衛藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年10月1日

(令和元年10月1日(火) 11:17~11:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 少子化担当大臣として御報告させていただきます。
 企業主導型保育事業における実施機関の公募を、本日10月1日から開始いたします。
 企業主導型保育事業は、待機児童対策への貢献や多様な働き方への対応といった意義を持つ大変重要な事業であります。
 私も視察させていただきましたが、大変大きな、企業にとっても、そして働く方にとっても、共にメリットを共有できる面白い分野を担ってくれるシステムでございますので、大変評価をしているところでございます。
 その上で、子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上に着実に取り組んでいかなければならないと思います。言われているようなその趣旨を理解していない方が出てきたことについて、大変遺憾に思っております。
 今後、私の下に有識者からなる「点検・評価委員会」を立ち上げ、年内若しくは年明けを目途に、実施機関を決定してまいりたいと思います。
 次に、本日の閣議において、幼児教育・保育の無償化の円滑な実施について発言を申し上げました。そして、閣僚の皆様に対しまして、御協力をお願いしたところでございます。
 本日から実施される幼児教育・保育の無償化は、少子化という国難に正面から立ち向かうために、子供たち、子育て世代に大胆に政策資源を投入しまして、社会保障制度を全世代型へと変えていく、大変重要な政策であります。制度が円滑に実施されるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 詳細につきましては、子ども・子育て本部までお問合せいただければと思います。
 次に、消費税率の引上げに際しまして、公正取引委員会、消費者担当として申し上げます。
 消費税率の引上げに当たり、中小企業等がしわ寄せを受けて、適正な価格転嫁ができず、消費税率の引上げ分を負担させられるようなことはあってはなりません。
 このため、政府は一丸となって、転嫁拒否等に対する監視、取締り、広報等に努め、万全の対策を講じてきたところでございます。
 公正取引委員会においては、税率の引上げ後、事業者間の取引において、中小企業等が転嫁拒否行為を受けていないか調査することといたしております。違反行為に対しては、迅速かつ厳正に対処していくことといたしております。
 また、消費者庁では便乗値上げに関する消費者や事業者からの相談窓口を継続して設けるとともに、表示の適正化に向けて消費者、事業者等への周知・広報や事業者等からの相談対応策を進めてまいります。
 引き続き、関係省庁と連携を図りながら、消費税の円滑かつ適正な転嫁等に努めてまいります。
 本日1日(火)から明日2日(水)にかけまして、北方対策担当大臣として初めて北方領土隣接地域の根室市等を訪問いたします。
 現地では、納沙布岬から北方領土を視察するとともに、地元の自治体関係者の皆様と意見交換を行います。
 また、日程の関係上、元島民の皆様とは札幌にて意見交換を行う予定であります。
 地元の関係者の皆様から直接忌憚のない生の声をお伺いして、北方領土をめぐる最新の状況をしっかりと把握してまいりたいと思っています。

