竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年6月30日

(令和2年6月30日(火) 11:03~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらからは2件報告事項がございます。
 一つは、第22回「宇宙開発戦略本部」会合の開催及び「宇宙基本計画」の閣議決定です。本日、持ち回り閣議で「宇宙基本計画」が決定されました。閣議決定に先立ちまして、昨日開催しました第22回「宇宙開発戦略本部」において総理から次の4点の指示がございました。一つは、アルテミス計画に見られますように、将来を見据えた技術開発や、日本人宇宙飛行士の月面での活動など、新たなフロンティアの開拓に主体的に取り組んでいこうということが1点になります。第2点は、準天頂(衛星)システム「みちびき」について、農作業の自動化やドローンによる無人配送、災害対応力の充実などの実現に向けて7機体制の確立に取り組もうということでございます。3点目はスペースデブリ対策であります。スペースデブリが相当多くなってきておりますので、これに対する対策を立てなければいけないということです。第4点は、「自立した宇宙利用大国」の実現に向けて取り組むということでございます。先般、アメリカのクルードラゴンが打ち上げられまして成功したんですが、アメリカもそれまではロシアに頼っていまして、今回はアメリカの民間の力でやったということであります。各国とも宇宙の技術について自立した動きを見せております。我が国はアメリカやEUに比べて、予算が非常に少ないのが一つの問題でありまして、日本は年間3,000億円台の予算です。EUが1兆円で、せめてEU並みに予算を増やしていきたいと考えています。いずれにせよ、まず宇宙というのは少し別世界で、そういった専門家とか趣味の人がやっているという感じがありましたけれど、これからは我々の、僕がよく言うんですが、another worldでなくてour worldになってきたということで、真剣に取り組む必要があるだろうと思っています。
 2番目に、7月2日に福岡県に視察にまいります。これはスタートアップの関係者と会議を開きまして、スタートアップのエコシステムをこれから地域指定をするわけでございますが、それに先立ちまして、現実にどういう方がどういうことで困っておられるか、地域のどういう事情があるか、こんなことを視察に行って現地で会合を催して、そして資料を収集してやってきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)先日、脳科学の学会連合が新型コロナウイルスで自殺者が増えているので、脳科学とAIを組み合わせた対策とか新たな医療対策の構築が必要だという提言をまとめたんですけれども、政府としてはワクチンとか治療開発は進めていますけれども、メンタルヘルスの問題についての研究開発についてはどのように進めるんでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、6月25日緊急提言を受けております。ワクチン以外に精神神経疾患の研究開発について健康・医療戦略を閣議決定、3月にしているんですけれど、それに基づきまして精神疾患の客観的な診断法、障害の評価法、それから精神疾患の適正な治療法、さらには発症予防に関する研究開発に取り組むというところでございます。要は、心のケアについてはどうするかということも含まれるわけでございますが、これについては厚生労働省において調査研究の上、必要な取り組みを行っていくものと承知をしております。いずれにしろ、コロナというのはワクチンのみならずいろいろな対応を迫られる問題でございますので、スピード感と緊張感を持って対応していきたいと思っています。
(問)73歳の定年制についてお伺いいたします。衆議院比例代表の73歳定年制の廃止、または時期について、自民党内で若手とベテランとの間で署名合戦に発展しておりますが、竹本大臣の御所見をお伺いいたします。
(答)全く大臣としてではなくて、私、政治家個人としての見解でございますけれど、人生100年時代と言われる時でございますし、あらゆる制約、差別をなくして自由に競争して、そこで選挙民から選ばれた人があがってくると、そういうような仕組みにすべきだと私は思っております。全く個人的な思いでございます。諸外国においても年齢制限をやっているところはアメリカを含めほとんどないと思います。我が党だけがそれをなお持っている、衆参ともにです。参議院は69歳が定年なんですけれど、実際は80歳近い人も立候補しておりまして、実質定年制がないような感じになっている。衆議院の方は73歳、これをきちんと守っているということでございますが、どの仕組みがどうこうというよりも、そもそも国民の代表でありますから、国民というのは投票権のある18歳から100歳近くまでおられるわけですから、そのあらゆる世代の代表者がいて当然だと思いますし、そこに制約を課すのは私個人としてどうかと思います。フリーにやらせるべきだと思います。
(問)署名を集める若手の議員に対して何か思うことはあるでしょうか。
(答)若い人はあらゆる可能性があるんですから、そんな高齢者の制約をかけるような競争ですね、100メートルを走るのに高齢者だけに10キロの重量を持たせて一緒に走って勝ったとしても意味がないと、私は本当にそう思います。本当に自由に、平等にやるべきだと思っています。

(以上)