竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年8月28日

(令和2年8月28日(金) 11:13~11:20  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 4件ほどこちらからの報告があります。
 1つは、科学技術・イノベーション基本計画の「検討の方向性」の案についての報告でございます。実は来年度から次期科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性、計画の方向性を今回取りまとめたわけであります。少し中身を簡単に申し上げますと、これから計画について御検討いただくわけですが、そのたたき台という意味のものでございます。中身を少し申し上げますと、検討の方向性としては、1つはデジタル化の遅れをどう対応していくかということ。それから、2番目に技術発見争い、米中との技術発見争いがございますが、その中において我が国におけるSociety5.0の実装をどう実現していくかといったことが検討課題になろうかと思います。要はイノベーション力の強化という部分が一番の大きい課題なのですけれど、その中において特に研究力を強化すること、人材を育成すること、それからそれに必要な資金の循環を良くするといったことが中心になろうかと思っております。様々なステークホルダー、関係者から意見を聞きまして、年内を目途に素案を取りまとめていきたいと思っております。要は、科学技術がリスペクトされる社会、それを構築することが一番重要なことであると、そういう認識のもとにこの作業を進めてまいります。それが1点です。
 2番目に、スタートアップ・エコシステム拠点都市の推進協議会の開催についてでございます。スタートアップ・エコシステムの拠点都市としてグローバル拠点都市を4拠点、推進拠点都市4拠点を既に選定したところでございます。ところで、本日1時半から「スタートアップ・エコシステム拠点都市推進協議会」の第1回目を開催いたしたいと思っております。私と18自治体の首長と、ほとんど首長参加でございますが、首長等によるオンライン会議を行うわけでございます。どうぞ取材をしていただきたいと思います。
 3番目に、実は今後の予定でございますけれど、8月31日来週の月曜日に、渋谷スクランブルスクエア・キューズ、QWSと言っておりますが、このQWSにおいて会合を開きます。ここを訪問いたしまして、東京におけるスタートアップの皆さん方の頑張りの現場の声を聞きたいと思っている次第でございます。御承知の方は多いと思いますが、渋谷スクランブルスクエア・キューズは東急、JR東日本、東京メトロが事業主体となって昨年の11月に開設されたものであります。素晴らしい施設だと聞いておりますけれど、渋谷の交差点を眼下に見下ろすという非常に素晴らしい環境の中で、スタートアップ、大企業、クリエイター、大学等が交流する場となっているわけでございますが、その現場を視察したいと思っております。既に類似のものとしては、この間虎ノ門のこういった類似施設を見ましたけれど、その前には大阪も同じようなものを見ております。いずれにしろ、各地域の特色が非常に活かされておりますので、非常に期待をいたしているところでございます。
 それから、もう1つ、これも来週の月曜日、8月31日でございますけれど、NEC本社ビル内に開設されております「NEC Future Creation Hub」、展示施設でございますが、それを見ていきたいと思っております。言うまでもなくNECは衛星画像、それから顔認証技術等に優れたものを持っておりますので、その現場を見ていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)先ほどの第6期科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性についてなんですけれども、大臣の考える今回の計画の目玉というのはどこら辺だと思いますか。
(答)そうですね、1つは将来データが活用される社会を構築することが大事だと思っております。
 その方向に向かって進んでいくわけでございますが、先般私自身が和歌山県の白浜町を訪問いたしまして、このスマートシティの現場の取り組み状況を見てまいりました。キャッシュレスで全ての活動ができるという非常に素晴らしいことだろうと思っておりますが、前提としてやはり、それに必要なデータが整備されているということが必要だろうと思います。
 分かりやすい例でいきますと、例えば今回のコロナ対策においても、台湾は非常にうまくやったと言いますけれど、日本が遅れているとも言われました。しかし、その前提としてのデータが台湾にはもの凄く揃っていた。こちらは揃っていない。この差なんです。
 台湾は前回、別の災害に、疫病に見舞われておりまして苦い経験をしておりますから、マスク等の整備、そしてそのどこに幾らあるかということも全部データとして備えていたんです。我が国はそういう過酷な経験がないものですから、残念ながらそのデータを整備しておりませんでしたので、どうしてもマスクの把握等についてもデータの利活用が十分でなかったという経験があります。
 そういう意味におきまして、データが大前提になる社会がこれから始まっていくということでございまして、そういったものを整理する中で、サイエンスをリスペクトする社会になっていけば良いと思っている次第であります。
(問)先日大臣は、アメリカ宇宙軍の作戦部長と会談をされたと思いますけども、その時のテーマ、どのようなことを話し合ったのか話せる範囲でもし分かれば教えてください。
(答)先般、(アメリカのペース国家宇宙会議事務局長と)レイモンド宇宙軍作戦部長、(将軍)が来られまして、日米間の宇宙関係に関する対話が主目的で来ておられまして、私に会われた後、安倍総理に会われて懇談をされたと聞いております。
 アルテミス計画で日米協力を約束しておりますし、準天頂衛星に米国のセンサーを搭載するという計画もございまして、それに合意をしているのですけれど、そういった問題も含めて日米の協力のあり方、どの分野でどの程度やっているかという相談をしたということでございます。

(以上)