2.質疑応答

(問)今日の閣議で、幼児教育・保育の無償化について、円滑に実施するように発言されたということだったと思うんですけれども、具体的にはどのように発言されたのでしょうか。
(答)無償化については、今日のところの報告を申し上げたところは、いよいよ本格的というか、少子化対策として大きなステップだと私どもは思っていますので、子育て世代に大胆に政策資源を投入しようということでございまして、そういう意味ではいろいろなところで、一部では便乗値上げも今起ころうとしているという話がありますけど、そういうことのないように、ちゃんと監督をしていきたいと思っています。
 この政策としては、少子化対策を講じてきた育児休業の保障制度とか、あるいは保育の充実とかということから始めてきたわけでありますけど、今回はこの第2弾目の大きなステップに当たるものという具合に確信いたしているところでございますので、これが順調に行くように、関連の省庁に対しまして御協力をお願いしたところであります。
(問)北方領土の視察に関してなんですけれども、どのような視察にしたいか、意気込みや狙いをお聞かせください。
 また、衛藤大臣個人として、この北方領土隣接地域を訪れたことは過去にあったのかどうかもお聞かせください。
(答)北方領土の返還に関しては、私どもも強い興味を持って、今まで政治家としても接してきたつもりでございます。
 そういう中で、なかなか今は外交交渉としては難しい時期に来ていると。しかし、こういうことを続けていかなければ、窓口は開いていかないと思うんですね。
 私どもとしては、そういう交渉を後ろから下支えできるよう環境作りを行うことが、北方担当の仕事でございますので、交流を深めていくとか、あるいは島民の方々の理解を求めていくとか、そういう形で進めてまいりたいと思っています。
 ですから、本当に忌憚のない生の声をまずお聞かせいただくということからスタートさせていただければと思っています。
(問)北方領土隣接地域にこれまで訪れたことがあるかどうかについては。
(答)かつてはありまして、最近はなかったんですが、3,4年前と、7,8年前に行ったことはあります。御承知のとおり、私もこの領土関係の議連とか、ずっと皆と一緒に行っておりまして、ある意味では当時は中心的なメンバーでもありましたので、興味を持ってやってきました。
(問)企業主導型保育になるんですけれども、今後のスケジュールとして実施機関が決まった後、業者の募集再開をしなければいけないと思いますが、大臣の希望というか、想定として今の段階でいつ頃に始めていきたいというおつもりですか。
(答)いずれにしても、実施機関の詰めをするということになります。それから、実施機関の詰めができたら、年内か年明けにはそれを決める。そうすると、そこから新しい募集を開始するということになりますので、できるだけ早く募集開始ができるように、頑張らなければいけないと思っています。
 円滑な形でできるようにしなければということで、企業主導型保育には、非常に良い特性もあり、全部がこれでできるわけじゃないということは御承知のとおりですが、そういうことをわきまえながら前に進めていくことは必要だと思っております。
(問)北方領土の関連の視察の件でお伺いしたいんですけれども、左藤前副大臣が7月に根室を訪問した際に、領土・主権展示館の北方領土問題の展示について、来年3月の移転拡充で「十分なスペースを確保する」という御発言がありました。スペースも全体的には7倍ほどになるかと思うんですけれども、これを引き継いで大臣としても拡張するお考えがあるのかということと、計画では面積の何割ぐらい、どのぐらいの広さかという、あるいは新しくこういうものを入れたいというようなことが決まっていれば教えてください。
(答)今までスペースの関係もあって、竹島とか尖閣とかが中心であったことは事実であります。しかし、7倍のスペースになりますので、左藤前副大臣が言われたように、北方領土の展示スペースを確保していくことについて、私どももそのとおりだと思いますから、それを踏襲してやってまいりたいと思っております。どれぐらいになるかということについては今からの検討で、レイアウトを十分に担当の方で検討してもらいたいと、その指示を出しているところでございます。
(問)企業主導型保育事業の関連でお伺いします。改めて、この企業主導型保育事業をめぐっては、助成金を詐欺する事件が相次いだり、定員割れで閉鎖が相次いで、問題も相次ぎましたけれども、これを踏まえて内閣府の方で改善案も出されましたけれども、この公募を開始するに当たって、どういう制度の変更を期待するかとか、改めての期待感というのをお願いできればと思います。
(答)せっかく作ったこういう制度を頑張っている最中でしたので、趣旨をここまで御理解いただいていなかったと、非常に残念であります。ただ、そういう中にあって、我々の側もやはり甘さがあったということについては、反省しなければいけないと思っております。
 ですから、これからは、例えば、運営委託とか保育事業者型は5年以上ぐらいの事業実績を要件とするとか、申請者に対してはよく直接ヒアリングもして、整備状況についても現地確認を行うとか、そういうことをやっていく。また、指導・監督についても、年1回の立入調査などを行うための基準をちゃんと設けて、監査・指導ということをやっていかなければいけないと思っております。
 それから、指導・監督を委託する場合でも、受託者やその関連会社は資本関係、コンサル関係にある施設への指導・監督は禁止するとか、そういう形の配慮を我々はしていかなければいけないと思っておりますので、それを基本的な枠組みとして是非提示をさせていただこうと思っている次第であります。
(問)沖縄県が、先月26日に発表しました8月の入域観光客数は前年度月比1.6%減の102万1,200人となりました。8月としては8年ぶりの減ということなんですが、特に内訳を見ますと、韓国からの観光客が44%減ということで、日韓関係の悪化が沖縄振興にも影響を与えている形となっていますが、大臣の受け止めをお願いします。
 また、政府として検討されている対応などがあれば併せてお願いします。
(答)韓国への対応は、まだ全体として決めているわけではありません。先日、私も対馬にも行きましたが、対馬の方も全体としては、沖縄県よりも事実としてはもっときついわけでありますから、韓国に向けて、もっと理解を深めてもらおうということでスタートし、それから、日本国内や海外に対しても、全体のアピールをしようとか、そういう観光について全体を見直そうとしています。
 そういう中で沖縄県は、地元が一体となって韓国へのPRに努めているところでございまして、先日も、県や沖縄観光コンベンションビューローが県内のホテルや旅行会社を集めて商談会の開催に取り組んでいると伺いました。また、その沖縄観光コンベンションビューローの下地会長から、その努力の様子を丁寧にお伺いさせていただきました。国としても、その動きをバックアップできるようにやらせていただきたいと思っています。いずれにしても、日韓の交流は更に強めていきたいと思っています。
 それから、沖縄に何度行っても、やはりすばらしい優位性、潜在力をたくさん持っているところでありますので、もっともっとそういうところを一緒にPRしていけるように頑張っていきたいと思っています。
(問)昨日、訪問先の沖縄で市町村長らと意見交換して、市町村側から一括交付金の増額要望を受けられたと思います。一括交付金は年々減少傾向にありますが、増額要望をどのように受け止め、今後どのように対応していくお考えか、お願いします。
(答)令和元年の予算は1,093億円で、予算要求としては、来年度に向けては1,188億円出しているところでございまして、是非頑張ってまいりたいと思っております。
 それから、町村長から、一括交付金について頑張れというところと、やはり、もっと沖縄の市町村の実情もよく理解していただきたいというお話もいただきました。ですから、そういう状況をよくお聞きして進めていくべきだと思っておりますので、その要望については、期待にこたえるべく頑張ってまいりたいと思っています。
(問)企業主導型保育のことでお伺いいたします。先程実施機関の公募についてお話があったんですけども、9月27日に内閣府の調査チームの方で、現在の実施機関である児童育成協会の課題点というところをおまとめになっていらっしゃると思うんですが、改めてこの10月1日から始まる公募に児童育成協会が参加することは可能又は排除しないという、そういうお考えでよろしいでしょうか。
(答)はい。基準をちゃんと明確に持って、そしてオープンでやっていきますので、児童育成協会も、体制をちゃんと作って変えたいということであれば、その基準に当てはまるかどうかではありますが、応募することは可能です。審査は厳正にやらせていただくということになります。
(問)消費税率引上げに関して、便乗値上げの相談窓口を設けるとおっしゃっていたと思うんですけれど、この相談窓口というのは、これは電話などの相談窓口になるんでしょうか。
(答)そうですね。消費者庁にいろいろ寄せられてくる電話に対して、いろいろな形での窓口を継続して設置いたしまして、そこで取りまとめて、関係省庁に情報をちゃんとお伝えして、それに対する対処を求めるということでございます。

(以上)