衛藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年6月12日

(令和2年6月12日(金) 11:12~11:25  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・103記者会見室)

1.発言要旨


 6月1日に、就職の採用選考活動が解禁されました現在の大学4年生の就職・採用活動について一言申し上げたいと思います。
 ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気が極めて厳しい状況にある中で、現状では企業の皆様が必死に雇用を守り、踏みとどまっているところでありますが、こうした企業の皆様のご尽力に深く感謝申し上げたいと思っています。
 他方で、新規採用を抑制するという残念な報道にも接しております。企業の皆様においては、足元では大変厳しい状況の中で苦渋の選択を迫られていると思いますが、企業自身の将来のためにも、前途ある若者の将来のためにも、中長期的な視点に立って、当初の採用人数の維持をお願いいたしたいと思っています。

2.質疑応答

(問)東京電力のエナジーパートナーという小売の会社から電話勧誘業務を請け負った委託先のコールセンターが、お客さんとの会話の録音データを改ざんしたり捏造したりといった問題が明らかになりました。もともと、この電話のやり取りの中では、消費者が契約の意思がないと意思表示しているにもかかわらず繰り返し再勧誘したり、あるいは勝手に契約を申し込んだということになったりとか、特商法に違反する疑いがある行為も散見されます。
 電力の小売の自由化以降、勧誘をめぐるこうした消費者トラブルというのは後を絶たないわけですけれども、今回分かったこの電力最大手の勧誘でこうした問題が起きたことについて、受止めをまず教えてください。
 併せて、消費者庁として、今回の事案にどう対応していくかというのも教えていただければと思います。
(答)報道については承知をいたしております。消費者の同意なくして契約を変更すること、それから虚偽の説明を行うことがあれば、報道が事実であるとするならば極めて問題のある行為だと思います。
 個別のコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、特定商取引法に違反する行為があった場合には厳正に対処してまいります。
 この数年、電力の小売分野において特定商取引法に違反した事業者に対して行政処分を行ってきています。大変激しい競争環境にありまして、そういう中でいろいろな違反行為も起こりましたので、それに対しても強く行政処分を行ってきているところであります。事業者自ら特定商取引法違反があったと公表する事案もあったことから、監視を強化しているところであります。消費者に対しても注意喚起を行ってもいます。
 今後も、取引の公正と消費者被害の未然防止という観点から、同様の事案の動向について注視していくとともに、特定商取引法等法令違反があった場合には、厳正かつ迅速に対応してまいりたいと思います。
 個別の案件については、今申し上げるわけにはいきませんので、お願いいたします。
(問)尖閣諸島周辺海域で日本漁船を追尾した中国海警局の船に関する画像公開に関してお伺いします。
 昨日国会で、大臣、与党議員の質問に対して、真摯に受け止め対応しなければならないというふうにおっしゃいましたけれども、現在の検討状況はいかがでしょうか。
(答)2度ほどにわたって日本の領海内で、日本の漁船、八重山漁協所属の漁船が、中国の公船、海警局から追尾されてきたということについて、海上保安庁もこの漁船を守ろうとして非常に頑張っているわけであります。ただ、日本の領海内でおのおの2時間、あるいは2時間以上にわたって、中国の公船が、海警局が追尾するということは、これは明らかにおかしいわけでありますので、その実情についてどうなっているのかという質問がありましたから、当然、この映像等についてどうするかということについて、そのご意見を真摯に受け止めたい。そして、その実態について改めて把握をしなければいけないと思っておりますが、私自身がまだ映像を見ているわけではありません。ですから、どこまでどうだということについて、各省庁とも連絡をとりながら、これをどうするかということについて決めなければいけないところであります。
