衛藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月7日

(令和2年7月7日(火) 10:54~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・103記者会見室)

1.発言要旨


 消費者及び食品安全担当大臣として、3点発言させていただきます。
 まず初めに、7月3日からの熊本県及び鹿児島県を中心とする豪雨被災によりお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。引き続き大雨が続いている地域もあり、被災地の皆様におかれましては十分警戒していただきたいと思います。
 災害時には、災害に便乗した悪質商法や消費者トラブルが発生する傾向があります。不審な訪問や電話を受けた場合ははっきり断るとともに、困ったときは1人で悩まず、相談窓口につながる「消費者ホットライン(188)」にお電話ください。
 本日、消費者庁は、7月3日からの大雨に伴う地方自治体からの緊急要請を受け、農林水産省及び厚生労働省と連携し、被災地における食品表示規制について、弾力的に運用する旨を関係機関に通知します。
 これは、被災地への食料の円滑な供給のため、食品に表示が義務付けられている原材料名や原産地などの記載がなくても、当分の間、アレルギー及び消費期限といった安全性に係る表示に配慮した上で、取締りを行わなくても差し支えないとするものであります。
 なお、消費者を欺瞞するような悪質な違反に対しては、これまでどおり厳正な取締りを行います。
 次に、2点目として、消費者庁は7月30日(木)、徳島県徳島市に「新未来創造戦略本部」を開設いたします。
 諸般の事情が許せば、当日は私が出席し、「新未来創造戦略本部」の看板かけ、本部員への訓示等を行いたいと考えています。詳細については後日お知らせいたします。
 戦略本部では、海外の法制や消費者心理・行動などに関する様々な知見を取り入れながら、消費者行政を前進させるために、多くの成果を上げたいと思っています。
 次に、3点目として、消費者基本計画工程表が本日、消費者政策会議決定されましたのでお知らせいたします。
 今回の工程表は、本年3月31日に閣議決定された消費者基本計画に基づき、関係府省庁等が講ずべき具体的施策を取りまとめたもので、第4期となる新たな消費者基本計画の下での初めての工程表です。
 153の施策を5本の柱に整理し、本年度から令和6年度までの取組予定と達成状況を具体的に評価する数値目標を明示しました。
 この工程表に基づき、各施策の進捗状況を毎年点検、見直しを行い、これからの5年間、消費者政策が着実に実施されるよう、関係府省庁等と連携し、全力を挙げて取り組んでまいります。

