衛藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年12月17日

(令和元年12月17日(火) 9:52~10:06  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 子供の貧困対策を担当する大臣として報告します。
 明日、時事通信ホールにて開催する「子供の未来応援フォーラム」に出席いたします。
 このフォーラムは、子供たちを草の根で支援している団体や、企業、自治体など様々な主体に対し、子供の貧困に対する官民連携による支援の充実を促すとともに、支援者同士のネットワーク構築を後押しすることを目指して開催するものであります。
 全ての子供たちが、家庭の経済事情に関わらず、それぞれの夢に向かって頑張ることのできる社会を実現するため、支援者の「つながり」を広げるきっかけにしていただきたいと考えています。
 少子化対策担当の大臣として報告いたします。
 12月23日(月)、千葉県流山市において、「車座ふるさとトーク」を開催します。
 「車座ふるさとトーク」は、大臣、副大臣、政務官が様々な地域に赴き、現場の方々と少人数で車座の対話を行い、生の声をつぶさに聞いて政策にいかす取組です。
 今回は私が流山市を訪問し、「子育てパパ・ママと語り合う」をテーマに、多様な子育て世代の方からの声を伺う予定です。
 詳細につきましては、子ども・子育て本部にお尋ねください。
 それから、領土問題担当大臣として御報告いたします。
 現在、移転に向けた作業を進めています領土・主権展示館について、令和2年1月21日(火)に開館することを決定いたしました。
 領土・主権展示館では、移転後においても正確な事実に立脚して、論理的に展開し、誰にでも理解される普遍的な主張に基づいた、ストーリー性のある情報発信を行うこととし、これを一層強化してまいります。
 その上で、新たに、北方領土に関する展示を充実させるとともに、客観性のある証拠資料や図表等を多用し、ウェブを通じて更に深い内容の解説を提供するなどの「深化した」発信、プロジェクション・マッピングや拡張現実(AR)等の最新技術を取り入れるなどの「体感的な」発信、地方自治体、シンクタンク、有識者の方々等をつなげるハブ機能を十分に発揮するとともに、学校教育にも活用してもらうなどの「広がりを持った」運営をコンセプトに掲げ、展示館がより魅力的で効果的な内外発信の拠点となるよう、関係各府省庁等と連携して、今後の運営に努めてまいりたいと思います。
 なお、開館日の前日である1月20日(月)に開館式を行う予定であります。
 詳しくは内閣官房領土・主権対策企画調整室までお問合せください。

