武田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年10月18日

(令和元年10月18日(金) 9:28~9:42  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 本日の閣議におきまして「令和元年台風第19号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」を閣議決定し、今般の台風による災害を「特定非常災害」に指定することといたしました。
 この政令で指定する措置についてですが、まず一つ目は行政上の権利利益の満了日の延長、運転免許証の有効期限の延長等であります。二つ目、期限内に履行されなかった行政上の義務の免責、これは薬局の休廃止の届出等の免責であります。三つ目、法人の破産手続開始の決定の停止、四つ目、相続の承認又は放棄をすべき期間の延長、五つ目、民事調停の申立て手数料の無料化、の5項目について一定期間の特例を設けるものであります。
 これらの措置を速やかに発動することで、被災者の方々の不安の解消を図ることができると考えております。なお、この政令は本日、公布・施行いたします。
 次に、台風第19号に対する対応について申し上げます。
 昨日夜より、被災地において雨模様となっておりますけれども、今週末には再び大雨が降ることが予想されております。
 土砂災害や河川の氾濫など、二次災害への十分な警戒が必要であることから、昨日、内閣府、そして消防庁の連名で被災地の都県に対して通知を発出しました。
 空振りを恐れずに躊躇なく避難勧告等を発令すること、避難所の早期開設に努めること、危険な箇所については災害対策基本法に基づく警戒区域等を早急に設定すること、等について遺漏なきよう対応するとともに、自家発電設備の燃料確保、行政機関間の情報伝達手段の確保、等防災対応体制を今一度見直し、万全を期していただくよう、周知徹底を図ったところであります。
 引き続き、被災地における被害の拡大防止に向け、万全を期してまいります。
 併せて、国民の皆様方におかれましては、地元市町村や各気象台が発表する気象、災害等に関する最新の情報に注意していただき、早めの行動を心がけていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)今朝、山口組のナンバー2といわれる高山若頭(「高」は正しくは「はしごだか」)が出所して、東海地方に移動したようです。最近では神戸の銃撃事件等、抗争の激化で近隣住民を始めとした不安を感じる一般市民も多くいると思いますが、今後の警戒や対策等について、大臣のお考えをお願いします。
(答)分裂した山口組に関連しまして、刃物や拳銃を使用した事件というものが続発しております。地域社会にも大変不安を与えているものと承知をいたしております。
 こうした状況を受けまして、関係府県警察において、対立抗争に関係する暴力団事務所の使用制限の仮命令を発出したところであります。
 警察におきましては、対立抗争を封じるために、必要な警戒や取締りを強化するとともに、事態の推移に応じまして、暴力団対策法の効果的な活用に努めてまいりたいと、このように思っております。
(問)19号についてです。今現在、被災地の方から、死者・行方不明者の名前が一部自治体ないし県警の方から発表されていて、対応が分かれているところです。
 以前大臣の方からも、今月上旬ですか、この全国統一基準、発表に関しては自治体の方が一義的に決めるという御発言がありましたけれども、改めて今回の19号を受けて御見解をお願いします。
(答)報道と政府の発表の中の数字の違いというのは、その時その時に存在しているというのは承知しておりますけれども、しっかりとした確かな情報というものを我々は的確につかむまでは、正式な数の発表というのは、これ差し控えるのは当然のことだと思っております。
 今、19号、我々がつかんでおります最新の情報でありますけれども、18日4時現在で、現時点で判明しているだけでも死者が65名、災害との関連を調査中の死者が10名、心肺停止者1名、行方不明者8名ということであります。
 また、住家被害についても、現在確認されているのは、18日の6時現在であります。全壊61棟、床上浸水2万2,370というふうに我々は報告を受けております。
 自治体に関してみれば、捜索活動の効率化につながるということであるならば、人命を救う観点から必要があるのであるならば、各自治体の判断で氏名の公表というものは行われるべきであろうというふうにも承知しております。
