竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月31日

(令和2年7月31日(金) 10:53~11:00  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 3件ございまして、1つは先週京都市、神戸市の起業家支援者との意見交換会をやりました。まず京都は28日に行ったのですが、妙心寺、1400年ぐらいにできた古い寺ですが、そこでスタートアップの人たちとの意見交換を行うとともに、京都の経済センターを訪問しました。(妙心寺での意見交換では)京都市長、京都府副知事も参加したのですが、非常に面白かったです。妙心寺というのは応仁の乱の前にできたところで、50年前に私が海外留学に行くときに日銀総裁の黒田さんとか、江田五月君とか、江田さんは法務省、黒田さんは財務省、私は他の役所ということで十数人がそこで1泊で研修を受けたところです。非常に、日本人精神を忘れないようにということなのか、そんなことで意見交換をしました。京都らしいある種の良さ、文化、歴史が古いところですから、そういったものをにおわせるような、例えばものづくり産業、工芸品産業といいますか、着物とか西陣といったものを使ったベンチャーが多かった感じがします。あとは、大学関係のいろいろな医療、あるいは宇宙といったようなベンチャーの御提案が多かったと思いますが、いずれにいたしましても京都の産業界は非常に熱心でございまして、経済センターというのをつくってそこでいろいろな分野の人が集まれるように、ワンストップでそこでいろいろな関係者と出会えるような拠点をつくっております。河原町の一等地にです。オムロンの亡くなられた立石さんという方が非常に熱心で、商工会の会頭だったのですが、実はコロナで亡くなられたと、そう聞きまして非常に痛ましいことなのですが、きちんと遺産が残っておりました。翌日に神戸へ行ったのですけれど、神戸は兵庫県知事と神戸市長と同席の上、神戸の大学を中心としたベンチャーが多かったように思います。そして医療も多かったように思いますけれど、やはり、私が申し上げたのは、神戸は大震災に25年前に遭っています。それで、支点機能が相当失われているんです、港湾機能とか。ですから、こういうベンチャーで、もう一度大きい声を上げて世界に雄飛するようなユニコーンが出てくれば良いのではないかという励ましのお話をさせていただきました。それが両都市におけるベンチャーの人たちとの会合でございます。
 それから7月22日水曜日ですけれど、小泉環境大臣とともにアストロスケールの視察を行いました。アストロスケールというのはベンチャーで、宇宙ごみを収集するプロジェクトを立ち上げておられます。もちろんJAXAも関係していると思いますけれど、宇宙ごみが宇宙で増加している状況の中で、宇宙ごみを収集することが絶対に必要でありますが、今、その宇宙ごみを、自分がつくったごみを回収する義務付けはなされておりません。これは大変なことなのでありまして、環境大臣の小泉さんもこのことは本当に私と同じ考え方でございまして、是非そこに日本の技術と日本の企業が大きく頭角を現して、実績をつくって世界に訴えていこうという思いでこの現場を視察させていただきました。年内に(宇宙ごみ除去のための技術実証衛星を)打ち上げされるということでございます。ただ、宇宙ごみを回収するにはコストがかかりますから、そのコストを誰が負担するかということについては何の規定もないのです。しかし、そういう事業に民間の資本が投資をしておりまして、彼らもこれがもし成功すれば、将来必ずコストの負担原則ができてビジネスにつながると考えているということです。
 それから、ジャパンサーチの公開日でございますが、去る月曜日、27日になりますけれど、ジャパンサーチ正式版を8月25日に公開することを発表いたしました。ジャパンサーチは、国の分野横断的な統合ポータルサイトでございまして、国会図書館の蔵書を含む諸々の情報がこのポータルサイトで検索できるということでございます。内閣府がこの管理をしているのですけれど、コロナの影響も多少あるのですが、多様なデジタルコンテンツに関する情報が今まで以上に網羅的にアクセスできることになるということでございます。

2.質疑応答

(問)ムーンショット目標なんですけれども、今、7つの目標に向かってPMの公募が行われていますが、新しい目標をこれからもつくっていこうという話がありますけれども、大臣としては新しい目標についてどんなことを期待したいと思っていますか。
(答)今、おっしゃるとおり7つあるんですけれど、これ以外に若い人たちがこういうことをやってみたいという思いがあると思うんです。それで、若い人たちに集まっていただいて、来年の春から夏ぐらいとも考えていますが、こういうことをやりたいと御提案をいただいて、それをムーンショットとして、1つないし2つ仕上げていこうかと思っております。
 どんなものがあるかというのは、全く、私たちがこんなことを言うのもおこがましいというか、若い人たちにどんどん考えていただく、若いジェネレーション用のムーンショットと理解をしているんですけれど。
 ただ、ムーンショットは世界的に非常に関心がありまして、問い合わせがもの凄く多いんです、これに限らず。コロナという予測もしていなかった災害を経験して、これからの世界がどうなっていくのだろうかと、どこにどういう住まい方で人間の幸せが存在するのだろうかと、こんなことに思いをはせますと、日本の今までやってきたことが結構諸外国から関心の的になっているところがございまして、悪いことではないと思いますが、しっかり努力をして、若い人のアイデアでムーンショットをやってみたいと思っております。

(以上)