2.質疑応答

(問)領土・主権展示館についてお伺いします。内閣府が先日実施した世論調査で、竹島が我が国の領土と知っていたのは8割に満たず、尖閣諸島に中国船が頻繁に出没していることを知っているのも7割程度にとどまりました。領土に関する啓発が必要不可欠な情勢だと思いますが、新たな展示館で改めてどのように領土に関する発信をしていきたいと考えられるか、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)領土に対する理解は、私どもとしてはもっと相当深まっていると思っていましたけれども、若干まだまだ深まりが足りない、広がりが足りないということを感じています。そういう中で、この領土・主権展示館については、拡張する、土日祝日にも開館ができる、それから、北方領土に関しては、特に今まで明確な形で展示していませんでしたので、分かりやすい展示を充実するということで、この1月21日から新しい領土・主権展示館をスタートさせようと思うところであります。
(問)関連で、領土・主権展示館の件で、北方領土の展示を増やすということなんですけれども、日本政府の基本的な考え方を解説し、とあるんですが、日本固有の領土であったり、不法占拠されているであったり、そういう文言の使用を現在外交交渉の場では控えているかと思うんですけど、これらの文言を明示した展示になるんでしょうか。
(答)北方領土が置かれている状況については、政府の法的評価は変わっていませんので、そのとおり表示をしたい。ですから、拡張移転後の領土・主権展示館における北方領土に関する展示もこのような政府の法的立場を踏まえたものとなると考えております。
(問)少子化対策の大綱の検討会議がこの間、13日に開かれたと思うんですけども、その関連で質問なんですけども、その会議で有識者の委員から、いわゆる子育て施策が各省庁に分かれていて分かりにくいという話で、防衛庁が防衛省になったように、何かそういう省庁再編のようなイメージだと思うんですけども、子育て施策に特化した省庁の設置みたいなものを求めるような提案があったと思うんですけども、年度内に閣議決定する新たな大綱にそういったような方向性を入れる考えがあるのか、また、大臣自身はそういった考えに対してどういうふうに思われているかというのをお聞かせください。
(答)今のところ、提言を頂く中に、そういう明確な話はありません。そういう意見がある、様々な意見があるということは前々から承知いたしております。
 その中で、年内の提言を頂いて、そして年度末までに少子化大綱を取りまとめたいと思っておりますけれど、その時にいろいろな議論が出ればそこまで行くのかもしれませんけども、そう簡単に、省庁再編成ができるとも思っておりませんので、まずは何をやらなければいけないかということについての取りまとめを優先させるべきで、組織改編ありきではないのではないかと考えております。しかし、必要になれば、そこでみんなで議論をしていけば良いと思っています。
(問)もう一つ関連なんですけども、その少子化対策大綱の閣議決定が、来年3月までにあると思うんですけども、今回の有識者の検討会の提言案を見てみると、しょうがない部分もあると思うんですけども結構網羅的なイメージで、目新しいような施策というのは見当たらなかった印象を受けたんですけれども、今年の出生数も90万人割れということで、少子化の歯止めが掛かっていないという状況だと思うんですけども、今度3月に閣議決定する大綱に今回の有識者の提言案には載っていないけれども、新たな少子化対策の目新しいというか、抜本的なもの、改善が望めるようなそういう対策を大綱に盛り込むような考えがあるのかということをお聞かせください。
(答)提言の中には、確かに網羅的に書かれているという部分を感じられるかもしれません。しかし、そういう意味では、漏らしなく書いていただいているという感じがいたしております。
 ですから、その中から何をどの程度強調してどう進めるかというのは、私どもは、その提言を頂いて思い切って進められるところは、全部書き込んでいただいているのではないかと思っています。
(問)領土・主権展示館に戻るんですけれども、日本固有の領土であったり、不法占拠という文言を展示に明示した場合、ロシアが反発する可能性もあるかと思うんですけども、その辺りどのように考えていらっしゃいますか。
(答)ロシアとの云々は、お互いの外交交渉の問題ですから、まずは日本の法的な評価は変わっていませんので、それを踏襲しながらやるということであると思っています。
 交渉は交渉として、十分頑張らなければいけないと思います。その交渉の過程の中でいろいろな形があるでしょうから、それを今の段階でいろいろしん酌しながらやるということよりも、日本の法的な評価は変わっていないわけですから、そのとおり国民の皆さんにちゃんとこの展示の中身を示していくことが必要だと思っています。
(問)沖縄県はこのほど、2018年度の入域観光客数が1,000万4,300人だったと修正して発表しました。当初の発表から5,300人の上乗せとなりまして、1,000万人という一つの節目を超えていた形となりますが、沖縄振興を所管する大臣としての受止めをお願いします。
(答)1,000万人を超えたということはやはり極めて大きな壁を突破したと認識いたしています。統計はできるだけ早くこの数字を発表してくれたらもっと良かったと思っておりますので、正確な発表を今後ともお願いできればと思っております。
(問)冒頭ありました車座トークの件で伺いたいんですけども、子育て中の保護者と話し合うということなんですけれども、流山市は先進的な取組をされているところだと思うんですが、改めてここでどういったことを聞きたいかというか、今回このタイミングで車座を開く狙いというのをもう少し詳しく伺えますでしょうか。
(答)流山市は、市の中心に、各家庭が子育てをするに当たってのサポートセンターを持たれて、市民がそこにみんな集まって来れる、しかもその場で、いろいろな支援策もとれる、サービスもそこにあるという、前から国は、そういうものができれば良いということでお願いしてきましたけれど、それを市として極めて見事に一本にしてくれた。子育てのサポートセンター、それからサポートの支援拠点としても、これをやってくれているところでございまして、そういう意味では、流山市に行って、パパ・ママから、具体的な話をお聞かせいただきたい。
 今、私ども少子化をずっと議論いたしておりましても、ただ保育所があるとか、幼稚園があるとかというだけでは、どうもいま一つで、もうちょっと何か必要なのではないのかということについて感じていますので、それをいち早く制度化して、体制化した流山市に行って、具体的なお話をお伺いさせていただくことができれば、そしてまた、こういう支援の形は、流山市のような形で行ったら良いのか、あるいはこういう機能を、全体的に新しいこども園やいろいろなところに持たせるというような充実化をしたら良いのか、あるいは両方やらなければいけないのかとか、そういうことについて、おそらく大きなサジェスチョンを頂けるのではないかと思って、是非じっくり聞かせていただきたいと思っています。

(以上)