますので、誠に残念ながら、私からの表彰は控えさせていただきたいと存じております。なお、この後、事務方から説明を予定しておりますので、詳細はそちらでお尋ねいただければありがたいと思います。

2.質疑応答

(問)地方創生を進めるに当たって、金融機関に対して、どのような役割を期待していらっしゃいますでしょうか。またその中で、強いて言えば一言、郵便局への期待もおっしゃっていただけるとありがたいです。
(答)地方創生を進めるに当たっては、産業界、行政、大学、金融機関、労働団体、言論界、それからさむらいの士業、いわゆる産官学金労言士による連携が大変重要になると認識しております。地方公共団体や、取引先とのネットワークなどを通じて、各地域の事情に精通した地域金融機関には、官民共同で実施する事業に対して有益なアドバイスを行っていただくほか、融資による資金供給やファンド等を活用したリスク性資金の供給を通じて、地方創生の推進に寄与していただいていること、さらに人手不足感が強まる中、取引先企業の人材ニーズへの対応を手助けしていただくことなどを大いに期待できると考えております。並行して、地域商社の事業を含む地域活性化事業、事業承継、あるいは事業再生等をより円滑に行う観点から、銀行の議決権保有制限の見直しが行われましたので、事業再生、そして地域経済の活性化、さらに事業承継など、地域経済の持続的成長への貢献が期待できると考えております。今回選定させていただいた特徴的な取組事例も一つの参考として、金融機関による地方創生に向けた主体的な取組が、更に各地域に広がっていくことを期待しております。
 なお、ゆうちょ銀行は、地域金融機関と共同で、全国各地の地域活性化ファンドへ参加をすることにより、地域にリスク性資金の供給を行うなど、地方創生において大きな役割を果たしていただいております。また、郵便局の店舗内に地銀が共同窓口を設置するケースも出てきており、郵便局が有するネットワークが、今後、地方創生において、大きな役割を果たすということを期待できると考えております。
(問)現在国会で審議が進んでいるスーパーシティ法案について、改めてお聞きしたいのですけれども、個人情報の取扱いですとか、住民合意のあり方について、野党側からも課題が指摘されているところですが、そういった点も含めて、今回の法案の意義について、大臣がどのようにお考えなのかをお聞かせいただけますか。
(答)スーパーシティ構想の実現に向けた制度の整備を盛り込んだ国家戦略特区法の改正法案については、現在、参議院において御審議をいただいているところでございます。法案の取扱いは、国会でお決めいただくことでありますけれども、内閣府としては、早期成立に向けて、国会での審議に、当然のことですけれども、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。御承知のとおり、AIやビッグデータを活用して、社会のあり方を根本から変えるような都市設計の動きは、国際的に急速に進展しているところでありますから、我が国においても、こうした最先端の取組のフロントに一挙に躍り出ることが必要であると考えています。こういうことで、複数の最先端技術によるサービスを、実際の暮らしに実装する社会実証を可能とするために、国家戦略特区制度を活用した大胆な規制改革を進めることで、スーパーシティ構想を実現していかなければいけないと考えていります。このことが、アフターコロナというよりも、コロナを乗り越えて、コロナとともに、新しい時代の生き方、生活、あるいは産業、あるいは国際社会との結び付き、そういったものを考えていく中で、スーパーシティの果たす役割というのが非常に重要であるということを、この度のコロナを通じて、一層デジタル化の社会の大切さを知って、情報を活用することの大切さを感じながら、やはりスーパーシティは、情報をしっかり使いこなすということから、大事な分野であると強く認識した次第です。この関係の法案についても、是非とも国民の皆さんや、国会の御理解を頂いて、成立を果たさなければならないと考えているところです。
(問)個人情報の取扱いですとか、住民合意のあり方、どこまでの住民を含むのか、その範囲についてまだちょっとあいまいなのではないか、不安が残る、という指摘についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)法案審査の中でも随分お尋ねいただいた点でございます。いろいろな真剣な議論の中で御提案も頂きましたし、そういったものを踏まえながら、審議を更に深められていくと思います。野党の皆さん方の建設的な御提案や要望、あるいは理事会に報告を出さなければいけない、お返事をしなければいけない、特に個人情報を大切に考える立場からのお求めが、野党の議員の方々から重ねてございました。参議院においては、委員会の理事会に報告すべき事柄という課題も頂いていますので、そういったことをしっかり踏まえて、我々もその法案に賛成いただけるように説明と、御理解を頂くための御提案や説明、あるいはお願い、そして譲歩できるところはお互いに譲歩しながら、是非、国民の今後の生き方や、あるいは国の経済の成り立ちの屋台骨を作っていくということから、与野党を超えて、しっかりとして、この立派な法案が形成されていくことになるように、と願っているわけです。ですから、野党の皆さんからのお尋ねや建設的な御提案については、しっかり取り組んでいけるように。また、法律の改正がお認めいただけましたときにも、やはり完全に御提案やお求めを法律の中に読み込むことができないときもあるのではないかと思ったりしますから、そういうことについては、法律ができてからでも、更に法律そのものを磨き上げていくということが、絶えず発展的に物事を捉えていく、成長させていくということで、次から次に、時代の変化、環境の変化、あるいは国際情勢、あるいは技術革新ということもどんどん進むことがありますから、そういうものを今の時点で立ち止まって、出来上がった法律制度をいつまでも抱え込んでやっていくというのは、我々が目指している規制改革とか、国家戦略特区とか、あるいは地方創生、総合戦略にはそぐわないことでありますから、絶えず革新的な考え方で臨んでいく必要があるということで、法律についても、制度についても、常に時代の求めと、そして人が生きていく、生活をしていく、産業社会の形成の方向を間違わないように取り組んでいけるような法律制度にしていかなければならないと考えています。

(以上)