北村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月10日

(令和2年3月10日(火) 10:03~10:20  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 新型コロナウイルス感染症につきましては、その発生及び蔓延によって、国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、本日「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。このような状況を踏まえて、先ほどの閣議で了解を得て、今般の事態は国家・社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項となり得るものであり、その教訓が将来に生かされるものとして、行政文書の管理に関するガイドラインに規定される「歴史的緊急事態」に該当すると判断いたしました。併せて、私から関係閣僚に対し、本事案に対応する会議等の記録を始め、後世に本事案への対応の経緯や教訓を残していくため、適切に文書が作成・保存されるように、所属の職員への指導の徹底をお願いいたしました。

2.質疑応答

(問)歴史的な政策事項の緊急事態になると判断され、これが閣議了解されたとのことですが、改めましてこの施策の所管大臣として意気込みをお願いいたします。
(答)今回の決定を踏まえて、新型コロナウイルス感染症に係る事態の会議については、当該会議の庶務を担当する省庁において、将来の教訓とするため、議事の記録などを作成することとなります。既に担当省庁におきましては、今般の「歴史的緊急事態」の認定を待つことなく、適切に、また検証可能なように文書を作成・保存しているものと聞いております。私、公文書管理担当大臣としても、適切に文書が保存、あるいは作成されるよう、本日の閣議で各大臣に重ねてお願いをしたところでありますけれども、引き続き各府省への通知や指導、助言、また研修なども通じて、更なる徹底を働き掛けてまいりたいと存じております。必要な記録が作成され、それが残り、国立公文書館に移管されることになれば、将来にとって貴重な教訓を伝える資料になるであろうと考えているところであります。各省庁ともしっかりと連携をした上で、公文書管理の重要性を、更に研修の実施などを重ねた上で、職員一人一人に伝えてまいりたいと考えているところであります。
(問)何らかの事態が「歴史的緊急事態」に指定されるというのは、今回が初めてということでよろしいでしょうか。
(答)制定の経緯であります東日本大震災級の甚大な被害をもたらした事態は、その後ありませんから、実績というものはまだなかったと言うべきであろうと思います。
(問)「歴史的緊急事態」についてですけれども、野党からはこの判断が遅かったのではないかと、昨日の国会でも総理に対する質疑がありましたが、今回このタイミングになったことについてと、判断が遅くなかったかということについては、どのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(答)本日、新型コロナウイルス感染症の発生及び蔓延により、国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念されるこの状況に鑑みた上で、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」がまさに閣議決定されたわけです。この状況を踏まえて、この法案の閣議決定と同じタイミングで、今般の事態を行政文書の管理に関するガイドラインに規定するところの「歴史的緊急事態」とすることとしたものでありますから、誤解のないように申し上げますと、「歴史的緊急事態」の指定を待つまでもなく、国務大臣を構成員とする会議については、会議の開催日時、場所、出席者、議題、発言者、発言内容が記載された議事の記録、これを作成することがルールとなっていることは御承知のとおりであります。今はまさに緊急事態の対応となっておりますが、今後担当省庁において適切に対応していただくことになろうと承知しております。すなわち、緊急対応ということで非常にたくさんの作業、仕事が錯綜、輻輳しているという状況の中で、一々整理が整わないということなどもあるので、それぞれ担当省庁において今後適切に対応していただくことになろうと思っているということを申し上げているわけです。私としましても、適切に文書が作成・保存されるよう、本日の閣議で各大臣に重ねてお願いを申し上げたところでありますけれども、引き続き各府省への通知や指導、助言などを通じて、更なる徹底を働き掛けてまいりたいと考えています。
(問)「歴史的緊急事態」についての運用なのですけれども、新型コロナウイルス感染症対策本部はここに書いてある「政策の決定又は了解を行う会議等」に含まれて、議事録が残されるものになろうかと思うのですが、総理が対策本部の前に、各省の次官とか、あと副長官、長官等々と連絡会議を行っていて、野党からはそれが実質的な政策決定になっているのではないかという指摘もありますが、この連絡会議については「政策の決定又は了解を行う会議等」に含まれるとお考えでしょうか。
