竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月21日

(令和2年7月21日(火) 11:11~11:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらから報告することが二つございます。
 一つは、アラブ首長国連邦、UAEの火星探査機の打上げが成功したというニュースでございます。先般、このUAEの科学技術担当大臣のサラさんという方が来られまして、日本の技術でUAEの衛星を打上げると。火星の周辺を回る衛星ですけれど、その打上げが見事成功したということであります。この衛星の名前はHOPE、ホープと命名しておりまして、アラブ首長国連邦の科学技術に対する意気込みを感じさせるような名前であります。つまり石油資源も有限ですから、いずれなくなるということを念頭に置いて、国の生き方を模索しておられるわけでありまして、その中の一つが科学技術だということで今回衛星を打上げられたということであります。それが一つです。
 それから、明日22日午後に、宇宙ごみ除去のベンチャー企業であるアストロスケールに、私も半年ぐらい前に視察をしておりますが、小泉環境大臣と一緒に視察をしようと思っております。共に問題意識としては共通しておりまして、小泉大臣の方は環境対策として宇宙ごみは放置できない、私の方は宇宙開発を担当する立場から、日本がその立ち位置を主張するには、この宇宙ごみの処理や宇宙ごみへの対応のルールづくり等を国際社会に提案していくのも良いのではないかという思いも持って、2人でいろいろ打ち合わせをしております。その一環としてテストケースとして打ち上げるのがアストロスケールです。随分思い切ったプロジェクトでして、多額の資金を集めて開発し、打上げ、宇宙のごみを拾い、処理するプロジェクトであります。日本の宇宙開発の規模は世界で4番目か5番目ぐらいだと思いますけれど、こういう技術を基に宇宙の競争の中でその存在感を発揮できれば良いと思っております。予算は、前回申し上げましたとおり宇宙関係は3,600億円ぐらいですが、EUが1兆円、アメリカが5兆円でございますので、雲泥の差はあるのですけれど、アメリカからはアルテミス計画の協力を要請されておりますし、合意をしております。そのように日本の存在感を発揮する一環としても、宇宙ごみの除去にしっかり力を尽くしていきたいと思っております。明日午後、小泉環境大臣と一緒にアストロスケールの現場を視察します。

2.質疑応答

(問)昨日のH-2AロケットのUAEの衛星打上げの成功なんですけれども、今回の打ち上げ成功の意義についてどのように捉えているでしょうか。
(答)一つは、打上げの成功率が98.2%ということで、非常に高いのではないかと思って、これが国際社会における日本の宇宙技術の信頼性の実証にも役立っていると私は思っておりまして、良かったと思っております。
 それからもう1点、今回は民間の技術です。宇宙産業として民間がもっともっと活動してくれると一番良いと私も思っております。やはり民間主導で宇宙開発を進めることは非常に大事だろうと思っております。要は、宇宙に投資をし、宇宙の開発をすることがビジネスになるというシステムづくり、環境づくりがやはり必要だろうと思っています。

(以上)