2.質疑応答

(問)創造戦略本部について、今回、徳島に消費者庁の恒常的拠点を置く意義を改めて伺いたいんですけれども。
(答)今まで戦略本部で、オフィスで行ってきたモデルプロジェクトや研究を発展させまして、特に社会経済のデジタル化や高齢者や障害者といった脆弱な消費者への対応等、消費者行政が直面する先進的課題への対応を強化したい。そしてまた、各地方とも連携をとった形で消費者行政を進めなければいけないという観点に立って、徳島でこの発信をしようとするものであります。
 徳島県知事の協力をはじめ、大変力強い協力をいただいておりますので、この徳島での「新未来創造戦略本部」というのは非常に大きな力を発揮するのではないかと期待いたしております。
 また、その中で、具体的に私どもとしては、SNS等を活用した消費生活相談の実証や見守りネットワークの取組モデルの構築、認知症等高齢者の消費行動特性や消費者トラブルに関する調査研究等に取り組む予定であります。
 そして、G20の消費者政策国際会合をレガシーとして、この徳島で国際シンポジウムの開催や、海外の研究機関と連携した国際共同研究等にも取り組んでまいりたいと思います。
 新しい戦略本部において、しっかりと成果を出し、新時代の消費者行政を作り出せるよう、まずは立上げに向け、万全の準備を行ってまいりたいと思っております。
(問)少子化対策についてお聞きします。
 特別定額給付金10万円の対象外になっている新生児らに、現金などを独自に給付する自治体が相次いでいます。5月に閣議決定した少子化大綱では、妊娠・出産に関する経済的支援について、自治体の取組を含めて総合的に検討すると書き込んだわけなんですけれども、こういった自治体の動きへの受止めと、少子化担当大臣として何か対応があれば、お聞かせください。
(答)今回、特別給付金は、各地方においては当初はコロナが始まる前までに生まれた方ということでしたけれども、地方創生臨時交付金を使って、コロナの最中で生まれた子どもにも拡大できるということで、お願いしました。
 そしてまた、今、この臨時交付金を使って、そこまでの動きをどうぞということでお願いをしているところでもございます。
 そして、今回のこういう一次補正、二次補正を含めて、できれば結婚手当とか出産祝い金とか、そういうところもやはり強化していただきたいと思っているところでございます。
 御承知のとおり、10年、20年前までは出生数が毎年1万人ずつ下がってきたんですが、4年前からは3万人ずつ下がり、そして、去年は4万5,000人ぐらいいきなり下がってきました。来年の出生数は一部では70万人に近くいきなり落ちるのではないかという見通しもありますので、それを事前にとらえて、このために今から手を打っていかなければいけないと、コロナの中で出産をためらうというよりも、むしろ将来大丈夫なんですよという安心のサインをもっと送るために、いろいろ考えなければいけないと思っています。
 当然、来年度予算に向けて、今、少子化社会対策大綱を決め、そして具体化に向け懸命に議論しているところでありますけれども、そこにも配慮しながら少子化については頑張っていかなければいけないと思っているところでございます。
 この少子化社会対策大綱の具体化の一環というか、少しでも早く具体化できるように、一歩一歩進めていかなければいけないということで、速やかに関係省庁とも調整を進めなければいけないと思っているところでございます。
(問)確認なんですけれども、関係省庁と連携していくというのは、具体的には例えば自治体に通知を出すというか、そういう交付金に充てられるというふうに認めるというか、そういうような対応になるんでしょうか。
(答)内閣府地方創生推進事務局ともよく相談して、そして、地方に対してお願いすることはお願いしていきたいと思っておるところであります。
(問)表示の弾力的運用についてなんですけれども、3点ありまして。これからも大雨が続いていて、今後更に被災地が拡大されると思うんですが、それに対しては更に追加されたりするのでしょうかというのが1点と、今後、やはり食品が傷みやすい時期になると思うので、緩和される一方で、賞味期限の記載などを事業者に徹底されるということを、改めて注意喚起をお願いしたいというのがもう1点。あと、こういった周知チラシというのはどういった所で配布されて、消費者に周知されるのかというのをお聞かせください。
(答)今、SNSで注意喚起を行っているところでございます。それから、食中毒が予想されるということでありますが、そこのところには気をつけた上で、食品の安全は気をつけた上で、例えば食品表示とか、包装紙をやりかえなければできないとかではなくて、そういうところは中の品物が海外から来たものは、もっと供給しなければいけないということでやるようなときに、それはもう表示を変えなくても良いのではないのかとか、そのことだけ周知できればそれで全て良いのではないのかというような形で進めていきたいと思っております。
 それから、地域については、今、被害が拡大しておりますので、今のところ、はっきりわかっているのは熊本、鹿児島ですけれども、もう昨日から出ておりますのは、長崎、佐賀、それから福岡、大分という具合に拡大してきていますので、そこにも十分配慮しながら進めなければいけないと思っているところでございます。
 それから、消費期限については、先ほどから申し上げましたとおりでございます。最初から申し上げましたように、もともと消費期限等については、配慮しながら進めていくということであります。
(問)関連してなんですけれども、九州というと、大臣の地元である大分も含まれて、本当に多くの被災地の方が今、心配な状態が続かれていると思うんですけれども、こういう食品を含めた表示の対応を着実に進めていかれることが重要だと思うんですけれども、改めて、被災地の方に対するメッセージと、なぜこういう表示を変えなければいけないのか、いわゆる支援物資が十分に行き届くという狙いの部分を改めて教えていただけますでしょうか。
(答)1つは、今こういう新型コロナウイルスの感染が心配されるという中で、それに配慮しながら進めなければいけないということで、避難生活をちゃんとしなければいけないということになってくるかと思います。
 しかし、この避難されている方々に、早急に回復しなければいけないのは、ライフラインの回復であります。その中でライフラインの回復が一気にできるわけではないと思いますので、それを同時に進めながら、特に、水や食料については、安心・安全なものが供給されなければいけないと思っています。
 そういう意味で、被災地に支援物資が安心・安全な形で供給されることを可能とするということを考慮しなければいけないということで、これは前の災害のとき、平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震、平成30年の7月の西日本豪雨、それから、平成30年の北海道胆振東部地震の際にも、食品表示基準の弾力的な運用を行わせていただきました。
 海外から輸入される邦文表示のない食品、あるいは外装表示のない食品、レトルトや弁当などを被災地に供給することを希望する地方自治体から、表示を行わずとも円滑に被災地支援物資を供給することが可能となるようにとの要請があったことを受け、実施するものであります。加工食品であっても、食品表示法で一括的に表示が義務付けられている原材料名や原産地などの記載がなくても、同法違反として規制しないということでありまして。当然、先ほど、共同通信の方からお話がございました、アレルギー表示や消費期限表示について、被災地の方の健康保護の観点から、これまでどおり表示が必要ですということでございます。
 弾力的な運用をそういう具合にして行って、被災地におけるこの支援物資の安心・安全を期してまいりたいと思っているところでございます。

(以上)