竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年7月14日

(令和2年7月14日(火) 11:15~11:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 2点こちらから報告するものがございます。
 1つはスタートアップ・エコシステムの拠点都市の選定についてであります。選定結果は、グローバル拠点都市として東京圏。これは東京、川崎、横浜、和光、つくば等が入っているわけですけれど、それが1つ。それから名古屋、浜松を中心とする中部の都市圏。それから関西圏、大阪、京都、神戸、3つの都市が含まれております。それから、福岡市。この4つのコンソーシアムを選定いたしました。さらに、ここに至らないというか、それより規模の小さい推進拠点都市として4つ選んでおります。1つは北海道圏、札幌等であります。2番目は仙台、3番目に広島、4番目が北九州。この4つのコンソーシアムを選定いたしました。拠点都市として選びますと、ここにスタートアップが成長する環境を積極的につくろうと思っておりまして、例えばSBIR制度等の助成制度がありますが、積極的にそういうものを取り入れて応援をいたします。そのほか、諸々の各省が持っている助成金等も集中的にここに投下していきたい。そうすることによって、アメリカにあります類似のものに比肩するような、大きいスタートアップの拠点をつくっていきたい。それが日本のこれからの産業を支える大きい拠点になることは間違いないと思っているわけでございます。コロナを経験しまして、これからの世の中がどう変わるかと非常に危惧の念もあるのですけれど、ぜひこの拠点都市を中心に若者がどんどん集まって新しいアイデアを出していただいて、シリコンバレーに比肩する日本流の成長拠点をつくっていきたいということでございます。非常に力を入れたものでございますので、ぜひその旨、皆さんも御承知おきいただきたいと思います。
 もう1点は、本日、宇宙関係で「新宇宙基本計画の実行に向けた政府関係府省連絡会」を開催いたします。アフターコロナとなりますと、ニュー・ノーマルという生活形態、産業形態が想定されるわけでございますけれど、必ずしも良いことばかりではないだろうと思います。そういう目で日本の将来を見ますと住宅はもう800万戸以上の余剰があるという状況で、自動車も自動運転の時代になりますから、それほど無茶苦茶な成長産業でもない。宇宙というのは日本の技術力をもってすれば、必ず大きく日本の産業を発展させる産業のフロンティアになるのではないかと思っております。ですから、ここに力を入れていきたい。今現状を見ますと、日本の宇宙関係予算は3,600億円です。ヨーロッパが約1兆円、そしてアメリカは5兆円。ですから、アメリカと日本の予算を比較すると約15分の1でございます。何とかしてせめて、ファーストステージとしてEUと同じぐらい、1兆円ぐらいの予算を持ちたいと思っております。もちろん内閣府だけではそういう予算は獲得できませんので、各省に宇宙関係の予算を増やしていただきたいと、こういうお願いを本日しようと思っております。例えば、準天頂衛星で自動運転に役立っておりますGPS等は国交省も関係いたします。また、宇宙作戦隊を持っております防衛省、これも現在はスタッフが20名ぐらいで、やがて100名にするといいますけれど、それは地上におけるスタッフの数だけでありまして、防衛の関係で宇宙に人工衛星を打上げたり、いろいろことをやってもらえればありがたいという思いで、各省に宇宙関係予算を増やしていただきたい、そうして日本の経済のフロンティアをつくりましょうと、こういうことの呼びかけをする会議を本日行います。

