武田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年8月4日

(令和2年8月4日(火) 10:34~10:44  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 令和2年7月豪雨における被災から1カ月が経ちました。
 まず、7月31日の閣議において、令和2年7月豪雨による災害について、「大規模災害からの復興に関する法律」に規定する「非常災害」に指定する政令を決定したところ、すぐに熊本県知事の方から連絡をいただきまして、球磨村の村道の災害復旧事業を熊本県が代行可能になったことについて、電話にて感謝の言葉をいただきました。
 引き続き、被災地の一日も早い復旧・復興のため、このように被災地のニーズをしっかりと踏まえながら、被災自治体による復旧・復興への取組を支援してまいりたいと思います。
 さて、令和2年7月豪雨については、被災から1カ月を迎えたわけですけれども、現時点で判明している被害状況としまして、8月4日7時現在、人的被害、死者82名、行方不明者4名。次に住家被害、8月4日8時現在、全壊272棟、床上浸水7,756棟などが報告をされております。
 また、令和2年7月豪雨の影響で、避難所で生活されている方々の数は、4日時点において5県で1,521名となっているところであります。
 改めまして、一連の災害により、亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表するとともに、すべての被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと存じます
 依然として1,500名を超える方々が避難所に滞在しておりますが、政府として、災害発生直後から、コロナ禍であることを踏まえつつ、飲食料、仮設トイレ、段ボールベッド、パーティション、非接触型体温計、冷房機器などを被災地のニーズに即して「プッシュ型」で支援してまいりました。
 今後住まいの確保に関して、被災自治体で提供する応急仮設住宅については、8月3日時点で、熊本県内の7市町村において、425戸の建設型応急住宅の建設に着手しており、そのうち球磨村の33戸については入居を開始したところであります。また、民間賃貸住宅の借上げによる賃貸型応急住宅についても、熊本県をはじめとする被災自治体において、受付が開始されているところであり、被災者の多様なニーズを踏まえた、住まいの確保が着実に行われていると承知をいたしております。
 公共土木施設や農地などの災害復旧事業については、梅雨明け後、今回の一連の豪雨災害を激甚災害として指定する予定であり、補助率のかさ上げなどが行われます。
 ボランティアについては、これまでに2万5千人の方にご参加いただいており、皆様の力強いご支援に心から感謝を申し上げたいと思います。
 被災家屋での片づけ作業などで、ボランティアと公共主体との連携が欠かせない中、道路啓開に時間を要し復旧が遅れている八代市坂本町でも、本日より、自衛隊が、県、市、地元建設業者、ボランティアと連携し、土砂混じりの大型災害ゴミやガレキ、流木等を搬出する寄り添い支援を実施すると伺っております。
 これらの諸課題に対処するため、先週、被災者の生活と生業の再建に向けた「対策パッケージ」を公表し、1,017億円の予備費使用を決定いたしました。コロナや熊本地震の影響が残る中での水害であることを踏まえ、観光業を含めた中小企業については、従来のグループ補助金を拡充し、特例的に100%定額補助を可能にする新たな「なりわい再建補助金」を創設し、支援を行います。また、農業についても、土砂撤去、ハウスや果樹の再整備などを重点的に支援をしています。
 今後も、地元に寄り添い、丁寧にお声を聞きながら、スピーディーに対策を実施してまいりたいと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣、先週の災害対策本部会議の後のぶら下がり取材で、被災者生活再建支援法の対象を、半壊の一部に拡大するということの調整に入るということで表明されましたけれども、改めて、その半壊に拡大することの意義というところを伺いたいということと、あともう一点、これまで国と地方の財政負担の大きさというのが一つネックになっていたかと思うんですけれども、そこはクリアされたという受け止めでいいのか、これから調整に入るのか、そのあたりを伺えればと思います。
(答)今日まで知事会の方からずっと強い要請を受けてきたわけであります、半壊世帯の問題については。地方と国との財政負担という問題もあって、それには慎重な声もかなり出されてきたわけでありますけれども、今日まで実務者会議等を通じてずっと協議をしてまいりました。協議するのが仕事ではなく、結論をいずれ出さなければいけないわけであって、その7月30日に検討結果をまとめたわけですね。そこで同じ半壊であっても、住宅の損害割合に応じて状況が大きく異なっておるというのが現状であって、上位の損害割合30%台については、補修費が相当高額となっているということから、支援の対象とすることが考えられ、補修で50万円程度が妥当じゃないかというふうにされたところであるわけです。
 これは、全て知事会と熱心な実務者会議を通じて出された結論なわけですけれども、私が先日30日でしたか、非常災害対策本部後の会見において、半壊世帯の一部にも支援支給対象を拡大する方向で、政府内の検討、調整、必要な手続等を進めていくというふうに発表させていただいたわけですけれども、この発言については、全国知事会長の徳島県知事や、防災特別委員会委員長の神奈川県知事の方から、見直しの方向を打ち出したことを高く評価すると、今後早期に制度の内容を決定し、令和2年7月豪雨にも適用することを期待するというコメントをいただきました。
 こうした一定の評価というか、知事会の方からも評価をいただいておりますし、今後また様々な議論を通じながら、充実したものにしていきたいと、このように考えています。
(問)それともう一点、今の話に絡んで、2年前に知事会の要望というか、その提言を出されたときに、その半壊まで支給対象を拡大するということと、要は同一災害、同一支援という考え方も提言として打ち出されていましたけれども、それについても、例えば今回それにあわせて見直すというようなことは考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)適用基準を満たさない市町村の場合のケースのことをおっしゃっておられるんだと思いますけれども、これは支援法により支援金というのが支給されないわけですけれども、各都道府県が条例で、全壊等の世帯に対し、支援法と同様の支援を行えば支給額の2分の1を特別交付税で措置するとしており、既に24の都府県でこの制度というものが導入されているわけです。全ての県がこうした制度を運用できるように、我々としてもお願いをしている最中であって、さらなる制度の拡充に努めていきたいと、このように思っております。
(問)熊本を中心とする豪雨から1カ月ということですけれども、今後の短期的な課題、それから中長期的な課題、それぞれどういったところが考えられるのか、それに対してどういった対応を政府としてやっていくのか、改めてお聞かせください。
(答)短期的な課題でまず申し上げなければならないのは、やはり災害ゴミと土砂の撤去というものが一番の問題になってくるんじゃないかと思います。その他いろいろとまだこの災害復旧が終わったわけではないので、現場の声としてはまだ重要な点も多々あると思うんですけれども、まずはその課題というものが短期的には一番重要ではないかと思います。
 次に、中長期的に関しましては、やはり地域をもう一回再生するという問題、それとそこで生活を営んでいる方々の生業を再建するという問題が一番重要ではないかなと思います。それでなくてもコロナ禍において、経済的ダメージを負っている中でのこの災害のダメージなわけでありますから、特に地域の復興となりわいの再建については、我々も積極的に支援をしていきたいと。被災地の方々がもう一回希望を持って前を向いて頑張っていただけるような環境を作り上げていきたいと、このように考えております。

(以上)