北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月1日

(令和2年5月1日(金) 10:35~10:44  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 今回の経済対策は、新型コロナウイルスという見えない敵との闘い、生き延びていくためにとても大切なお金であります。その予算が、おかげさまで昨日国会を通過いたしました。このうち、国の施策として、国民一人一人に充てた特別定額給付金、そして休業中などの事業者の方々に向けた持続化給付金、さらに休業手当を国が支払う雇用調整助成金、そして実質的な無利子・無担保の貸付制度など、全国一律に、共通に行われるべき様々な施策が、地方負担抜きで実施されることとなったわけであります。これを踏まえて、内閣府の地方創生推進事務局におきましては、国からでは目の届かない、地域の現場を知り尽くした地方公共団体だからこそ実行することのできる、地域独自の対策のために、1兆円の財源を用意いたしました。資料の4ページをご覧いただければと思いますが、コロナと闘う対策分野は、感染拡大防止から強靭な経済構造の構築に至るまで、実に幅広く、今回の交付金は、この様々な局面で、自治体が自由に使える仕組みとなっているところであります。資料の6ページ目に例を挙げさせていただいております。それぞれのV字回復の段階で、国も直接、様々な施策を講じております。発熱外来の設置、ドライブスルー検査の拡充、血中酸素濃度を自分で計測できるパルスオキシメーターの普及など、きめ細やかな検査体制の強化を図ることができるようになります。発生した感染者の家族に対するケアや、実質休業中の人材を活用した生活支援事業の実施などの実現が図られます。また、出荷できなくなった地元産品のネット販売や、大手小売店への直接販売ルートの開拓など、現場を知る自治体ならではの対策は、数多く存在すると認識しております。
 話題となった「協力金」も、それが地元自治体にとって真に必要な対策であるならば、内閣府としてその御判断を最大限尊重します。ただ、改めて一言申し上げれば、目の前で休業している飲食店も確かに深刻でありますが、飲食店に納品している、簡単には休業できない農林水産物の供給をする生産者、もしくは流通業者もつらいはずではないかと存じますし、休業はしたが、多くの金融資産を所有し、まだ余裕のある企業と、休業もできず、採った魚が売れない漁業者と、一体どちらが個別支援に値するのだろうかなど、難しい議論は少なくございません。何が償われるべき協力要請かという議論については、次から次へとマイナスの気持ちの連鎖を生み出すのではないかと、かえって心配であります。今は、個別の「償い」合戦を、地域間や事業間で争っているべきときではない。是非、地域のみんなが力を合わせて、コロナという見えない敵と、知恵と工夫を出し合って闘うときであります。故に私は、今回の交付金を「脱・コロナ」に向けた「協生支援金」と名付けることといたしました。今はみんなで力を合わせてコロナウイルスを制圧し、一刻も早く普段の生活を取り戻す、「脱・コロナ」を目指す、そのときであると考えており、そのために地域の様々な関係者が一致団結、協力をして、生き残りのための様々な「協生」活動を展開するべき時であると認識しております。
 今日の午後には、制度の詳しい内容と各自治体への配分金額を自治体にお伝えすることにしております。プレスの皆様には準備が整い次第、事務方から詳細について、御説明をさせていただくこととしておりますから、ぜひ御協力いただければ、御理解いただければと存ずる次第です。また、その際には、これまでの経験も踏まえた事例集も用意させていただくことといたしておりますから、自由度の高い交付金であるからこそ、必要な対策の選択と実行を市民、国民の皆様の判断に委ねるべく、想定される取組や、実際に実施された取組などについて、今後とも内閣府から積極的に情報発信をしてまいりたいと考えているところであります。地域間で、償い合戦が始まってしまうのか、ポジティブな取組の競合いが発生するのかは、こうした事例を地域の皆さんが、リアルタイムでどのように評価していくかにかかっていると思います。「脱・コロナ」に向けて、一つでも多くの前向きな対策を引き出すためにも、プレスの皆さんのお力もお借りしながら、本交付金を通じた「協生」活動の支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えているところであります。

2.質疑応答

(問)昨日、総理からの言及があったのですが、明日から6日まで大型連休が始まります。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出ている中ですが、大臣は連休中どのようにお過ごしなられますでしょうか。
(答)東京におります。どこにも動く予定はありません。特にこれまで、全国に視察に行く予定を組んでおりましたが、そちらに行けなくもなりましたし、この際、その関係の資料もしっかりと読み込み、またその他にも、読まなければならない資料も本も山ほどありますから、ありがたい時間だと心得て、その資料の読込みと読書に充てさせてもらおうと。そしてテレビも、それこそリアルタイムで素晴らしい報道をしていただいておりますから、見せていただこうと。もちろん、新聞からの情報も抜かりなく頂きたいと思いますから、新聞もしっかり読みます。

(以上)