2.質疑応答

(問)先ほどのスタートアップ・エコシステム拠点なんですけれども、先ほども少しだけ御説明があったんですが、具体的にどういうような支援を行うのか、なるべく具体的に幾つか教えていただければと思います。
(答)1つはSBIR制度というのがございます。これは中小企業の支援制度であります。経産省を中心にやってきている制度なんですが、それを内閣府に移しまして、各省に対して目配りをして、類似の助成制度があれば積極的にそれをやっていくということであります。
 エコシステムでございますので、育てるという意味がございますので、たとえばファーストステージ、最初の段階からプロジェクトファインディング、プロジェクトフォーメーション、そしてフィージビリティスタディ、そしてスタートアップといくわけですが、各段階において必要な助成制度がありますので、それを積極的に活用していただくようにレコメンドをして、そしてそれを使っていただいて成長していただくと、このようなことをやります。
 もちろん、スマートシティとかスーパーシティと、他の構想もございますので、スマートシティで考えているようなこともこの拠点都市には当然集中してやっていくということでございます。
 シリコンバレーの場合は、政府主導ではありませんで、全く自力であれだけやっているのです。素晴らしいと思いますが、日本は自力だけで任せておいたらなかなかあのスピードに追いついていけない。しかし世界の経済を見ると、絶対にこれはやはりやらなければいけないと思っていまして、政府の応援の下でやっていただきたいということでございます。
(問)そうすると、たとえば助成制度なんかも、今後拠点のメンバーが応募すると加点されるというような、そういうイメージ。
(答)分かりやすく言えば、そういうことになろうかと思います。
(問)あと、今シリコンバレーの話が出たんですけれども、ライバルとして想定しているのはシリコンバレー以外に、例えばどんな拠点都市があるんでしょうか。
(答)例えばアメリカでも、ワシントン郊外とかニューヨーク近辺にも相当集まってきております。ですけれど、代表的なのはやはりシリコンバレーで、ライバルというか兄貴分という感じで、彼らのやり方、特に、投下資本、アクセラレータとか、あるいはベンチャーキャピタルとか、こういったお金を投入する機能が日本にはまだ十分ではありません。ですから、ここを拠点にしまして、海外からそうした人がやってきて、そうして投資をしてもらう。そういう何というか、あっせんもしなければいけないのかと思っております。
 ベンチャーの方が一番苦労するのは立ち上げの資金です。投資性の資金です。ですから、それを世界各国の勉強をいろいろしました。例えばイスラエルのインキュベータなども新しい技術があると、それはインキュベータという施設で研究を充実させて、お金をつけてそして発出させるわけです。儲かったら、もちろん資本を投下したところは利益の半分などを持っていくわけですけれど、そのようにイスラエルのインキュベータ施設は非常に成功していると思います。
 ですからそんなことを先輩たちとして横目で見ながら、ものによっては真似ることによって、日本でそういう若い人が夢を持ってこの場で活躍していただきたい。そして、世界的なユニコーンというのか、今、アメリカで180ぐらいユニコーンがあると思いますけれど、日本では3つとかあるいはゼロとか言う人もいます。ユニコーンの定義は1,000億円の資金を持つ企業ということでございますが、途中で例えば、日本ではJASDAQ等を経由してやっているものが3つぐらいあるようですけれど、それを20、30ぐらいに増やしたいと思っています。
(問)関連なんですけれども、拠点都市というのはもうこれで終わりでしょうか。それとも追加でまた。
(答)いや、当座はこの4つでいこうと思っています。それをしっかりしたものにすることがまず大事だと思って、これ以上のことは今のところは考えておりません。絶対ないというわけではありませんが、当座はこれでいきます。
(問)当座は4プラス4で進めるということで。
(答)はい。
(問)先ほど文科省の大臣会見の方で、はやぶさ2が12月6日に地球に帰還するという話が出たそうです。これまではやぶさ2は、さまざまな功績を得てきたわけですけれども、大臣としまして、はやぶさ2に対するコメントなどありましたらお願いできますでしょうか。
(答)昨年の11月に小惑星リュウグウを出発し、地球に向けて順調に航行している小惑星探査機はやぶさ2ですけれども、オーストラリア宇宙省等の関係機関との調整の結果、地球帰還予定日が今おっしゃったように12月6日に決定しました。一部、予定の変更がございますが、このリュウグウのサンプルが採集されたとみられるカプセルを地球近傍で分離をし、大気圏に再突入させて当該カプセルはオーストラリアで回収されることとなっております。一部予定の変更がございますが、こういうことでございますので。
(問)それに対して、何か大臣のコメントがもしありましたら、帰還に関して。
(答)はやぶさ2は非常に我々の期待が大きいものでございますので、カプセルを分離した後、さらに新たな探査を行うことも計画をしております。その計画の詳細はJAXAとともに検討しております。

(以上)