武田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月3日

(令和2年7月3日(金) 10:40~10:49  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 オムロンヘルスケア株式会社による非接触型体温計の寄贈についてであります。
 オムロンヘルスケア株式会社より、非接触型の体温計500本を寄贈いただき、本日この後、同社の荻野社長から目録を頂戴する予定になっております。
 非接触型体温計は、新型コロナウイルス感染症の現下の状況において、避難所等の感染拡大の防止に大いに役立つものであり、また、現在入手が難しいものであるため、今回の寄贈については大変ありがたく、心から感謝を申し上げたいと思います。
 内閣府におきましても、今般の第二次補正予算におきまして、衛生用品やパーティションなどの避難所の感染症対策に必要な物資の備蓄を盛り込むなど、その対策に取り組んでいるところでありますが、大規模災害発生時には、今回寄贈いただいた非接触型体温計も活用し、被災自治体への迅速なプッシュ型支援など、必要な支援に努めてまいりたいと思います。
 具体的な内容は、事務方の方にお尋ねいただけたらと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)一昨日、黒岩知事の方が要望で来られたと思うんですけれども、その中で災害時の死者・行方不明者の氏名などの公表について、統一の基準を設けてほしいということだったと思うんですけれども、これに関して大臣の、氏名を公表すべきかどうかであったり、あるいはそれを判断する上でどういったことを検討するべきかというお考えがあれば、お伺いできますでしょうか。
(答)この問題、統一的なものにしていただきたいという要望をいただいたわけですけれども、これはそれぞれの自治体の個人情報保護条例に基づいて取り扱われるものであり、それぞれの府県によって対応が異なるというのは、現下の状況の中ではいたし方ないのかなというふうに思っております。
 各条例では、基本的には保有個人情報の利用・提供制限の例外として、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、緊急かつやむを得ない場合」には、情報提供ができるというふうになっていると承知しております。
 我々内閣府防災におきましても、最も優先すべき、人命の救助・救出活動に資する場合には、積極的に氏名公表を行うべきである旨、これまでも各地方自治体の方に助言をしてまいりました。
 黒岩さんからは、各都道府県によって考え方は様々であり、全国知事会において引き続きその在り方について議論していきたいということをおっしゃっておられましたので、その整理を伺いながら、実務者レベルで今後とも議論を行っていきたいと、こういうふうに考えています。
(問)先日、「気候変動×防災」ということで、小泉大臣と共同メッセージを発表されましたけれども、その中で「適応復興」ということが新しく言葉として使われておりましたが、もう少し何かこの「適応復興」、これがどういうものなのか。例えば具体的にどういう事業がその「適応復興」という考え方に当たるのかなど、もう少しお詳しく伺えればと思います。
(答)環境省の方から提言された言葉でありまして、環境、自然というものの力を生かしながら、その土地その土地に合ったしっかりとした災害に対する復旧事業というものを行うことを指しているんではないかと思うんですね。原形復旧というものに対して、各地方自治体の方からも、その災害に耐えられなくて例えば決壊した堤防なんかが、また元のレベルで、備えで、次にまた災害が発生したときに耐えられるのかどうかと、さらに強化が必要じゃないかと。今、概ね原形復旧というのは基本になっていますけれども、さらなる強化を進めていくことが最近求められております。その中で、そのやり方として、一概に画一的なやり方ではなくて、その土地その土地に合った、自然を生かした、過去の先人がそういう土木技術を、今ほどこういった機械化が進んでいない時代に、人力で自然に合ったやり方で災害から防いできた、減災・防災対策に努めてきたという、そうした事例も踏まえながら、画一的なやり方ではなくて、柔軟にその土地に合ったやり方で自然の力を利用しながら災害に対応していくことも今から必要ではないか、という意味が込められていると私自身は承知しております。
 これは、でも全てそうした今までのやり方というものを否定するものではなくて、そうしたことも今後とも考えていく必要があるということを一つメッセージとして上げて言ったというふうに御理解いただければ結構だと思います。
(問)南海トラフ地震対策のことでお伺いします。
 6月30日に内閣府の調査として、南海トラフ地震の政府の基本計画を昨年の5月に変更したのを受けて、地域の防災計画がどれぐらい変更されているのかという状況の調査をされまして、その結果、地域で、自治体で計画変更済みなのが25%だったりですとか、あと気象庁が臨時情報を出した場合に事前避難を求める地域を指定済みだったり、検討の結果必要なしとか、対応を終えたのが5割ちょっとに止まるというような結果で、まだ対応を終えていないというところが結構あるという結果でした。この調査結果に対する大臣の受け止めと、あと今後、計画促進のために国としてどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
(答)御指摘の調査においては、事前避難対象地域については、特別強化地域のうち、本年4月1日時点では約4割の市町村が未指定となっているものの、今年度中には9割の市町村が指定予定としているというふうに承知しております。
 我々としましては、事前避難対象地域の指定を含む計画変更を進めていただくために、これまで、高知県や静岡県が市町村と取り組んできた計画策定プロセスや住民との合意形成のノウハウ等を事例集としてまとめ、関係自治体への提供を行うなど支援を行ってまいりました。
 作業が今の時点で遅れている自治体からは、事前避難対象地域の範囲の精査、また地域住民との合意形成等に時間・労力を要しているものの、今年度中の地域指定を目指して作業を進めていくとの意向を示されております。我々としましても、その各自治体の実情というものを把握しながら、きめ細かな支援というものを行うことで、今年度中の対象地域の指定を進めてまいりたいと、このように考えております。

(以上)