(答)個別の会議の対応については、担当の内閣官房が判断されることとなると思いますけれども、せっかくのお尋ねなので申し上げさせていただきますと、御指摘の連絡会議については、政策の決定や了解を行う会議等ではないと聞いており、ガイドラインに基づいて会議の活動状況を記録した文書を、今後内閣官房において可能な限り速やかに作成することとしていただいているものと聞いております。
(問)先ほど大臣は、国務大臣を構成員とする会議については、議事の記録を作成することはルールになっているとおっしゃられたと思うのですが、例えば一般論で言うと、その連絡会議においても総理大臣や官房長官、加藤厚労大臣などが参加されていると思うのですが、これについては、議事は作成されてあるべきだとお考えでしょうか。
(答)今申し上げたとおりであろうと思いますけれども、連絡会議については、政策の決定や了解を行う会議等ではないと聞いておりますけれども、ガイドラインに基づいて会議の活動状況を記録した文書を、今後内閣官房において可能な限り速やかに作成することとしていただいていると聞いております。
(問)手続きのことでお伺いしたいのですけれども、ガイドラインには、個別の事態が「歴史的緊急事態」に該当するか否かは、公文書管理担当の大臣が閣議等の場で了解を得て判断するとなっているのですけれども、今日の閣議了解を得て、北村大臣が決定をされたという理解でよろしいのでしょうか。
(答)そのとおりです。
(問)先ほど、閣議の場で、各大臣に対して北村大臣からお願いをされたということだったのですが、何か総理からはこの件に関して御指示等はございましたか。
(答)総理からの指示というものは、特にこの件に関してあったわけではありません。
(問)大臣は金曜日の会見で、「歴史的緊急事態」の指定について、事態の推移を注視しつつ、社会に与える影響が明らかになった段階で判断するとおっしゃっていたかと思うのですけれども、今回のこの緊急事態の判断をされた大臣として、今日以前にも一連の対応が「歴史的緊急事態」に当たる可能性があるとお考えだったかということと、今回「歴史的緊急事態」に当たると判断された一番の要因というか、理由について教えていただけますでしょうか。
(答)新型コロナウイルス感染症につきましては、その発生及び蔓延によって国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念されるというこの状況に鑑みた上で、本日「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定された、このまさに閣議決定がされたという状況、これらをしっかり踏まえた上で、今般の事態を行政文書の管理に関するガイドラインに規定する「歴史的緊急事態」とすることが適当との判断を私がするに至ったということであります。
(問)最初におっしゃった特措法の改正案の閣議決定についてお聞きします。私権の制限、移動の自由を制限するですとか、そういった内容も含まれますが、この法案が閣議決定されたことの受止めをお願いします。
(答)まず、新型コロナウイルスが世界全体に広がりつつあって、地域経済、特にアジア、日本においても訪日外国人の観光客が減少している。中国とのサプライチェーンを通じた生産の縮小、またイベントや外出の自粛による国内旅行のキャンセルなどが相当の影響を与えており、大変厳しい状況になっていると受け止めております。この今般の改正法案では、国民の自由と権利を尊重する観点から、私権の制限は新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならないとする配慮規定があるものと承知しております。いずれにいたしましても、改正法案については、今後、担当部局において適切に対応されるものと思いますけれども、地域の皆様が置かれている厳しい現実を踏まえ、政府一丸となって対応していくべきものであり、対応してまいりたい、そういう気持ちも含めて、この「歴史的緊急事態」という判断を総合的にするべき事態と認識したわけです。
(問)新型コロナウイルス関連で質問なのですが、政府がイベントの中止、延期を要請して、移住相談会といった地方創生関連のイベントにも影響が出ていると思うのですが、現時点でどれぐらいのイベントに影響が出ているのか、把握されている範囲でお伺いできますでしょうか。
(答)新型コロナウイルスの影響を受けて、地方創生推進交付金などを活用したイベントを中止するなどの場合の取扱いについて、複数の地方公共団体から相談があったと聞いております。およそ9日の段階では35の団体から相談があったと聞いております。地方創生推進事務局としましては、イベント等の中止を決定するまでの準備行為及び残務処理、例えば会場のキャンセル料などに係る費用については、交付決定額の範囲内であれば基本的に交付対象経費として差し支えないという回答をしておりますし、イベント等の延期に伴って繰越しや、事業計画を変更する場合の対応策等についても助言などをし、柔軟に対応するなど、個別に相談に応じているという状況でございます。

(以上)