 ただ、片山さつき先生の質問に対しては、真摯に受け止めて対応してまいりたいということを申し上げたところでございます。関係省庁ともよく連絡をとって頑張っていきたいと思います。
 一部の報道で「海保は漁船守れず」という形の報道がありましたけれども、それはちょっと海保に失礼な具合になりますので、やはり、確かに私も、ちょっと割って入るとか、もっといろいろできなかったのかということもちらっと言いましたけれども、実態は、一番大きな問題は、日本の領海内で中国の公船から、おのおの2時間以上にわたって追尾されるという異常な状態に対して深い憂慮をしているという意味でございます。
(問)衆議院の話ですけれども、衆議院の比例代表候補者に73歳の定年制度を設けた自民党の内規について、撤廃を求める動きがあることへの大臣のご所見をお願いいたします。
(答)私は、今コメントする立場にありません。さんざん昔、この選挙制度をめぐっていろいろやりましたので、個人的にはそれなりの意見はありますけれども、今、大臣としてコメントする立場にありませんので、どうも申し訳ございません。
(問)冒頭発言の関連なんですが、確認なんですが、一億総活躍相としての発言かというのと、今日、文部科学省と厚生労働省の調査で、今年春に卒業した大学生の就職希望率が77.0%になって過去最高を更新したんですが、現状ではコロナの影響で就職活動に支障が出ている学生もいる中で、企業側に求めることなどがありましたら、大臣のご所見をお願いします。
(答)一億総活躍担当としては、特にこういう大事なときの就職問題でつまずくと、また就職氷河期の問題でいろいろ起こったことと同じようなことが起こってまいります。それだけに、やはり企業にもぜひご協力をいただきたいと思っています。
 企業にもご理解いただきたいのは、やはり日本の新型コロナウイルス対策が先進国の中では極めて頑張ったほう、一番よかったとか悪かったとかそういう言い方はしませんが、非常に頑張ったほうだと思います。そして、東京アラートも本日から解除されましたけれども、大体収束も見えてきた。そういう中で、第2波をどうしたら次止められるかということについて、大体専門家会議の方々もずっと意見を出していただいているようでありますし、方向は大分見えてきたという感じですから、企業の方には、自信を持って、これは必ず回復していくわけですから、経済活動を自粛していたからこれだけ落ちたわけでありますけれども、今から自粛が解けていきますから、ちゃんとやれると思います。
 それから、第3波の予想というのが、もう皆様方ご承知のとおり、日本人が海外に出ていくとか、海外の方々が日本に来られるというときの、この対応もどうすれば良いかということが大分見えてきた。大変な作業でありますけれども、これも総力を挙げていけば押さえ込むことは、私は可能だと思っていますので、企業の雇う方にも、自信を持って、ぜひちゃんと雇用を成立させていただきたいと思っています。
 そのメッセージを私から言うのが良いのか悪いのか、ちょっと分かりませんけれども、もともと私も厚労関係にもずっと携わらせていただきましたので、それが大体見えてきておりますので、とりわけ一億総活躍の担当大臣としては、この就職の件については、もう2度ほどここでもお願い申し上げましたが、新規採用を抑制という動きがありますけれども、でも7割の企業が当初どおりと、それから下方修正が17%ぐらいですから、これをぜひ当初の計画どおりいけるというところでもっと増やしていただきたい。
 また、今こうして緊急事態宣言や、それから東京アラートなんかも解除されるようになってきたときに、心理的にも大分違うのではないかと思っていますので、そのことについて企業の皆様、社会全体も、国全体も理解を深めていっていただきたいと思っている次第でございます。
(問)ちょっと1点、先ほどの尖閣諸島の関連なんですけれども、映像については、大臣はまだ見られていないということだったんですけれども、今後見る予定というのはございますか。
(答)当然あると思います。
(問)見るつもりだということですね。分かりました。
(答)まだ一回も見ておりませんので、ただ、事実として、領海内で2回にわたってですか。2日ずつ、2時間ぐらいですね。これはやはり、日本の漁民の命、それから経済活動を結果的には守れなかったということについて、大変大きな責任を感じているところでございます。

(以上)