(問)もう一点。昨年の西日本豪雨を受けて、今年5月末から警戒レベルが運用を開始されて、今回その情報が発信される中で、例えば一部では氾濫発生情報が的確に出されていなかったりですとか、避難指示が未明に発表されていたりとか、まだ課題が残っているのではないかと思っています。その点、大臣、課題の有無についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、西日本豪雨のときにいろいろなところから様々な情報というものが届けられて、非常に戸惑ったという意見というものが多く寄せられました。
 今回はそうした反省点を踏まえて、我々はこうした5段階というものに明確に整理をさせていただいたわけでありますけれども、これもやはりしっかりと我々も我々ながら研鑽を積んでいかなくてはなりませんけれども、これ被災者お一人お一人の方々が、地域住民の方々がこのレベルに対して、1から5まであるわけですから、その内容をやはり把握してもらうことが重要だと思うんです。これは関係自治体、地元自治体に我々もよく呼びかけて、それぞれの国民の皆さん方がこの警戒レベルの中身についてもしっかりと御理解をいただくように今後努めていきたいと、このように考えております。
(問)その関連で、すると今回の情報発信においては、課題はあったのか、なかったのかという点でいうと、どのようにお考えでしょうか。
(答)19号では、暴風雨、浸水がある中、避難したことにより車の中で被災したケース、そして避難した後に自宅に戻ってしまい被災したケース等もいろいろあったと思うんです。今回いろんなケースというものを我々も教訓しました。その教訓を生かしてまいりたいと思います。
(問)19号の特定非常災害についてなんですが、これ指定は何例目になりますでしょうか。
(答)指定は六つ目です。
(問)地震以外では何例目に。
(答)西日本豪雨以来だと思います。他は全部地震に関してだと思います。
(問)では、地震以外では2例目ということですか。
(答)はい。
(問)先ほどの氏名公表の話で確認なんですけれども、自治体にしてみれば捜索活動の効率化につながるのであれば公表すべきだという御見解をおっしゃられましたけれども、その前提として、やっぱり一義的には自治体が判断することで、国の方から何か「こうしなさい」、「ああしなさい」、「こうした方がいい」ということは、今のところはしないという考え方でよろしいんでしょうか。
(答)なかなかやはりそうした強制的なことに関しては申しづらいところはあるんですが、しかし、8月に全国知事会の方から国の方も自治体も、そして国民にも分かりやすく、全国一律のシステムというものを作ったらどうかという提言というのを頂きました。
 この提言というものを我々は受けまして、やはりそうしたものが可能なのかどうか、どういう形がベストなのかということを今は検討している最中であります。
(問)今回の災害に限らずなんですけれども、今回非常に広域な災害で、激甚なものになっておりますけれども、災害時のこういった広域の災害が起きた場合に、国としての司令塔の機能ですとか、事前の防災といったときに、地域の防災対応についてリーダーシップを発揮する強い組織というものが必要ではないかという声が以前から上がっていまして、今回の災害を受けても、例えば防災省のような組織も必要ではないかという声も一部出ておりますが、改めてその点について大臣の方のお考えを。
(答)今回は本当に多くの自治体に同時多発的な大災害が起こったという、非常に希な経験だったわけでありますけれども、この災害に対する指示系統は御承知のように内閣総理大臣の下に内閣官房、そして内閣府というものが機動的に動いていかなくてはならないし、今までそうやってきたわけであります。
 今回、そして、15号から19号までのいろいろ我々は経過を経験してみて、非常にその対応レベルも進化してきていると思っております。これ気象庁から情報を得まして、そして警戒会議を開いて、対策会議を開いて、関係閣僚会議を開く、そして非常災害対策本部を開く、非常にスピーディーに物事は進んでまいりました。
 今から大事なことは、これをどうやって県、そして基礎自治体の方につなげていくか。それからもっと大事なことは、基礎自治体から地域住民にそれをつなげていくか、ここのところをスムーズに進められるように、今からなお、更に教訓を生かして研鑽を積んでいきたいと、このように考えております。
 今のところは、今回の19号の対応を見ても非常にスピーディーに政府の対応はできたのではないかと。昨日、総理と一緒に被災地を訪問しましたけれども、県知事さん、そして各首長さんからは非常に政府のリエゾンの派遣も含めて、プッシュ型の支援も含めて、大変早い対応というものに対して評価を頂くとともに感謝をされておられた、こういうことが事実でありますので、更に教訓を生かして研鑽を積んでいきたいと思います。
(問)現状としては、今の組織を前提として運用の仕方の向上を図っていくという認識でよろしいでしょうか。
(答)結構だと思います。

(以上)